我が魔王は緑谷出久!?   作:夢野飛羽真

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職場体験編も今回で終了です。
ステインとの戦いから職場体験終了までの間の余談って感じですね。


第37話 職場体験の終わり

オーマショッカーらによる保須襲撃から2日が経った。

職場体験が始まって5日目でもある。

 

「今日もステインのニュースをしているみたいだね。」

 

「ああ、この話題で持ち切りッつー感じだな。」

 

ヒーロー殺しステインにプロヒーロー12名と職場体験中の高校生5名が遭遇し、確保できたというニュースと、それに伴って報道されるステインの思想に関する特集が常にテレビをにぎわせている。

飯田君と轟君はあの日プロヒーローからの許可無しで戦っていたため、お咎めを受けてしまった。だが、その法規違反を隠すためにその場にいたエンデヴァー含めたプロヒーロー達の功績ということになった。

一応その代表はエンデヴァー氏ということになった。

 

「ステインの思想は、ニュースでかなり拡散されているようだね。注目度もかなり高い。」

 

「ま、俺はコイツの考え方は好きじゃねえ…」

 

「ああ、私もだ。」

 

世間では彼の声を"カッコいい"と評価するコメンテーターも居てたりするが、私や爆豪君はあまりよく思っていない。

 

「つーかあん時、真正面からあいつのこと否定してたけど、なんであそこまで言えんだ?あんときのテメエの言葉、その辺のニュースに出てる奴らよりも的を射てるよな。」

 

「君の方からそんなに褒めてくれるとは、嬉しいことだね。」

 

1年ほど前までお互いに敵視していた私と彼だが、我が魔王を通してお互いに成長して信頼関係を築けてきた。彼の口から私への誉め言葉が飛び出してくるとは驚きだ。

これも雄英体育祭での戦いや、門矢士の下で連携を取れるようになったからこそかもしれない。

 

「だが、あそこまでステインの言葉に対して疑問を持てたのは仮面ライダーのお陰かも知れないね。」

 

「ライダーの?」

 

「ああ、私は仮面ライダー達の物語をよく知っている。だからこそ分かるのだよ。ヒーローや正義の戦士の中にも、それぞれ違った正義があると…奥深いよ、仮面ライダーというものは。君の持つライドウォッチの仮面ライダー達にも各々違った正義がある。」

 

門矢士が爆豪君に渡した仮面ライダー達。G3やギャレン、アクセルにスペクターにクローズと個性的な仮面ライダーが多い。その中には利己的に動く者もいるが、そんな中でも皆、人を守って戦っている。

ステインの思想に当て嵌めて否定するべきではない。いや、否定できないほどに個性的でどんな枠にも当てはまらない…それが仮面ライダーなのかも知れない。

 

「"仮面ライダー"っつーのは奥深いんだな。」

 

「ああ、勿論プロヒーロー達にも同じことは当てはまるからね。爆豪君が仮面ライダーというものの深みを分かってくれたのは嬉しいことだよ。」

 

爆豪君も仮面ライダーのことを徐々に理解しつつある。ライドウォッチをさらに使いこなせるようになってくるだろう。

 

「さて、ライダーについてさらに理解するとしよう。」

 

まずは爆豪君がさらにライドウォッチを使いこなせるように今日も組手で特訓をするとしよう。

 

「なら、俺が相手しよう。」

 

私達が訓練の準備をしようとしていると、そこに門矢士も来た。

 

「仮面ライダーに関しては俺もよく分かっている。残りの2日間しっかり教えてやる。」

 

「おう!」

 

「ウォズも、基礎的な戦闘能力を底上げする。しっかり励めよ。」

 

「勿論です。」

 

仮面ライダーディケイドは強敵故に何度組手をしても未だに倒せていない。

だが、少しずつ私も爆豪君も強くなってきていて、良いトレーニングになっている。

少しずつ手応えも増えてきたし、残りの2日間でさらに強くなって1回でも倒せると良いだろうね…

 

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「だいぶ使い慣れたようだな。」

 

「はい!ワンフォーオールもだいぶ定着してきました!」

 

一方、こちらはグラントリノの下でトレーニングを積んでいる仮面ライダージオウこと緑谷出久。

ワンフォーオールを完全に継承して、その使い方をさらにマスターしていっている。

出久の実力もかなり上がっており、事務所内でのトレーニングでは余波で家具が壊れてしまうということで廃工場に移ってのトレーニングに切り替えていた。

 

