我が魔王は緑谷出久!?   作:夢野飛羽真

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1回戦を1話に纏めようとしたが、長くなりすぎたので2試合分しかできなかったです。
今回は一部の読者さん好みの展開かも


第22話 トーナメント一回戦part1

『オーディエンス共!待ちに待った最終種目が遂に始まるぜ!第一回戦!その強さはまさにキング!ヒーロー科!緑谷出久!!』

 

いよいよ始まる雄英体育祭最終種目のトーナメントバトル。

そのオープニングマッチを飾るのは、既に仮面ライダージオウの姿に変身している緑谷出久と…

 

『VS!ここまで、まだ目立つ活躍無し…普通科!心操人使!』

 

普通科からやって来た男、心操人使である。

彼の個性は洗脳。自身の言葉に応対した者を洗脳してしまうという個性を持ち、障害物競走や騎馬戦でもその力を使い成り上ってきた。

だが、洗脳された相手からは警戒されやすく、騎馬戦にて彼に洗脳されてチームに入れられてしまった尾白は、分かっている情報を出久やウォズに託していた。

 

『ルールは簡単!相手を場外に落とすか行動不能にする!後は、"参った"とか言わせても勝ちのガチンコだ!』

 

レフリーと会場設営を担当するセメントスが椅子を作ってそこに座り、戦いの行く末を見守る。

 

(我が魔王…対策は万全だろうね…?)

 

客席のウォズ達もその戦いを静かに見つめる。

特にウォズは、相手が尾白を洗脳したと聞いて出久もそうなってしまわないか心配そうに見つめている。

 

「これは、心の強さが問われる戦い…強くある将来があるなら、なりふり構ってちゃダメなんだ。」

 

『レディー!』

 

実況のプレゼントマイクが開始の合図を出そうとするのと同じタイミングで、心操は出久を洗脳するために言葉を紡ぎ始める。

 

「あの猿はプライドがどうとか言ってたけど」

 

『スタート!』

 

「チャンスをドブに捨てるなんて馬鹿だとは思わないか?」

 

心操が出久を嵌めるために選んだ話題は、トーナメント出場を辞退した尾白に対する批難であった。

 

「なんてことを言うんだ!」

 

「俺の勝ちだ…」

 

ジオウはその言葉に怒りを感じてしまい、殴りかかろうと走り出してしまった。

だが、その足は止まってしまう。

 

「あー!折角忠告したって言うのに!」

 

『おいおいどうした!?大事な初戦だ!盛り上げてくれよ!』

 

尾白らが恐れていたことが起こってしまった。

 

『緑谷!開始早々完全停止!』

 

「振り向いてそのまま場外まで歩いて行け…」

 

ジオウは心操の言いなりになってしまった…

彼の言葉に従い、場外に歩みを進めていく。

 

『ええー!?緑谷!従順!』

 

(いいや、何か策があるんだろ?我が魔王!)

 

この時、多くの者がこのままジオウが負けてしまうと考えた。

だが、ウォズの信じる通り彼はこのまま終わらない。

 

『タカウォッチロイド!』

 

『スイカアームズ!コダマ!』

 

ジオウの腕についているライドウォッチホルダー。

そこにはめ込まれていた赤と緑のウォッチが突如飛び出して変形し、それぞれオーズのタカカンドロイドを模した鳥型のメカと、鎧武のスイカアームズを模したメカに変形する。

 

『緑谷の腕から2体の小型メカが登場!何をする気だ!』

 

すると、タカの姿をしたタカウォッチライドと、スイカの姿をしたコダマスイカアームズはそれぞれジオウにぶつかっていく。

 

「ナイスタイミング…!」

 

「ほう、その手を使ったか…」

 

2体の攻撃を受けたジオウの身体が揺らぎ、心操によって施された洗脳が解除される。

2体のライドガジェットに自分が洗脳されたら自分自身を攻撃するように予め指示しておき、実際にやられてしまったら2体によって救ってもらう。尾白が"洗脳はどこかから衝撃を受けたら解除される"という情報をもたらしてくれたことにより組めた作戦だ。

出久のその作戦にウォズは思わず拍手をしてしまう。

 

『緑谷!小さな仲間に助けられたー!つーかあれ、サポートアイテムじゃねえのか?』

 

『書類によれば、あれも個性の一部らしい。』

 

『マジかよ!どんだけ多彩なんだ!?仮面ライダージオウ!』

 

洗脳からの復帰に、スタジアムは歓声に包まれる。

 

「緑谷君!」

 

「よ、よかったぁ!」

 

その様子に、飯田や麗日も安堵している。

洗脳が攻略されてしまえば、この戦いの結末は火を見るよりも明らかだろう…

 

「体の自由は効かない筈だ!なんでだ!何をした!」

 

