遂に体育祭も決勝戦でございます。
今回の戦いも楽しんでいただければと思います。
「負けちまったか…アイツにどう顔向けすりゃ良いんだか…」
ウォズとの戦いを終えて廊下を歩いている爆豪は、悔しさからか俯いて歩いてしまっていた。
彼なりに出久に挑んでリベンジしたかったが、その夢はあと一歩で潰えてしまった…
「仮面ライダーゲイツ、爆豪勝己だな…」
「誰だ…?」
スタジアムの廊下を歩く彼に、ピンクのトイカメラを首からかけた男が声を掛ける。
「俺か…?俺は通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ…」
「仮面ライダー…?」
通りすがりの仮面ライダーと名乗るその男に、爆豪は困惑しつつ首を傾げてしまう。
「ああ、爆豪勝己。お前にははっきり言っておこう…お前はまだ、仮面ライダーの力を使いこなせていない…」
「そりゃ、よく分かってんよ…」
その男から言われた言葉に、爆豪は納得したように首を縦に振る。
ウォズとの戦闘ではディケイドアーマーの能力を上手く使いこなせなかったし、他の競技でも爆破メインでの戦いが続いていた。もちろん、その状態でもかなり強いが、出久やウォズに比べると物足りなく感じてしまう。今回の敗因もそうであると爆豪は重々承知していた。
「だから俺が、その使い方を教える。今度の職場体験では俺のとこに来い。」
「アンタ、仮面ライダーってだけじゃなさそうだな…プロヒーローなんか?」
「ああ、この世界ではな。まあ良い、今度指名するから覚えておけ。仮面ライダーディケイド…俺のヒーロー名だ。」
「ディケイド!?」
その男が名乗ったライダーの名に聞き覚えがあった。
先程も使ったディケイドの名を関するライドウォッチ、それをふと取り出すと共にその男の方を見るが…
「どこ行きやがった…?」
既にその男はその場から去っており、どこに行ったのかと辺りを見回す。
しかし、その姿を確認できなかったため仕方なく客席に戻るのであった…
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一方その頃、試合を控えた出久は控室に向かっていた。
「緊張するな~」
緊張で心拍数が上がっており、胸をさすりながら控室の扉を開ける。
「我が魔王…?」
「ウォズ君!?」
ドアを開けた出久の目に映ったのは、椅子に座って戦いに備えているウォズであった。
「ご、ゴメン!部屋間違えちゃったみたい…」
「気にすることはないさ。」
待ち受けているのは雄英体育祭のフィナーレを飾る、トーナメントとの決勝戦。
緊張しすぎて出久は部屋を間違えてしまったようだ…
「我が魔王、折角の2人の晴れ舞台だ。もっと胸を張りたまえ。」
「う、うん…そうだね…ここまで上がって来たんだ…」
多くの雄英生が目立つ舞台に遂に立てたのだ。
これまで敗れてきた者達の想いを胸に、2人は戦いに臨んでいく。
「お互い勝つ気なのはもう分かってるさ…全力でぶつかり合おう。」
「うん、最高の戦いをしよう!」
2人は決勝戦でしっかり観客に魅せると誓い、出久は自分の控室に向かうのであった…
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『さあ、いよいよ決勝戦!これが体育祭のフィナーレだ!』
プレゼントマイクによって最終決戦の時を迎えたと告げられ、観客は今日一番ぐらいの完成を上げる。
『対戦カードは~策略巡らし、勝ちを狙う!インテリジェンスライダー!魚津圭介!』
歓声に包まれながら、入場ゲートを潜ってウォズがフィールド上に現れる。
『VS!圧倒的な力で勝ち続けた最強の男!キング・オブ・仮面ライダー!緑谷出久!』
続いてフィールドに入場してくる出久に歓声が浴びせられていく。
「さあ、戦おう…」
『ウォズ!』
「うん、いくよ…」
『ジオウⅡ!』
2人がお互いのウォッチを起動しベルトに装填。待機音が流れる中、戦いの開始の時を待つ。
『スタート!』
「「変身!」」
『投影!フューチャータイム!』
『ライダータイム!』
『スゴイ!ジダイ!ミライ!』
『仮面ライダー!ライダー!』
『仮面ライダー!ウォズ!ウォズ!』
『ジオウ・ジオウ・ジオウ!Ⅱ!』
開始の合図と共に変身を終えた仮面ライダーウォズと、仮面ライダージオウⅡがお互いに向けて駆けていきジカンギレ―ドとジカンデスピアの刃をぶつけ合う。
(さて、次は…)
刃が交わったまま拮抗しても仕方ないと、槍でジオウの刃を薙ぎ払ってから腹に向けて前蹴りを放とうとした。
『サイキョーギレード!』
だが、未来余地の能力でその攻撃を見切ったジオウのもう一本の剣が下から上に三日月を描くように振るわれる。その刃がウォズの胸部装甲を切りつけ、火花を散らす。
「やはり、見抜かれてしまっていたようだね…」
ジオウⅡの未来予測があれば、ウォズが次に繰り出す攻撃であればすぐに見切ることが出来る。
「どうするッ…?ウォズ君!」
「ならば、未来を見せるだけだよ…私の攻撃を回避できないという未来をね…」
『ゼロワン!』
自分の攻撃を予測されるなら、予測されても回避するのが難しい程の攻撃を仕掛ければいい。
その対策を考えていたウォズは、そのためにゼロワンミライドウォッチを起動する。
『投影!フューチャータイム!』
『プログライズ!』
『フューチャーリングゼロワン!ゼロワン!』
ウォズがフューチャーリングゼロワンに姿を変えると同時に、5種類のライダモデル達が召喚されてフィールド上に降り立つ。そして彼らは、ジオウⅡに向けて次々と攻撃していく。
「まずは…」
バッタのライダモデルがジオウⅡに襲い掛かるのに対し、彼も2本の剣で切って対処しようとしたが…
「うわッ…!」
背後から襲いかかって来たファルコンのライダモデルに突き飛ばされる。
「次は何処からッ…!」
体勢を立て直したジオウⅡにトラのライダモデルが攻撃を仕掛ける。
「後ろに気を付けたまえ…」
だが、背後から迫って来たホッキョクグマのライダモデルに気付けなかった。それが放った冷気によって足元を凍らされてしまう。
「次は…」
ジオウⅡは頭部にある時計の針型センサーを回転させ、次にどのように攻撃されるかを予測する。
(どの未来でも…やられるッ!)
