我が魔王は緑谷出久!?   作:夢野飛羽真

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今回は少し詰め込みすぎたかもしれません。
けど、タイトルの通り遂に彼が覚醒するので楽しんでいって下さい!


第3話 覚醒の時

私と我が魔王による特訓が始まり、約2年が経った。

この間に海岸の粗大ゴミ清掃もかなり進み、さらに我が魔王には逢魔降臨歴を使って平成ライダーの歴史を追体験していただいた。我が魔王は夢の中でクウガ~ビルドまでの歴史を知り、少しずつ最高最善の魔王に近付いてきている。それに身体もかなり出来上がってきている。後はジオウライドウォッチさえ現れれば…

 

「えーお前らも3年ということで、本格的に将来を考えていく時期だ。」

 

さて、我々はもう中学三年生。

来年には義務教育を終える時期で、それ以降の進路を左右する、高校受験について考えていかなくてはいけない。

 

「今から進路希望のプリントを配るが…皆、大体ヒーロー科志望だよね?」

 

担任の言葉とともに、クラスメイト達は各々の個性を発動してアピールしていく。

 

「うんうん、皆いい個性だ。原則校内では個性使用は禁止だ!」

 

「せんせー!皆とか一緒くたにすんなよ!俺はこんな没個性共と一緒に底辺にはいかねえんだよ…」

 

などと生意気なことを口にしているのは、年々調子に乗っている爆豪氏だ。

机に足をかけ、クラスメイト達を見下している。

 

「なんだとー勝己!」

 

「モブがモブらしくうっせー!」

 

周囲のブーイングを特に気にする様子もなく、相変わらず我々を挑発して、神経を逆撫でしてくる。

 

「あー確か爆豪は、雄英志望だったな。」

 

しかしながら、彼のムカつくところは実力と結果で反論する者を寄せ付けないところだ。

模試ではA判定、それに戦闘向きの個性、日本国内のヒーロー科高校で最高峰という国立の雄英高校に入ることが出来る程の実力はある。寧ろ彼の持っている力に対して精神が幼いので、態度の方が実力に伴っていないのかも知れないが…

 

「そういや、魚津と緑谷も雄英志望だったな。」

 

おっと、ここで我々の名を出すとは…

まずいことになるぞ…

 

「は?緑谷?魚津はともかくコイツは無理だろ!!」

 

一瞬担任の言葉で教室が凍り付き、その直後クラスメイトによる我が魔王への嘲笑で教室が埋め尽くされる。

 

「勉強ができるだけじゃヒーロー科は無理だぜー!」

 

「そんな規定はないよ…前例がないだけで!」

 

「無礼だぞ!我が魔王に向かって!」

 

我が魔王に罵倒を浴びせる馬鹿共から守る様に、私は我が魔王の前に立つ。

 

「おいゴラ!なんで没個性の下僕はともかく、なんで無個性のデクが俺と同じ土俵に立てるんだ!!?」

 

そんな私達に爆豪クンが詰め寄って来る。

因みに、本来の力を出していないので彼らは私の個性をマフラーだけだと勝手に認識している。

 

「別に張り合おうとは思ってないよ…」

 

「ええ、別に我々3人揃って雄英に行くことに問題はない。君一人で行きたいとか言った都合も、私達には関係ない。」

 

「んだと…?テメエら俺の道を邪魔すんのか!?」

 

彼のプランでは自分が折寺中学から唯一の雄英進学者になることで、経歴に箔を付けたいようだが…そんな自己中心的な要望を私達が吞む必要なんてない。しかしながら目の前にいる彼には、そのことを理解する気はなさそうだ。

 

「おいクソデク!無個性の癖に受けるとか記念受験かよ?」

 

「そ、そんなんじゃないよッ…!」

 

「ああ?テメエに何ができるんだクソが!」

 

爆豪クンが振り上げた腕を私は咄嗟に受け止める。

 

「その辺にしておきたまえ。我が魔王はいつか君を超える力を手にする。同じ土俵に立てなくなるのはどっちかな…?」

 

「うるせえ!テメエらは王様と下僕ごっこでもしてろ!」

 

何とも無礼な奴だ…これで内申点が下がらないのが不思議で仕方がない…

 

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「しかしながらあの爆豪勝己という人間、年々態度が悪くなっている気がする…君もそう思わないかい?」

 

「そうかな…?受験近くてピリピリしてるのかな…?」

 

