待て! 止さぬか! 儂じゃなかったら死んでおるぞ!! 作:一人称苦手ぞ。
寝落ちしてました!!!
取り敢えず、じゃ。
悪党共は全員拘束した。くらすめえと達は、怪我一つしとらん。まぁ芦戸は自らの個性で手のひらが少し焼けてしまったが、そこは自傷じゃから今回は見逃してやらんでもない。緑谷も呪力を使ってしまったが、相手は呪詛師じゃったからな。ある程度は仕方ない。見たところ問題無さそうじゃし、当の本人も問題無いと自己申告して来おった。無論おおるまいとには後で報告させてもらうが、儂としてはそこまで目くじらを立てなくとも良い気がする。……というのは、甘い考えじゃな。後でしっかり、緑谷だけは叱っておくとしよう。
とにかく。誰一人とて、悪党共に傷付けられることなく、悪党共を取っ捕まえることが出来た。それ自体は喜ばしいことじゃ。褒めてやっても良いし、実際に褒めてやった。二度目の戦闘に関わった連中は、まぁ全員頭を撫でてやることにした。峰田は除いた。一人だけ褒美が無いのは可哀想な気がしたが、猛然と
まぁ反省点は色々有るんじゃけど、それについては後で口酸っぱく言ってやるとする。
浜辺での戦いの後。儂等はしっかりと拘束した悪党を、奇跡的に無事じゃった島の診療所に運び込んだ。何せ三人中二人が大怪我じゃからの。悪党如き野垂れ死んでも良いとは思うが、くらすめえと達も人殺しになってしまうからの。儂自身も人殺しはしないと決めておるから、まったく面倒なんじゃけど命は助けてやることにした。島の医者を説得するのは、案外簡単だったのが幸いじゃ。島の医者は「幾ら悪党だもとしても、その前提として人。そして患者は患者。なら、助けるのが医者ってもんだ」と納得はしていない顔で治療を施してくれた。もっとも、やれることに限りがあるので早いところ設備が整った病院に運んだ方が良い……と言っても居たがの。
それについては、問題無かった。本島から、筋肉阿呆や翼男、あとは雄英教師が数名も駆け付けたからの。ついでに警察や公安もじゃ。ながんの腕輪やら首輪やらを壊した件については、盛大に叱られたわ。が、それ以外のお咎めは特に無い。儂も、ながんもじゃ。今回は非常事態ということで見逃すと七山は言っておったの。
……そうそう。悪党達は全員、
ちなみに、じゃけど。ないんの両腕は傷が塞がっても動きに支障が出るらしい。それと、獣面の方も無事ではない。左目が使い物にならないと医者は言っていた。今回の戦闘の場合、
……流石にやり過ぎじゃったなと、反省している。人殺しの寸前まで行っていたのは事実じゃからの。獣面が特別頑丈な肉体をしていなければ、間違いなく死んでいたらしい。そうじゃよなぁ。最後に蹴り飛ばした時、嫌な音が聞こえたものなぁ。
……人殺しは、駄目じゃ。より一層、気を付けなければ。
「ん、んん……っ。……んぅーー……っ」
直ぐ隣で、儂を抱き枕にして寝ている被身子が何やら不満気に呻いた。夢見が悪いんじゃろうか?
今日は色々有って、結局
まぁ問題が有るとすれば、疲れてるのに寝れないってことなんじゃけど。今日は、どうにも寝付きが悪い。何で、じゃろうな? たまにはこんな夜があっても良いかと思ったし、そのうち眠くなるじゃろと思っていたんじゃけど……何か……寝れん。
ずっと起きてると被身子が寝ようとしない気がして、瞼を閉じて大人しくして居たんじゃけど……被身子が先に寝てしまった。気を張って儂を待っててくれたからの。儂の顔を見るまで、ずっと緊張してたようじゃから……その疲れが出たんじゃろう。
うぅむ……。こうなるなら、今宵は
「……ん、ふふ……」
……こやつ、いったいどんな夢を見てるのやら。さっきから呻いたり、笑ったり。寝てるくせに表情を次々と変えおって。かぁいいから、別に良いんじゃけども。
それにしても、被身子の寝顔を至近距離で見続けるのは……珍しい機会なような気がする。この際、楽しんでおくか。被身子曰く、好きな人の寝顔はいつまでも見てられるもの……らしいからの。実際にその通りなのかは、知らん。儂が起きる頃には、だいたい被身子は起きてるからの。
よし、せっかくじゃ。今宵は寝付けないんじゃから、この寝顔を眺めて過ごそう。そうしよう。
……じぃいい……。
「……んぇ……? んん、んんん……っ。ごめん、なさい……。寝ちゃってまし……ふわぁ……」
……は? いやいや、何で起きるんじゃ。お主の寝顔を眺め続けようと思ったのに、何で起きてしまうんじゃ。寝ろ、今直ぐ寝直せっ。解せぬぅ……!
