倉田ましろといろんなことがしたい。 作:フロストヴェール
皆は、夢って見るかな?
一説によれば、夢を見る状態は眠りが浅くて、意識が起きてると勘違いしてるから見れるそうな。
また一説によれば、記憶の整理をするために過去や直近の記憶を引っ張り出して、ストーリーとして映像化するのを夢と読んでたりしてるそうな。
だから、嫌いなやつと二人きりでお出かけ、なんてこともなくはない。
でも、あんまり分かってないみたいなんだな、不思議だ。
で、俺はなんでこんなことを言ったか。
それはさっきまで夢を見ていたからなんだな。
それも、めちゃめちゃに良い夢を。
「...て、...きて」
「っ...ん...?」
優しく揺さぶられながら、優しい声がかかる。
身を捩りながら薄目を開けて、目を閉じる。
だけどすぐに目を開けた。
「あ、起きた。おはよう」
「お、はよう...えっと、なんでここに?」
我が推し倉田ちゃんが起こしに来た。
えっと、夢ですか?(夢です)
「えっと、会いたくなったから?」
「...だとしても、ここまではどうやって?」
「通してくれたよ、お義母さん。『未来のお嫁さんです』って言ったら」
推しが未来の嫁ってそれまじ?
それ全国の倉田ちゃん推しに殺されるよね。
推しを嫁にするのはオタクの夢だもんね。
「ほら、早く起きて。朝ごはん食べたら、お出かけしよ?」
「わか、りました...」
「む...」
ほっぺた膨らませてる、可愛い。
じゃなくて。
「えー...何か、怒ってらっしゃる?」
「なんで敬語なの...?」
「あ、いや、えっと...恐れ多いと言いますか...」
「どうして?」
つめられてる、顔が可愛い。
あとなんか当たってる。
「倉田さんは、その...憧れなので...」
「憧れ?」
「ああいう風になりたいなって、それが相まって...」
「えへへ、そっか...でも今はそういうの、大丈夫だよ」
なんだか緊張するな。
「ついでに、名字呼びもやめようよ。なんか寂しい」
「そうです...じゃなくて、そっか...」
推しを呼び捨てできる世界線ってこと?
何それ異聞帯じゃん、切除したろ。
「じゃ、じゃあ...ましろ」
「ふふっ、なあに?」
「呼んでみた、だけ」
「もっと呼んでもいいけど...今はご飯出来てるから、後で、ね?」
「わかった...」
俺はましろに連れられて、朝ごはんを食べに部屋を出た...。
「(いやいやいや、夢でよかった)...っぶねぇ...」
まじでよかった。
推しと同棲とか控えめに言って死ぬ。
本当に無理。
「あれ?これ...落としたよ?」
「っ!?...あ、ありがとうございます...」
落とした消しゴムを拾ってもらい、それを筆箱に突っ込んで机に突っ伏す。
授業中に見てた夢、めっちゃ異性不順交遊なんじゃないのかな。
同棲してぇ~