我が魔王は緑谷出久!?   作:夢野飛羽真

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長かった体育祭も遂に完結!
表彰式は多分原作より平和です。


第29話 表彰式

「魚津君場外…優勝は!緑谷君!!」

 

『以上で全ての競技が終了!今年度の雄英体育祭1年ステージの優勝は!A組!緑谷出久!』

 

何度も繰り広げられた激しい力のぶつかり合いの末に、この雄英体育祭の総合優勝が仮面ライダージオウこと緑谷出久で決定した。

 

「ウォズ君!」

 

だがその出久は、優勝を喜ぶよりも先に場外で倒れているウォズに駆け寄る。

 

「我が魔王か…」

 

駆け寄ってきた出久に身体を揺さぶられると、気を失っていたウォズは意識を取り戻して変身を解除する。それと同時に出久もジオウの変身を解いて素顔を見せる。

 

「ふふ、負けてしまったよ。」

 

出久の素顔を見たウォズはどこか安心したように笑みを浮かべて起き上がる。

 

「強いね。流石だよ…」

 

「ううん、ウォズ君だって強かったよ。」

 

出久がウォズに差し出した手を握って立ち上がる。

そして、お互いの健闘を称える様に抱擁を交わす。

 

「君と戦えて良かったよ…改めてその力と君の強さを、この身で感じることが出来たよ。」

 

嘗てテレビの中で観たヒーローとの戦いをその身で体感できただけでなく、長きにわたり支えてきた出久の成長も見ることができてどこか満足した様子を見せている。

 

「ううん、僕の方こそ。ウォズ君やかっちゃんと競い合えてもっと強くなれたよ。ありがとう…!」

 

体育祭に向けて生徒達は己を磨き、力を蓄えてきた。

出久もより多くのライダーの力を使いこなせるようになり、ウォズや轟に打ち勝って優勝という結果を出すことができた。

 

「こちらこそありがとう…いい戦いができたよ。さて、そろそろ表彰式が始まるみたいだね。」

 

出久に手を引かれて立ち上がったウォズの目には、入場ゲートを潜ってやって来る生徒達や教師陣。

表彰台を作るセメントスの姿が映っていた。

体育祭の優勝者も決まり、いよいよ閉幕の時を迎えたのだと分かると出久と共にそちらに向かう。

 

「緑谷出久、私の魔王が君で良かったと心から思うよ。君は強いし頭も切れる…それに優しい男だ。君ならば真のヒーローの王になれるよ。」

 

「そ、そう言われたら…照れるよ…けど、ありがとう。僕もウォズ君の支えがあってここまで来れたよ…」

 

「恐悦至極だね。これからも共に戦おう。」

 

「うん…!」

 

2人はお互いの拳をグータッチさせながらクラスメイト達がいる方に歩いていくのであった…

 

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「今年度雄英体育祭1年の全ての日程が終了!それではこれより、表彰式に移ります!」

 

ミッドナイトの指示と共にせり上がって来た表彰台には3人の生徒が立っている。

本来であれば、ベスト4の4人が立っていなくてはいけないのだが…

 

「3位には爆豪君ともう一人、飯田君が居るんだけど…ちょっとお家の事情で早退になっちゃったのでご了承くださいな☆」

 

「メディア意識…」

 

飯田の下に、兄であるインゲニウムが任務中に重傷を負ったという連絡が入ってしまい病院に行ってしまった。だが、ミッドナイトはそのアナウンスの際にしっかりメディアを意識してカメラに可愛い表情を見せる。

 

「飯田ちゃん、張り切ってたのに残念ね。」

 

「う、うん…」

 

飯田が兄であるインゲニウムのことをかなり尊敬していることを知っている出久や麗日は、飯田自身やヴィランによって負傷してしまった彼の兄のことを心配している。

表彰台の上に立つ出久やウォズもインゲニウムの無事を祈っている。

 

「それではメダル授与よ!今年メダルを授与するのは勿論この人…!」

 

「ハーハッハッハッハ!」

 

メダルを授与するために登場したオールマイトの高笑いを聞き、観客は彼の登場に立ち上がって歓声を上げ始める。

 

「私がメダルを持って!」

 

「我らがヒーロー!オール「来たァ!」マイト!」

 

スタジアムの屋根から飛び降りて登場するオールマイトの名乗り口上とミッドナイトによるオールマイトの紹介が不運にも被ってしまった。

 

「被った…」

 

「しかし、今年の1年は良いなあ~」

 

「No.1ヒーローに見てもらえるもんな。」

 

登場こそミッドナイトと被ってしまったが、オールマイトの偉大さは変わらない。

観客の多くは彼にメダルを授与してもらえる上位者たちを羨ましく思っている。

 

「それではオールマイト。3位からメダルの授与を…」

 

