雄英体育祭の最終種目
トーナメントによるガチバトルだが、その準決勝第1試合はA組同士の戦いとなった。
委員長の飯田天哉と屈指の実力者である緑谷出久のカードとなった。
「速い!」
個性:エンジンの飯田は、脹脛からの噴射で加速することで常人以上の速度を出すことが出来るが…
『仮面ライダージオウ!お前速すぎねえか!?』
仮面ライダージオウ・ドライブアーマーが飯田の機動力を上回る。
「飯田君!もうひとっ走り、付き合ってもらうよ…!」
「ああ、望むところだ!」
出久に挑むと覚悟を決めてこの体育祭、ここまで勝ちを重ねてきた飯田。
スピードで負けてしまっただけでは諦める気がない。
「トルクオーバー!」
フィールド上を駆け回るジオウの姿をその目で確認しつつ、飯田は自身の足に備わったエンジンの回転数を上げていく。
「レシプロバースト!!」
エンジンマフラーからは青白い炎が噴射され、急加速した飯田がジオウに向けて走っていき、それを見たジオウは一時的に撤退をしようとする。
『並んだー!飯田速い!速いぞ!』
フィールド内を一周するように走るジオウを飯田が追い、レシプロバーストで加速したことで追いついたみせた。
「流石、飯田君!」
彼の加速を見て出久は仮面の中で笑って見せる。
「けど!僕だって!」
ジオウは撤退から迎撃に作戦を切り替えた。180°回転して後方を向きながら胴回し後ろ蹴りを飯田に向けて放つ。
「…ッ!」
腕を交差させ、それで蹴りを受けつつもすぐにエンジンの勢いを乗せた回し蹴りをジオウに放つ。
「キック力も凄い…!」
「当然さ…」
仮面ライダージオウが放つ蹴りはかなり強力で、喰らえば場外にまで吹き飛ばされてもおかしくはない。
しかし、レシプロバーストの推進力を加えた蹴りとぶつかり合うことで、飯田自身がダメージを追うどころがジオウが数歩下がることになってしまう。
あと数mほどジオウを蹴り飛ばせたら場外に押し出せる。そんなところまで追い詰めれていたが…
「ここでかッ…!」
レシプロバーストには弱点があった。それは使用後に、数分間のインターバルが必要になりエンジンが使えなくなることであった。
「決めさせてもらうよ、飯田君…」
なんとかレシプロバーストによって後一歩のところまで追い詰めれた飯田であったが、その反動で動けなくなったところをジオウに投げ飛ばされてしまい、場外に出てしまった。
『決まったー!』
「飯田君場外!緑谷君!決勝戦進出!!」
「流石だよ…緑谷君…」
「ううん、飯田君も凄かったよ。」
ミッドナイトにより、出久の勝利と決勝進出が告げられると、お互いを称えつつ握手をする。
飯田が一時的にしか出せないトップスピードに並ぶ速さを常に出し続けられるジオウ・ドライブアーマー、その力に飯田は時間制限の克服という課題を見つけて静かに首を縦に振るのであった…
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「次、ウォズ君達の試合だね。」
「うん、どっちが勝ちあがってくるんかな…」
客席に戻った出久は麗日と共にスタジアムのフィールドを見下ろす。
この試合に勝った方が、決勝で自分と戦うことになる。そして、その対戦カードは爆豪VSウォズである。
友人同士、尚且つ仮面ライダー同士の戦いということもあり出久達は唾を飲んで見守ることとなった。
『いよいよ準決勝第2試合!策も強さもプロヒーロー級!仮面ライダーウォズ!魚津圭介!VS!爆破とライダーの力で成り上がって来た!仮面ライダーゲイツ!爆豪勝己!』
プレゼントマイクの実況と共に、ウォズと爆豪がステージに上がって来る。
「遂にここまで来たね…爆豪君。」
「ああ、テメエとこうして戦うのは初めてだな…」
2人はそれぞれのベルトを腰に付ける。
「我が魔王と拳を交わすのは私だ…!」
『キカイ!』
「俺はアイツにリベンジする…!」
『ゲイツ!』
『ディケイド!』
そして、互いの気持ちを胸に秘めてウォッチを起動する。
『投影!フューチャータイム!』
『デカイ!ハカイ!ゴーカイ!』
『ライダータイム!』
『仮面ライダーゲイツ!』
2人は仮面ライダーの装甲をその身に纏い…
『フューチャーリングキカイ!キカイ!』
『アーマータイム!』
『カメンライド!』
『ディケイド!ディケイド!ディケイドー!』
『スタート!』
その上からそれぞれ、仮面ライダーキカイと仮面ライダーディケイドを模した鎧を身に着けていく。
