待て! 止さぬか! 儂じゃなかったら死んでおるぞ!!   作:一人称苦手ぞ。

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対期末試験。言い争い

 

 

 

 

 

「さて、ここが我々の戦うステージだ」

 

 実技試験が始まろうとしている。儂と緑谷、そして舎弟が連れてこられたのは街を模した運動場。確かここは入試の時や、屋内での対人戦闘訓練の時に来たのぅ。ある程度は開けた部分がある街中で、おおるまいとと戦うのか。それはそれは……楽しみじゃ。ああ、わくわくするっ。まだか? まだ始まらんのか?

 

 儂、もう待てぬが!?

 

「あの、戦いって……まさかオールマイトを倒すとかじゃないですよね……? そんなの、どうあがいても……!」

「消極的なせっかちさんめ! 勿論、今から説明するよ」

 

 ……ちっ。まだ始まらんのか。説明が有るなら早くしろ。これ以上待ちたくない。

 それにしても緑谷、お主はまだ気後れしているのか。期末試験なんじゃから、そこは腹を括って構えんか。萎縮する必要など何処にも無いじゃろ。

 

「制限時間は二十分。君達の目的はこのハンドカフスを私に掛ける、もしくは三人の内二人がこのステージから脱出!

 戦って勝つか逃げて勝つか、そう! 君達の判断が試される!」

 

 なるほど。戦うも良し、逃げるも良しか。相手が自らの力では倒せない猛者の場合、逃げて次の機を窺うのも選択肢のひとつじゃ。応援を呼ぶと言う選択肢もある。しかし逃げる場合、一人が犠牲になる必要があるのぅ。三人同時に脱出出きれば良いが、相手が格上と想定した場合そう都合の良い事を言ってられん。

 と言うか、英雄(ひいろお)が仲間を見捨てて逃げても良いのか? 実は一人残して逃げたらこの試験は不合格なんてことにならんか?

 

 気になる事は、ある。が、それを考えるつもりはない。試験とは言え、おおるまいとと呪い合えるんじゃ。こんな楽しい事から逃げる理由は無いからの!

 

「でもこのルール、そんなの逃げの一択だって思っちゃいますよね。そこでこれ、超圧縮おーもーりー!」

 

 重り? 何でじゃ? そんなの要らんじゃろ。貴様、儂を前に手を抜くつもりか? ……は?

 

 やじゃやじゃ! そんな物は要らん!! よし、戦闘になったら真っ先に壊してやる!!

 

「戦闘を視野に入れさせる為か。ナメてんな……」

 

 何を言っとるんじゃ舎弟。重りなんて付けられたら、つまらんじゃろうが。せっかくの楽しい呪い合い、手加減など無用じゃ。ああ、早く始まらんかのぅ! 始まれ!!

 

 

「HAHAHA……! やる気満々だねブラッディ。だけど……それはどうかな?」

 

 おおるまいとが、呆れたように笑う。何を考えて居るかは知らぬが、さっさと始めろっ。もう待てん! 儂もう待てんが!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 実技試験が始まった。この試験の決まり事として、儂等生徒は運動場の中央が開始地点。脱出口は、指定されたひとつのみ。儂等三人が中央から動き始めることと、脱出口がひとつであること。それを踏まえると、恐らくおおるまいとは脱出口の前を陣取って構えていることじゃろう。となると、やはり戦闘は避けられん。元々避けるつもりは無いがな!

 

「せ、戦闘は何が有っても避けるべきじゃないかな……? 相手はオールマイトだし……」

「ああ゛!? ぶっ倒した方が良いに決まってんだろ!!

