待て! 止さぬか! 儂じゃなかったら死んでおるぞ!! 作:一人称苦手ぞ。
お好み焼きに焼きそば、たこ焼きに……ふらんくふると。あと、唐揚げ。随分と
まぁ、儂はそうでもないが。やはり男子と比べると食事量は少ないし、他の
つまりじゃ。多少大量の料理が有ったとしても、実のところ問題は無い。全て緑谷と麗日の二人が食べ尽くすじゃろう。呪術師もそうじゃが、
かなり腹が減ってたんじゃろうな。一心不乱に食べ進めておるわ。会話も無い。そんな二人を見ながら、儂は綿飴を少しずつ食べ進めていたりする。
……うむ、甘い。ふわふわで、甘い。
原料を考えるとそこまで美味いものではない筈なのに、何で綿飴はこうも美味いんじゃろうなぁ。不思議じゃ。
「よく食べますねぇ。流石ヒーロー候補生……って感じなのです」
「食べんとやっていけんからな」
「肉体労働は過酷なのです。円花ちゃんは、みんなと比べたら少食ですけど」
「そうじゃの。そのせいか、太れんから困っとる」
「……太りたいんですか?」
「まぁの。もっと体重が欲しい」
これは、常々思ってることでもある。しかし困ったことに、この体は体重がまるで増えん。食べる量そのものも、あまり増やせないからの。普段より多く食べようと思っても、精々一口か二口しか食べれんのじゃ。
「昔から三食おやつは欠かさないのに、まるで太らないのは……ちょっとズルいのです」
「……そうか?」
被身子が、何故か白い目で儂を見てくる。食べる量に違いはあれど、お主じゃって同じ食生活をしてるが太ってはいないじゃろ。たまに体重計を睨んでるのは知っているが、そんなに気にする必要は無いと思うんじゃけどなぁ。
「そうですよぉ。まぁ栄養面についてはトガがバッチリ管理してるので、実は太る方がおかしいんですけど」
「なぬ?」
もしや、太れぬのはそれが原因か? いやしかし、健康で居られるのは被身子のお陰ということじゃし。これについて、儂がどうこう言うのは違うか。もう少し体重が欲しいのは事実なんじゃけれども、どうも太れぬ体質な気がしてならん。体重が足りぬ部分については、戦い方を工夫するしかないのかもしれん。真正面からの力比べは避けるべき、か? でもでもじゃって、真正面で殴り合うのが一番楽しいわけで。
……うぅむ……。どうしたものかのぅ。
「……ふぅ。廻道さんが太りたいのって、正面の近距離戦闘での欠点を無くしたいって事だよね? やっぱり体が小さいのと体重が軽いのは、弱点……だよね」
「それ、あんま弱点になってなくない……? 呪力とか術式で、体格差はカバー出来てるような……」
屋台料理を半分程食べ進めたところで、緑谷と麗日はようやく空腹が落ち着いたようじゃ。余程腹が減っていたのは分かるが、もう少しゆっくり食べたらどうなんじゃ? 別に食べ物は、逃げたりしないんじゃし。こういう所は、小さな子供と大差無い気がするの。
「これでも力任せに掴まれると、割りと無力じゃぞ? その辺りの対策は出来るが、やはり体重そのものを増やした方が手っ取り早いと思うが」
結局体が軽いと、踏ん張ろうにも踏ん張れない時がある。無論投げ飛ばされてしまっても、受け身を取って即座に反撃に転ずることは可能じゃ。何なら投げられてる最中に反撃することも出来る。そういう機会は、割りと多い。隙は作りたくないから、しっかり対策しておきたいんじゃけどなぁ。ただ基礎体力はともかく、体重を増やすことについては……やはりどうにもな。諦めてしまった方が良い気がする。
「んーー……。でも、円花ちゃんって幾ら食べても体重増えませんよね?」
「うむ、それが悩みじゃの」
「もう少しカロリーの多いご飯にします? でも、んん……。トガとしては今ぐらいの体型の方が好ましいんですけどぉ」
「へんたい。まぁ、このままで良いんじゃけどな。別の手を考えれば済む話じゃし」
まったく、仕方のない。でもまぁ、被身子が望むのであれば無理に体重を増やす必要は何処にも無いか。下手に太って動きに支障が出ても困るしの。今の体型を維持することも、大切なことじゃ。出来れば被身子の好みのままで居たいところでもある。
それと。儂は綿飴を食べてるんじゃから、そんなに腹を撫でるな。食事中のせくはらは止さぬか、たわけっ。へんたいっ!
