朝月は鋼鉄纏う勇者である   作:ミートソースカブトムシ

1 / 15
千景の誕生日に滑り込みセーフです!
本編未登場のキャラがいますのでネタバレが嫌な方はご注意ください。
この話は番外編のような物です。
これからも番外編を投稿すると思いますが、「花の集う場所」がついたやつは本編とは繋がりの無いお話です、アーネンエルベとかいう喫茶店みたいなノリですので時系列的にあり得なかったりメタかったり同じ人間が同時に複数登場したりします。


花の集う場所

勇者部の部室に三人の勇者が集まった。

一人は長く白い髪が特徴的な小学生の朝月克海。

一人は身長が少し伸び、長かった髪をバッサリと雑に切った中学生の朝月克海。

そして最後の一人、この二人をこの部室に集めた張本人、朝月拓海である。

 

「御先祖様、ワタシ達に相談ってなんですか?」

 

沈黙を破ったのは小学生の克海だ。

中学生の克海は俺に豆を投げつけている。

 

「…実は今日、千景の誕生日なんだ」

「なるほど、おめでたいですね」

「それで…ええと…」

 

言いにくそうにする拓海を見て、中学生の方の克海は大した興味も無さそうに言う。

 

「ちゃんと用意したのか?誕生日プレゼント」

「うっ…」

 

豆と共に痛いところを突かれた。

 

「あぁ、誕生日プレゼントの相談だったんですね!」

 

「なるほど」と小学生の克海、「やっぱり」と中学生の克海。

各々の反応を見た後、拓海が相談した理由を話す。

 

「実は今まで千景にプレゼント渡した事が無くて…どういう物で喜んでくれるか分からないし…だから子孫の克海達の意見が聞きたくて相談を頼んだんだ」

 

顎に手を当てて考え込む小克海は少し考え込んだ後に口を開いた。

 

「千景さんってゲームが好きでしたよね?ならやっぱりゲームが良いんじゃないですか?」

「それを真っ先に考えたんだけどさ、嫌いなジャンルだったり既に持ってるゲームだったらどうしようかなって…」

「千景さんかなり本数持ってますから被ったなんてあったら気まずいですもんね〜」

「本人に直接欲しい物聞けよ。オレ達に聞くより確実だろうに」

 

中克海の方を向き、小克海は苦言を呈した。

 

「分かってないな未来のワタシよ、こういうのはサプライズだから良いんだよ」

「…よく分かんない、サプライズがいいなら聞き方を考えれば良い」

「そっちは何かないの?未来のワタシは結構ゲームやってるって聞いてたんだけど」

 

そう聞かれた中克海は豆を投げながら首を横に振る。

 

「300年くらい前の作品の移植版ばっかで新作やらないからなぁ…ドラ○エとかゼル○の伝説とかマリ○ブラザーズとか」

「うん、全部千景の家で見たね」

 

全滅である。

小学生の克海は小さくうなりながら考えてくれる。

中学生の克海は豆を投げつけるのをやめ、スマホで定番のプレゼントなどを調べるなどしてくれた。

ゲームを普段まったくやらない拓海ではゲームに関するプレゼントで思い付く物の手札などたかが知れている。

思い付くのはソフト、本体、コントローラーくらいで、後はギリギリ思い付いた本体やコントローラーを保護するケースやカバー程度か……

 

「カバー…?」

 

ケースは千景も持っている。

持ち歩きする携帯ゲーム機は落としても大丈夫な様にケースに入れて持ち歩いている。

しかし、ゲーム機本体の方は何も付けられていなかった筈だ。

 

「何か思い付いたのか?」

「…うん、二人とも相談にのってくれてありがとう。今日は俺もう行くよ!」

「お疲れ様ですー」

 

拓海は部室を出てゲームショップへと走った。

 

♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎

 

ドラ○エをやっていると、スマホの着信メロディが部屋に鳴り響いた。

画面を見ると表示されていたのは「朝月拓海」という文字列。

その着信は私をいじめから守ってくれた人だった。

 

「もしもし?」

『もしもし千景?これから千景の家に向かうんだけどいる?』

「いるけど、どうかしたの?」

『千景に用事があるんだ』

「用事?」

 

ピンポーン

 

「早いわね…」

 

自室から出て玄関を開けると、そこにはビニール袋を手にぶら下げた拓海が立っていた。

 

「誕生日おめでとう。んっ」

「えっ、ちょっ」

 

持っていたビニール袋を千景に押し付ける様に手渡す。

 

「……これって?」

「誕生日プレゼント」

「えっ?」

 

誕生日プレゼント、そう聞いた千景は一瞬固まった。

そういえば、今日は私の誕生日だったと千景は思い出す。

 

「ごめん、人にプレゼント渡すのって初めてだからこういうので良いのか分かんないけど…」

「……大丈夫…だと思うわ。…その、開けていい?」

「もちろん」

 

袋の中の物を手に取る。

中には二つ物が入っていた。

一つ目は携帯ゲーム機を保護するための赤いカバー。

二つ目はコントローラーにつけるシリコンカバー。

 

「これ、拓海が考えてくれたの?」

「人に相談したりしたけど…まぁ」

 

胸の辺りが暖かくなる。

目を合わせられない。

 

「えっと、迷惑だった?」

「そんなことない!…そんなことないわ、凄く嬉しい」

 

ダメだ、ちゃんと目を合わせて言わないとダメだ。

私を安心させてくれるこの人に、私の今の思いを伝えよう。

 

「…大切な人から物を貰ったのは初めてよ……ありがとう…!」

 

きっと、私は彼のおかげで笑っている。




Q どうしてこんなにギリギリまで遅くなったんですか?

A 克海くんたちのキャラ付けが終わらなかったからです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。