待て! 止さぬか! 儂じゃなかったら死んでおるぞ!! 作:一人称苦手ぞ。
ああでもないこうでもないと、何やら乗り気になったくらすめえと達が島民達と話し合い続けた結果。何故か祭りが開催されることになった。島は復興作業中なのに何故祭りをすることになったのかと言うと、現在の那歩島に居る者は働き詰めになってしまっているから……じゃそうじゃ。その慰安を兼ねて、また島が元通りになることを願って、こんな時なのに祭りを行うそうじゃ。開催地は、神社となる。これもまぁ、人助けの一環ということで
で、儂は浴衣に着替えてただ祭りを愉しめば良いらしい。その間、付いて回る
ともかく、話は勝手に纏まった。儂が横から口を挟む暇は与えられなかった。明日から一部の島民達と、くらすめえと達の半数程は祭りの準備。残りは引き続きの復興作業。今日の話し合いはお開きとなり、明日に向けて休息することになった訳じゃ。
その後。すっかり暗くなった夜道を歩いて宿に戻り、宿に戻って遅い夕食を済ませ就寝。寝る寸前まで、何やら被身子は楽しそうにしていた。後日、色々大変なんじゃろうなと気を重たくして儂は寝た。
で。その翌日。布団と被身子の腕の中で目覚めた儂を待っていたのは―――。
「じゃあ今日は、当日に何を着るか決めましょうか♡」
と、悪どい笑みを浮かべた被身子じゃった。何故寝起きから、嫌な予感で朝を迎えなければならないのか。解せぬ。が、それでもやるしかあるまい。儂はこの島の観光大使として役目を果たさねばならんからの。それがいつまで続くのかは知らんけども、逃げ出すことは残念ながら不可能じゃ。ここで儂が反対しようものなら、話が拗れて面倒な事になるのは確実じゃ。
欠伸をしつつ、寝起きで気怠い体を起こす。そしたら被身子も一緒に体を起こして、機嫌良さそうに服を着始めた。儂も服を着て、これからの事に備えるとしよう。取り敢えず、風呂じゃ風呂。朝風呂を堪能して、眠気を覚ましたい。それが済んでから、被身子の悪巧みに付き合うとしようかの。
「ぉ、おはよう……。まずは、風呂にせんか……?」
「そうですねぇ、お風呂にしましょっか! 念の為、綺麗に洗ってあげるのです♡」
「……良い。自分で洗う」
「まぁまぁ。そこは任せてくださいよぉ」
いや、任せたら何やらとんでもない事になりそうな気がするんじゃけど? まさか朝から、せくはらするつもりじゃなかろうな? 流石にそれは良くないと思うんじゃ。どうしてもしたいと言うなら、まぁ吝かでも……。
いやいや、いかん。いかんて。ここで流されてしまっては、余計に大変な目に遭うじゃろう。せくはらされないように、体を洗われる際は気を付けておかなければ。……何でセクハラに気を付けながら体を洗われなければならんのか、さっぱり分からん。我ながら、いったい何を考えてるんじゃか。
「写真撮影は、数日後じゃろ? 今から服を選ぶ必要は……」
「準備はしておかなきゃ駄目なのです。当日に慌てて服を選ぶのは、段取りが悪いですからねぇ」
「……まぁ、それはそうじゃけど」
「ですよねっ。服は神主さんが色々用意してくれるそうなので、お言葉に甘えちゃいましょう!」
神主が? うぅむ、それはそれで何かこう……嫌な予感がしないでもない。じゃってあの神主、何かこう……峰田に近い気配を持ってる気がしないでもない。同類って事は流石に無いじゃろうけど、近しい部類な気がしてならんのじゃ。何事も無ければ良いが。
取り敢えず、風呂に入ってしまおう。話はそれからじゃ。
「ん!」
被身子がこれ以上何かを言い出す前に、手を差し出しておく。そしたら被身子は嬉しそうに儂の手を掴んだ。最近、何処に行くにしても被身子と手を繋いでいることが多い気がする。まぁ良いか、被身子は嬉しそうじゃし。儂も、被身子が側にいる時は手を繋いでないと落ち着かん気がしてならん。
……愛情ってのは、膨れ続けると不便なものじゃな?
