待て! 止さぬか! 儂じゃなかったら死んでおるぞ!! 作:一人称苦手ぞ。
両親から聞いた話によると、愛知県泥花市に母の生家……つまり五条家が有るらしい。まさか、隣の県に有るとはの。何なら愛知には何度か足を運んでるわけじゃから、知らず知らずの内に近くを通っていたかもしれんな。しかし駆け落ちしておきながら、何じゃって二人は静岡に引っ越したんじゃか。父の転勤が有ったとは言え、愛知に近付くべきではなかったのでは……?
いやまぁ、恐らくじゃけど静岡に引っ越すにあたって
……とにかく。これからどうすべきかの方針は決まった。両親が反対しようとも、現代に残った五条家に儂は赴く。もしかしたらそこに、被身子を元に戻す方法が有るのかもしれん。そうであって欲しい。そうでなくては、……困る。
もし、もしも何も無かったら……。被身子を元通りにする術を得られなかったら……。そう考えると、心が竦む。何も無い可能性も有るけれど、それでも今は……縋るしかない。五条家に何か有ると、そう思わなければとても平静では居られない。
大丈夫。きっと、きっと大丈夫じゃ。被身子を元通りにする方法が有る。絶対に有る。今はそう信じて、動くしかないんじゃ。
明日。ないとあいが、この家にやって来るそうじゃ。あんな奴ともう一度顔合わせをすることになるとは思わなかったし、顔を合わせたいとも思わん。が、被身子の為じゃ。過去の事は水に流して、頭を下げてでも協力を頼まなければ。
「むーー……っ」
実家の私室にて。窓際でこの先の事を考えていると、被身子の呻き声が聞こえた。何事かと思って振り向いてみれば、畳に寝転んで勉強していた被身子が頭を抱えて唸っている。表情が険しい。どうやら、勉強が上手く行っとらんようじゃ。
……儂も、勉強するとしよう。休学明けに困らぬように、これまでの授業の復習とかしておかねば。あと、予習もじゃな。ここ最近は呪術師ばかりで、勉強なんてろくにしてないからのぅ……。ええっと、二学期分の課題はどこまで進めておったっけ……?
被身子の邪魔にならぬよう気を付けながら、机の横に置いてある鞄に向かって歩き始める。が。
「むぅううっ」
「ぬお……っ!?」
転びそうになった。思わず足元を見てみれば、被身子の足が絡まっとる。儂は迂回しようとしたのに、何でこうなるんじゃ。さては被身子、儂の足に足を絡めおったな……? 危ないじゃろ、何をしとるんじゃお主は……。
「ちょっとこっち来てください」
「……いや、儂も勉強……」
「良 い か ら っ」
「ぅ、うむ……」
勉強が思うように進まないからか、被身子はとても不機嫌じゃ。例によって例の如く、圧が凄い。今の被身子に逆らうのは、良くないの……。しかし、その……。今は、手放しに甘やかして良い状況ではないし……。普段通りに甘やかすなんて真似は、許されない気がしてからん。
それに……普段通りに接して良いものなのかと、つい考えてしまって……。
「ここですここっ。ほら早く、座ってくださいっ!」
「す、すまん……」
被身子が畳を叩くものじゃから、指示された通りにするとしよう。渋々では、あるけれど……。
言われた通り畳に座ってみると、儂の膝に被身子の頭が乗せられた。寝転んだままのこやつは、不機嫌な顔のまま再び教科書と向かい合う。儂も勉強しようかと思ってたんじゃけどなぁ。こうなってしまったら、しばらくは枕になっているしかないじゃろう。儂は勉強の邪魔にならぬよう、静かにしているとするか。
「八年も勉強してなかったから、すっかり忘れちゃってるのです」
「……すまん。儂のせいで……」
「謝って欲しくなんかないです」
「……んん……」
