朝月は鋼鉄纏う勇者である   作:ミートソースカブトムシ

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一週間ぶりの投稿です。


第十一話 初めての全力

鋼鉄の装甲を纏うと、拓海は無くしていたモノを取り戻したと感じた。

本来人には無いはずのモノを元々あるモノだと錯覚している状態である。

元々人が持っていないものに目覚めた感覚を一度味わった勇者だからこそ分かるものだった。

眼鏡を外したことで線が見えるようになると、それを見ていることによる負荷と討滅兵装に接続していることによる負荷が同時に脳にかかり、いつもより強い頭痛に襲われた。

 

「ぐっ───!」

 

ポタポタと、鼻から暖かいモノが滴り落ちた。

自分の顔を腕で拭うと、そこにベッタリと血の跡がつく。

不安になる勢いでその血は流れていた。

 

「これは…」

 

今までで初めての経験に戸惑いが生じる。

ぼーっとする頭で考える。

原因はおそらく、二時間の調整の際、休憩をせずに討滅兵装と接続していたことにより発生した疲労だろう。

 

「拓海…それ…!」

 

千景は異常を見逃さず、それにつられて若葉達もこちらの様子に気づいたようだ。

 

「わわっ、すごい鼻血!」

「滝みたいに出てるなっ」

「調子が悪いのか?ひどいようなら下がっていろ」

 

若葉の表情から心配が見てとれる。

 

「…大丈夫、いつもこんな感じだから…鼻血は初めてだけど」

 

若葉は少し訝しげな視線を向けていたが、それ以上は何も言わなかった。

 

(この眼と一緒に使わない方がいいのか?……いや……)

 

限界が来そうになったら眼鏡をかけて負担を軽減しよう。自分にそう言い聞かせて意識を失わないように気を張った。

 

「でも…」

 

千景は納得がいってない様子でこちらを見ている。

…何も、言えなかった。

 

♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎

 

拓海が討滅兵装と呼ばれる鎧を付ける所を、今日初めて見た。

彼は大丈夫だと言っているが、とてもそうは見えない。

一瞬、苦しそうにしたと思ったら、鼻血を大量に流し始めるなんて、身体に良くない影響が出ている証拠だ。

乃木さんの言う通り、調子が悪いなら後ろにいてほしい。

 

「──拓海」

「なに?」

「無理は……無理だけはしないでね…」

「──うん、分かってるよ」

 

口ではこう言っても、彼は聞かないんだろうなと、少し諦めがついている。

前回の戦闘では自身の武器を投げてまで進化体からの注意を引いていたし、最初の戦闘でも彼は結界を貼れる鞘を伊予島さんに貸していたし、怖くて動けなかった私を引っ張ってくれた。

きっとそういう性分なんだ。

不利な状況に置かれている人を見たら、助けてしまう。

そういう人でもないと、転校してきた当日に見ず知らずの私を助けるなんてしないのだ。

それでも、そんな人でも、このお願いだけは聞いて欲しかった。

 

♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎

 

「本気を出せる状態は初めてか…」

 

───ポツリとそんなことを呟いた。

初の戦いでは調整不足とガス欠により全力を出せず、二回目の戦いでは討滅兵装を装備できない状態での急な戦闘だったこともあり、今回が拓海にとって初のフルスペックでの戦闘だ。

巨大な植物に覆われた丸亀城の城郭から周囲を見渡す。

壁の向こうから迫るバーテックスの群れ、まだ遠い位置にいるそれらはまだまだ小さく見える。

スマホの画面を視界に映し出すと、バーテックスの数が一〇〇体強だということが読み取れた。

そのバーテックスの中に、一際速い個体がいた。

群れから離れ、凄まじいスピードでこちらへ向かう一体。

ソレの見た目は人の下半身のような見た目だ。

その細い足で巨大な根を優に飛び越え、パルクールでもしているかのような動きをしているバーテックス。

そのスピードは他のバーテックスと比較するまでもなく速かった。

 

「へ……変態さん!?」

 

バーテックスの不気味な動きに友奈は顔を引きつらせる。

 

「進化体か」

 

初めから進化体が攻めて来たのは初めての事だ。

 

「……あれは食えんな」

「可食部少なそうだしね」

「いや、食べれるかどうかとか考えないでください!」

「……絶対に食べないで」

 

杏はツッコミをいれ、千景は呆れたように釘を刺した。

 

「ふっふっふ……」

「どうしたの、タマちゃん?」

 

不敵な笑みを浮かべる球子に、怪訝そうに友奈が尋ねる。

得意気に球子は答えた。

 

「今回は秘密兵器を持ってきたのだ。──タマだけに、うどんタマだあああっ!」

 

うどん玉である。『最高級!打ち立て!』と袋に書いてあるうどん玉である。

球子の秘密兵器の正体、それはうどん玉だった。

 

