仮面ライダーレイブン   作:rusty17852〆6247

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仮面ライダーレイブン 最終夜 第7幕

 

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「おい貴様、どういうつもりアアッ……!?」

 

機内にはヴォイド所属とみられるアークスが3人。

全員でテレパイプを取り囲んでいたようだ。

テレパイプ空間を抜けて爆撃機内に転送されると同時に、

おれは手にしていたクロウバレットから閃光弾を発射した。

 

いきなり閃光弾で視界を潰され、明らかに混乱している様子だ。

ヘルメットの視覚補助機能を再起動したり、ツインダガーを取り出して

明後日の方向へ構えたり……今なら容易に全員倒せる。この好機を逃しはしない。

 

 

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閃光弾発射から続けざまに、レイブンヤイバーで斬り付けていく。

青白い電流がアーマーを駆け巡り、アークス3人は痙攣しながらその場に倒れ伏した。

すかさずキリクの部下から奪っていたワイヤーで拘束。

これで無力化完了だ。このまま10分経過すれば病院の避難も完了する。

 

操縦席は空席。オートパイロットで爆撃ポイントまで移動しようとしていたようだ。

ヒューイの部下の話では、爆撃はマニュアル操作のはず とのことだったが……

何となく胸騒ぎがしたおれは「ホバリングモード」への移行ボタンを押した。

 

アークス所属の戦闘機はいわゆる「オスプレイ」型。

ボタン操作でエンジンの角度が縦向きになり、ホバリングできるようになっている。

万が一爆撃操作がオート設定されていたとしても、避難完了までこの場に留まっていれば

爆撃ポイントまで辿り着くこともない。

 

 

爆撃機に侵入して2分ほど経過した。

あっけないが、このまま終わってくれれば……。

 

「Shift to remote control mode!」

 

気絶させたアークス達が意識を取り戻していないか

様子を見に行こうとしたところで、操縦席から突然システム警告音声が発せられた。

 

 

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「遠隔操作モードだと……まずいな」

機体のエンジンは再び横向きに変形し、爆撃ポイントへ向かって飛行を開始したようだ。

さらに先程より加速が速くなっている。ホバリングモードへの移行ボタンを押しても

反応がない。何の操作も受け付けなくなっているようだ。

 

ヴォイドは機体を遠隔操作し、爆撃を断行するつもりらしい。

まだ2分ほどしか時間を稼げておらず、飛行速度も上がっている。

このままでは機体が爆撃ポイントに辿り着いてしまう。

 

何かできることがあるはずだ。遠隔操作なら通信を妨害してしまえば良い。

フェザーダートには妨害電波を発生させる機能がある。爆撃を封じられるかもしれない。

レイブンドライバーからフェザーダートを取り出そうとしたその瞬間。

 

「Warning! High energy……」

 

 

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「がッ……!」

 

マスクのモニタに高エネルギー反応の警告が表示され、

強烈な衝撃と共におれは吹き飛ばされた。

 

衝撃波を発生させて侵入者を排除する機能だろうか。

同時に機体の出入り口がすべて開放されたらしく、

おれの体は爆撃機の外に放り出されていた。

 

発生した事象に意識が追い付かない。

 

 

「クソッ……どんだけ爆撃したいんだよッ」

 

急速に落下する感覚と共に自分から一気に遠ざかっていく爆撃機が目に入り、

おれは我に返った。いま、飛行できる類の装備は持っていない。

緊急脱出を使えば地面への激突からは逃れられるが……

また逃げ帰ることになってしまう。

 

 

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おれは無意識に手を空に向かって伸ばしていた。

 

ここまでなのか。

ヴォイドの都合でいくつもの命が爆撃に巻き込まれ、

訳も分からず消し飛ばされるのか。

なぜこんなことがまかり通るのか。

 

怒りに熱くなっていく身体は、ただ重力に引かれて落下していく。

 

_____________________________________________________________________

 

 

 

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伸ばした手に突如ワイヤーが巻き付き、おれの体は浮き上がった。

 

「なっ……」

 

赤いパーツを纏ったキャストが、ワイヤーでおれを

牽引しながら爆撃機を追跡して飛行している。

異常なほどの飛行速度。遠ざかっていた爆撃機がみるみる内に近付いてくる。

 