「ホント、君は彼に対して甘すぎるよ。」

 

放課後に、爆豪がもう一度彼らに雄英を受けない様に詰め寄ってきたが、またウォズがそれを跳ね除けていた。彼の態度に既にウォズは呆れてしまっているようだった。

 

「そうかも知れないけど…僕は昔みたいにまた仲良くできたらって思ってる…」

 

「そうか、否定はしないがたまには私がお灸をすえても良いんだよ?」

 

「ううん、大丈夫。」

 

2人が歩いていくうちに、暗いトンネルの様な所に来てしまっていた…

 

「我が魔王、嫌な予感がする…少し走ろう!」

 

「う、うん…」

 

その時だった。ウォズが何か気配を感じて、出久に走り出す様に告げた。

 

「逃げるんじゃねえ!Mサイズの隠れ蓑!!」

 

彼らの後ろにあったマンホールからヘドロの様な体のヴィランが現れ、2人に襲い掛かる。

 

「ヴィラン!?」

 

「我が魔王に手を出すな!」

 

ウォズが数m程度に伸ばしたマフラーで敵を払いのけ、ウォズミライドウォッチを起動しようとしたその時だった…

 

「わーたーしーがー来た!!」

 

マンホールの蓋を飛ばし、一人の男が跳び上がって現れた。

筋骨隆々な肉体、堀の深い顔、そして金髪、その男を知らないものは日本国内どこを探してもいないだろう。

 

「「オールマイト!?」」

 

「なんでここに!?」

 

その男こそ出久が憧れているオールマイトである。

彼を見て逃げようとするヘドロヴィランであったが…

 

「テキサスッ!スマーッシュ!!」

 

オールマイトの拳から繰り出される風圧で弾き飛ばされて、身体が飛散する。

 

「No.1ヒーロー…オールマイト…ホ、ホンモノだ…生だとやっぱり…画風が全然違う!!」

 

その姿に興奮して目が回ってしまっている出久。それに対して飛び散るヘドロ敵の身体をマフラーを広げて網ですくうように回収し、持っていたペットボトル内に詰め込むウォズ。

 

「すまないね。ヴィラン退治に巻き込んだだけでなく、協力してもらって…」

 

「いえいえ、お礼にこちらの彼にサインをプレゼントしていただけると嬉しいです。」

 

ヴィランの身柄をオールマイトに渡しつつ、ウォズはちゃっかり主君のためにサインを要求し、オールマイトもウォズが渡したノートに自身のサインを書き込む。

 

「あー!ありがとうございます!一生家宝にします!家の宝にします!!」

 

出久は興奮しっぱなしで、高速で頭を下げながら何度もお礼を言っている。

 

「それでは私は、こいつを警察に届けてくるよ。それではまた、液晶越しで会おう!」

 

そう言ってオールマイトは飛び立って行ってしまった。

 

「良かったですね。我が魔王…」

 

その姿を見届けてからウォズは、出久のいる方を再び向く。

 

「あれ…?我が魔王は…?」

 

だが、そこには出久の姿は無かった。

 

「何処に行ったのですか!?我が魔王!!」

 

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数十分後

 

「なるほど、そんなことが…」

 

「うん、そうなんだ…」

 

はぐれてしまっていた2人だが、再び合流することができていた。

そこでウォズは、出久がオールマイトにそのまま掴まって飛んでいたこと、そこでオールマイトからヒーローになる夢を諦める様に諭されたことを伝えられた。

本当は出久はオールマイトの正体も知ってしまったが、そこは2人だけの秘密だと思い、流石にウォズには伝えなかった。

 

「なるほど、"力がなくとも成り立つとは、とてもじゃないが口にはできない"か…」

 

「オールマイトにそう言われちゃった…」

 

オールマイトから言われた一言に、出久は流石に現実を見てしまっていた。

いくら鍛えても無個性ならヒーローになるのは難しい。その事実を再認識し、自分の夢が揺らぎそうになっていた。

 

「彼はきっと、君に危険な目に遭って欲しくないからそう言ったのだよ。ヒーローの道は険しい、無謀に挑んでいいものではないからね。」

 

「それは…分かってるけど…」

 

「ああ、だがこういう時こそライダー達の歴史を思い出してみて欲しい…例え力がなくとも、力を失ってしまっていても、正義のために戦おうとしていたものは多くいた。」

 

例え変身できなくても、戦おうとした仮面ライダー達の雄姿。

それは出久の中にも刻みこまれていた。

 

