実は2月19日にとある有名で、僕がリスペクトしている2人の男が因縁の戦いをします。
今日の話はそんな2人のことも考えて書いて、関連するワードも少しセリフに入れました。
バン仲村さんと瓜田純士さんに捧げます。
皆様も読んで楽しんでいってください
『出久VS爆豪』
戦いを終えたウォズ達は、保健室行きになった轟以外モニタールームにやってきて、他のクラスメイト達と共に戦いの振り返りを行っていた。
「さて、次のペアは誰になるかな~?」
ウォズ達の戦いの総括を終え、次の戦いを行うためにオールマイトがくじ引きを行う。
ヒーローチームと敵チームの箱からそれぞれチームを表すアルファベットの書かれたボールを引き出す。
「Aチームがヒーロー!Dチームがヴィランだ!」
「おお、我が魔王の出番か。」
くじ引きの結果、ヒーローチームになったのは出久と麗日のコンビで、敵チームになったのは爆豪と飯田のコンビだ。
「…」
爆豪は無言で出久のことを睨みつけ、核のある建物内に入っていく。
「この建物の見取り図覚えるの大変だね。でも、オールマイトってテレビのイメージと変わらないね。相澤先生と違って罰とかないみたいやし…デク君…?」
「ご、ゴメン!つい、色々と考えちゃって…」
屋外で開始の時を待つ出久は、麗日の言葉を聞くことができないほど地図と真剣ににらめっこしていた。
「そっか…爆豪君、馬鹿にしてくる人なんだっけ……」
個性把握テストの後、麗日と飯田は出久達から爆豪による虐めに関する話を聞いていた。
決して浅くない彼らの因縁。その衝突の時が徐々に迫ってきていた。
「凄いんだよ…嫌な奴だけど、目標も自信も僕なんかより何倍も凄いんだ。だから、僕は負けたくない。」
「男の因縁って奴だね。」
「ああ、ゴメン…麗日さんには関係ないのに…」
「あるよーコンビじゃん!頑張ろう!」
その2人の戦いを麗日も後押ししている。
出久と爆豪の決着に期待しているのは麗日だけではない。
(時は満ちたよ。我が魔王…)
モニタールームで彼らの戦いを見守るウォズだ。
「見せていただきましょう…個人的な遺恨の最高傑作を…」
ジオウに覚醒してから、出久と爆豪がこうして拳を交えるのは初めてのことだ。
その実力を完全に爆豪に示し、どちらが強いか証明するこの戦い。
「クソナード…俺がここでテメエを潰す!」
爆豪もその機会を待っている。本当に強いのは自分だと見せつけるがため、ビルの下の階に降りて、向かってくるであろう出久達を待つ。
『それでは…屋内戦闘訓練…!開始!!』
オールマイトの号令と共に、出久はライドウォッチを起動する。
『ジオウ!』
「変身!」
『ライダータイム!仮面ライダージオウ!』
出久はジオウに変身し、麗日と共に演習場であるビルの中に入っていく。
「侵入成功…」
「死角が多いから気を付けよう。」
曲がり角の多い屋内では、どこから奇襲を喰らうか分からない。
2人は警戒しつつも、核のある上の階に向けて進んでいく。
「ウ…オラァ!!」
丁度彼らが曲がろうとした時だった。
その曲がり角から現れた爆豪が、右掌を振り下ろしながら爆破を放つ。
「先に行って!」
「う、うん…」
その攻撃を瞬時に見抜いて避け、ジオウは爆豪と対峙する。
「コラデク…避けてんじゃねえよ…」
「かっちゃんが敵なら、いきなり僕に殴りかかって来ると思った…」
1対1で向き合う両者。
「中断されねえ程度に…ぶっ飛ばしてやらァ!!」
先に動いたのは爆豪。右の大振りでジオウに殴りかかろうとするが…
「君の癖は…分かってるよ!」
その腕をジオウが掴み、爆豪の身体を背負って投げ、地面に叩きつける。
「クソデクッ!!」
爆豪とて、ヒーロー科入学に向けてトレーニングはしっかり積んでいる。
地面にぶつかったダメージを背負いつつも、すぐに起き上がって両手からの爆破を浴びせる。