どうやら。勉強が上手く行かんのは、儂の記憶を体験していたことが原因のようじゃ。それも申し訳なくて仕方ない。被身子はずっと勉強を頑張って来たのに、その努力を無駄なものにしてしまったような気がして。じゃからその事も含めて、謝りたい。何度だって、謝りたい。じゃけど被身子は、儂の謝罪を受け取ろうとしない。頑なに、突っぱねて来る。謝罪を受け入れられて楽になりたい訳ではないが、それでも今の儂は謝ることしか出来なくて。じゃから、被身子の隣に居て良いものかと考えてしまって……。
……これが良くないことなんじゃろうと分かっていても、変えられそうにない。せめて、被身子を元通りにしなければ。そうしなければ、とても……顔向け出来ん。
己の愚かさと、無力さが腹立たしい。
「……言っときますけど、私はこうなったことに後悔なんて無いです。もし過去をやり直せたとしても、私はまたこうなれるように動くの」
「……どうしてじゃ?」
「だって、これで本当にヨリくんになれるじゃないですか」
「……何を、言ってるんじゃ……」
これで
まっこと、どうにかしていると思う。こういう事を口走るのが被身子じゃと分かっていても、どうにかしてると思わざるを得ない。
昔からこやつが、儂になりたいと思っていることは知っている。じゃから儂に変身して、儂の真似をする時がある。でもそれは、姿形を儂になぞっただけの真似事じゃ。
それでも、被身子は被身子じゃ。儂に変身しようと、儂の口調や仕草を真似ようとも、中身が被身子であることは変わらない。例え儂の記憶を経験したとしても、渡我被身子なんじゃから。
「……お主はお主じゃ。何を経験しようと儂に変身しても、渡我被身子じゃろ……?」
「円花ちゃんに変身してる時は、円花ちゃんですよぉ」
「いやいや、被身子は被身子じゃって……」
「円花ちゃんなんですぅーっ! もうっ、分からず屋が過ぎるのです……!」
えぇ……? いや、分からず屋なのは被身子の方じゃと思うが。儂に変身しようと、それは儂じゃなくて儂に変身した被身子なんじゃ。まったく、どういうつもりで儂じゃと言い張るのやら。
……まぁ。どうにも理解は及ばぬけれど、被身子がそう思いたいのなら否定はしないでおく。こうやって甘やかすのは、もう良くないから変えていかねばならんとも思うが。
思う……だけでは駄目じゃな。これからは、ただ甘やかし続けるのは……控えねば……。
でも。でも、じゃけど……。んんむ……。甘やかしてやりたいって気持ちは、やはり心の片隅には残ってしまって。これは惚れた弱み、なんじゃろうなぁ。
「……お主は、どうしてそんなに儂になりたいんじゃ?」
「むー……。わざわざ聞かなくたって、とっくに知ってるじゃないですか」
「それは……そうかもしれんけど。でもほら、確認は大事じゃから……」
どうして儂に変身したがるのか。どうして被身子は、儂と同じになりたいのか。それはまぁ……端的に言えば、個性と性癖が混じり合った結果なんじゃけども。
被身子は血が大好きで、同時に憧れた誰かそのものになることを幸せじゃと思っとる。じゃから欲しがれば血を与えるし、変身したいと思うならさせて来たつもりじゃ。
……わざわざ聞かなくとも、分かってる。分かってるけども、やはり今一度確認したって良いじゃろう? 今後は……きっと、甘やかしてばかりでは居られないんじゃから。
「憧れた誰かになりたいなんて、子供はみんな思うことじゃないですか。特にこの時代は、ヒーローに憧れる子が多いですし」
「儂は、ひいろおじゃない」
「ヒーローですよぉ。とっくの昔から、私にとってのヒーローなの。
……ちっちゃい頃からずっと私の側に居てくれて、私を助けてくれて。絶対見放したりなんかしなくって」
それは、仮に儂以外の誰かが先に被身子に出会っていても、そうしていたじゃろうて。あの日泣いていた被身子を放っておくような輩は、ただの薄情者か人の形をした屑ぐらいのものじゃ。そんな人間にはなりたくない。そもそもあの日のお主に声を掛けたのは、ただ儂の自己満足でしかなくってじゃな……?