仮面ライダーウォズ・フューチャーリングキカイと仮面ライダーゲイツ・ディケイドアーマーがフィールド上に立つとともに、試合開始の合図をする。
その瞬間にゲイツが後方に両手を向けて爆破を放ち、その推進力でウォズに向けて飛び出していく。
「我が魔王が言ってたよ、君が最初にするのは右の大ぶっ…!」
「テメエなら分かってると思ったよ…!」
爆豪の右腕を警戒したウォズ、その腹部にゲイツの左手から放たれた爆破が炸裂する。
「対策済みかッ…」
『ジカンデスピア!』
ゲイツの一撃を喰らってしまい怯むウォズ。
そこから爆破による連撃を受けてしまうが、ジカンデスピア・ヤリモードを構えて爆風から身を守る。
「これ以上好きにはさせないさ!」
さらに爆破の合間を縫うように、その槍をゲイツに向かって突き出すとゲイツの胸部に当たって火花を散らす。
「…!」
攻撃に集中してしまっていたゲイツはその攻撃を受けて、一度後方に下がって体制を整える。
『ダブル!』
ファイズフォンXからダブルライドウォッチを取り出して起動すると、ディケイドウォッチのスロットに装填する。
『ファイナルフォームタイム!』
『ダ・ダ・ダ・ダブル!』
仮面ライダーW・ファングジョーカーの力をその身に具現化した、ゲイツ・ディケイドアーマーWフォームが右腕から伸びるアームセイバーを構えてウォズに飛びかかる。
「そう簡単にやられるつもりは無いさ…」
その一撃をジカンデスピアで防ぐ。
接近した状態から前蹴りをゲイツの腹に放ち、再び距離を取る。
「オラァ!」
ゲイツは爆破を地面に放って、跳躍しながらウォズに接近。
腕を振り下ろしながらウォズに爆破を放つ。
「ここだ!」
爆破によって宙に浮くゲイツだが、避けにくい状態の爆豪目掛けて左足で回し蹴りを撃ち込んだ。
「あめえなッ…」
だが、ゲイツは自身の腹に打ち込まれたウォズの足をキャッチするように受け止め、右手から大爆破を放ってウォズを吹き飛ばす。
『爆豪!キャッチ!&アタックだ!コイツはいてえ!』
「クッ…!」
場外に出る手前まで吹き飛ばされるが、ジカンデスピアを地面に突き立ててその場に踏みとどまる。
爆豪の天才的な戦闘センス、強力な彼自身の個性、そして仮面ライダーゲイツの持つ能力やアーマータイム。
それらが組み合わさることで爆豪は出久に負けた時とは全く違う、驚異的な戦士へと成長していた。
「流石だね…爆豪君。君ならば我が魔王と良い競争ができるだろうね。」
「いいや、ちげえな…俺はアイツをも超えて!俺が目指すトップヒーローになる!」
ヒーローの王を志す出久、そんな彼に一度敗れて救われた爆豪は再びトップヒーローになるためのスタートラインに立っていた。協力しつつも競い合いさらに上を目指そうとしている…
「いい心意気だ…だが!その気持ちは私も同じだ!我が魔王を最高最善の魔王にする…それも私の夢の一つだ。しかしながら、私とて頂点に立つヒーローに憧れていないわけではない。」
仮面ライダー達への憧れ、出久の後ろではなく横に立つ覚悟、自らの力で多くを救いたいという気持ち。
それらは自然とウォズ自身にトップヒーローになるという夢を見せていた。
「私も描くよ、この私の物語を!」
『セイバー!』
『アクション!』
立ち上がったウォズはビヨンドライバーに装填したキカイミライドウォッチを、セイバーミライドウォッチを入れ替える。
『投影!フューチャータイム!』
『烈火抜刀!』
『フューチャーリングセイバー!セイバー!』
「祝え!令和の歴史を継承し、新たな歴史を歩む預言者!その名も仮面ライダーウォズ・フューチャーリングセイバー!その戦い、その戦いをとくと目に焼き付けよ!」
自分の物語を描いて歩む覚悟、その物語を描くためにファイヤソード・レッカをその手に持ちゲイツに向ける。
「私の物語の結末は…私が決める!」
『ジャッ君と土豆の木!』
レッカの柄に付いたライドブックマークを押して、剣を地面に突き立てると木の様なものが地面から伸びてきてゲイツに絡みつこうと襲い掛かる。
「オラァ!」
地面から伸びてきた4本の木や無数の蔦に爆破を放って、その攻撃を凌いでいく。
『ストームイーグル!』
だが、これらの樹木はゲイツの視界を防ぐのに十分だった。
ウォズがレッカを振るうと共に放たれた炎と風を纏う鳥のエネルギー体が、土豆の木ごと焼き払ってゲイツに突撃していく。
『クリティカル!火の鳥がゲイツに直撃!』
「クソがッ…!」
