待て! 止さぬか! 儂じゃなかったら死んでおるぞ!! 作:一人称苦手ぞ。
話の途中ですが、これは書くって決めてたので挿し込みます。
十一月十一日。世間は、ぽっきぃあんどぷりっつの日……とかいうやつらしい。よく分からんが、この時期になると盛大に売り出されるお菓子があるとか。何とかいう日については興味が無いが、盛大に売り出されるお菓子には興味がある。と言うか食べたい。なので、わざわざ外出許可を取って被身子と共に買ってきたんじゃ。ぽっきぃとか、ぷりっつ……とか。既製品のお菓子を食べることは、別に嫌いじゃない。甘味であれば、外食は出来るしの。食事となると、てんで駄目じゃけど。儂の味覚は、被身子の手料理が一番じゃからのぅ。
……と、言うわけで。お菓子、買って来た。色んな味のやつを、沢山。たまには散財しても良いじゃろうと思ったので、大量に買い込んで見た。被身子はそんな儂を止めはしなかったが「絶対余るのでみんなに配りましょう……」と呆れ顔で言っておったわ。本音を言うと、儂も買い過ぎたと思っておる。
「というわけで、ポッキーゲームをしましょう!」
……は? ぽっきぃ、げぇむ……?
「ルールは、ポッキーを二人で咥えて食べ進めていくのです。途中で照れてポッキーを折っちゃったり、相手から離れたら負けですっ」
お、おう……。そう……なのか……? そう……。変な遊びがあるんじゃなぁ……。
で、それの何が楽しいんじゃ。って、おい。箱を開けるな。袋を破くな。中身を取り出して咥えるなっ。
「ふぁい! ほーぞ!」
……いや、やるとは一言も……。分かった、分かったからお菓子を咥えたまま迫るんじゃない。何でか、圧が凄い。目が逃さんと言っている。ところで、何で布団が敷いてあるんじゃ?
まだ寝るには随分と早い時間じゃと思うが……。それに布団の上でお菓子を食べるのはどうかと思う。あと、肩を掴むな。
まぁ、良いか。何じゃかよく分からんけども、遊びたがってるのなら相手をしてやろう。勝ちは譲らんがな。ふふん。
被身子に近付き、ぽっきぃ……の先端を咥えてみる。……甘い。これを食べ進めて行けば良いんじゃな? 折ったり、相手から離れたら負けか。ふむ……。
さくり。うむ、甘い。美味しい。たまには既製品のお菓子も悪くない。欲を言えば、もう少し甘いと嬉しいんじゃけども。まぁ、それは高望みか。
さくり。被身子の顔が、直ぐ近くにある。顔を見つめ合いながらお菓子を食べるのは、また何とも奇妙な……。そもそもじゃ、食べ物で遊ぶのは如何なものか。
さくり。……ううむ。そんなに見詰められると、気恥ずかしくなってくるの。何か負けた気がするから、見詰め返してみる。被身子の瞳は、……結構好きじゃ。そもそもこやつに嫌いな点など、特に無い。強いて言うなら、もう少し自重して欲しいんじゃけども……それもまぁ愛しいものというか。ほら、水清ければ魚棲まずと言うじゃろ? そんな感じじゃ、そんな感じ。知らんけど。
さくり。距離が大分近くなってきた。このまま行くと、唇が触れ合うのでは? それ自体は別に構わんが、ひとつ気になることがある。勝利条件を聞いていない。これは聞かねばならん。よし、今回は仕切り直しと言う事で……。勝負をするにあたっての条件を聞いとらんからの。じゃから引き分けじゃ。取り敢えず今咥えているこれは折ってじゃな……。
ぽきっ。
「もぐ。……のぅ、この遊び何をどうしたら勝つん、んん……っ!」
唇を奪われた。どころか押し倒された。ま、待て被身子……! それは、げぇむの趣旨とは違うじゃろ……っ!? 待て、舌を挿し込むなっ。絡めるな……っ!! こらっ、ちょっ、被身子っ!!
「ん、ちゅ……っ。んふふ、私の勝ちなのです! 円花ちゃんが折っちゃいましたからねぇ……♡」
「いや、何しとるんじゃ貴様っ。やり直し! やり直しを要きゅ、んん……っ。ぁ、ん……っ!」
反論しようとすると、また唇を奪われて黙らされた。き、貴様……! さては、儂と
「ん、んん……っ。ひみ、ふあ……!」
「今日の円花ちゃんは、とっても甘々なのです……♡」
……あぁ、もうこれ駄目じゃ。被身子が止まらん。すっかり獲物を前にした獣の顔をして……。それを見てしまった儂は、つい期待してしまって。
こうして。儂は突然、被身子に抱かれることになってしまった。嫌とは言わんけど、せめて少し待ってくれ。と言うかじゃなっ、今回のは勝負無しじゃろっ!? 儂に勝利条件を伝えずに一方的に勝負を挑みおって……! もう一回じゃもう一回! 次こそは儂が勝つからなっ!?
余談じゃけど。この日は三回挑んで、三回負けたわ。ぐぬぬ……! 被身子めぇ……!! 次は負けん! 絶対負けんからなっ!? 来年は覚えておけよ!!?
尚、翌年も盛大に敗北した模様。今回は、三回も目茶苦茶にされた模様。いつ何時も円花が勝てるわけないんだよなぁ!!
三人称による補完は要りますか?
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欲しい
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要らん
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良いから一人称で突っ走れ