360°様々な方向から波状攻撃を仕掛けてくるライダモデルとウォズ。
その未来を見て、回避や迎撃をしても何らかの攻撃を喰らってしまうことが分かる。
「ハアッ…!」
ゼロワンの力で脚力を強化したウォズが、地面を蹴りその勢いでジカンデスピアを使って突いてくる。
その迎撃をすると同時にサメのライダモデルが横から突進してきてしまう。
先程、足元を氷で覆われてしまっていたジオウは上手く回避できずに吹き飛ばされる。
この様に、誰かに対処しようとすれば、別の者に攻撃をされてしまう。
「だったら…!」
『ディケイド!』
ジオウⅡは未来予測もできる上に出久が現在変身できる形態の中では1番能力が高い。
しかしながら、その能力の手数は少なく、ウォズ・フューチャーリングゼロワンの様な幾つも手数がある相手には少し不利である。
『アーマータイム!』
『カメンライド!』
『ディケイド!ディケイド!ディケイドー!』
ライダモデルとウォズ本人を合わせて6対1の状況に、流石のジオウⅡでも対処しきれないということでジオウは戦法を切り替えることにした。
『ゴースト!』
『ファイナルフォームタイム!』
『ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!』
ここで、ゴースト・グレイトフル魂の力をその身に宿すジオウ・ディケイドアーマーゴーストフォームに姿を変えると15人の偉人ゴーストたちをフィールド上に出現させる。
『フィールド上がそれぞれの戦力でごった返している!さあ、どうなる!?』
「ここは任せろ…!」
宮本武蔵の魂から生まれたムサシ・ゴーストが他の偉人たちと共にジオウの周囲にいるライダモデル達に攻撃を仕掛けていくことで、ジオウに対する脅威を取り除く。
「ほう、騎馬戦の時の…」
騎馬戦では、ライダモデルを使って防御を固めるウォズに対し、爆豪の変身するゲイツが同じ様にディケイドアーマー・ゴーストフォームの力で偉人ゴースト達を召喚してライダモデル達を攻撃させた。
数で勝る偉人ゴーストはライダモデルを完封し、ゲイツがジオウに挑むことが出来る様にしてみせたのだ。
「うん、かっちゃんがやってた作戦だね…」
爆豪が行った作戦を参考にし、ジオウはライダモデル達を封じる。
各偉人ゴースト達が各々の手段でライダモデル達を対処している間に、ライドヘイセイバーを構えてウォズに一騎打ちを挑む。
『ヘイ!ドライブ!』
『ヤリスギ!』
『デュアルタイムブレーク!』
『爆裂DEランス!』
ライドヘイセイバーから放たれる、マックスフレア、ファンキースパイク、ミッドナイトシャドーのタイヤ型エネルギーとジカンデスピアの刃先から撃ち出された赤いエネルギー刃がぶつかり合う。
『カマシスギ!』
お互いが距離を詰め、ライドヘイセイバーとジカンデスピア・カマモードの刃が混じり合う。
「流石我が魔王…私の作戦を見事に打ち破ってみせたね…」
「ウォズ君だって、ジオウⅡを完封しちゃって凄いよ…」
相手の力を認め合う両者が、一度身を引いて距離を置いてから再び刃を振るう。
その刃がぶつかり合うと同時にライダモデルと偉人ゴーストも自身の最大火力の技を放ち、お互いの攻撃がぶつかり合って爆発する。フィールド上が一時的に爆炎で包まれ、それが晴れると刃を交えるジオウとウォズの姿しかなかった。
「ライダモデルがやられたか…」
「ありがとう、ムサシさん達…」
お互いの攻撃でライダモデルと偉人ゴーストは倒されてしまったようで、2人は形態を切り替えようと新たなウォッチを取り出す。
『リバイス!』
『ウィザード!』
『投影!フューチャータイム!』
『ファイナルフォームタイム!』
『フューチャーリングリバイス!リバイス!』
『ウィ・ウィ・ウィ・ウィザード!』
ウォズがフューチャーリングリバイスに、ジオウがディケイドアーマーウィザードフォームにそれぞれ姿を変える。ウォズはバイストライカーに跨り、ジオウはウィザード・オールドラゴンの力をその身に宿し、ドラゴンの翼を背中から生やして空を飛ぶ。