「ヨリくんは、私にいっぱいの幸せをくれる人なの。だから、同じになりたいなって。ヨリくんそのものになりたいんですよぉ」
「……好き者め。こんな儂の、どこが良いんじゃか」
「そりゃあ蓋を開けてみれば世界で一番ポンコツですし、方向音痴で頑固者で意気地なしで……トガはたっっくさん苦労してるのです。
でも。良いとこも悪いとこも、ぜーんぶ愛してますから。だからぁ……っ!」
「ぐえぇっ」
お、おい……。おいこら被身子。急に飛び付いて、勢い良く押し倒すんじゃない。首に腕を回して、力を込めるな。呼吸し辛いじゃろ、たわけ……っ。
「いい加減、くよくよしないで欲しいのです。いつも通り笑って、いつも通り愛してくれなきゃ心外です。ここまで言って分からないなら、もうほんとに……一生監禁して分からせるしかないですねぇ……」
ん、ぐぐ……。ぁ、圧が……圧が凄い。冷ややかな笑みを浮かべながら、さらっと恐ろしい事を口走るんじゃない。まったく冗談に聞こえないんじゃけど? それに一生監禁なんて無茶な真似は、幾ら被身子でも流石に出来ぬと思うが。
「過去を引き摺って生きたって、ただ生きにくいだけなのです。過去は大事ですよ? 大切にしなきゃ駄目。
……でも。それにばっか気を取られて生きてちゃ、息苦しいだけです。生きにくいだけなのです」
「……まだ、過去になんて出来ん。お主を呪ってしまったことを、過去になんて……」
「……じゃあ。もし私を元通りに出来たら、一生側に居てくれるんですか?」
「……当たり前じゃろ。結婚するんじゃから」
むしろ、被身子を元通りに出来なければ結婚なんて出来そうにない。将来を誓い合う程に愛しい人をこの手で呪っておきながら、どの面下げて結婚するんじゃ。
「なら、もし私を元通りに出来なかったら?」
「……」
それは……。それ、は……。
「私から離れる……なんて考えてないですよね?」
「……ん……む……」
「そんなの、ぜーったい許さないのです。もしそんな真似したら、天国でも何処でも追い掛けて婚姻届に判を押させますから……!
そもそも。ヨリくんはとっくに私無しじゃ生きれないの!」
ん、んん……。確かに、被身子の言う通りではある。儂はとっくに、被身子無しで生きることが無理になっているからの。こやつが居ない人生など今更考えられないし、許されることなら最期の最期まで添い遂げたい。その気持ちは、どうしようもなく変わらなくて。儂はきっと、被身子だけは手放せなくて。
……良いんじゃろうか? こんな願望を抱いたままで。儂は被身子を呪ってしまったのに。何よりも手放したくない人を、穢してしまったのに……っ。
「そんな風にしょんぼりし続けるなら、色々大変ですよ?」
「……っ」
押し倒された。覆い被さる被身子が、不満そうじゃ。いつもなら楽しそうにしているくせに、今はとにかく不満そうで。きっと……儂がこんな調子で居続けていることが、嫌で仕方ないんじゃろう。
「……もぅ。ヨリくんの馬鹿、分からず屋。こうなったら、分かってくれるまで目茶苦茶にしちゃうのです……!」
不満顔のまま、被身子が迫ってくる。嬉しいとは思えん。じゃけど、跳ね除けることも出来なくて。
……結局。儂はこの後、被身子が飽きるまで目茶苦茶にされた。こんな時でもしつこく求められることが嬉しいと思ってしまったのは、我ながらどうにかしてるとしか思えんかった。
◆
休学になってから、一晩はゆっくり過ごした。平日なのに呪術師として活動しなかったからか、ぐっすり眠れた……ような気がする。夢見は最悪じゃったけども。内容は覚えていないが、被身子曰く大分唸されていたとか。冬なのに寝汗も酷かった。目覚めた後、取り敢えず水分補給と
寝惚けた父に言われて玄関を開けに行ってみると、扉の向こう側に立って居たのは……。
「いらっしゃい。……とは、言いたくないのぅ」
さぁ・ないとあい、じゃった。本音を言えば今でも殴り飛ばしたい。まさかまたこうして、面を合わせることになるとはの。人生は何が起こるのか分かったものじゃない。許されるものなら追い返したいところじゃが、残念ながらそうも言ってられん。身勝手な都合では有るけれど、今はこやつの協力が必要じゃ。