「うん、そうだね…僕もまだ、立ち止まっている場合じゃないね…」

 

「そうだとも、我が魔王…平成ライダーの歴史を学んだ君ならわかるだろう。夢を持つと時々切なくなるが…」

 

「時々すごく熱くなるんだよね…」

 

仮面ライダーファイズ、乾巧の言葉である。

時々困難な壁にぶつかって絶望するが、希望が見えて突き進める時もある。

 

「ああ、今の君ならもう、これを使うことができるだろう…」

 

乾巧の言葉を思い出し、立ち直りそうな出久にウォズが1つのブランクライドウォッチを渡す。

平成ライダー達の歴史を学び、身体を鍛えた出久には"その時"が近いと思い渡されたのだ。

 

「これは…?」

 

「いずれわかるさ、それとこれも…」

 

そして、もう一つあるものを渡そうとした時だった。

突如町中に爆発音が鳴り響き、2人はそちらの方を向いて、駆け出していく。

出久は日々ヴィランが居る現場に赴いては、ヒーローの分析をしているため反射的に爆発音がする方に来てしまっていた。

その場所は道幅が少し狭い商店街であった。そこは既に爆炎に包まれており、ヒーローも何人か集まっていた。

 

「あのヴィランは…」

 

ウォズ達にはそのヴィランの姿に既視感があった。

そう、彼は先程自分達が遭遇してしまったヘドロヴィランだ。

オールマイトが捕まえていたはずなのに、何故かまたそこにいる…

 

「僕の…せい…?」

 

その原因が出久にはすぐわかった。

さっき、自分がオールマイトに掴まった時に、ヘドロヴィランを入れていたペットボトルが落ちてしまったのだ。

 

「おいおい、ヒーロー何で棒立ち?」

 

「強い個性の中学生が捕まってて、手が出せないらしいぜ。」

 

「中学生が捕まっている…ん?あれは…」

 

「かっちゃん!?」

 

さらに驚くべきことに、そのヴィランの身体に捕らえられていたのはウォズ達もよく知る人物であった。

爆豪勝己、出久の幼馴染でクラスメイトの少年だ。

 

「おい誰かあいつに有効な個性はないのか!?」

 

「ダメだ!今ここには誰もいない!」

 

「誰かなんとかしろよ!」

 

「人質がいるのにどうしろとゆうんだよ!?」

 

「にしてもすごいなあの子…ずっと抵抗しているよ……」

 

その爆豪の個性爆破を、ヘドロヴィランが使ってしまっている為か、近付けばその攻撃を喰らってしまう恐れがあった。それ故に爆豪はあの状態で放置され、ヒーロー達はこの状況に有利な者が来るのをただただ待っていた。

その状況で緑谷出久は、爆豪のことが心配で今にもこの場から飛び出して助けに行こうとしていた。

 

「待ちたまえ、我が魔王。」

 

だがそのことを察したのか、ウォズが彼の腕を掴んで制止する。

 

「ウォズ君!?だって、助けないと…」

 

「君の気持ちはよく分かる…だが、君が危険な目に遭ってまで、彼を助ける必要はあるのかい…?」

 

爆豪のために無謀に飛び出そうとする出久の気持ちを、ウォズは理解できなかった。

自分のことを虐げ、今日も罵倒してきた人間を体を張って助けたいという気持ちはウォズの中にはない。

 

「おいおい、こっち向かってきてるぞ!」

 

「皆逃げろ!」

 

ヘドロヴィランが出久達野次馬の方に向かって来ると、他の野次馬達もこの場から逃げ出していく。

ウォズも彼らと共にこの場から離れようと、出久の手を引く。

 

「我々も行こう…我が魔王!」

 

「行かない!放っておけないよ…たとえどんな人でもッ、どんな状況でもッ、助けを求められたら見捨てない!それがヒーローだから!」

 

その時不思議なことが起こった…

ウォズから受け取り、ポケットの中に入れていたライドウォッチが白い光を放ち始めたのだ。

 

「素晴らしい!それでこそ最高のヒーローであり最高最善の魔王!目の前で助けを求める者を助けたい、実に君らしい答えだよ!さあ、後はどうすれば良いか、わかりますよね?」

 

爆豪を放っておいて逃げようというのは、ウォズなりの出久に対する発破であった。

ここで逃げなかった出久の決意は、彼の中に眠っていた"王の力"を目覚めさせ、それに合わせる様にウォズは跪いて朱色のクッションに乗せたジクウドライバーを捧げる。

 