『プテラノドン!』
ウォズはバイストライカーにプテラノドンの力を具現化させ、宙を浮くホバーバイクに変形させる。
『さあさあ、空中戦の幕開けだー!』
ジオウとウォズはそれぞれの力で空を飛び、バイストライカーにのるウォズがジオウに向けて突撃していく。
それに対し、ジオウは両椀に装備したウィザードラゴンの爪を模した籠手で殴り飛ばして防ぐ。
「流石、ドラゴンの力…」
ウィザードラゴンの力を纏うジオウに、ウォズもどう対抗しようかと考える。
だが、その間にも背中から生えるドラゴンの尾を振るってウォズに攻撃を仕掛ける。
空中でウォズがバイストライカーを上手く操縦して、その攻撃を下降して避ける。
「ハアッ…!」
その状態から再びジオウに向けて突撃していく。
それを防ごうとジオウは胸部にあるドラゴンの頭部から火を噴いた。
「これで防げる…!」
車体を傾けた状態で飛んだ状態で突っ込んでいく。
ボディが炎に当たるが弾いていき、ウォズの身体に炎が達するのを防いでいる。
「けど、避けられないってわけじゃない!」
通常のバイク程のスピードで突っ込んでくるそのホバーバイクを上に飛んで避ける。
『ヘイ!鎧武!』
『デュアルタイムブレーク!』
オレンジの果汁のようなエネルギーを纏った斬撃がライドヘイセイバーから放たれる。
「おっと…」
その斬撃を避けたウォズであったが…
「そこだッ…!」
その隙を突く様に、ウィザードラゴンの装備を身に纏った状態で回転しながらウォズに突っ込んでいく。
「しまった!」
『ここで緑谷!決死の突撃でバイクを破壊だ!』
出久の突撃により、ドラゴンの爪がバイストライカーを貫き大破させる。
「…ッ!流石だね…」
バイストライカーが空中で爆発する中、ウォズは空中で体勢を立て直して地面に着地する。
『セイバー!』
『投影!フューチャータイム!』
『烈火抜刀!』
『フューチャーリングセイバー!セイバー!』
そしてすぐ、ビヨンドライバーの中のミライドウォッチを入れ替えて、フューチャーリングセイバーに姿を変える。
『ジオウⅡ!』
『ライダータイム!』
『仮面ライダー!ライダー!』
『ジオウ・ジオウ・ジオウ!Ⅱ!』
そして、戦いのケリを付ける為に、出久もジオウⅡへと再び変身しながら地面に降り立つ。
「さあ、ケリをつけよう!」
『ビヨンド・ザ・タイム!』
ウォズはビヨンドライバーを操作し、ファイヤソード・レッカを構える。
『ジオウサイキョーギレード!』
『ワン・フォー・オール!』
「うん、全力で撃ち合おう!」
『キング!ワンフォーオール!ギリギリスラッシュ!!』
ジカンギレ―ドとサイキョーギレードを合体させたジオウサイキョーギレードにワン・フォー・オールのエネルギーが流れ込む。
「いくよ!ウォズ君!」
「ああ!我が魔王!最高の結末を描こう!!」
体育祭の中でジオウが轟に、ウォズが爆豪にもぶつけた最大火力の必殺技を放ち、スタジアム中央でぶつかり合う。
「勝つのは…」
「「僕だ/私だ!」」
2人の剣から放たれた巨大なエネルギーが混じり合い、大爆発を起こす。
爆風が巻き起こって観客に吹き付け、爆炎はスタジアムの外からでも見えるほどに立ち上ってしまう。
『さあ、戦いの結果はどうなった!?』
2人の必殺技がぶつかり合ったことにより起きた大爆発はスタジアムの地面を抉り、粉塵を宙に巻き上げた。
それにより客も実況席もフィールド上の様子を視認することが出来なかったが、すぐに煙も減ってフィールドに立つ戦士の姿が観客の目に映る。
「魚津君場外…優勝は!緑谷君!!」
煙が晴れるとそこには、地面に振り下ろした剣を突き立てるジオウの姿があり、その先には場外に吹き飛ばされて壁にもたれかかるウォズの姿があった。
雄英体育祭の総合優勝者が決まったその瞬間、会場からは拍手と大歓声が沸き上がったのであった…
次回で体育祭は完結でございます。
そして、職場体験編もいよいよ始まりますね。
お楽しみに!