「……貴様のご両親に協力を求められた。お二人は?」
「居間じゃ。勝手に上がれ」
「では、失礼する」
思うところは有るけれど、今は藁にでも縋りたい。被身子を元に戻せる可能性が何処かに有るんじゃったら、何じゃってする。どんな代償であれ、払う。でなければ合わせる顔が無い。被身子の隣に居続ける為にも……。
『――反吐が出る』
……あぁ、そうじゃな。まっこと、その通りじゃ。日に日に近付いて来るいつかの儂は、もうずっと……何かを語り掛けてくる。でも、じゃけど。それでも被身子から離れたくないと思ってしまうのも事実で。
自分勝手にも、程がある。幾ら被身子が望んでるからって、それに甘えて過ごすなど。これまでと変わらずに過ごしたいと望むなんて。
毎日、幻聴を聴くようになった。ふとした時に、幻覚を見るようになった。かつての儂が、かつての姿のままに話しかけてくるようになった。あの日……あの島で倒れた時から。どうにかしていると自覚してるから、誰にも話してはいないんじゃけども。
それはさておき。
取り敢えず、ないとあいを居間に案内することにする。なるべく顔は見ないようにして、腹の奥底から湧き上がりそうになる不快感をどうにか抑え込む。
「……来たぞ。こやつが居れば、母の生家に行って良いんじゃな?」
ないとあいの事は気に食わんままじゃけれども、現存している五条家に向かうにはこやつの協力が必要じゃ。こんな奴をわざわざ呼び付けたんじゃから、さっさと行動したい。
居間に戻ると、
「お久しぶりです、未来ちゃん。その節はお世話になりました」
「……その呼び方は止めてくれと何度言えば……」
「まぁまぁ、我が家は妻がルールですので」
「……はぁ……。相変わらず呑気そうだな貴様は。輪廻さんは身籠ってるんだから、父親としてもっとユーモアある明るい家庭を築け」
「いやいや、笑いの絶えない明るい家庭ですよ我が家は。ねっ、円花!」
……信じ難いとは思っていたんじゃけど、どうやら
「……知らん。そんな挨拶より、さっさと本題にじゃな?」
「焦らないの。それに未来ちゃんは私達の恩人なんだから、無下にするのは止しなさい」
「やじゃ。こやつは嫌いじゃもん」
嫌いなものは嫌いなんじゃ。両親の恩人じゃったとしても、儂は知らん。あの時の一件については、到底許せん。被身子を巻き込んだ事を、決して許さない。そのくせ、おおるまいとを守れなどと儂に頼みおって。あの筋肉阿呆が殺されるところなんて、儂は想像も出来んのじゃけど?
「……娘さんの言う通り、本題に入ろう。何を考えてのことかは知らないが、実家に顔を出したいって?」
「えぇ。……あれだけ協力して貰ったのに、ごめんなさい。でも、可愛い娘達の為に今はどうしても……」
「いや、詳しい事情については結構。私は今回の申し出を断る」
……は?
「……は? おい、貴様……」
「落ち着きなさい円花。……未来ちゃん、理由は?」
「私はあなた達夫婦の保護の為に、五条
……これに巻き込まれた五条
「……え……?」
五条流転……? それが母の母、つまり今生の儂の祖母、或いは祖父の名か。会ったことは無い親族じゃけども、ないとあい曰く死んでしまったらしい。この男に親が死んだ事実を告げられる未来は見てなかったのか、母は目を丸くして固まっておる。父は……顔を顰めておるの。
「泥花市は現在、立ち入り禁止区域となっている。街の殆どが瓦礫の山と化したからだ。復興の目処は……まだ立っていない。
……恐らく、
それは……。それは、最低じゃ。間が悪いにも程がある。つまり、つまりじゃ。街の殆どが瓦礫となってしまったなら、五条流転と言う人間が死んでしまったのなら。
儂は、儂が知りたいことを知れなくなってしまった。もしかしたら五条家に、呪物を元に戻す為の情報が有ったのかもしれないのに。
儂は……。儂はもう、被身子を元には戻せないのか……? 被身子を、呪物のままにしておくしかない……のか……?
