我が魔王は緑谷出久!?   作:夢野飛羽真

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今回は食堂回!
私もランチラッシュ特製のカツ丼食べたい…


USJ編
第12話 マスコミ騒動


屋内での戦闘訓練翌日

いつも通り学校に向かって歩いていた出久とウォズだったが…

 

「オールマイトの授業がどんな感じか教えていただけますか?」

 

「普段のオールマイトはどんな感じですか?」

 

校門の前にはかなりの数のマスコミが集まっており、彼らが進もうとする道を阻んでいる。

かなりの数のマスコミに、自分も何か聞かれるのではないかと緊張し始める出久に対して…

 

「我が魔王、このまま巻き込まれれば遅刻するかも知れません…」

 

「確かに…どう切り抜ける?」

 

「決まっているだろう…私のこれを使う。」

 

校門前で狼狽えていた出久だったが、次の瞬間伸ばされたウォズのマフラーに包まれる。

 

「あれ?いつの間に門の中に!?」

 

気付いた時には出久達は校門の内側にいた。

 

「ねえ、これってどういう原理なの?」

 

「それは企業秘密さ。さて、早く教室に向かおう。」

 

「そうだね。」

 

マスコミを回避した出久達は教室に向かい、しばらく時間が経てば朝礼が始まる。

 

「昨日の戦闘訓練。お疲れ…V見させてもらったんだが爆豪、轟、お前らは実力あんだからもうちょいしっかりやれ。伸びしろは十分にあるんだからな…」

 

昨日の戦闘訓練のVTRは相澤も確認済みであり、まずは彼なりにその所感を述べる。

 

「ホームルームの本題だ…今日は君らに…」

 

(((また臨時テスト!?)))

 

相澤の言葉に、クラスメイト達はつい抜き打ちテストの様なものを思い浮かべてしまうが…

 

「学級委員長を決めてもらう。」

 

(((学校っぽいのキター)))

 

相澤からの指令は如何にも高校生らしい、学級委員長決めであった。

そのことにクラスメイトの大半が安どの表情を見せる。

 

「委員長!やりたいです!それ俺!」

 

「俺もやりたいです!」

 

「ウチもやりたいっス。」

 

その役割に、多くのクラスメイト達が立候補して次々に手を挙げていく。

 

「静粛にしたまえ!他を牽引する責任重大な仕事だぞ…!やりたい者がやれる仕事じゃないだろう…周囲からの信頼あってこそ勤まる政務!民主主義に則り真のリーダーをみんなで決めるというのなら…これは投票で決めるべき議案!」

 

多くの立候補に収拾がつかなくなってきたのを、多数決を提案してその場を制そうとした飯田だったが…

 

「「「腕聳え立ってるじゃねえか!」」」

 

提案者の飯田自身が一番手をまっすぐに上げていた。

信頼が浅い中、複数票を得れた者こそ委員長に相応しいということで早速投票が始まったのだが…

 

「僕4票!?」

 

「当然だな…」

 

その結果、大半のクラスメイトが自分自身に投票して1票で並んでいたのに対し、出久はぶっちぎりの4票獲得で無事委員長に選出された。

因みに、当然出久に入れているであろうウォズもその結果に納得して笑みを浮かべている。

 

「0票…分かってはいたッ!聖職と言ったところか…」

 

「他に入れたのね…」

 

「お前もやりたがってたのに…何がしたいんだ?飯田?」

 

そして何故か多数決提案者の飯田は自分に入れておらず、票数は0であった。

 

「じゃあ、委員長は緑谷、副委員長は八百万だ。」

 

クラスメイト達の前に緊張で震えまくってる緑谷と、票数2により副委員長となった八百万が立つ。

 

「悔しい…」

 

なお、八百万は結果に不服そうであった。

 

「良いんじゃないかしら?」

 

「まあ、緑谷の戦いとか熱いしな!」

 