「危ナかっタな、哀レなヒーロー」

 

 

聞き覚えのある独特のしゃがれ声。

 

「お前、ヴォイドの……キリク……?」

「ソうだ……ヴォイド所属ではナくなっタがな」

 

声は同じだが、シルエットは以前戦った時と違っている。

派手な赤いパーツには、飛行用ユニットが増設されているようだ。

 

 

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「ファウの研究所が証拠隠滅のタめに爆破されルという話を聞いテな……

流石に身勝手すギるから、体張って止めテやろうと思ったのサ」

「……お前さんのよウにな」

 

「協力するってことでいいのか」

 

「お前の正義に賭けるといっタろ。そレにこの前の失態で、

ヴォイドかラも追放されタ。やケくそダ」

 

キリクの飛行スピードは異常に速く、数十秒で爆撃機に追い付いた。

爆撃機は機銃を展開して掃射してきている。追跡者に気付いたらしい。

 

「新型の機銃を積んデるな、忌々しイ……」

 

キリクはワイヤーで懸架したおれを引き上げて自らの背に乗せ、

高度を急上昇させて攻撃を回避した。

 

さらにキリクは小型ランチャーをおれの手元に転送した。

 

「俺は回避に専念すル。そレで爆撃機のエンジンを狙ってクれるカ」

 

「こんな所で撃墜したら市街地にとんでもない被害が出るぞ」

 

「墜落はさセん。エンジンを壊しタら、俺が海まで運んデやる。

 流石に推進すル機体を押し返スのは無理だからナ」

 

「そういうこと……かッ!」

 

おれは爆撃機右翼のエンジンを狙い、ランチャーの引き金を引いた。

発射されたロケット弾はエンジンに命中し爆発。エンジンが火を噴き始めている。

しかし爆撃機は体勢を崩しながらも飛行を継続。

どうやら左のエンジンも壊さなければ止まらないようだ。

 

「もウ1発だな、振り落とサレるなよ!!」

 

連射速度を上げて乱射される機銃。キリクは全身の補助スラスターを不規則に噴射し

弾丸を回避している。素晴らしい機動力だが動きが激しすぎてエンジンを狙えない。

 

「揺さぶりが凄くて狙えない!閃光弾で隙を作るから……」

「機銃の狙いを振り切レってことカ。いいダロう!」

 

 

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「効いてくれよッ……!」

 

発射した閃光弾が炸裂すると、機銃の掃射が一瞬止まった。

その刹那、キリクが一気に加速し爆撃機の左翼へ向かって距離を詰めていく。

動きは直線的。今なら狙える。

 

「今ダ!撃テ!」

「わかってるッ!」

 

 

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発射した弾頭は爆撃機のエンジンに直撃し、爆発と共に火柱が上がった。

推力を失った爆撃機は機首を下げ、墜落を始めている。

 

「キリク、あとは……ぐあッ!?」

 

 

突然おれの視界がひび割れで覆われた。機銃の乱射はまだ続いていたらしい。

弾丸がかすり、マスクのアイカメラが破損したようだ。

 

体勢を崩したおれはキリクの背から落下してしまった。

 

ひび割れたモニタには緊急脱出機能の起動を報せる警告表示。

周囲の動きがすべてスローモーションに見える。

 

「……頼んだぞ」

 

落下するおれをよそに、キリクは全身のスラスターから凄まじい炎を噴射させ、

爆撃機へ突進していく。

 

 

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ヒューイの部下から受け取ったトランシーバーが振動している。

病院の避難は完了したようだ。

 

キリクは墜落する爆撃機の機首にワイヤーを突き刺して懸架し、

付近の人工海に向けて飛行を始めたようだ。

姿勢は安定しており、高度も上昇している。

 

「大丈夫そうだな……」

 

次の瞬間、緊急脱出機能が作動した。

 

 

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眼前に広がる風景はマイルーム。

先程までの強烈な風切り音が急激に消え去り、おれはふらついて膝をついた。

数秒後、トランシーバーからヒューイからの通信を報せるアラーム音が響き渡る。

 

「ヒューイだ。秘匿回線だから、用件だけ」

「避難完了。爆撃機は人工海に落下した。よくやった」

_________________________

 

終幕へ続く。

 

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