待て! 止さぬか! 儂じゃなかったら死んでおるぞ!!   作:一人称苦手ぞ。

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教えの時間。えんでゔぁ

 

 

 

 

 

 何かと忙しい日々が続いとる中では有るんじゃが、それでも儂は休憩を取らねばならん。元々隙あらば休んでいたが、今日からはもう少し積極的に。そうでないと、呪術師禁止じゃからの。やるべき事が多い今、何もしないで過ごすことは出来ん。訓練も任務も呪具作成も、どれひとつとて欠かせない。欠かしてはならん。

 

 念の為に両親を呪術科の寮に匿ってから、早数日。産休を取ってる母はともかく、父には仕事が有っての。その点は心配だったんじゃけど、在宅労働(わぁく)? とやらに切り替えてくれた。母が身籠った時点でそうしろと思わず苦言したわ。そしたら「この人は家だといつまでも働くから、出勤させてたの」と言われたが。父曰く、家で働くといつまでも仕事気分が抜けないらしい。

 実際。在宅労働(わぁく)とやらに切り替えてから、部屋の一角に栄養飲料(どりんく)の空き瓶が日に日に増えている。髭も伸ばしっぱなしじゃ。尚、両親の様子は呪具作成の際、ついでに見とる形じゃの。それと、たまに母が見学に来る。被身子は課題をこなしつつ、母と談笑することが多い。よくもまぁ、あんなにお喋りをしながら課題を進められるものじゃ。

 

 で、じゃ。

 

 今作っている呪眼(のろいまなこ)が一段落付いたので休憩を取っていると、燃え面が顔を出した。こやつはこやつで、数日前から雄英に入り浸っている。轟が言っていたように、英雄(ひいろお)の頂点は暇なのか? そんな筈はないと思うんじゃけど、暫くは滞在するらしい。どうにも疑問は残るところじゃが、居るなら居るで役立って貰うとしよう。具体的には、くらすめぇと達の訓練の。人手が増えるのは良い事じゃ。ここ最近は、人手不足を痛感してばかりでのぅ。

 ついでに、外で暖を取るのにも使わせて貰おう。近付き過ぎると熱いし、臭うが。

 

 ちなみに。今、居間(りびんぐ)には母も被身子も居ない。儂等の部屋で、母と談笑しながら課題を進めておるようじゃ。お陰で呪具作成に集中出来たが、……何と言うか物足りん気が……しないでもない。

 

「訓練映像を観たが、以前よりは個性が伸びているようだな」

「少しはな。もしや、そんな話をしに来たのか?」

「話は幾つか有る。まず、次の決戦において貴様は俺の指揮下に入ることになった。他のプロヒーローと共に、最前線に立つことになる」

 

 ……あ? こやつの指揮下? 公安が何を考えているか知らんけども、最前線に立たされるのは好都合じゃ。どうあれ儂は前に立つ。誰に何を言われようが、後ろで見てるだけなんてごめんじゃからの。

 

「言われんでもそのつもりじゃったが?」

「話は最後まで聞け。貴様は対呪霊・対呪詛師とやらの要のひとつだ。当然そこにはオールマイトとデクも含まれる」

「あ゛?」

 

 才能の塊である筋肉阿呆はともかくとして、緑谷まで含むのは違うじゃろ。確かに総監部はあやつを呪術師として認めているが、儂は認めてない。認めるわけにはいかん。それでもあれこれと教えているのは、単に生き延びて欲しいからじゃ。呪霊や呪詛師から身を守る術として、色々と教えてるだけじゃ。

 

 つまり。儂は認めんし、許さん。まぁ今の悪党(ゔぃらん)連合に呪霊や呪詛師がどの程度存在しているか分からん以上、儂等三人を使わない理由は無い。が、理解はしても納得はしない。絶対にしない。してたまるか。

 

 ……よし。こうなったら、後で儂からも総監部に文句を言おう。そうしないと気が済まない。

 

「……続けるぞ。総監部とヒーローは、貴様達三人をどう扱うか協議を重ねた。結果、貴様は俺の指揮下に置くことが決定した。有事の際、それが最も守り易い。

 オールマイトは別働隊として動き、緑谷は状況に応じ各所のバックアップ。これはお前の意向や主義を配慮した上での配置だ」

 