「それを……どうするつもり……?」

 

訝しむ千景の質問に、球子は二足歩行のバーテックスを指差し質問に答えた。

 

「大社の人が言うには、バーテックスには知性があるんだろ?そしてあの、人の下半身みたいな姿……奴はもしかしたら人間に近いのかもしれないっ!」

「そっか!だったら、うどんに反応して隙ができるかも!」

「その通りだ、友奈!この最高級讃岐うどんを前にして、人なら冷静ではいられないっ!てやあああ、文字通り食らえ〜〜〜っ!」

 

球子が大きく振りかぶった。

投擲対象は二足歩行のバーテックス。

無事に球子の手から放たれたうどん玉は、その狙い通り二足歩行の進路方向上に落ちた。

魅惑的なうどん玉、人類に対しては絶大な特攻を持ち、戦闘に用いるとなれば確実に数秒は稼げる。

しかし──────

二足歩行のバーテックスは止まらない。スピードを緩めず、まるでうどん玉なんてそこに存在しないかのように通り過ぎる。

 

「「「「「!!!!?」」」」」

 

勇者達に駆け巡る戦慄。

 

「うどんに……興味を示さないだと……!?」

 

若葉は驚愕と怒りに震えている。

 

「釜揚げじゃなかったからかよっ!?」

「ううん、タマちゃん……釜揚げじゃなかったとしても……最高級うどんを無視するなんて……!!」

 

友奈が悲しみに顔を俯けながら、絞り出すような声で叫ぶ。

一つの確信。

人間性の欠片なんて無い、人とはあまりにも遠い存在である。

そう、コイツらはどこまでいってもバーテックスなのだ。

 

「……後で絶対回収してやるからな」

 

投げたうどんを見て、悔しさが混じった声で武器を構える。

 

「最高級うどんの仇!あいつはタマが倒す!」

 

球子はそう啖呵を切り、進化体へと突撃する。

杏もそれを援護しに続いた。

 

「俺もやるか」

 

初めての全力。

加速する身体が星屑へと迫る。

藍鉄の刃は線をなぞり、星屑を死に追いやった。

空を飛べる事がどれだけ強みになるのか思い知る。

数体の星屑を視界に入れる。

 

「今なら、これだって!」

 

頭痛がより酷くなる。

討滅兵装の機能解放。

今回解放したのは視界の拡張だ。

各部センサーの情報が頭を無遠慮にかき回す。

あらゆる場所に目が付いたような感覚が気持ち悪い。

背中のコネクタから情報が送られる。最短で敵を殺すための選択肢(プラン)を数個、提案される。

空中を駆け出す。

まるで弾丸かのように真っ直ぐな軌道を描いている。

殺したら次へ、また次へと繰り返す。

 

「試運転にもならないな」

 

とはいえ、油断は出来ない。討滅兵装の継戦能力や出力は上がっているものの、俺の身体はずっとこの動きができるわけじゃない。

それは俺が人間である限り、解決しない。

どんなに強くても、動けなくなったら話にならない。

それだけは避けなければならなかった。

なぜなら…

 

「───千景がまた無茶するからな」

 

前回の戦闘で、千景は俺を庇った。あの時は切り札を使っていたから良かったが、もし使っていなかったら死んでいた。最初の戦闘でも、千景は恐怖でいっぱいの中、それを押し殺して俺を助けに来てくれた。

俺に『無理しないで』と言っておきながら、当の本人の千景が結構無理をしている。

 

「…って、考え事してる暇はないか」

 

背後から接近する星屑を斬り伏せる。

他のみんなが頑張っているのに、立ち止まってたら怒られてしまう。

敵の減りは想像より早い。

さっさと終わらせてしまおう。

 

♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎

 

「てやああああ!」

 

投げられたは旋刃盤二足歩行にあっさり避けられる。

 

「くっ!」

 

二度、三度に渡り旋刃盤を投げる球子だが、二足歩行にそれらを尽く避けられていた。

 

「当たらない!なんだよこいつ、すばしっこすぎるっ」

 

今までのバーテックスとは性質がまるで違う。

バーテックスは巨大で頑丈な身体を持つが、鈍重であり攻撃を当てること自体は簡単だった。

しかし、この二足歩行はその反対。

小さく、動きも素早い。攻撃はそもそも当たらなかった。

 

「タマっち先輩!援護するよ!」

 

杏のクロスボウから矢が放たれる。

二足歩行はそれを軽々と避けたあと、杏に狙いを定めて接近していく。

 

「……!」

 

杏のクロスボウの得意な距離ではなく、苦手とする接近戦をしに来たのだ。

二足歩行は飛び蹴りのような体勢で、杏に突撃する。

 

「あんずに、触れるなぁっ!」

 

