待て! 止さぬか! 儂じゃなかったら死んでおるぞ!! 作:一人称苦手ぞ。
昨晩は、もう大変じゃった。何がって、それはもう色々と。色々と、物凄かった。じゃって被身子が全然我慢出来なかった上に、儂も途中からその気になってしまってじゃな……? ほぉくすの話が終わるまで被身子が我慢していたのは、多分何かの奇跡じゃったと思うんじゃ。やはり被身子に我慢を覚えさせるのは、無理なのかもしれん。どうにかしたいが、どうにもならん気がしてきたの。うぅむ……。
ま、まぁ。それは一度置いといて。
夕方の四時になれば、儂は
なので今朝……ではなく、昼過ぎに
そういう訳で。今儂は、ながんやもらると地上を見回り中じゃ。と言っても、殆ど車の中から外を眺めてるだけなんじゃけども。
「……モラル。今朝、また警察署に届いたんだって?」
「うん。朝四時半頃に、十一名の
「その中に、喋れそうな奴は居たかの?」
「被害者は全員が病院の中で、いつ回復すルか分かラないんだ。だかラ被害者かラ話を聞こうとすルのは、無理だよ」
ちっ。やはり駄目、……か。悪党とは言え、被害者から話を聞ければ色々探れたんじゃけどな。いつ回復するか分からんとなると、今後当てにすることは出来ん。こうなったら、警察署にでも張り込むか? それで、ひっ捕らえた悪党を届けに来た瞬間を待ち伏せする。もしかすると、これが手っ取り早いかもしれん。ただ、何処の警察署に来るのか分からないのが問題なんじゃよなぁ。一晩中待って、別の警察署に現れでもしたら骨折り損じゃ。そもそも現れない可能性じゃって有るじゃろう。
……とにかく。今は情報が欲しい。今後、どう対処していくか決める為にも。
「いつ何処の警察署に現れたか、それは調べられるか?」
「……それなラ、ライアーマイト事件について個人的に纏めておいたよ。はいこレ」
「む……。それはありがたいのぅ」
一枚の紙面じゃけども、儂とながんに渡された。どれどれ、早速読んで……。……読めんわこれ。全部英語じゃ。被身子に翻訳して貰いたいぐらいに英語じゃ。と言うか、もらる。日本語が話せるんじゃから、日本語で書いてくれんかのぅ。もしや、会話は出来ても文字は書けん感じなのか……? うぅむ、それならば仕方ないことでは有るんじゃけども……。
……まぁ、何とか読んでみるとするか。まったく英語が分からんわけでもない。英語は大の苦手科目じゃけども、時には自力で何とかしなければな。ええっと、……ええっと?
あぁ……、んむ。ほうほぅ。なるほど? つまりじゃな。つまり……。つ、つまり……。
……。……うむ、分からん! がははは!!
「……はぁ……。英語の勉強は、しっかりしとけ。何でも渡我頼みにするのは良くない」
「ぅ、うむ。相分かった……」
紙面を睨んだり解読を諦めたりしていると、ながんに呆れられた。うぅむ、もっと英語の勉強をしなければならぬなぁ。いやしかし、でもでもじゃって。英語の勉強はまったく捗らないんじゃもん。英単語を頭に叩き込むのが精一杯で、それも試験期間が過ぎてしまうと直ぐに抜け落ちてしまうというか……。恥ずかしながら、一夜漬けで覚えるのが精々なんじゃ。昔から英語だけは、どうにも駄目じゃ。まったく分からん。脳が理解を拒否してると言っても過言ではない。
……仕方ない。この紙面については、被身子に読んで貰おう。それで出来れば、読み方を教えて貰おう。覚えられるかは別じゃけども、少しは英語と向き合わねば。
「……まず、始まりはサンフランシスコだ。昨年十二月、警察署の前にとある
「……は?」
三百十八人……? いや、おい。それだけの人数を一人で制圧したと? その後、警察署まで運んだのか……?