動揺する心操にジオウは歩みを進めていく。

 

「何とか言えよ…そんなサポートメカ2つも持ってて羨ましいよ…」

 

なんとか出久の口を開かせようとする心操だが、既に個性の概要をしているジオウは口を開かない。

2体のライドガジェットと共に心操に迫って来る。

 

「なんか言えよ!」

 

ジオウに押されていく心操。殴って抗うが、彼のパンチではジオウの身体は揺るがない。

 

「心操君場外!緑谷君2回戦進出!」

 

心操の抵抗ではジオウには蚊に刺された程度のダメージしかなく、場外に押し出されてしまった。

 

「心操君はなんでヒーロー科に?」

 

ジオウは負けてしまった心操に、何故ヒーロー科を目指すのか問いかける。

 

「憧れちまったもんは仕方ねえだろ…」

 

戦いの結果を受け入れ、スタジアムの退場口に向かう心操。

 

「かっこよかったぞ!心操!」

 

「正直ビビったよ!」

 

「俺ら普通科の星だな」

 

「障害物競走1位の奴といい勝負してんじゃねえよ!」

 

「それにさ…」

 

そんな心操に普通科のクラスメイト達から称賛の声が浴びせられる。

 

「あの個性、対ヴィランにすごく有効だぞ…欲しいな。」

 

「雄英も馬鹿だなーアレ普通科か?」

 

さらには、観客であるプロヒーロー達も心操の個性を高く評価している。

 

「聞こえるか…?心操!お前凄いぞ!」

 

「俺は…諦めないぞ!いつか資格も取って、お前らより立派なヒーローになってやる!」

 

この日で確実に心操のヒーローへの道が切り開かれたと言っても過言では無いだろう。

 

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第一試合を終えて、次の試合が始まる前。

 

「祝え!我が魔王の一回戦突破を!」

 

「ウォズ君!?」

 

客席に戻った我が魔王に、早速祝福の言葉を浴びせる。

 

「デク君おつかれ~」

 

「ト・ナ・リ開けてあるぞ。」

 

「ありがとう。」

 

麗日君と飯田君も出迎えてくれて、我々は彼らが用意してくれた席に移る。

その時、我が魔王と尾白君も視線を交わしていた。

 

『お待たせしましたー!続くカードはこいつ等だ!』

 

さて、次の試合がそろそろ始まるだろう。

 

『優秀!優秀なのに拭い切れないその地味さはなんだ!?ヒーロー科!瀬呂範太!VS!予選で常に上位!強すぎるよ君!推薦入学者は伊達じゃない!同じくヒーロー科!轟焦凍!』

 

次のカードは瀬呂君と轟君の戦いだ。

瀬呂君はスパイダーマンの様な戦法も得意で、中々に優秀だが…個性が派手に強いのは対戦相手の轟君の方だろう…

 

『それでは最終種目!第2試合!スタート!』

 

開始と同時に瀬呂君の肘から放たれたテープが、轟君の身体を縛る。

 

『場外狙いの不意打ち!このまま勝っちまうんじゃねえか!?正直やってやれ!瀬呂!』

 

轟君の身体を縛った瀬呂君は、テープを円を描く様に振るい、彼の身体を場外に出してしまおうとしていた。客の一部は彼によるジャイアントキリングを期待しているが…

 

「わりいな…」

 

轟君の右足から冷気が地を伝い、それは巨大な氷塊となり瀬呂君を巻き込む。

スタジアムには振動が伝わり、彼の作り出した氷は客席の眼前にまで迫っていた。

 

『…!』

 

突然スタジアムに作り出された氷山の様な氷の塊、それに実況のプレゼントマイクも言葉を失ってしまう。

 

「少し、やりすぎではないか…?」

 

「瀬呂君…動ける…?」

 

主審のミッドナイトも右半身が凍っており、マイクで拾われたリタイアを問いかける声がスピーカー超しに聞こえる。

 

「瀬呂君行動不能!轟君!二回戦進出!」

 

恐らくその問いかけに、瀬呂君が肯定の言葉で応えたのだろう…

轟君の勝利が彼女の口から告げられる。

 

「ド、ドンマイ…」

 

「ドーンマーイ!」

 

「「「ドーンマーイ!」」」

 

客席から突発的に発せられたドンマイコールが、瀬呂君に浴びせられてしまう。

だがこれは…うん、私からも"ドンマイ"としか言えない。

さて、2回戦での我が魔王の対戦相手は轟君で確定だ。

私の試合も近い、気合を入れていくとしよう…




2体のライドガジェット
ジオウ本編では13話以降出番が無かったメカ達。
対心操戦で初登場。(心操との戦い考えるまで作者も忘れてた。)
今後の出番は…まあ…頑張ります…
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