「んふふ。やっぱりこれぐらいが良いのです。でも、呪術師としてはもう少し筋肉が有った方が良かったりしますか……?」
「体を鍛え抜くのが、呪術師をやって行く上での前提ではあるがの。まぁこのままで問題は無いぞ? 呪力強化に術式も有るしの」
もっと体を筋肉質にした方が良いのは事実じゃけども、今生ではそんなに筋肉を鍛えていなかったりする。前世と比べ呪力量が増大してるからの。それに、操作精度も比較にならん程に伸びとる。常々
まぁいずれは、もう少し筋肉質になりたいとは思うが。備えあれば何とやら、じゃからの。
「ところで。食べ終わったなら、これからどうする?」
「んふふ。そんなの決まってますよぉ。ダブルデートを堪能しないと、勿体無いのです!」
「んぶっ」
「う、麗日さんっ? だ、大丈夫……!?」
被身子の一声で、飲み物を飲んでいた麗日が盛大に噎せた。今は緑谷に背中を擦られておるわ。別に今更、だぶるでえと……ぐらいで大袈裟な反応をしなくても良いと思うが。ほら、文化祭の時にもしたことじゃろ?
「さ、撮影っ。撮影の為やから……! だから、デートとはちゃうよ……!? ちゃうからね!?」
「え? う、うん。那歩島の為に、頑張ろう……!」
そこで、
「と言うか緑谷。褒めてやらんのか?」
「げほぉっ!?」
「う、麗日さん!?」
また麗日が噎せおった。大丈夫かこやつ……。
「んふふ。どうせなら緑谷くんに褒められたいですよねぇ。今日のお茶子ちゃんは、気合入ってますもんねぇ」
「や、だ、だから……! これはそういうんやなくって……!!」
「揃いも揃って甲斐性の無い。そんなじゃから被身子に振り回されるんじゃぞ?」
「それ、円花ちゃんが言うんですか? 円花ちゃんだって立派に甲斐性無しなのです」
「ぷえっ」
おい、頬を摘むな。指先でつつくな。あと、誰が甲斐性無しじゃって? 少なくとも、未だ麗日を褒めてない緑谷よりは有ると思うんじゃけど??
「で、ぶっちゃけ今日のお茶子ちゃんを見てどう思います?」
「ど、どど、どうって……!?」
今度は緑谷が動揺し始めた。被身子が単刀直入に質問するものじゃから、つい麗日を見て即座に目線を外す。取り敢えず、今の麗日に思うところは有るようじゃ。なら、それを素直に口にすれば良いと儂は思うが。麗日が被身子みたいに拗ねても、儂は知らんからな? 儂は被身子で手一杯なんじゃから。
「うーーん……。これはお手本が必要ですかねぇ……」
「二人揃って奥手じゃからのぅ。まぁ、お似合いではあるか」
「……」
「ん? 何じゃその目は」
被身子が白い目をしている。……何故? 何じゃ、言いたいことが有るなら言わぬか。言葉にしなければ伝わらんぞ?
まぁそれはそれとして、手本か。そんなもの、最近の儂等を参考にすれば良かろう。人目も気にせず求め合うようになってしまったからのぅ。思い返してみれば、中々やらかしておる。すっかり座敷牢での過ごし方にも慣れてしまったし。
「うーーん……。二人にはまだ早かったですかねぇ……」
「そうか? このくらいなら出来るんじゃないか? ほれ」
「んふふ。すっかり人前でもイチャイチャ出来るようになったのです。奥手な円花ちゃんにしては、凄い進歩ですよねぇ」
悪かったな、奥手で。仕方ないじゃろ、当時は気恥ずかしさが強かったんじゃから。それにこう、愛を示す……というのはそう簡単にするべき事じゃないと思わんでもない。少し前までは、簡単に口にすべき言葉ではないと思っておったし。今は、別に幾らでも言って良いんじゃけど。言いたいと思ったらな。無理矢理聞き出されるのは、まだ少し気恥ずかしいというか……照れるというか。
とにかく。被身子の言い分の正しさはさておいて、手本のひとつでも見せてやるとするか。まったく、手間の掛かる奴等じゃ。特に麗日、もう少し積極的になって良いんじゃないか? 緑谷はこんなじゃから、言わねば伝わらんし伝わったとしても振り回してやらんと素直にならんかもしれんぞ。
二人に見せ付けるよう被身子と手を繋いで、ついでに少し距離を縮める。そしたら、被身子の方も少し儂に近付いた。あ、そうじゃ。手本と言えばじゃな……。
「被身子、浴衣似合っとるぞ。かぁいい」
「えへへぇ。円花ちゃんも似合ってますっ」
「んむっ」
こらこら。急に
「ん、ちゅ……っ。んふふ、今日の円花ちゃんは甘々なのです……♡」
それは、綿飴を食べてたからじゃろ。唇を舐めるなっ。口を開かせようとするな……! こらっ、被身子!
……この後。たっぷり被身子に
うぅむ……。この調子では、今回もこの二人は進展しそうに無いのぅ……。
バカップルに懐柔されそうでされない緑茶です。
三人称による補完は要りますか?
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欲しい
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要らん
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良いから一人称で突っ走れ