「基礎はしっかりしてきたな。次は応用いくぞ。」

 

「はい!」

 

『龍騎!』

 

ジオウに変身した出久を相手にグラントリノは何度も組み手をし、彼に身体能力を強化した状態での動き方をしっかり叩き込んだ。

それに加え、応用編として各アーマータイムとワンフォーオールの組み合わせを試していた。

 

『アーマータイム!』

 

『アドベント!』

 

『龍騎ー!』

 

ジオウは龍騎ライドウォッチを起動し、仮面ライダー龍騎の姿を模した鎧を身に纏う。

 

「いきます!」

 

仮面ライダージオウ・龍騎アーマーへと変身を終えると両手に装備されている龍の頭部を模した籠手から、グラントリノに向けて炎を放つ。

 

「そんなもんか!?もっと良いのが撃てるだろ!」

 

「勿論ですよ!」

 

グラントリノは個性によるジェット噴射を足から放ち、壁から壁を蹴りながら空間内を駆け回る。

縦横無尽に廃工場内を跳ね回って、ジオウが放った炎を避ける。

 

「ドラグレッダー!」

 

ジオウは新たに覚えた技を使うために、グラントリノの気を逸らすために龍騎アーマーの力でミラーモンスターのドラグレッダーを呼び出す。

 

「2対1か!」

 

ドラグレッダーがグラントリノを追うように飛びつつ、その間にジオウも自身の体にワンフォーオールのエネルギーを張り巡らせる。

 

(ワンフォーオール!フルカウル!)

 

脚力を強化したジオウは地面を蹴り、その推進力でグラントリノのように廃工場内を飛び回る。

ドラグレッダーと連携するジオウの動きに、グラントリノも自身の攻勢を制限されてしまう。

 

「スマーッシュ!」

 

宙を舞うグラントリノに対し、ドラグレッダーとジオウが挟み撃ちをするようにして襲い掛かり、ジオウの方はパンチ力を強化した腕をグラントリノに向けて振るう。

 

「まだ甘い!」

 

だが、グラントリノはジオウの狙いを読んでいた。

近くにいる壁に向けて足を向け、そこへのジェット噴射の勢いでジオウとドラグレッダーによる攻勢を避ける。

 

「デラウェアスマッシュ…エアフォース!」

 

だが、そこで攻撃の手を緩めないのが今のジオウだ。

指に力を込め、デコピンの要領で周囲の空気を押し出しながら、腕から炎を放つ。

炎がデコピンによって放たれた風圧に乗ってグラントリノに迫る。

 

「まだ負けんぞ!」

 

グラントリノもその炎に向けて足を向け、ジェット噴射を撃ってその攻撃を凌ぐ。

 

「もらった!」

 

だが、その隙を出久は見逃さなかった。

ワンフォーオールで強化された脚力で一気にグラントリノまで駆けていき、パンチをグラントリノの腹部に撃ち込んだ。

 

「うぅ…み、見事だ…」

 

「グラントリノ!」

 

モロにジオウのパンチを受けてしまったグラントリノは、腹を抑えて蹲る。

そんなグラントリノを心配した出久が彼の下に駆け寄る。

 

「良いパンチだ。もう俺から教えることはねえな…」

 

「そんなこと…僕はまだまだですよ。」

 

駆け寄ってきた出久に、心配させまいとグラントリノは親指を立ててみせる。

 

「さて、後はひたすら実践よ。今夜また街に行くぞ。」

 

「はい!」

 

前回は遠征に行った結果、保須でオーマショッカーによる襲撃に出くわしてしまった。

その際も実践経験は積むことができたが、そこからさらに応用の段階に踏み込んでいる。

グラントリノ自身もその相手をするには荷が重くなりつつある。

 

「今日は新宿だ!夜はちと治安が悪いかもしれんが、良い練習だろ。」

 

「ちょっと緊張しますけど…頑張ります!」

 

ここから残りの2日間は夜の東京で実践経験を積み、出久は更に力をつけていく。

出久だけでなく、ウォズや爆豪を始めとした雄英生達は職場体験でさらなる成長をして、クラス一同が再び会う時を迎えるのであった。




原作と違いステイン戦で重傷を負わなかったのでしっかりと期間中にトレーニングをできた出久でした。
出久達に関してはグラントリノらから許可を得ての戦闘だったので面構刑事と話したのは飯田&轟だけという感じになりました。
次回からは期末テスト編に入ります。
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