「うん!分かってるよ…」

 

ウォズの意図を理解した出久は、ジクウドライバーを手に取り腰に巻き付ける。

 

「逃げろ!少年!」

 

ヴィランに歩み寄っていく出久を周囲のプロヒーロー達が止めようとするが、出久は止まらない。

 

『ジオウ!』

 

彼が手にしたブランクライドウォッチは、ジオウライドウォッチに変化し、出久はそのリングパーツであるウェイクベゼルを回す。そうすれば、ウォッチに描かれた仮面ライダーの顔が現れ、上部のボタンであるライドオンスターターを押すことで起動する。

そして起動したウォッチを、ジクウドライバーの左側にあるD'9スロットに装填してロックを外せば、彼の背に大きな時計のエフェクトが現れる。

 

「変身!」

 

『ライダータイム!』

 

そしてベルトを1回転させると、後ろの時計が10時10分を指し示す。すると出久の周りを無数の金属製腕時計のバンドの様なエフェクトが回転し、ジオウのスーツを装着する。

 

『仮面ライダー!ジオウ!』

 

背後の文字盤から出て来た"ライダー"の文字が彼の顔にセットされて変身が完了する。

 

「変身した!?」

 

「何者だ!!」

 

「クソデクッ…!」

 

プロヒーローやヘドロヴィラン、それに爆豪が変身を終えた出久の姿を見て仰天し、一時的に体の動きが止まる。

 

「祝え!」

 

一瞬の静寂を切り裂き、逢魔降臨歴を手にしてウォズが声を上げる。

 

「全ライダーの力を受け継ぎ時空を超え、過去と未来をしろしめす時の王者!その名も仮面ライダージオウ!まさに生誕の瞬間である!!」

 

そのウォズの声と共に、ジオウがヘドロヴィランに向けて駆け出していく。

 

「さっきのガキ!!テメエもここで殺してやる!!」

 

爆豪の身体を乗っ取ったことで、彼の個性である爆破も使えるようになったヴィランは、自身の腕をジオウに向ければ、何発か爆破を放つ。

 

「ッ…!」

 

それに対してジオウは、ジカンギレードをケンモードにして構え、視界を遮られながらも爆破によるダメージが自身に達するのを防いで進んでいく。

 

「ハアッ…!」

 

敵に近付けばすぐに、そのヘドロ状の腕を切り落としてから更に距離を詰めて、囚われの爆豪に手を伸ばす。

 

「なんで来たッ!!」

 

「君がッ…!助けを求める顔をしてたから!!」

 

その腕はヘドロヴィランの身体を貫いて、中にいる爆豪の腕を掴む。

 

「邪魔をするなァ!!」

 

だがその手はすぐに引き剝がされてしまう。ヘドロヴィランの腕が再生し、そこから至近距離で放たれた爆破によってジオウの身体が吹き飛ばされる。

 

「ウワッ…!?」

 

吹き飛ばされたジオウの身体が地面を転がる。普通なら骨を何本か持っていかれそうではあるが、ジオウの鎧が出久の身を守り、ダメージをあまり喰らっていないジオウはすぐに体勢を立て直して立ち上がる。

 

「確かに、かっちゃんの個性まで使われたら厄介だ…どうすれば…」

 

「我が魔王よ。こういう時こそライダー達の力を使うのです。さあ、これまでに見て来た彼らの歴史を思い出してみてください…」

 

「ライダーの…歴史ッ…」

 

ウォズのアドバイスを受けて、胸に手を当てたジオウの身体がオレンジ色の光を放つ。

胸に当てられた手に光が集結し、1つのライドウォッチが生成される。

逢魔降臨歴を通して出久は平成ライダーの歴史を観測した。そのことで既に多くのライダーの力が彼の中にあり、今ここに"仮面ライダーゴースト"のライドウォッチとして具現化したのだ。

 

『ゴースト!』

 

起動したライドウォッチをジクウドライバーの右側にあるD'3スロットに装填し、ベルトを一回転させる。

 

『ライダータイム!仮面ライダージオウ!』

 

『アーマータイム!』

 

すると、仮面ライダーゴーストの姿を模したアーマーがジオウの前に現れて、各パーツに分散。

 

『カイガン!ゴーストー!』

 

ジオウの身体に次々と装着され、顔には"ゴースト"の文字の形をした複眼が取り付けられる。

 