だが、ジオウの鎧がそのダメージから出久自身を守る。
「僕は…いつまでも雑魚で出来損ないのデクじゃないぞ!ウォズ君や麗日さん達に出会って変わったんだ!かっちゃん!僕は頑張れって感じのデクで…ヒーローの王になる男だ!」
麗日から言われた"頑張れって感じのデク"。ウォズから目指せと言われた"最高最善の魔王"。
そして、自分のオールマイトの様な最高のヒーローになりたいという夢。
それらすべてを背負い、出久は"ヒーローの王"としての覇道を歩む。そのことを自分を虐げて来た幼馴染に宣言してみせた。
「なれるモンならなってみやがれ!」
『ジカンギレード!』
ジオウに向けて爆豪は大振りのフックで殴りつつ、掌で爆破をしていく。
その攻撃をジカンギレードで防ぎつつ、ジオウは攻撃のタイミングを伺っていた。
「そこだ!」
攻撃の時は出久の想定よりも早くやって来た。ガムシャラに腕を大きく振って攻撃してくる爆豪の攻撃は、まるで格闘技素人そのものだ。精密じゃない攻撃パターンが繰り返されれば自然に隙は生まれる。その隙を突いてジオウの放った前蹴りが爆豪の腹に突き刺さり、身体を突き飛ばされた彼は地面を転がり、腹を抑えて藻掻いている。
「かっちゃん!」
そんな様子に、実戦中という事実よりも心配が勝ってしまった思わず出久が駆け寄ってきてしまう。
「来るんじゃねえ!!」
手を差し伸べようとした出久に向けて爆破をし、爆豪は何とか立ち上がる。
「憐れんで俺を見るんじゃねえ!」
良く言えばガムシャラ、悪く言えばヤケクソ気味に爆豪が出久にタックルをしてその身を掴むが…
「こんなの…かっちゃんらしくないよ!」
逆に出久にコスチュームを掴み返され、投げられて壁に叩きつけられる。
「そんな戦い方じゃダメだろ!かっちゃん!」
「うるせえ!テメエが分かったようなこと言ってんじゃねえ!!」
中学までの間、彼の自尊心というのは体格と共にどんどん大きくなっていた。ヘドロ事件で、出久に自分を越されてしまった。個性把握テストでウォズや轟、八百万にすら差を見せつけられた。彼らのことをその辺の石コロと思っていた彼自身がいつの間にかその辺の石コロになりつつあった。
"我が魔王が寛大にも君による虐めを教師に言いつけていなかったことをむしろ感謝してほしいね…そうしてもらえなければ君はこの場に居れないのにね…"
"君が私達のことを無力な石コロだと思い、調子に乗っている間も我々は必死に鍛錬を積んでいた。君が我が魔王の力を認めてない間、彼はその力を磨き上げた。悔しければ今日の結果と向き合い、自分の無力さを痛感し、精々足掻けばいいさ…"
ウォズに言われた言葉で自尊心は完全に砕け散った。安いプライドも何もかも失い、ドン底にいる。
「俺はァ!ここでテメエをぶっ潰す!」
ここで出久を倒すことでしか、彼の心を保つことは出来ない。
だが、今の彼の自暴自棄な戦い方では目の前にいるジオウどころか、クラスの多くの者に勝てないだろう。放った爆破も蹴りも避けられ、胸にジオウの拳を撃ち込まれ、そのまま何発もパンチのラッシュを繰り出されて身体が地面を転がる。
「かっちゃん!僕に勝ちたいんでしょ…?だったらそんな戦い方じゃダメだよ!」
「クソッ…!?なんでだッ!なんで俺はこんなに弱いんだ!!」
出久の言葉に対して、爆豪は地面を殴り涙を流し始める。
「辞めてやるッ…!」
「え?」
「もう、ンなとこッ…!辞めてやる!」
完全にジオウに…いや、出久に勝てない自分に絶望した爆豪の口から出た言葉に、出久は耳を疑った…
「昔のことでも何でも暴露しやがれ!そしたら俺はこっから消えてッ…」
「そんなことッ…!君が言うんじゃない!!」
自尊心を失い、この場から早く消えてしまいたいと口にしてしまった爆豪の右頬に向けてジオウはその拳を撃ちこんだ。
「君は!昔から僕よりもずっと先にいる、"凄い奴"だったじゃないか!ずっと、憧れてたんだよ!君に!」