二足歩行と杏の間に入り、旋刃盤を楯形状に展開した。

飛び蹴りは防がれたが、勢いは殺せず、球子と杏は共に吹き飛ばされてしまった。

 

「うあっ!?」

「きゃあ!」

 

二人は地面に叩きつけられた。

球子が杏を庇うように下敷きになり、ダメージは球子が一人で受ける。

 

「タマっち先輩!?」

「うぅ…いってええ……っ!」

 

球子は左肩を押さえ、顔をしかめる。

 

「肩が…!」

 

杏が球子の肩を見る。左肩の鎖骨の辺りが目に見えて分かるほど隆起している。脱臼か、あるいは骨折したのかもしれない。

勇者の装束は防御力を上げるが、ダメージをなくせるわけではないのだ。

 

「なんで…」

 

自責の念に苛まれる。

球子よりも自分が怪我をして、球子が無傷だったらという思考が止まらない。

苦痛に顔を歪ませながらも、気丈にも、球子は笑顔を見せた。

 

「いいんだよ……タマが自分で守りたいからそうしただけだ……っ!?」

 

咄嗟に紡げない言葉があった。

ただ一言、逃げろという言葉を発せなかった。

それを喋る暇があったら、杏を守れと球子の身体が走っていたのだ。

球子が見たのは、追撃をしにこちらへ走る二足歩行。

残った右腕に旋刃盤を握りしめ、再度杏を庇おうと球子は前に出た。

その瞬間だった。

球子の目の前に、黒い何者かが轟音と共に着地した。

 

♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎

 

「───────!」

 

視界に映し出したスマホの画面は勇者とバーテックスの位置を示している。

ほとんどのバーテックスを倒した中、二足歩行のバーテックスが残っていることを確認した。

二足歩行の反応の近くに、杏と球子の反応がある。

ここまでなら良い。

問題は二人の反応が二足歩行と接触したと思ったら吹き飛ばされた事だ。

気づけば、身体が動いていた。

敵はすぐに見えた。飛び蹴りの体勢で球子達に迫る二足歩行の前に降り立つ。

 

「山桜」

 

朝月流剣術の一つ、山桜。

刀の柄にある頭の部分を相手にぶつける技だ。

衝突する足と頭、力比べに勝ったのは俺の方だった。

吹き飛んでいく二足歩行。

地面を転げていく姿に、先程までの余裕はない。

 

「生きてる?」

「あ、あぁ…大丈夫だ」

 

球子は怪我をしているようだが、杏は無傷らしい。

鞘を外し、地面に突き立てる。

そこを起点に二人を包み込む結界が生成される。

これで少なくとも負傷者に手を出されるという事態は防げるだろう。

問題は二足歩行のアイツだ。

直線での速度なら俺の方が速い。しかし、アイツの強みは速度だけではない。

その動作(モーション)の速さだ。

下手な攻撃は体力を消費するだけだろう。

刀を振るう、線に沿っていけば確実に死に追いやる刃。

二足歩行はそれをギリギリのところで避けた。

 

「それも避けるか…!」

 

かすりはしたが、線から少しズレたため有効打とはならない。

刀を構え、スラスターを吹かし体当たりするように近づき振り払う。

しかし、身を屈めた敵に避けられた。

それだけでは終わらず、二足歩行は俺が上を通る瞬間に起き上がり、頭突きをかましてきた。

 

「ぐっ…!」

 

直撃し、吹き飛ばされる。

地面を転がる姿は先程の二足歩行を彷彿とさせた。

 

「いってぇな…おい」

 

攻撃を当てられない自分にイライラする。

だが、あと少しでやつに届く。

感覚はそう言っている。相手の動きに慣れてきたからだ。

刀を構えて、次こそは殺してやると覚悟を決める。

二足歩行は突然拓海とは別の方向へと走り出した。

一瞬なにがしたいのか理解できなかった。

少し考えてその意図、敵は神樹へと向かっている事を理解する。

 

「行かせなっ────」

 

頭がオーバーヒートしたような感覚。

機能解放を解き、眼鏡をかける。

多少はマシになるが、頭痛はこれまでとは比べ物にならないくらい酷いものだった。

討滅兵装は動いても、俺の身体は限界の一歩手前の状態である。

やつに追いつき、倒すには近接戦闘に特価した武器では不利だ。

故に、千景、若葉、友奈の三人に任せたくない。

高速で移動できる俺、あるいは飛び道具を持っている物が戦うべきなのだ。

なのに、この身体(ボンクラ)は動かない。

 

「だったら、タマの出番だな。あんずはここで待ってろ」

「え……」

「あんな奴、すぐに倒してきてやるから!」

 

後ろから聞こえる怪我人の声に、その耳を疑った。

 

「拓海も、あいつはタマに任せろっ!」

「待って、けが人は後ろで───────」

 