まるで
「ちなみに、被害者全員トラックの荷台に詰め込まレてたみたい。殆どが意識混濁で、中には骨折してル者も居たってさ。でも、死者は無し」
「その四日後。今度はカルフォニアで65人、更に三日後にはロサンゼルスで74人。どちらも纏めて届けられたそうだ。
この辺りから、各州の警察は管轄を跨いで協力体制を敷いたんだが……これと言った証拠は掴めず。目撃者数名は、犯人はオールマイトだったと証言している」
「でも、全ての事件当日や犯行時刻と思わレル時間に、オールマイトは日本に居た。この国には来てない。まぁ彼なラ海ぐラいひとっ飛びなんだロうけど、ひとまず捜査線からは除外さレたみたいだよ」
ん、んん……。聞けば聞くほど、とんでもない事件じゃなこれは。あの呪霊、随分と好き勝手にしているようじゃな。被害者の全ては
……そう言えば、あやつの術式は何じゃったか。いや、知らん。知らんの。前に会った時は、それはもう楽しい時間じゃったからなぁ。つい舞い上がって、話も聞かずに祓おうとして、それで……逃げられたな。うむ、逃げられた。思い出したら、腹が立ってきた。儂より強い奴が儂の前から逃げるなどと、許される行為ではなかろう? 儂より強いんじゃったら、儂が満足するまで呪い合うのが筋じゃろうが。少なくとも両面宿儺は、儂を満足させて……くれはしなかったが、最期まで向かい合ってはくれたんじゃぞ。くそっ、あの呪霊……! 思い出したら、苛ついて来た……!
「こレは俺の予想だけど、近い内にまた姿を見せると思うんだ。だってほラ、この街にはヒューマライズの支部が有ル。で、そのヒューマライズのせいで今世界は大変でしょ?
……確かにな。もらるの推理は、もしかすると正しいのかもしれない。
「もしライアーマイトの次の狙いがヒューマライズなら、面倒な事になるな。下手すると、今晩鉢合わせることになる」
「……そうじゃな。他のひいろおにも、周知しておくべきかのぅ」
「……かもな。ホークスやスターには伝えておこう。連絡しておく」
もし
―――けひっ。望むところじゃ。
近い内に再び相見えるなら、個人的には大歓迎じゃからの。相手が猛者ならば、いつ呪い合ったって良い。次こそは祓ってみせる。絶対に逃がさん……!
◆
結局のところ。昼間の捜索は何の成果も無かった。
……何にせよ。呪霊が少ないならば、それはそれで良しとしよう。
三時近くになると、またも空軍基地に呼び出された。
それに今回は、四角い箱のような形をした
「―――そういう訳で、アルファチームの指揮は私が執る! こうして会えて光栄だよ、世界中のヒーロー達!」
薄暗く、少し狭いように思える機内の中。すたぁの声がしっかりと通り抜けた。
「そろそろ目的地だ。ポイントに到達し次第、順次降下! 迅速に目標を制圧し、
……ふむ。まぁ、すべき事は何となく分かった。施設の制圧は、そう難しくないじゃろう。爆弾の回収も、大して手こずらんとは思う。周囲に居る
ただ、ひとつだけ問題が有ってのぅ……。んんむ……。
「頼皆。ちゃんと聞いてた、よね……?」
「分かんない事が有ったら、俺達が教えるからさ。独りで動くのは止めてくれよ……?」
何が問題って、この組分けの中に尾白と砂藤が居るって事じゃ。常闇や翼男は、別の組分けじゃ。ちなみに、ながんは
……とにかく、じゃ。儂としては、くらすめぇと達と同じ組分けになるとは思わなかった。よくよく考えてみれば、儂等は候補生なんじゃなら出来る限り一纏めにしておく方が無難じゃと分かる。いっそ常闇も同じ組分けじゃった良かったんじゃけども、まぁ離れてしまったなら仕方ないか。こうなってしまったのなら、子供達を守りながら悪党を制圧するしかあるまいて。
「って、頼皆。聞いてる?」
「……ん、……あぁ。……うむ……」
「こりゃ聞いてないな……。テイルマン、俺達でフォローしようぜ」
「……そうだね」
あれこれ考えていると、黒い
「降下開始だよ! 行こう!」
「ボサボサしてると、置いてかれちまう……!」
は? 降下? 待て待て、まだ着陸してないじゃろうが。人は空から落ちると死ぬってことを知らんのか、たわけ。幾ら個性が有るからって、好き好んで飛び降りるような真似は……! って、こらっ。二人して儂の手を引くな、引っ張るなっ! 外に向かって走るんじゃない! いったい何を考え―――!!
「ぬ、ぬぉおおっ!?」
尾白と砂藤に手を引かれるまま、儂は外へ飛び出す羽目になってしまった。遥か遠くに見える地上には、広々とした敷地の建築物。そこに向かって、
ヒューマライズに殴り込むぜ!ってタイミングですが、今回の更新はここまでです。尾白くんと砂藤くんにも出番があります。年末か、新年になったらまた投稿したいと思います。進捗次第ではクリスマスに投稿出来るかなと。
次回「ワタシが来た!」
三人称による補完は要りますか?
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欲しい
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要らん
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良いから一人称で突っ走れ