攻撃を受けてしまったゲイツは地面に落ちてから、何とか踏みとどまって場外に行ってしまうのを何とか耐える。
『ニードルヘッジホッグ!』
体勢を立て直したゲイツに、今度はレッカから放たれた無数の針が襲い掛かる。
「次から次に…!」
その多数の針に向けて爆破を放ち、ゲイツは攻撃を凌ぐが…
「手を抜く気はないからね…」
『西遊ジャーニー!』
今度は2つの金属の輪がゲイツに向けて飛んで行き、それらを何とか撃ち落とす。
『ピーターファンタジスタ!』
だがその隙にレッカの刃先から伸びるワイヤーとフックがゲイツの足に絡みついてしまう。
「隙ありだよ…」
そのワイヤーを引き寄せることで、ゲイツの身体はバランスを崩して転倒してしまう。
「クッソ…!」
だが、その状態からでもウォズに向けて爆破を放っていく。
「オラァ!!」
地面に爆破を放ち、その推進力で立ち上がったゲイツは腕に付いたアームセイバーでウォズに切りかかる。
「その攻撃、簡単には喰らわないよ。」
そのゲイツの一振りをレッカの刀身で受け止める。
ファングジョーカーも使っているブレードを右腕から生やしているゲイツは、その掌をウォズに向けて爆破を放とうとしたが…
「なるほどね…ハッ…!」
ウォズは剣に踵落としをし、ゲイツの腕ごと地面に叩き付けると、右足を強く踏み込んで後ろ胴回し蹴りをゲイツの腹部に撃ち込む。
『ニードルヘッジホッグ!』
さらに剣を振るい、多数の針をゲイツに放っていく。
「クッ…!」
針による攻勢を爆破で防いだゲイツ、だがそこに何度もレッカで切りつけていく。
ゲイツも負けじと爆破を放ってウォズを迎え撃つが、そのダメージを気にすることなく剣を振るう。
『お互い捨て身!ダメージを気にしていない!』
互いの攻撃でダメージを負いながらも、ウォズもゲイツも攻撃の手を止めない。
『ストームイーグル!』
ウォズは剣を縦に振るうと共に、炎と風を纏う鳥のエネルギー体と斬撃をゲイツに放つ。
『ファイナルフォームタイム!』
『フォ・フォ・フォ・フォーゼ!』
吹き飛ばされながらゲイツはフォーゼ・エレキステイツの力をその身に宿した、ゲイツ・ディケイドアーマーフォーゼフォームへと姿を変えて、ビリーザロッドから電撃を放つ。
『ジャッ君と土豆の木!』
その攻撃を地面から木を生やしてウォズは防ぐ。
「俺はテメエもッ…!超える!!」
その木々を爆破の推進力で飛び越えて、爆豪が右腕を振るいながらウォズに迫る。
「私とて、負けるつもりは無いさ!」
迫りくるゲイツの右腕を爆破が放たれる前に掴んだウォズが、飛び込んでくる勢いを利用して地面に叩き付ける様に投げ飛ばす。
「このまま決める…!」
『ビヨンド・ザ・タイム!』
少し距離を取りつつ、ウォズは必殺技を放とうとレッカを構える。
「勝つのは俺だ!」
『ファイナルアタックタイムブレーク!』
ゲイツもディケイドライドウォッチのボタンを押して必殺技を放とうとする。
『ストーリーズラッシュ!』
物語の力と炎を纏わせたファイヤソード・レッカから放たれる斬撃と、電撃を纏うビリーザロッドから放たれるとフィールドの中央でぶつかり合う。
「私は我が魔王に挑む!たとえ、力の差があってもだ!」
出久とウォズが戦うのは初めてのことだ。実力差がどれほどのものなのかウォズにとっても未知である。
勝てるかどうかわからない。だが、それでも彼に挑む覚悟、そして目の前にいるかなり強くなった爆豪に勝つ覚悟、それらの勇気に応えるようにファイヤソード・レッカからさらに炎が沸き上がってくる。
『魚津が押し切ったー!』
ウォズの放った斬撃の威力がゲイツのものを上回り、一気に押し切ると共にゲイツのとこまで突き進んで炸裂した。
「クソッ…!」
「爆豪君場外!」
その威力を受け止め切れず、ゲイツの身は空中に投げ出されて場外に飛び出してしまった。
「魚津君!決勝戦進出!」
『死闘を制した―!緑谷出久と試合をするのは魚津圭介で決定だー!!』
「強かったよ…爆豪君。」
出久との試合が決定したウォズは、変身を解除した爆豪に歩み寄る。
悔しさもあってか、彼は一度目を逸らすが…
「次、ゼッテー勝てよ。」
「ああ、君の分も背負って勝つさ。」
爆豪は拳を突き出し、それに応えるようにウォズも拳を合わせる。
2人の試合に多くの客が拍手を送り、そして休憩の後、トーナメント最後の試合の時を迎えるのであった。
体育祭も決勝と表彰式やまとめで後は2話。
出久とウォズ、初めての戦いとなります。
さあ、勝つのはどっちだ!?