 ちっ。どう文句を言ってやろうかと考えようとしていたんじゃが、その必要は無くなりそうじゃな。儂としては、緑谷が最前線にさえ出なければそれで良い。おおるまいとには危険が及ぶが、……あやつは大人じゃからな。死んで欲しくはないが、何が何でも助けようとまでは思わん。と言うか、思えん。

 

 ……ただ、のぅ。不安要素が一切無いわけではない。何が不安って、緑谷じゃ。あやつは救けたいと思ったら動いてしまうから、後方支援を命じたとしても結局は最前線に立ってしまうじゃろう。そこが心配じゃ。どうにか言い聞かすことが出来れば良いんじゃが、これも難しい気がしてならん。

 

 まったく、あやつと来たら。被身子の次ぐらいには仕方ない奴なんじゃから。

 

「……で、他には?」

 

 ひとまず。次の決戦、儂が最前線に立つことは分かった。被身子や両親が聞いたら猛反対しそうな内容ではある。どう説得するかは、……ひとまず後で考えよう。上手い言い訳が思い浮かべば良いんじゃが、説得は難儀なものになりそうじゃ。

 

「次なる決戦、ヒーローは呪霊やら呪詛師を貴様に任せるしかない。だが貴様に何かあれば、戦線は崩壊する。かと言って、貴様を温存することも出来ない。

 ……故に、俺が直に鍛えることになった。A組共々、付いて来い。俺が見てやる」

「それは要らん。儂よりも、あやつ等を鍛えてくれ。そもそもそんな時間は無いしの」

 

 余計な世話じゃ、たわけ。確かに万が一にでも儂が倒される、或いは殺されることがあれば英雄(ひいろお)は敗ける。そうなれば、日本がどうなるかは分からん。何せ相手は、十万以上の悪党じゃからの。総監部の懸念は分かるが、この提案に頷くことは出来ん。

 

 何せ、儂は忙しいんじゃ。呪具作成に訓練、任務。その上、儂自身が鍛錬するとなると時間が足りん。被身子との時間も欠かせんからの。何でもかんでも出来るような時間は無いんじゃから、何かを疎かにするしかない。そうなると、儂自身の鍛錬は後回しにするしかないんじゃ。

 

「呪具作成に、A組の訓練。そして任務だったな。なるほど確かに、自分を鍛えるような時間は無いだろう」

「そういう訳じゃ。休むこともままならん」

 

 まぁ一応、土日ならば訓練も任務も無い。今後は呪具作成も午前中だけにする予定じゃから、午後は空く。……が、午後は被身子の為に使いたいからのぅ。やはり儂自身が鍛錬するような時間は無い。これでも隙間時間の半分は個性伸ばしに当てているから、自己鍛錬が一切出来ないわけでもない。

 

「一応聞くが、スケジュールの改善は?」

「ながんに任せとるが、直ぐにとはいかんじゃろ」

「呪具作成の進捗は?」

「……二割、良くて三割じゃな。最低でも、もう二箇月は欲しい」

 

 くらすめぇと全員分の新たな呪眼(のろいまなこ)を完成させるのには、やはり時間が要る。ざっと考えても、六十日近くは必要じゃ。今が二月の頭じゃから……全てを作り終えるのは四月の頭かの。今のところ決戦は五月とのことじゃから、このまま順調に作業が進めば一箇月だけ時間の猶予が有る。儂自身が鍛錬するのならば、その時じゃな。一箇月程度では大きな成長は見込めないが、少しは個性が伸びるじゃろ。

 

「……ならば、A組の訓練は俺が請け負う。その分の空いた時間を、呪具作成に回せ」

 

 ふむ……、なるほど。そう申し出てくれるのは、ありがたい。確かに訓練時間を呪具作成に回せれば、それだけ作業が捗る。それに、こやつが皆を鍛えてくれるのであれば多少心配事が減る。気に食わん奴じゃけども、えんでゔぁは優れた英雄(ひいろお)じゃ。そんなこやつから、くらすめぇと達が学べることは多い。んじゃけども……。