 終盤まで俺とクソチビで翻弄して、疲弊したとこ俺がぶっ潰す!!」

「オールマイトを何だと思ってんのさ……っ。ハンデが有ったとしても、かっちゃんや廻道さんでもオールマイトに勝つなんて……」

 

 ……ううむ。早速言い争いか。何でこの二人は、こうも意見が衝突してしまうのか。仕方ないと言えば仕方ない事かも知れんがのぅ。何せ緑谷は、おおるまいとの後継。あやつの弟子じゃ。なら、未熟な自分が師に敵う筈がないと思ってしまうのはおかしくない。舎弟は、相手が誰であろうと勝つ気で挑む。実力差は関係ない。傲慢とも言える自尊心故に、勝つことが全てとも思っているじゃろ。この考え方は良くない。直すべき部分ではある。

 ……じゃけどまぁ、挑みもせずに逃げるのは違うじゃろ。緑谷。戦闘が必ずしも正解とは限らん。が、逃げの一択が正解とも言えん。

 

「んぎっ!?」

 

 ……おいおい。とうとう手を上げるか。幾ら気に食わんと言っても、それはやり過ぎじゃろ。

 

「これ以上喋んな……! ちょっと調子良いからって喋んなムカツクから!!」

「き、聞いてよかっちゃん! この試験に合格する為に……っ!」

「だぁからてめえの力なんざ合格に必要ねえっつってんた!!」

「怒鳴らないでよ!! それでいつも会話にならないんだよ!!」

 

 ああ、もう。仕方ない奴等じゃ。睨み合って怒鳴り合って、会話になっとらん。これはもう殴って聞かせるしか無い。頭を冷やせ、馬鹿共が。

 

「止さぬか馬鹿共」

 

 言い争い始めた二人の頭を、軽く殴る。鈍い音がした。まだ呪力は使っとらんから、この二人からすれば非力なものじゃろ。実際、今の儂は基本的に呪力任せでろくに体を鍛えておらんしな。

 

「何すんだクソチビィ!!」

「喧しい。少し頭を冷やせ。緑谷も、小僧に釣られて叫ぶな」

「……っ、ご、ごめん」

「貴様等、儂が言ったことは覚えとるか? 忘れてそうじゃからもう一度言うぞ。儂が主体、貴様等が援護。それでひとまずあの筋肉阿呆に挑む。

 ……良いな?」

 

 こんな調子のこやつ等が何かの役に立てるとは思えんし、そもそも邪魔じゃ。居なくなってくれた方が儂としては喜ばしい。が、これは期末試験。ある程度の活躍を見せねば、不合格になるじゃろう。それ相応には働いて欲しいものじゃが、こやつ等の頭に協力と言う二文字があるのか大分怪しい。

 

「でも、オールマイトと戦うのはやっぱり無理が」

「無理じゃねえ!! やる気無いなら一人で逃げろやクソナード!!」

「っ、だから! せめて作戦ぐらいちゃんと立てようよ! 話聞いてってば!!」

「だから叫ぶなと……おい! 伏せとけ!!」

 

 遠方に、強い呪力を感じた。咄嗟に血を出し、それを格子状にすることで壁とする。直後、地面を削る程の暴風が儂等に迫り、張り巡らせた血が雫となって散らばった。

 おいおい、重りを付けてこれか。あの筋肉阿呆め、知っては居たが相変わらずとんでもないの。

 

 

「……街への被害など、糞食らえ。さあ、真心込めてかかって来い! ヒーロー共!!」

 

 

 ……っは。良いな、やはり貴様は強い。平和の象徴と呼ばれるだけはある男じゃ。

 

 ああ。やっと……、やっと本気になれる……! 下手をすれば儂でも勝てぬ猛者と、戦える!!

 

 加減は要らない。ここからはもう、儂は自分を抑えぬ。抑えたくない。抑えてたまるものかっ。

 

「百斂」

 

 強く両手を叩き合わせ、呪力を込める。本気じゃ。本気でやる。加減はしない。体育祭の時のように、急所を外した撃ち方などせぬ。防げよ、おおるまいと。貴様ならば、何の問題も無くやれるじゃろう!?

 

 

「穿血」

 

 

 この一撃を以て、開戦の狼煙としよう!

 

 さぁ、思う存分呪い合うぞ!!

 

 

 

 

 

 









と言うわけで次回からVSオールマイトです。ブレーキ無しで円花を悦ばせていけたらなと。もう既に悦んでる? それはそうですね……。

三人称による補完は要りますか?

  • 欲しい
  • 要らん
  • 良いから一人称で突っ走れ
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