世界を救った暗殺者はダンまち世界に転移する 作:一般リターナー兵士
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起きてマイページ開いたらバーが赤くなってて驚き…。
ランキング見たらルーキー日間のめっさ上の方に見たことあるタイトルがあって思わず3度見しました。
本当にありがとうございます!!
仕事倒したので、今日も更新出来ました。
明日?うん……がんばる。
「言い過ぎた、のだろうな」
来客の去った部屋に1人、つぶやきが落ちる。
アストレア達3人はファミリアのホームへ、テアサナーレは仕事へとそれぞれ戻っていった。
念の為、俺の話を他言することないよう頼んだ。
アストレア達からは「異世界の人間とか他の神に知られたら大変なことになるに決まっているから話せる訳がない」、テアサナーレは「患者の個人情報を漏洩するようなことは治癒師の矜持にかけてしません」と言っていたから大丈夫だろう。
薄暗くなりつつある部屋の窓から外を覗いてみれば、高い壁に囲まれた街並みが見える。
ローヴェルに対して吐いた言葉は、俺にとっては間違っていない。
俺が【英雄】なんぞに相応しくないのは確かだが、そんなことはローヴェル達には関係ない。
知らぬ者が聞けば、仲間達と俺のやったことは間違いなく【英雄】と呼ばれるに相応しい偉業だろう。
世界は救われたのだから、救った者達は【英雄】と呼ばれる。
理屈はわかる。理解も出来る。だが、納得は出来ない。
「それは、俺の都合だな」
そもそも奴らには詳細まで話してはいない。
世界が滅びそうになった理由も、元凶となった存在が
なのに、あれでは八つ当たりだ。
「何をしているんだろうな」
どうも仲間達と旅をしていた時とは違い、感情を上手く制御出来ていない気がする。
ケフカを無事に殺せたから気が緩んでいるのだろうか?
たしかに、自分の役目を果たすことが出来たことで張り詰めていた糸が切れたような、楽になったような感覚はある。
それとも、
「まぁ、考えても仕方のない事だな」
窓から離れ、ベッドへ腰を下ろす。
考えなければならないことは多くある。
前の世界のこと、この世界のこと、俺自身のこと。
そう、多くあるんだが……。
「シャドウ、か」
部屋から去る彼女達に名を聞かれた際に、当たり前のように俺はこの名を名乗った。
俺はこの名前にどういう意味を込め彼女達に名乗ったのだろう?
「難しいものだな、ただクライドと名乗るだけのはずなのにな」
素直になるだけというのに、それさえも出来ない。
「クライドとして生きて、幸せになって欲しいか」
なんともまぁ、どうしていけばいいかわからないな。
異世界に1人、俺を知る者など誰もいない。
なのに、自分の本当の名前を名乗ることさえしようとしない。
こんな俺を見たら、仲間達は何というだろうな?
「マッシュは『何を難しいことを考えてんだ!そんなのシャドウの好きにすればいいだろう!!』とか笑い飛ばしそうだ」
あいつは脳筋だが、こういう時は率先してこんな空気を壊してくれていたな。
「モグは『クポ~!?』とか叫びながらそこらを慌てたように走り回りそうだ」
そんな様子のモグを仲間達で眺めながら…………そうか。
「……………………あぁ」
この世界に、お前たちはいないんだな。
もう、お前たちに会うことはないんだな。
お前たちに救われることも、お前たちを救うことも、出来ないのか。
「1人で死のうとしてたクセに、なんとも都合のいいことだ」
二度と会えなくなることなど、覚悟していたはずなのに。
「弱いな、俺は」
死ぬことは平気だったのに、仲間達に会えないことがこんなにも……。
「さみしい、なんてな」
あぁ…………なんとも俺らしくない。
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「失礼します。シャドウさん………どうかされましたか?」
テアサナーレか。扉が開けられる音どころか、声をかけられるまで気付かなかったとは。
「食事をお持ちしたのですが、ノックをしても反応がありませんでしたので」
灯りも点けていないみたいですし、と言われてもな。
「魔石灯だったか?それの扱い方を知らないからな」
そんな怪訝そうな顔をするな、説明しただろうが。
「そういえば、シャドウさんはそういう事情をお持ちの方でしたね」
テアサナーレが使い方を教えてくれた。使い方は簡単だった。
似たような物を使ったことがあるな。
こういう道具の使い方はどんな世界でも共通なのだろうか?
