世界を救った暗殺者はダンまち世界に転移する   作:一般リターナー兵士

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昨日は仕事に負け、お布団に負けと連敗しました。

なので、今日は2話投稿しようと思うのでよろしくお願いします。




007 準備 (ちょうはつ)

「それじゃあ2人とも!模擬戦をやる準備は大丈夫かしら!!」

 

審判は私がやるから!と叫んでるが、これはツッコミ待ちなのだろうか?

 

「何故、ローヴェルがここにいる?」

 

俺の前には、満面の笑みを浮かべたローヴェルと、どこか違和感のある笑みを浮かべた和服のような服装の黒髪の女。

 

俺の横には、そんな2人を苦笑いを浮かべ眺めるアストレア。

 

少し離れた所には目を閉じ精神統一をしているリオンがいる。

 

リオン以外のファミリアの団員はダンジョンや都市の巡回に行っているとアストレアから聞いたはずなんだが。

 

先に行くと言って俺やアストレアと分かれたリオンが呼んだのか?

 

というか、隣にいる娘は誰だ?お前と一緒にいるということはアストレア・ファミリアの団員か?

 

「この場所で面白いことが起きるって私の魂がささやいたのよ!!あと、この娘は輝夜!うちのファミリアの副団長よ!!美人だからって口説いちゃダメだからね!!」

 

「団長より紹介を受けました、ゴジョウノ・輝夜と申します。Lv.4、『大和竜胆』の二つ名を神々より授かり、アストレア・ファミリアでは副団長を拝命させていただいております」

 

「ちなみに、模擬戦のことはさっきリオンに聞いたわ!!」

 

ローヴェルが何を言っているのか、俺には本当にわからん。

 

面白そうな予感がしたからって来れる場所じゃないだろうここは。

 

都市(オラリオ)の外だぞここ?アストレアが俺をホームまで連れて行く訳にもいかないし、都市内で模擬戦をやればどうしても目立つからってわざわざ都市を出てここまで来たんだぞ??

 

もういいや、ローヴェルについては考えるのはやめよう。

 

「竜胆とは、アストレアの眷属らしい二つ名だが……何故そいつまでここにいる?」

 

ローヴェルはまともな返答をしないと思うので、アストレアに答えてもらおう。

 

「あら、竜胆の花言葉をご存知とは意外ですわ。わたくしの事を知りたいのでしたら、直接問うていただければお答えしますのに……」

 

「ネコを被っている奴に何を聞けと?そんな無様な擬態もわからぬほど俺の眼は節穴ではない。さっさと答えろアストレア」

 

ピキッという音が鳴ったかのように顔が固まるゴジョウノ。ネコ被りが見破られた程度で動揺しすぎだろ。

 

「今日はアリーゼと輝夜で巡回をしていたはずだから、きっと輝夜はアリーゼに連れてこられたのね。あと、貴方には申し訳ないと思ったのだけど、輝夜には貴方の事情を話したわ……その、アリーゼとリューはあんな感じの娘だから、輝夜は口も堅いし冷静な判断が出来る娘だから貴方にも紹介したかったの」

 

勘が異様に鋭いポジティブ馬鹿と潔癖正義馬鹿と比べたら大体の奴は冷静な判断が出来る事になるのでは?

 

「……今回は見逃すが、次からは事前に知らせてくれ。俺の事情がどれほどの劇物なのか、その危険性を説いたのはそちらなのだから」

 

頷いたアストレアからゴジョウノに目を向けてみれば、違和感のある笑みは消え、雰囲気が先程までと変わっていた。

 

「何故、私がネコを被っているとわかったので?」

 

「それがお前の素か。別に大した理由などないが、強いて答えるならお前の笑い方は完璧過ぎた。政争や交渉の場で使われていそうな表情をしていれば違和感ぐらい覚える」

 

エドガーが王様としての立場で話している時の表情があんな風だったからな。

 

「なるほど。今後は気をつけると致しましょう」

 

ネコを被らないという選択肢はないのか……まあいい。

 

さて、そろそろやるか。

 

3人から離れリオンがいる方へ歩く。

 

俺が近づいて来るのを感じたのか、リオンは静かに目を開いた。

 

「一つ、忠告を」

 

「アストレア様に神の恩恵(ファルナ)を授けられている私と、神の恩恵(ファルナ)を持たない貴方では文字通り格が違う。ましてや私はLv.4、オラリオでも実力は上の方であると自負している」

 

「私は加減が苦手で、いつもやりすぎてしまう」

 

「この模擬戦でも、もしかしたら加減を忘れてやりすぎてしまうかも知れない」

 

「貴方に思う所はあるが、怪我をさせたい訳ではない」

 

「アストレア様から頼まれた模擬戦ではあるが、どうか」

 

「戦うことを選ばず、降伏して欲しい」

 

何言ってんだこいつ?