 

「それも無理じゃ。儂があやつ等の相手をしているのは、呪詛師対策の一環じゃからの」

 

 対悪党の経験を積ませる分には、この燃え面を相手にするのが良いのかもしれん。的確な指導もして貰えるじゃろう。が、対呪詛師の経験となるとな。やはりそれは、儂がやるしかない。

 

「呪力や術式の脅威を教える為か。だがそれは、A組全員が既に知っている事だ。未だ貴様が指導を続ける理由は?」

「いざと言う時、生き残って貰う為じゃ。それに呪詛師役は、儂が適任じゃろ」

「……A組に、窓を任せる為ではないのか?」

「は? そんなわけないじゃろ」

 

 訳の分からん事を言いおって。儂がくらすめぇと達を鍛えるのは、単に生き延びて欲しいからじゃ。呪霊や呪詛師を前に、殺されないようにする為じゃ。窓になって貰うつもりなど、毛頭ない。そもそも自力では呪霊が視えん非術師が窓をやるなぞ、儂は反対じゃ。危険極まりない。……まぁ、仮に許してやるとするなら緑谷と常闇ぐらいかの。特に常闇のように、儂に迫るなら少しぐらいは許してやらんでも……。

 

 とにかくじゃ。人手は欲しいが、じゃからって呪術師は直ぐには増えん。儂以外の呪術師が産まれるのは何年か、十数年。或いは何十年後かじゃろうな。窓だけならそこらの英雄(ひいろお)に任せて良いかもしれんが、人数分の呪眼(のろいまなこ)を用意するのにも時間が掛かる。予備も含めたら、いったい幾つ作る羽目になるか分からん。

 

「新たな呪術師が育つまで、独りで呪いと向き合うつもりか? その上で、ヒーロー活動もすると?」

「……全てを独りでやろうとは思わん。呪いと向き合う場以外では、任せることにした。何せ頑固者共が儂を放っておかんからのぅ」

 

 何もかも独りで、はもう出来ん。と言うか、無理じゃ。どいつもこいつも、儂を独りにしようとしないからの。被身子を筆頭に、誰も彼もがじゃ。今となっては、それを認めとる。駄目なとこは駄目じゃけども、頼れるところでは頼る。少しずつでもそうして行くと、決めたからの。

 

「ならば尚更、窓を頼むべきだろう。監視の目は多いに越したことはない」

「あやつ等が、監視だけで済ませると思うか?」

「思わん。少なくとも焦凍やデク、バクゴーは貴様の現着を待たずに動く。他の子達も、殆どがそうだろう」

「それが問題なんじゃ。誰かが目の前で被害に遭えば、動いてしまう。ひいろおは、余計な世話が本質じゃし」

 

 例え力足らずとも。その身に呪術を持たずとも、その時が来てしまったら皆は動く。目の前の被害者を救ける為に、駆け出してしまう。そういうところが心配で、不安なんじゃ。

 

 まったく。これだから、この時代は好きになれない。子供が英雄(ひいろお)に憧れるのは、もはや仕方ない部分が有るのかもしれん。じゃけども、大人がそれを容認して背中を押すのは駄目じゃろうが。英雄(ひいろお)を目指す子供達に、どれだけの危機と困難が待ち受けてると思っとるんじゃ。今日まで全員欠けることなく過ごせているのは、運が良かったに過ぎん。何処かで何かひとつでも間違えていたら、誰かが死んでたっておかしくない。そんな場面は、今まで幾度だって有った。

 

 ……思い返すと、肝が冷えるのぅ。

 

「まっこと、ろくでもない時代じゃよ。どうなっとるんじゃ、まったく……」

「今の社会が気に食わない、と? 確かに貴様はそうだろうな。

 ならばどうする? 黙っているだけか?」

「どうもこうも出来ん。時代じゃの世界じゃの、儂独りで変えられるようなものじゃない」

 

 どんな形であれ、この時代に産まれ直したからにはこの時代を生きるしかない。気に食わない事が有ろうとも、儂独りで世界を変えるなんて真似は無理じゃからの。

 

「諦めるにはまだ若いだろう、貴様は。受け入れるなとは言わんが、何もしない内から立ち止まるな」

 