◆
「あ、来た来た。神主さーん、来ましたよー」
「そうですか。それはそれは、良いところに」
「え、ええんかな。復興作業中なのにこんな格好……」
「まぁ良いんじゃない? ウチ等も全員参加なんだし。っても、これは落ち着かないなぁ……」
「ケロケロ、とってもお似合いよ響香ちゃん」
風呂に入って朝食を食べて、それから儂と被身子はながんと共に神社にやって来た訳じゃ。そしたら、鳥居の辺りに普段とは様相が違う
「んふふ。みんなカァイイのです……! やっぱ浴衣姿は良いですよねぇ」
被身子も被身子で、ご満悦のようじゃ。くらすめえと達の浴衣姿を見て、楽しそうにしておる。……うぅむ……。これは、いかんかもしれん。
何がいかんって、理由は二つ。ひとつはこの後の事を想像して、なにか嫌な予感がしたから。もうひとつは、まぁその。少し気にいらんなと、思ってしまった。被身子の視線を奪った、
と、取り敢えず。深呼吸でもして、気持ちを切り替えよう。この後で大変なのは分かっとるんじゃから、妬いている場合では無いんじゃ。
「撮影するのは儂なのに、お主等まで浴衣なのか?」
「……廻道、昨日の話聞いてた?」
「昨日? あぁ、あれこれ話してたやつじゃろ? 聞いとる聞いとる」
確か、……ええっと……? 復興作業の息抜きとして、神社で祭りを開催すると。で、神主やら島民達が祭りの様子を写真撮影すると。で、その為の事前準備として今日は祭り当日に儂がする格好を決めに神社に来たんじゃ。うむ、覚えとる覚えとる。なのに何故、耳郎は儂を呆れた目で睨むのか。
「これは聞いてないわね……」
「廻道さんって、しょっちゅう人の話を聞いてないよね……」
「筒美さーん、どうにかしてくださーい」
「……はぁ。あんた、会議はちゃんと聞かなきゃ駄目だ。観光大使だろ?」
え、えぇ……? 何か呆れられた上に、叱られた。何でじゃ、話は聞いておったぞ? じゃからこうして、準備の為に神社に来たんじゃし。
「まぁまぁ、円花ちゃんはいつも通りに流されてれば良いのです」
被身子に肩を抱き寄せられた。ので、体を預けておくとする。そしたら、余計に
「じゃあ、ウチ等で説明するからちゃんと聞いてよ?」
「ぅ、うむ……」
「今日は、衣装合わせね。私達はエキストラとしてお祭りに参加するから、みんな浴衣を着ることになってるの。当日は、みんなで思いっきり楽しむのが撮影のコツ……かしら?」
「だから、此処に居て浴衣を着てるってこと。やから廻道さんも早いとこ浴衣着へんと、衣装合わせにならへんよ?」
……なるほど。そういう訳か。えきすとら? は何じゃか知らんけども、まぁ要するに祭りには全員参加するから浴衣を着ることになると。じゃから、
となると、儂もさっさと浴衣を着て衣装合わせをしてしまうとするか。あれこれと試着することになるんじゃろうけど、さっさと済ませられるなら済ませてしまおう。ただ、それはそれとして。
「被身子も参加するんじゃよな?」
「しますよぉ。円花ちゃんの自然な笑顔の為には、トガが必須なので!」
なら、良しとするか。撮影の事はよく分からんけども、被身子が居るならそれで良い。
この後。儂はくらすめえと達に引っ張られる形で神社の中へ。それから、ああでもないこうでもないと被身子を含めた
結局。儂が着る浴衣が決まったのは昼が過ぎて、おやつの時間になった頃じゃった。まさか浴衣ひとつを選ぶのに、こうも時間が掛かるとはのぅ……。まぁ、被身子は終始嬉しそうにしていたし、くらすめえと達も笑顔じゃったから良しとする。
写真撮影は、二日後。明日は、祭りの準備手伝いをすることになったから騒々しくなりそうじゃの。
三人称による補完は要りますか?
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欲しい
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要らん
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良いから一人称で突っ走れ