クラスメイト達はこの2人に賛成のようで、納得のまま午前の授業に入っていく。

 

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さて、昼食の時間だ。

 

「うおー!今日も凄い人だね!」

 

「ヒーロー科の他に普通科、サポート科、経営科の生徒も一堂に会するからな。」

 

今日は我が魔王と私に加え、飯田君、麗日君、そして爆豪君の5人で食べに来た。

 

「はぁ~いざ委員長やるってなると勤まるか心配だよ。」

 

「勤まる。」

 

「大丈夫さ。緑谷君の実力や判断力は他を牽引するのに値する。」

 

「それに君の言葉は芯もあるし、心に響く…救われた人間も多いんじゃないかな…?」

 

私とて、彼の言葉が無ければヒーロー科に来ていなかったし…

そこにいる爆豪君も自分の弱さと向き合うことができた。

 

「つーか、デクに入れたのってテメエら3人か?」

 

「うん!デク君なら大丈夫かな~って思って。」

 

「僕も相応しいと思ったから投票したんだ。」

 

「当然だ。」

 

「3人が入れてくれてたの!?」

 

どうやら、我が魔王に入れたのは彼自身と私、それに飯田君と麗日君の様だ…

 

「つーか、眼鏡は自分が委員長やりたかったんじゃねえのか?あんなに手上げてたのによ。」

 

「確かに、眼鏡だし!」

 

(何気に2人共ざっくりいくよな…)

 

寧ろ1番やりたがってたのは、飯田君なんじゃないだろうかと私も思っている。

 

「やりたいと相応しいか否かは別だ。僕は僕が正しいと思う判断をしたまでだ…」

 

「「「僕!?」」」

 

おや?確か彼は普段自分のことを"俺"と言っていたが…

 

「いつもは俺って…」

 

「いやあ、それは…」

 

「ちょっと思ってたけど、飯田君って坊ちゃん!?」

 

「坊ちゃん…そう言われるのが嫌で一人称を変えていたのだが…」

 

そう言えば彼はエリートな中学校出身だったな。普段のふるまいから見て八百万君と飯田君…後青山君辺りは良い家の子だとは思っていたが…

 

「ああ、俺の家は代々ヒーロー一家なんだ。俺はその次男だよ。」

 

「「ええー!?スゴー!」」

 

なるほど、親や祖父もヒーローをしているのか。

確かに一族の稼ぎや教育もしっかりしているだろうね。

 

「ターボヒーローインゲニウムは知っているかい?」

 

「勿論だよ!東京の事務所に65人のサイドキックを抱えている大人気ヒーローじゃないか!まさかッ…」

 

「それが俺の兄さ!」

 

「あからさま!」

 

「スゴイやー!」

 

我が魔王もよく知る有名ヒーローを兄に持つとは、プレッシャーもあるだろうが中々誇らしいことじゃないか。もっと自慢しても良いのだよ、飯田君。

 

「規律を重んじ!人を導く愛すべきヒーロー!俺はそんな兄に憧れ…ヒーローを志した!しかし、人を導く立場は俺にはまだ早いと思う。俺よりも上手の行動をいつもしている緑谷君なら相応しいと思ってね…」

 

なるほど、それが彼の真意か。私達も熱い思いを持つ友人と出会えて嬉しい限りだ。

 

「ま、良いんじゃねえか…?それよりウォズ」

 

「私かい?」

 

飯田君達の話を聞きつつ、爆豪君が食事を済まして私の方をじっと見ている。

 

「テメエは良いのか?いっつもデクのことを立ててるだけで…」

 

「私なりに彼のことを信頼しているからね。だからこうして追従しているのだよ。」

 

爆豪君はどちらかと言えば、自分自身を更に上のステージへと上げていくタイプの男だ。そう、それも自分自身が先頭で舵を取るタイプ。私の様な魔王の臣下という立場を貫き、後ろからお支えする者とは訳が違う。

 