まあ、ヒトとして姿や形が変わらないなら道具にも共通点が出るのだろう。
「感謝するテアサナーレ」
「出来ればテアサナーレではなくアミッドと呼んで下さい。そちらで呼ばれるのは慣れていないので」
そうなのか?テアサナーレよりアミッドの方が呼びやすいから助かるが。
「何か言いたいことでもあるのか?」
「いえ…………その…………」
何やら言い辛そうに俺から視線を外した。
しばらくして、彼女は恐る恐る口を開いた。
「シャドウさんが、泣いていらっしゃるように見えましたので」
………………………そうか。
「気のせいだ」
「そう、でしょうか?」
表情がほとんど変わらない彼女だが、それでも読み取れることはある。
アミッド、お前はきっと優しい人間なのだろう。
俺の過去を聞いて、何かが彼女の内面に引っかかったのかも知れないが。
お前がそんな辛そうな顔をする必要はない。
「あぁ………気のせいだ、アミッド」
一応は納得したのか、それ以上は言及することなく食事の準備をしていくアミッド。
「神アストレアが来る前の問診では食べられない物はないと聞きましたが、食べられそうですか?」
並べられた食事は麦粥を中心とした病人食といったものか。
「大丈夫だ。聞いた感じ食事などの基本的な文化は前の世界とそう変わらないと思う」
無論、神が普通にうろうろしている時点で、神の扱いなどの常識はかなり異なりそうだが。
話を聞く限り、前の世界と文明の発展具合などはあまり変わらないように感じる。
「いえ、ここに運ばれて来た際は生きていたのが不思議なほどの重症で、治療をした後も3ヶ月近く意識が戻らなかったのですよ?それに、普通は意識が戻っても筋力が落ちて自力で起きるのは難しいはずなのに、普通に1人で起き上がりましたし。問診や検診でも身体に異常が発見できなかったのが不思議で……異世界の方は、そういう身体をしているのですか?」
それは、問診のときに言うべきだったのでは?
いくら異世界人だからって、同じヒトなのだから身体の構造や強度などは基本的に同じだと…………いや、ちょっと待て。
そういえば、セリスは世界崩壊後に1年間意識が戻らなかったのに、起きた後はすぐに生きる気力を失くしていたシドの為に浜辺に行き、魚を取って食わせて元気にさせたとか聞いたぞ。
それに俺も獣ヶ原の洞窟で大怪我を負ったが、怪我がある程度治ったらすぐにコロシアムまで行って仲間達が来るまでひたすら戦ってたわ。
おや?これは否定出来ない気がしてきたぞ。
…………どう答えるべきなんだこれは。
どうなんです?という顔でこちらを見てくるアミッドをよそに、俺は用意された食事に手を付けた。
味付けは、病院食らしく薄味ではあったが美味しかった。
そんな俺を「いいから答えろ」という顔でアミッドは見てくるが、どうしたものか。
こじらせシャドウはこの辺にして、そろそろ話を動かしていく予定(未定)。
FF6を大人になってまたやったときに
崩壊後の世界であんな美人(セリス)が昏睡してんのに、本当に何もなかったのか?
シドが頑張って守ったのか、そんなことを考える余裕もないくらい絶望していたのか?
そんなことが気になってしまった。
素直に違和感を覚えずやってた子供の頃を懐かしく感じたり。
まぁ、戯言。
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