「んんむぅ……。今夜は寝れない、んですね。どうかしましたぁ……?」
「別に、どうもしとらんが?」
「えぇーー……? 今日の円花ちゃん、いつもより寝付きが悪いなーって思ってたんですけど」
「……まぁ、そうじゃけど」
見透かされていた。これはこれで、解せぬなぁ……。解せぬが、まぁ……良いか。どうせ被身子に隠し事など、ろくに出来ないんじゃし。
頭が撫でられる。より強く、抱き締められる。何じゃもぅ、そんな風に甘やかしおって。甘やかすのは、儂の特権なんじゃけど?
「何か考え事、ですか? それとも心配事? あ、もしかして……えっちしたいとか!」
「どれでもないわ、たわけ。単に寝れぬだけじゃよ」
「……それはそれで、珍しいのです。ヨリくんて、お布団でぎゅーーってされると直ぐにスヤスヤなのに」
「……」
いや、まぁ。それは事実じゃけど。したりされたりしとる時以外は、直ぐに寝てしまう。じゃってこやつ、儂を寝かし付けるのが異様に上手いんじゃもん。じゃけど、どうも今晩は儂の寝付きが異様に悪い。……何でじゃ? 疲れてるから、寝てしまいたいんじゃけどなぁ……。
まぁ、たまにはそういう時もあるじゃろ。そんな日も有る。原因を探す気力も、今は無い。
「……ほんとに、どうかしました? 元気が無いのです」
「それは疲れてるからじゃ。……知らんけど」
何じゃろうな、これ。分からん。何も分からん。考えたくないんじゃから、分かる筈も無いんじゃけども。さては生理前日か? いやいや、次に生理が来るのは来年じゃ。今月はもう無い。無い……よな? 来るな、絶対に来るなよ。
それに、ほら。儂の場合、生理前日は性欲が強くなるから生理ではない。断じて違う。
……あぁ、何か考えるのも面倒じゃ。うぅむ……。
「……ぎゅぅう〜〜〜っっ」
「んぐっ」
力強く、抱き締められた。息苦しい。嫌では無いんじゃけども。こうされるのは、好ましく思う。被身子を、より感じられるような気がして。……別に儂は、こやつのような甘えたがりではないんじゃけども。
「ね、どうしたんですかぁ?」
「どうもしとらんよ」
「ね、どうしたの?」
「どうもしとらんて」
何じゃもぅ。何度も聞きおって。どうもしとらんったら、どうもしとらんのじゃ。じゃから、そんな心配そうにされても困る。儂は、大丈夫じゃから。ただ今は、寝付きが悪くて寝れないだけじゃ。問題無い問題無い。それにの、このまま心配されるのは……居心地が良くない。そんな顔をして欲しいわけじゃない。いつも通り笑いながら、触れてくれる方が好ましい。
ほら、じゃから。ほれ、せくはらしても良いんじゃぞ。今は許す。その代わり、儂もせくはらさせて貰おうかのぅ。やられっぱなしは性に合わんのじゃ。今度こそったら今度こそ、儂が勝つんじゃ。いつもいつも、勝てると思うなよ……!
「ひゃっ」
被身子に、覆い被さってみる。直ぐ目の前に、唇がある。ので、
……。……、違うな。そうじゃない。そうではないんじゃ。より正確に言うなら、そうでもないと言うべきか……。
理由は、知らん。分からん。確かなのは、気分が乗らないということ。被身子を抱くことに、今更抵抗が有るわけではない。抱かれたくないとも思わん。じゃけど……。
寝れもしなければ、気分も乗らん。気怠さだけが大きくなって、徐々に……息苦しくなって来た。気がする。……あぁ、これ。風邪か? さては風邪じゃな? そう……思うことにする。
「……ヨリくん……?」
「……気にするな。儂は寝る。お主も、寝ておけ……」
今は、何も考えたくない。寝れずとも、瞼だけは閉じておこう。そのうち、寝れるかもしれんしの……。
翌朝。儂は盛大に熱を出した。医者曰く、心因性……じゃとか。
三人称による補完は要りますか?
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欲しい
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要らん
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良いから一人称で突っ走れ