 いや、実のところ若くはないんじゃけど。これでも中身だけは立派な老人じゃ。見てくれはまぁ……、依然として小娘じゃけど。いつまでも経っても背丈が伸びん。体重も増えん。せめて被身子ぐらいにはなりたいものじゃが、駄目じゃろうなぁ。

 

 それはそれとして。何もしない内から立ち止まるな、と言われてものぅ。時代じゃの世界じゃの相手に、何か出来るとは思えん。が、一応受け取っておいてやるとしよう。何もしてないのは事実じゃし。言われたからって、何が思い浮かぶわけでもないが。

 

「それと、バクゴーはどうした? 何故居ない?」

「問題児じゃからな。あの態度を変えん内は、訓練参加を認めん。今は……個性伸ばしでもしとるんじゃないか? 知らんけど」

 

 舎弟については、まぁ。儂の口から多くは語れん。あやつがやらかした事は、一応内密にしておく。あんな奴じゃけど、どうやら緑谷に謝りたいと思っているらしいの。ならばさっさと頭を下げろと思わんでもない。今更言葉だけでは済ませられないと宣う気持ちは、分からんでもないが。

 

 ……何にせよ、じゃ。謝らないのなら、訓練は無し。譲歩してやるつもりは一切無い。どうやら儂の目に入らん場所で何かしとるようじゃけど、放っておく。何をしていようが、緑谷に謝らない内は雄英で留守番じゃ。さっさと謝れ阿呆め。いつまで時間を無駄にするつもりなんじゃか。

 

「素行はともかく、腐らせておくには勿体無いだろう。今はヒーローとて人手不足だ」

「人手不足じゃからって、候補生まで戦場に駆り出すのは気に食わん」

「そうだ。だから基本的に、学生は前線に立たせない。それでも貴様を含む何人かは、前線に立つことになるだろうが」

「具体的には誰じゃ?」

 

 呪具作成の手を一端止める。椅子を回し、直ぐそこに立つ燃え面を睨んでおく。とっくに知っているようじゃけど、じゃからって不満を隠すつもりはない。当然、儂以外の子供を前線に立たせることは許さん。場合によっては、公安の意向なぞ無視するが? その辺り、ちゃんと分かっとるんじゃろうなぁ??

 

「……チャージズマにレッドライオット、ツクヨミが候補だ」

「常闇は、まぁ良い。あやつは強いからの。上鳴と霧島は?」

「異能解放軍の電撃系個性対策の一つとして、チャージズマ。レッドライオットは前衛として有用だ。盾にも矛にもなる」

 

 ……まぁ、そうじゃな。理に叶っては居るんじゃろう。電撃系の個性は対応が難しい。米国(あめりか)で実際に被弾したが、呪力強化や反転術式が無ければ危うく気絶するところじゃった。上鳴を前線に立たせることで英雄(ひいろお)側の被害を抑えられるなら、それがそのまま子供達の安全に繋がる。

 

 但し。これは上鳴の安全を考慮しない場合じゃ。言いたいことは分かるが、儂が首を縦に振ってやる理由は無い。

 

「無論、貴様の意図を汲んでチャージズマには腕の立つヒーローを付ける。学生を死なせる気は無い」

「……切島は?」

「レッドライオットも同様だ。チャージズマ同様、腕の立つ者が付く。ツクヨミも同じだ」

 

 ……ふむ。まぁ、そこまで考えているのなら少しは心配せずとも良いのかもしれん。少しはな。相手がただの悪党(ゔぃらん)程度なら、問題は無いじゃろう。じゃからって不安や心配が消えることは無い。子供達の安全を考えるなら、そもそも今回の決戦に参加させないのが一番じゃ。そうも言ってられん状況で有るのも、確かじゃけども。お陰で気苦労が絶えん。

 

「で、その腕が立つ輩は誰じゃ?」

「心配性は程々にしておけ。オールマイトが付く」

「……まぁ、良いじゃろう」

 

