仮面ライダーレイブン   作:rusty17852〆6247

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仮面ライダーレイブン 最終夜 第6幕

 

 

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「まだ患者の避難が続いている。伝えてないのか?」

「もちろん伝えましたよ!伝えたんです!」

 

目つき鋭く問うヒューイに対して、部下はしどろもどろに答える。

爆撃の時刻変更も要請したが、全く取り合ってもらえないらしい。

 

「どうしようもない奴らめ……連中らしいといえばらしいか」

 

ヴォイド直属の実働部隊には強烈な選民思想を持つ者が多く、ヴォイド所属外の隊員とは

まともな会話すら成立しないことがあるほどだそうだ。六芒均衡のヒューイでさえ、

扱いには困っているという。

 

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おれもこの場に居合わせた以上、何かしら役に立たなくてはならない。

爆撃まで10分、避難完了まで15分。爆撃自体を中止させるのは難しそうだが、

足りない5分を稼げば病院の患者が巻き込まれることは防げるはず。

 

「避難完了まで足りない時間は5分ですよね。5分だけ稼げれば患者は助かる」

「そうだな。おい、キャンプシップの準備を頼む……急ぎだ!」

 

ヒューイはうなだれる部下に発破をかけるような口調で命じた。

 

「俺が話をしに行く。六芒の言葉ともなれば、さすがに耳を貸しはするだろう」

 

どうやらヒューイは自ら爆撃機に侵入し、操縦士を説得して爆撃を中止させるつもりらしい。

爆撃機はアークス所属の機体だ。キャンプシップである程度接近すれば、

機体同士をテレパイプで接続して爆撃機内に入り込めるが……

 

 

「えぇ……ちょっと待ってくださいよ!」

 

ヒューイの部下は血相を変えてヒューイに組み付いた。いや、ヘルメットで

表情はわからないが……血相を変えているのはわかる。

 

「ダメですよ!爆撃はヴォイド直々の命令によるれっきとした任務です!

 それをアークスのトップであるヒューイさんが妨害したら大問題に……」

 

「大問題くらいで人の命を救えるなら御の字だ!キャンプシップを出せ!!」

 

 

たしかに、作戦行動の妨害はアークスそのものに対する反逆と判断されかねない。

実行すればヒューイは重い懲罰を受けることになるだろう。今こうしている間も、

ダーカーとの戦いは続いているのだ。

くだらない内輪揉めで彼ほどの戦力を失うわけにはいかない。

 

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振りほどかれてなお組み付こうとするヒューイの部下を制止し、おれは歩み出た。

 

「ここに名前も所属もわからない謎の男がいる。おれが行きますよ」

 

苦虫を噛み潰したような表情でこちらを見据えるヒューイ。

 

「きみだって大事な隊員だ……が、そうなんだよな。けっこう適任なんだよな……」

 

「いやいやいやダメでしょ、そもそも誰なんですこの人?アークスかどうかも照合できないし」 

 

 

……すでに2分ほど経過している。

ヒューイの部下は困惑している様子だが、丁寧に説明している暇はない。

おれはレイブンヤイバーを抜き、彼の首に突きつけた。

 

「時間がない。キャンプシップの準備を」

 

 

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両手を上げて硬直している部下の肩をヒューイがなだめるように叩く。

 

「脅されてしまっては、仕方ないよな。きみは悪くない。

 避難の指揮はおれが引き継ぐ。彼を爆撃機の内部へ送り出すんだ。頼むぞ」

 

ヒューイの部下は肩を落とすような仕草を見せながら、

通信端末でキャンプシップへつながるテレパイプを作動させた。

 

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キャンプシップに乗り込み、数十秒。

機体はオートパイロットで爆撃機を追跡しており、

まもなく爆撃機内部へテレパイプがつながるようだ。

 

 

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「ヒューイさんの知り合いみたいだけど、本当に何者なんだよ、あんた」

「正体隠してヴォイドに盾突いてるんだろうが、ヴォイドはアークスの中枢でもあるんだ。

 混乱させれば、ダーカーとの戦いに支障が出るんだぞ」

 

備え付けの電子端末を操作しながら、ヒューイの部下が問いかけてきた。

 

「組織を混乱させる類の馬鹿をやってるってのはおれも重々承知だ」

「だがダーカーとの戦いを大義名分に人の命が蔑ろにされようとしているなら……

 おれは黙ってられない」

 

「あんたの信念は結構だが……!」

 

 

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「ヴォイドの所業を知ってしまった。……親を殺される子供の声も聴いてしまった」

「証拠隠滅のために、今度は入院患者が殺されようとしている……

 何もせずにはいられないんだよ。誰かがヴォイドに盾突かなければ、

 理不尽な目に遭う人がずっと……」

 

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おれの言葉を遮るようにけたたましいアラートが鳴り響く。

キャンプシップが爆撃機へ十分接近し、機体内部への転送ゲート開通に成功したらしい。

テレプールにテレパイプの光柱が形成されている。

 

 

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「……もういい、準備完了だ。行けよ」

「あとホラ、これ持ってけ」

 

ヒューイの部下からトランシーバーが投げ渡された。

 

「病院の避難が完了したら合図する。それが振動したら避難完了だ。

 避難完了までは……作業状況的にあと10分ぐらいだな」

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受け取ったトランシーバーをベルトに取り付ける。振動すれば気付けそうだ。

爆撃機からは通信が入っているようだが、ヒューイの部下は無視を決め込んでいる。

 

「ありがとう。この恩は忘れない」

 

「良いから早く行け……あ、ヴォイドの奴らは本当に話通じないからな。

 やるなら力ずくしかないぞ。」

 

 

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おれはクロウバレットに閃光弾を装填し、続いてレイブンヤイバーも取り出した。

 

「ああ、元からそのつもりだ」

 

「爆撃はマニュアル操作のはずだ。まぁ……爆撃機に乗ってる奴らを全員黙らせれば良い。

 取り敢えずはそれで、避難完了までの安全確保になるだろうな」

 

 

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「……よし。合図だけ、頼む!」

 

おれはテレパイプに飛び込んだ。

 

避難完了まで10分。何が何でも爆撃はやらせない。

おれはアークス隊員。組織に所属する人間だが……

組織の所業で理不尽に人が殺されようとしてるなら我慢ならない。

 

無理やりだろうと、命令違反だろうと、止めてやる!

 

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