……っ。……っっ! それは、それは……っ!!
「円花。落ち着きなさい」
「っ、落ち着いてなど……!」
落ち着ける、筈がない。もしかしたらと、信じていたんじゃぞ。もしかしたら、もしかすればって。なのに、目の前で梯子を外されて……! 落ち着くなど、出来るはずが……!!
「まだ、諦めるには早いから。未来ちゃん、私の実家の……地下室は無事ですか?」
地下、室……?
「……恐らくは」
「なら。未来ちゃんの手で、私達を泥花市に連れてくことは出来ますか?」
「……その地下室に行けば、何か有るんじゃな……!?」
「だから、落ち着きなさい。
……まぁ、何か有るとするなら地下室しか思い浮かばないけど」
「なら、連れてけ……! 今直ぐ、儂をそこにっ! 泥花市に……!!」
五条家の地下室に、何か有る。そう思ったら、とても平静では居られない。つい、ないとあいの胸ぐらを掴んで引き寄せてしまった。こんな男に頼み込むのは嫌じゃけど、今は……今はこの男に頼むしか無いんじゃ。そこに被身子を元に戻す為の手段が有るのなら。何か方法や、情報を知れるのなら……!
「やめな、さいっ!」
「ぐぎっ!?」
拳骨が降って来た。視界が揺れる。盛大に鈍い音もした。父め……っ! 何じゃって脳天を殴るんじゃっ。この間じゃって、派手に拳骨しおって……! 今は、儂の邪魔をしないでくれっ。儂は何としてでも、被身子を元に戻す方法を……!!
「それは人に物を頼む態度じゃないでしょ! ほら、改めて!」
「ぬ、ぐ……っ」
それは、……そうじゃけど。そうなんじゃけども……! でもでも、じゃって……! 儂はこやつが嫌いで……!!
「お父さんもお母さんも、円花をそんな子に育てた覚えはありません!」
「ん、ぬ……ぐぐぐ……っ」
確かに、人を頼む態度では無かったけれども。その点は、儂が悪かったけども……!
……ぬ、ぐ……。落ち着、け。落ち着け……っ。こやつは嫌いじゃ。この男は決して許さん。けれども、被身子の為じゃ。被身子を、元通りにする為なんじゃ。今は、藁にでも何でも縋らないと……っ。
手を緩め、頭を下げる。今は、こうするしかないが故に。
「……す、すまん……。儂を泥花市に連れてってはくれぬか……?」
「断る」
……っ。き、貴様……!
「と、言いたいところだが……。
輪廻さん、もしや今日がその日と?」
「……残念ながら。こんな娘ですけど、どうかよろしくお願いします」
「未来は、……変えられる。それはこの子が示した。であれば、貴女の予知夢も」
「それはどうでしょうね。未来ちゃんの個性と私の個性は違いますから」
「……きっと変わる。では輪廻さん、回向くん。今日一日だけ、娘さんを預かります」
……は? 何じゃって……? おい、おい貴様。今、何と言った? 今日一日だけ儂を預かる、……じゃと??
「何かと馬鹿な娘ですが、よろしくお願いします」
「円花、しっかり学んで来なさい」
は? 何を? おい、何を言っとるんじゃこやつ等は。
父よ、誰が馬鹿な娘じゃって? 母よ、何をしっかり学べと?
何を勝手に話を進めてるんじゃっ!
儂にも分かるように説明せんか!
三人称による補完は要りますか?
-
欲しい
-
要らん
-
良いから一人称で突っ走れ