下がってて。と言い終わるのを待たずに、球子は返事をした。

 

「そんな青ざめた顔で言われても、説得力無いぞ!」

 

球子が走り出す。

地面を踏みしめる度に彼女の顔が苦痛に歪むのが見えた。

勇者装束が痛みを和らげていたとしても、激痛には変わらないはずだ。

 

「こ…の…!!」

 

身体は動く。

問題は、俺が動ける時間が残り少ないこと。

本気で戦える時間ともなれば、刹那もあるかどうか────

ならば、その刹那を二足歩行にぶつける。

そう心に決めて立ち上がった。

 

「私もいきます!」

 

杏も覚悟を決めたようだ。

 

「大丈夫なの?」

「はい、私もタマっち先輩を守りたいんです!」

「───じゃあ、行こうか」

 

鞘をマウントし直し、杏を担いで準備は完了した。

 

「拓海さん、これは……」

「喋ると舌噛むよ。あー、着いたら落とすからよろしくね」

 

返答を待たず、スラスターを吹かして球子のいる場所へ一直線に飛ぶ。

杏から小さな絶叫が聞こえた気がするが気のせいだろう。

すぐに球子の姿が見えた。

球子は考え無しに攻撃するだけでは避けられると考え、攻めあぐねているようだ。

杏は重力に従って落下する中叫ぶ。

 

「タマっち先輩!旋刃盤を力いっぱい投げて!」

 

球子の返答を待たずに杏は畳み掛ける。

 

「大丈夫………タマっち先輩の武器、あいつに当たるから!」

 

確信に満ちた口調。

それに後押しされた球子は「りょーかいっ!」と杏の言う通りにした。

 

「てやああああっ!」「ここだ───っ!」

 

二人の攻撃は同時に行われた。

射撃と投擲。

旋刃盤と金色の矢が二足歩行に迫る。

それを難なく回避した。

しかし、杏の矢は元々二足歩行を狙っていなかった。

旋刃盤のワイヤーを射抜く金色の矢。

ワイヤーが歪んだことで旋刃盤の軌道が変わる。

再び二足歩行に襲いかかったのだ。

 

「タマっち先輩、旋刃盤を楯状に!」

「───分かった!」

 

軌道の変更。当たり判定の増加。二つが合わさることで二足歩行の回避するべき移動量は大幅にズレた。

直撃する旋刃盤。

しかし、二足歩行はそれでも尚この攻撃網を抜け出し、神樹へ向かうために足を前に踏み出す。

────刹那、藍鉄の刃が一閃し、二足歩行の足は意味を無くした。

崩れ落ちる二足歩行。

後ろに目を付けていないからこうなるのだ。

眼鏡を外してヤツの脆い場所を見る。

認識するより先に身体が動く。

 

「終わりにしようか」

 

刀を振り上げ、線の収束する場所に一突きすると、進化体バーテックスは奇妙な鳴き声と共に消滅した。

どうやら千景達もバーテックスを倒し尽くしたようだ。

熱が出たように身体がだるい。

頭も、関節も痛い。

気力すら尽きかけている。

自分の体力の無さを、これでもかと痛感した。

 

♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎

 

──翌日の昼休み。

アームホルダーで左腕を固定した球子は窮屈そうにしている。

 

「窮屈過ぎてタマらん……もうこれ取っちまいたいっ!」

「ダメ!怪我が長引いちゃうよ!」

 

この様に、不満を漏らす球子を杏が叱るというのを、今日は何回か目撃している。

うどんを球子の口に運ぶ杏。

二人の様子を見て、兄の珊瑚との思い出を想起した。

 

「こんな美味いうどんに興味を示さないなんて、バーテックスに知性があるってのは嘘なんじゃないかな……というかあんず、右腕は動くんだから、わざわざ食べさせてくれなくてもいいんだぞ」

「片手じゃ食べにくいでしょ?」

「そうでもないけど……」

 

球子はため息をつきながらも抵抗する様子はない。

実に微笑ましいことだ。

…一人だけ、そんな雰囲気とは正反対な人がいる。

 

「………………」

 

痛い。

なんか痛い。

怖さじゃなくて痛みが来てる。

主に千景がいる方から痛みが来る。

 

「郡、その…なにかあった?」

「何も無いわ………無理しないでとお願いしたら『分かってるよ』と返事した癖に体調を崩すくらい無理したおバカさんに呆れてるだけよ」

 

笑顔で答える千景、目が笑っていないのは多分勘違いではないだろう。

心配してくれるのは良いのだが…千景は少し過保護だ。

勇者として戦うなら、多少はボロボロになるものだと思う。

 

『クソボケめ…』

 

いきなり頭の中の老人に罵倒された気がした。

 




拓海は千景が心配してくれる理由を分かっていません。
クソボケ野郎です。
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