 あやつが付くなら、まず問題は無い。……筈じゃ。特級呪霊の類いが飛び出て来なければ、という前提は残るが、まぁ何とかなるじゃろう。それでも心配は消えんし、前線送りになる三人には今まで以上に手厳しくせねば。誰一人とて、死んで欲しくないからの。

 

 さて。来たる決戦についての話は、こんなもので良いじゃろう。少し長話になってしまったの。呪具作成に戻るとしよう。そうしよう。

 

「……それで。バクゴーはどうした?」

 

 ちっ。もう話さんで済むと思ったが、そう上手くはいかんか。あやつを腐らせておくのは、確かに惜しい。英雄(ひいろお)の人手不足を補うには必要な人材じゃろう。それは分かる。分かるんじゃけども、首を縦に振ってやる理由は無いのぅ。

 

「……まさか、くだらん喧嘩でもした。なんて訳じゃないだろうな?」

 

 おい。変に訝しむな、たわけ。呆れた面で疑いの眼差しを向けるんじゃない。

 

「たわけ。素行が改善するまで仲間外れにしただけじゃ」

「具体的に、何をした? 被害を受けたのは貴様か?」

「そうじゃったら仲間外れになぞしとらん」

 

 そもそも、儂に何かしようものなら殴り伏せてしまいじゃ。仕返しに仲間外れなぞ陰気な真似はせんて。

 

「……まさかとは思うが、焦凍に何かしたか? 確かに、焦凍に対しても目に余る言動をしていたが……」

「親馬鹿か貴様は」

 

 いやまぁ、それなりに親馬鹿では有るか。我が子に対して色々やらかしておいて、どの面で親馬鹿をしとるんじゃか。ってあぁ、この面か。んんむ、殴りたくなって来た。殴って良いか? やはり全力でぶん殴ってやりたい。いやしかし、轟に止められてるしのぅ。冬美にも良くないと言われておるし、ながんにも釘を刺されとる。被身子や両親に余計な心労をかける訳にもいかんし、やはり殴れんか。ぐ、ぐぬぬ……!

 

「……まさか。イジメ、か……?」

「……」

 

 それはまぁ、間違っとらん。間違っとらんが、勘違いしとるぞ貴様。いかん、被害を受けたのは轟ではないと言わねば話がおかしな方向に転がりそうじゃ。何で轟の事になると急に様子が変わるんじゃ貴様。さては親馬鹿を演じているのか? いや違う、こやつは糞親父で有ると同時に親馬鹿じゃ。何でこの二つが両立するのかは、まったく分からんが。

 

「ショーートォ!! 何故俺に相談しない!?」

 

 いや、熱い。急に燃え盛って叫ぶな。そもそも勘違いじゃ、たわけ。被害に遭ったのは緑谷で、轟は……。

 ……まぁ、暴言は吐かれてるか。舎弟は誰にでも口も態度も悪いからのぅ。しかしそれは、困ったことに負けん気と向上心から来るものでじゃな……。

 

 ……はぁ。仕方ない。この際、えんでゔぁを利用するか。

 

「……学生時代にいじめをしてた奴が、ひいろおになれると思うか?」

「思わん! 性根を叩き直してくれる!」

 

 いわゆる虐待をしとったくせに、どの口が。としか思わんが、現役英雄(ひいろお)の言葉なら舎弟も少しは素直になるかもしれんな。少なくとも、えんでゔぁの指導は文句を言いながらも受け入れておったしの。

 

「説教がしたいなら勝手にしろ。まったく……」

「そうさせて貰おう!!」

 

 ……さて。すっかり勘違いした燃え面が無駄に燃え盛りながら出て行ったので、儂は呪具作成に戻るとしよう。まだまだ作業を進めねばならんからの。合間合間で休憩を取ることも忘れない。被身子は、……まだ母と話し込んどるようじゃの。仲睦まじいのは良い事じゃし、お陰で作業に集中出来る。が、放って置かれるのはそれはそれでこう……。

 

 ぐぬぬ。仕方ないから、後で顔を出すとしようかの。いや別に、母にばかり構ってないで儂にも構えとかそういう意図は無いぞ? 無いんじゃからな??

 

 

 

 

 

 

三人称による補完は要りますか?

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  • 要らん
  • 良いから一人称で突っ走れ
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