ジオウの手が彼のコスチュームを掴み、その体を揺する。
「僕がなりたい"ヒーローの王"、それはかっちゃんみたいな…誰よりも自信があって!高い目標を持つ者でもあるんだ!!」
出久はオールマイトに憧れ、彼の多くを学んだ。ウォズと共に平成ライダー達の意思を学んだ。だがそれでも、憧れ続けた身近な目標が居た。それこそ爆豪勝己である。生まれながらの天才であり、自分よりも上のステージに進んでいく爆豪に、子供の時からずっと憧れていた。
「悪かった…テメエの期待を…裏切るようなことを言っちまって…」
初めて聞いた出久の本音、それは爆豪を再び奮い立たせた。
これまで自分が出久にしてきた罪を償うためでもあり、ここからでもスタートラインに立つため、爆豪は立ち上がってジオウの方を見る。
「一番強いので来い!こっからの俺は…全力だ!」
「うん!」
『ディケイド!』
ようやく自分を取り戻し、出久に向き合う爆豪。
彼に対して出久も全力で応える。起動したディケイドウォッチをジクウドライバーの右側にあるD'3スロットに装填し、ロックを解除してからベルトを一回転させる。
『アーマータイム!』
『カメンライド!』
『ディケイド!ディケイド!ディケイド!!』
ベルトから現れた十枚のカードが、灰色のボディとなり、ジオウに重なることで仮面ライダージオウ・ディケイドアーマーの姿を形成する。
「これは!祝わねばなるまい!」
モニタールームにいるウォズ達には出久達の会話は聞こえていない。だが、どの様なやり取りが為されたのかは彼らの表情から察することができる。
だからこそ、出久がジオウアーマーを使った時、ウォズも再び祝わねばなるまいと思い、祝福を始める。
「祝え!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を超え、過去と未来をしろしめす時の王者!その名も仮面ライダージオウ・ディケイドアーマー!」
「Shit!ウォズ君の悪い癖が出てしまったよ…」
ウォズの授業内初祝福に、オールマイトは頭を抱えてしまう。
「かっちゃん…!来い!」
「ああ、いくぜ!」
両掌から爆破を放ち、その推進力で爆豪がジオウに迫る。
「「ハアッ…!」」
その爆豪に対し、拳を振るう出久。
しかしそれに合わせて爆豪が爆破を放って威力を相殺。
更に地面に向けて爆破し、飛び上がって宙を舞う爆豪。そのまま、ジオウの背後に回ってきて背中に向けて掌から爆破を撃つ。
「やるね…」
「当たり前だ!」
完全に自分の調子を取り戻した爆豪の動きは、数分前とはまるで別人だった。
爆破の推進力を活かし、トリッキーな動きでジオウを翻弄しつつじわじわとダメージを与えていく。
「けど僕だって…」
『ライドヘイセイバー!』
昔の出久なら、爆豪にこのままやられてしまっていただろうが、今の出久には対応する力がまだまだ残っている。
まさしく平成の象徴ともいえる剣、ライドヘイセイバーをその手に持つと、その時計を模した針を回す。
『ヘイ!キバ!』
『キバ!デュアルタイムブレーク!』
刀身にある仮面ライダーキバのライダーズクレストが赤く光り、ジオウがトリガーを引くことで金色のコウモリの群れが放たれて爆豪に襲い掛かる。
「数が多いッ…!」
蝙蝠の群れを爆破で対応していく爆豪だが、その数に押されていく。
(こうなりゃこれで…)
爆豪には秘策があった。腕に付けている手榴弾型の籠手には、ニトロを含んだ自身の汗が溜め込まれている。籠手に着いたピンを抜くことで、それらを解き放って大爆発を起こすことができる。
「オラァ!」
コウモリの群れとジオウを一気に吹き飛ばそうと、大爆発を彼らの方に向けて放ったが…
『ヘイ!龍騎!』
『龍騎!デュアルタイムブレーク!』
ライドヘイセイバーの刀身から放たれた炎が、ジオウ自身の身を守った。
