仮面ライダーレイブン 第1夜 第1幕
「続いて、市街地での市民襲撃事件に関連するニュースです」
「昨夜、アークスシップ6番艦市街地の民家が何者かによって襲撃されました」
「住んでいた30代の夫婦が死亡、子供1人は行方不明となっています」
「現場にはダーカー因子の痕跡が確認され、アークスはこの襲撃をダーカーによるものと推定。
事件の捜査と全アークスシップ市街地の警備を開始しました」
任務へ向けて準備を整えるアークス達でごった返す、朝のアークスロビー・ショップエリア。必要な物資を注文する声や、武器強化の仕上がりへの文句といった喧噪の中で、モニターではニュースが放送されている。
惑星ウォパルが発見されて数か月。新惑星に関するニュースは一旦落ち着き、最近は「襲撃事件」の話で持ち切りだ。市街地で民家が襲撃される事件はここ2週間ほど頻発していて、昨夜で4件目。
ニュースでは一連の襲撃はダーカーの仕業として報道されている。
ダーカーはあらゆるものを侵食して狂暴化させる「不倶戴天の敵」といえる存在だ。だが、多くのアークスはダーカーが民家を1軒ずつちまちま襲うだろうかと疑問に思っているらしい。
……おれもそう思う。気味の悪い事件だ。
おれの名はカラスマ・レツ。オラクル船団の惑星調査隊「アークス」の正隊員だ。主な任務はダーカーとの戦闘・撃滅。その傍ら、惑星の環境調査……ナベリウスの地質調査やアムドゥスキアの原住民「龍族」研究とか、そういう調査の手伝いもやっている。
強大な敵と戦う惑星調査隊「アークス」なんて、ヒロイックでかっこいい響きだろ。だがアークスに所属して数年、ダーカーと戦いながら環境調査の手伝いにも熱心に取り組むなかで「組織の恐ろしい秘密」の断片がボロボロ出てきた。詳しくは別の機会に話させてほしいが……とにかくおれはすっかり、アークスを「胡散臭い組織」だと思うようになってしまった。
空調装置の乾いた風が頬を撫でると、なぜか鳥肌が立った。数日前、初回の襲撃事件のニュースを聞いてから、焦りのような、不安のような、漠然とした嫌な感情が胸の奥に貼り付いている気がする。
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「おーい、相棒!」
悶々としながら、デイリーオーダーを受注するためにゲートエリアへ向かうと、同期アークスのアフィンが手を振りながら声をかけてきた。快活な声。際立って腕が立つわけではないが、戦闘中の細かなサポートや積極的な声掛けで、チームの士気を維持するのがうまい奴だ。「胡散臭い」組織の中で際立つ爽やかさに惹かれ、おれは彼と一緒に出撃することが多い。
「相棒、ニュース見たか?また襲撃だって」
「これで4件目だな。ダーカーの仕業だそうだが…」
「……それなんだけどさ。」
アフィンの声が少し低くなる。
「現場にダーカー因子が残ってたらしいし、ダーカーが関係してるとは思うんだよ」
「ダーカーなら市街地丸ごと襲撃しそうなものだけどな」
アフィンが眉をひそめる。表情豊かなヤツ。
「ただのダーカーなら、な……相棒、この前一緒にリリーパで会っただろ、おれの姉ちゃん」
アフィンが行方を追っている姉、ユクリータ。彼女はダークファルスの依り代にされてしまい、各地を放浪しているようだ。以前リリーパで遭遇した際は会話することができたが、その後は目撃されてもいない。
「ユクリータさん……ダーカーじゃなくダークファルスが関係してるかもってことか?」
うなずくアフィン。
「まだ姉ちゃんかはわからないけどさ、何か目的があって襲撃を繰り返してるのかもしれないだろ。だったら止めないと」
ダーカーに目的をもって行動する知性は無いが、一方でダークファルスは人間と同様の知性を持つ存在だ。何らかの目的のもと、襲撃を繰り返しているという考えには納得できる。
……ダークファルスに夜間突然襲われる民家。想像するとゾッとする。
謎のダーカーの襲撃なんて暢気なことを言っている場合ではないのかもしれない。
「相棒、一緒に市街地の警備任務に志願しないか。」
一連の襲撃事件を受け、警備任務は常に募集中だ。
元より警備任務には志願するつもりだったが、運が良ければ襲撃の真相か、ダークファルスの動向について何らかの情報をつかめるかもしれない。
「わかった。昨日襲撃があった6番艦の警備に参加しよう」
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第1幕 終わり。第2幕へ続く。