「ハハハハハ!おめでとう、爆豪少年。君は心身ともに強くなったな。」

 

「まあな…」

 

爆豪も幼い頃からオールマイトに憧れていた。

そんな彼から自身の成長を認められると、少し照れ隠しをするように下を向く。

 

「これからももっと成長してみせてくれ。」

 

「ああ…!」

 

オールマイトが爆豪を抱きしめつつも激励の言葉を送り、爆豪もその言葉に応えるように拳を握りしめて強く頷く。

 

「ウォズ少年、おめでとう。君の緑谷少年に挑み横に並び立つ覚悟、しっかり私の心に焼き付けさせてもらったよ…」

 

「光栄です。これからも競り合う為にもっと精進しますよ…」

 

「うむ!その意気だ!」

 

ウォズもメダルを首にかけてもらった後に、オールマイトからの抱擁を受ける。

 

「さて、緑谷少年!」

 

「は、はい!」

 

そして、1位の出久が表彰を受ける時が来た。

 

「おめでとう、"君が来た!"っていうのをしっかりと見せてもらったよ…」

 

「あ、ありがとうございます…」

 

オールマイトからの誉め言葉に思わず出久は嬉し涙を流し始めてしまう。

 

「ま、まあ…泣き虫なとこは治した方が良いかもな!」

 

「はい!」

 

涙を溢れさせている出久をオールマイトが抱擁し、客席から沸き上がる拍手が彼らに浴びせる。

 

「さあ!今回の勝者は彼らだった!しかし皆さん!ここにいる全員がここに立つ可能性があった!ご覧いただいた通りだ!競い!高め合い!さらに先へと昇っていくその姿!次代のヒーローは確実に!その芽を伸ばしている!!」

 

オールマイトがこの場にいるヒーロー科だけでなく、雄英高校生徒全員を称える言葉に生徒達は来年こそ1位を取ろうと心の中で闘志を燃やす。

 

「てな感じで最後に一言!皆さんご唱和ください!せーの!」

 

「「「Plus!「お疲れ様でしたー!!」Ultra!」」」

 

「「「ええ~!そこはPlus Ultraでしょ!オールマイト!?」」」

 

観客の殆どが雄英の校訓を唱える中、ただ一人全く違う挨拶をしてしまったオールマイトにはブーイングの嵐が浴びせられる。

こうして何とも締まりがないが、雄英体育祭は幕を下ろしたのであった…

 

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その頃、東京の保須という街では…

 

「まだだ…この世には贋物が多い。英雄は…見返りを求めてはならない。」

 

ヒーロー殺しステイン。その男は自身の思想を実現するため、刃を振るって多くのヒーロー達を再起不能にしてきた。誰かを助けるのに見返りを求めるプロヒーローが、彼にとっては自身の理想像から大きくかけ離れていた。そんな彼らを日々排除しようと戦っていた…

 

「君の理想を叶える力。この僕が分けてあげようか?」

 

街の裏路地を歩くステインの前に、黒いスーツに身を包み鉄仮面を付けた男が声を掛ける。

 

「理想を叶える力…?そんなもの」

 

「与えてあげるよ。君の想いがこの力をさらに強くする。」

 

『ジオウ…』

 

仮面ライダージオウを禍々しくしたような姿が描かれている黒いウォッチを手にした鉄仮面の男は、それのボタンを押して起動し、ステインが拒否する間もなく胸部にそのウォッチを埋め込む。

 

「何をッ…するッ…!?」

 

アナザーウォッチを埋め込まれてしまったステインの身体は禍々しい闇のオーラに包まれてしまい、仮面ライダージオウを歪にしたような姿の怪人にその姿を変えてしまう。

 

「ヒーロー殺しステイン。君のその理想は英雄を否定するだけでは敵わない。ならば、君自身が示せばいい…英雄の王となってね。」

 

「英雄の王…?そうだ、英雄回帰…この俺が到達してみせよう…!」

 

英雄回帰、それは"ヒーローとは見返りを求めてはならない。自己犠牲の果てに得うる称号でなければならない。"という主張であり、ヒーローが職業になるよりも前にあった原理主義的な考え方だ。

人を救うという目的で英雄をする英雄だけを残し、人を救うということを金稼ぎの手段にする贋物は排除する。そんな思想を持ったステインは今日も飯田の兄でもあるプロヒーロー、インゲニウムを急襲していた。

そして、アナザージオウの力を得た彼の野望は加速していた。

 

「さあ、英雄の王となり、英雄回帰を実現する姿をこの僕に見せてくれ!」

 

新たなアナザージオウの誕生に、鉄仮面の男は高笑いをするのであった…




まさかのステインアナザージオウが誕生!
どうなる!?職場体験編!
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