 

神の恩恵(ファルナ)の有無?レベルが高い?これから戦う相手を前に()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

いや、違うか。この金髪エルフは俺を敵として認識すらしていない。

 

どうせ自分の方が圧倒的に強いが、アストレアに言われたから仕方なくこの場にいるとか考えているのだろうな。

 

油断ではなく慢心あたりか。敗北を経験したことはあるが、心が完全に折れるほどの敗北を経験したことがないのか、仲間や主神に支えられたお陰で心が折られずに何とかなってきたのだろう。

 

だから、そんな言葉を吐ける。

 

帝国で仲間達がガストラと会食を行い、各所から帝国軍の撤退が決まった辺りのリターナーにこういう感じの奴を見たな。

 

『犠牲になった者達はいたが我々は勝利を手にしたぞ、我々の活動は間違っていなかったのだ』と浮かれてる奴が……ドマ城の惨劇を見てから同じ台詞を吐いてみろと思ったが。

 

………仕方がない。

 

「素直に言ったらどうだ『私より弱いくせに、自分勝手な貴様を気に入らない、本当は完膚なきまでにぶちのめしたい』と」

 

なら、まずは俺を敵であると認識させる必要がある。

 

そうでなければ、わざわざ模擬戦をする意味がない。

 

この模擬戦はアストレアが出して来た俺を雇う条件ではあるが、俺も自分の力がこの世界でどの程度通用するのか確かめる必要がある。

 

だから………。

 

「戦う前からこちらを見下し、結果を決めつける。エルフらしく()()()()()()()のだな」

 

…………全力で煽らせてもらうぞリオン。

 

「それとも、弱者だと決められた俺が、強者であるお前に媚び諂っていないのがそんなに不満か?」

 

「なら喜ぶといい。この場は正義であるお前が、存分に俺を悪に堕とせる、またとない機会だ」

 

「強者が弱者を力で脅し、従わせるのが()()()()()()()()()()?」

 

「どうなんだ、答えてくれよ………正義の味方(リュー・リオン)?」

 

返答は、言葉ではなく攻撃によって行われた。

 

自分の正義を馬鹿にされ貶められた事を理解したリオンは怒りに顔を染め、瞬く間に俺へと踏み込み、手に持った凶器を振り下ろした。

 

振り下ろされる凶器は模擬戦ということで木刀ではあるが、頭にでも当たれば人なんぞ簡単に殺せる。

 

特にLv.4であるリオンの実力を持ってすれば、恩恵を持たない者の頭など踏み込んだ事すら気付かせず、簡単に破裂させられるだろう。

 

「なっ!?」

 

その声は誰が漏らしたのか。

 

ローヴェルか、ゴジョウノか、アストレアか。

 

それとも、恩恵を持たない俺など簡単に倒せると宣言していたにも関わらず攻撃を避けられたリオンか。

 

驚愕した表情を隠そうともしないリオンに反撃することも出来たが、あえて手は出さず口を開く。

 

「どうした?審判をすると言ったローヴェルから開始の合図は出ていないが、不意打ちをするのが正義の眷属(アストレア・ファミリア)のやり方か?」

 

リオンから一歩距離を取り、挑発を重ねていく。

 

「まあいい。ならば来るといい正義を掲げる者よ。その正義が俺に届くといいがな」

 

 

 

 

 




的確にリューさんを煽っていくスタイル。

そして輝夜さん初登場。

問…主人公エルフのこととか詳しくない?どこで知ったの。
解…アミッドにエルフやドワーフ、小人族や獣人とかについても教えてもらってた。

問…聖女アミッド先生ちゃんの密室個人授業?
解…主人公は勉強嫌いじゃないし、アミッドも真面目に話を聞く主人公に内心ウキウキしながら教えていた。きわめてけんぜんなじかん、ひわいはない。




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