「それも良いけどよ、テメエももっと自分を出していかねえのか?ずっとデクの後ろに付いていってるだけじゃつまんねえだろ?」

 

ずっと付いていくだけか…

 

「別につまらなくはないね。私は現状満足しているし…」

 

私は我が魔王がライダーの歴史を継承し、その瞬間に立ち会う日々を楽しんでいる。

だから特に不満はない。

 

「まあ、好きにやればいいんじゃ…」

 

『セキュリティー3が突破されました。生徒の皆さんは速やかに屋外に避難してください。』

 

その時だった。突如食堂中に警報が鳴り響く。

 

「セキュリティー3?なんですか、それは?」

 

「校舎内に誰かが侵入してきたってことだよ!君らも早く…」

 

セキュリティー3、名前から察するに警告のしかも3段階目。

何者かの侵入という緊急事態が起こったようで、食堂中が一気に混乱で染め上げられる。

セキュリティー3について教えてくれた先輩も、急いでその場から逃げ出す。

 

「我が魔王!皆!」

 

食堂はパニック状態だ。

その場から離れて屋外に避難しようとする生徒でもみくちゃにされ、私も他のクラスメイト達とはぐれてしまった。

このままでは死人が出るぞ!

 

「皆さーんストップ!」

 

近くにいた切島君たちも混乱を収めようとしているが、その声が誰にも届かない。

おや…?あれは飯田君?

恐らく麗日君の個性で体を浮かしているのかな?

 

「エンジン!ブースト!」

 

身体を浮かした状態で彼はふくらはぎのエンジンを噴射。

そのまま出口付近の壁に、走っている人の様なポーズで張り付く。

 

「皆さん!大丈ーー夫!!ただのマスコミです!何もパニックになることはありません!大丈ーー夫!!ここは雄英!最高峰の人間に相応しい行動をとりましょう!」

 

飯田君の行動はその場にいる多くの者の目に留まり、その声が全員に伝わった。

それにより、パニックになっていたものは落ち着き混乱は収拾された。

 

「我が魔王。よくぞご無事で…」

 

「なんとか助かったね…」

 

しかしながら、この件を引き起こしたのはマスコミか…

今朝集まっていた彼らが原因か…?いや、何か嫌な予感がするな。

 

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「ほら、委員長。始めて…」

 

「でっ、ではっ…!他の委員決めを執り行って参ります!」

 

マスコミは警察に連行され、昼休みの騒動は終息した。

その日の午後のホームルームでは出久の進行の下、委員決めが行われようとしていた…

 

「けど、その前に良いですか…?」

 

「え…?」

 

「委員長はやっぱり…飯田天哉君が良いと思います!」

 

だがここで、出久は委員長を飯田に帰ることを申し出た。

 

「あんな風に人をカッコよくまとめられるんだ…僕は飯田君がやる方が良いと思うよ!」

 

「確かに…納得だ。」

 

食堂での騒動は多くの者の心を突き動かした。

出久は人もまとめるなら飯田の方がふさわしいと感じ、ウォズも委員長の座の譲渡に納得の様子であった。

 

「しかし…」

 

「俺はそれでもいいと思うぜ。緑谷もそう言ってるし。確かに飯田、食堂で超活躍したしな。」

 

「ああ、それに非常口の標識みてえになってたしな~」

 

自分が委員長を譲ってもらっていいのだろうか?と戸惑う飯田であったが、他にも食堂にいた切島や上鳴も彼の背中を押す。

 

「委員長の指名ならば仕方がない!以後はこの飯田天哉が委員長の責務を全うすることを約束します!!」

 

こうして、非常口飯田が1年A組のクラス委員に就任したのであった。

だがそれと同時に、新たな事件が起こるその時が刻一刻と近付こうとしていた…




入試の頃は出久から怖がられていたが、今はすっかり馴染んでいる爆豪君と非常口飯田
さて、次回はUSJです。
前回暗躍していた彼らがいよいよ動き出します…
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