「祝え!全ライダーの力を受け継ぎ時空を超え、過去と未来をしろしめす時の王者!その名も仮面ライダージオウ・ゴーストアーマー!まず一つ、ライダーの歴史を継承した瞬間である。」

 

「アイツちょっとうるさくないか?」

 

仮面ライダージオウ・ゴーストアーマーの登場を受けて、本日二度目の祝福を行うウォズに対して、周囲のプロヒーローからツッコミが入る。

 

「この力は…」

 

「アーマータイムだよ。我が魔王…平成ライダーの歴史を纏い、まずは爆豪クンを救出しましょう。」

 

「うん!」

 

ゴーストが使用するアイテムの眼魂を模した肩部の装甲、眼魂ショルダーからパーカーゴーストを召喚すれば、4体のパーカーゴーストがヘドロヴィランに向けて突撃していく。

 

「次から次に!!」

 

やって来るパーカーゴーストを相手にヘドロヴィランは掌から爆破を放って対処していくが、自由自在に飛び回る彼らの動きに徐々に翻弄されていく。

 

「陽動は上手くいきそうですね。」

 

「うん、次は僕がかっちゃんを引きはがす!ウォズ君も手伝ってくれるよね?」

 

「当然だ。我が魔王…」

 

ヘドロヴィランに気がパーカーゴーストたちの方に向いている隙に、一気に2人が敵に向けて駆けていく。

 

「次こそは!」

 

まずはジオウが空中を滑空し、爆豪に接近してその手を伸ばして再び彼の腕を掴む。

 

「やらせるか!」

 

「今だ!」

 

それを止めようとしたヘドロヴィランにパーカーゴースト達が次々と突撃していき、そのダメージによってヴィランはジオウに対処するどころか、拘束を緩めてしまって爆豪を引き剝がされてしまう。

 

「後はお任せください!」

 

その瞬間ウォズが自身のマフラーを伸ばし、爆豪の身体に巻き付けて引っ張り上げる。

 

「テメエの助けなんざ要らねえよ!下僕野郎!」

 

「静かにしてくれないか?今は我が魔王の活躍を見る時だ。君も少しは祝いたまえ…」

 

「彼のことは俺達に任せてくれ。君も早く避難を…」

 

「チッ…!」

 

救出された爆豪をプロヒーロー達が救助に来る。しかし、彼らは既にジオウの戦いに圧倒されており、救助以外の活動に手を付けれる状態ではなかった。一部の者はウォズと共にジオウの戦いの行く末を見守っていた。

 

「だったら次はテメエを!」

 

ヘドロヴィランは標的を爆豪からジオウに変えて、彼を呑み込もうとするが…

 

「命!燃やすよ!」

 

ジオウ・ゴーストアーマーが印を結べばその手から炎が放たれ、敵の身体が炎で焼かれて押し返される。

その間に再びジクウドライバーのロックを外してから一回転させる。

 

『フィニッシュタイム!』

 

『オメガ!タイムブレーク!』

 

パーカーゴースト達がジオウの右足に収束し、エネルギーを纏った状態でジオウが跳び上がる。

その右足を突き出した体制で、ヘドロヴィランに向けて一気に突き進んでいく。

その蹴り自体はヘドロヴィランの流体状の身体を突き抜けてしまうが、足に収束したエネルギーがぶつかるとともに、敵の身体が一気に弾け飛ぶ。

 

「アイツ…やりやがった…」

 

「あのヴィランを…こうも容易く…」

 

何人ものプロヒーロー達が対処できず尻込みしてしまった相手を、1人で対処してみせた仮面の戦士。

その存在に驚きつつも、1人のヒーローがスカウトでもしてやろうかと声を掛けようとしたその時だった。

 

「行きましょう。我が魔王…恐らくマスコミも来てパニックになってしまう…」

 

「そうだね。ウォズ…」

 

ジオウの前に立ったウォズがマフラーを伸ばし、自分達の身体を包み込んでしまえばその場から姿を消してしまう。

 

「き、消えたッ…!?」

 

この世界に新たに誕生した仮面ライダージオウ、彼がヘドロヴィランを倒したのは歴史の1ページでしかない。

彼らの伝説はここから始まるのであった…

 




初戦闘は殆どゴーストアーマーになってしまいましたね。
今回は相手が特殊なタイプなので致し方ない…
個人的には出久ジオウはアーマータイムをうまく使いこなした戦いが得意そうですね。

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