「麗日さん、そろそろ決めるよ…」
『フィニッシュタイム!』
出久は無線で麗日に声をかけると、ディケイドライドウォッチをジクウドライバーから取り外してライドヘイセイバーに装填。そして剣の柄にある時計の針を3度回転させる。
『ヘイ!仮面ライダーズ!ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘヘヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!』
"ヘイセイ"の文字とライダーズクレストが描かれたカード型のエネルギーを刀身に纏わせるジオウ。
「行くぞゴラァ!」
もう片方の籠手に溜まった汗を使おうと、後方に爆破を放ちその推進力で一気に距離を詰める。
「いくよ!麗日さん!」
『ディディディディケイド!』
爆豪がピンを抜き、籠手から大爆発が放たれるのと同時にジオウはライドヘイセイバーを上に振り上げた。
平成ライダー達のエネルギーは爆破の威力を打ち消しただけでなく、ビルの天井を撃ち抜いて上に登っていく。
「来た!」
その上の階では、ヒーローチームの麗日と敵チームの飯田が対峙していた。
無重力で様々なものを浮かせて戦う麗日に対抗し、飯田が部屋の片づけをしていた。攻め手に欠き、中々動けなかった麗日だが…
「何だ!?」
しかし、ジオウがライドヘイセイバーで放った一撃が彼らのいるフロアの床と天井に大穴を開けた。
「飯田君!ゴメンね…!」
その余波で折れた一本の支柱を、麗日は無重力化してその手にバットの様に持つ。
「即興必殺!彗星ホームラン!」
宙に舞う瓦礫に向けて柱をスイングし、飯田に向けて撃ち出した。
「ホームランではなくないかー!」
完全に視界を遮られた飯田。これは明らかにホームランではなく、ピッチャー強襲のライナーである。
「回収!」
「うおー!!核ー!?」
その隙に麗日が個性で自身の身体を浮かせて、核に向かっていき触れることで回収に成功した。
「一本取られちまったか…」
その攻撃の余波で吹き飛ばされた爆豪は、地面に倒れて宙を向いている。
「かっちゃん…!」
その爆豪を心配して駆け寄る出久。
「わりい、俺はテメエをずっと見下してた…"無個性"だったから…」
幼少期、強力な個性が芽生えた爆豪は個性が発現しなかった出久の横で調子に乗り始めた。
「俺より遥か後ろにいるハズなのに、俺より先にいる様な気がして…嫌だった、見たくなかった、認めたくなかった…テメエがその力に目覚めた時もそうだった……」
「……」
子供の時、爆豪と出久やその友人たちが山で遊んでいた時だった。
爆豪が浅い川に落ちてしまうということがあった。その時、他の友人は爆豪なら大丈夫と心配していなかったが、出久だけが心配して駆け寄ってきた。
しかし、プライドの高い彼は心配されることを"見下されている"と感じてしまっていた。
「だから、遠ざけたくて虐めてた…否定することで優位に立とうとした…俺はずっと敗けていた……」
倒れる爆豪の眼からは涙が流れ、出久は彼の言葉を静かに聞いて頷く。
「テメエは、俺よりも強くなって…俺は色んな奴に追い抜かれちまった…俺はここでテメエらの強さと俺の弱さをようやく理解した…言ってどうにかなるもんじゃねェけど…本音だ…出久」
目頭を押さえていた腕を除けて、戦いのダメージで意識が遠のく中でその身を起こし、出久の方を見る。
「今までゴメン…」
頭を下げる爆豪の身体を出久が抱き寄せる。
「こっちこそ、さっきは顔殴ってゴメン…」
「わーってるよ…」
出久の腕の中で爆豪は、戦いの疲れからか意識を手放すのであった…
最後の方は原作でのシーンをオマージュしてみました。
気絶する方逆ですけど。
そして遂に!ディケイドアーマーが登場です!
ライドヘイセイバーも使えるから、活躍を1話で書き切るのが難しい……