我が魔王は緑谷出久!?   作:夢野飛羽真

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期末テスト編はいよいよ完結です!
次回からは2人の英雄


第43話 期末明けの休日

期末試験を終えての1年A組の教室では、何やら重苦しい空気の生徒が4人いた。

 

「皆っ…合宿の土産話っ…!楽しみにしてるからっ…」

 

芦戸、上鳴、切島、砂藤の4人である。

彼らは期末テストの演習で条件達成ができず、合宿に行けずに補習を受けることになりそうであった。

 

「ま、まだわかんないよ…どんでん返しがあるかもしれないよ!」

 

「よせ緑谷、それ口にしたらなくなる奴だ。」

 

そんな4人を慰めようとする緑谷だが、瀬呂がジンクスを気にしてそれを止める。

 

「試験で赤点取ったら林間合宿行けず!残って補習地獄…そして俺たちは実技クリアならずッ…!これでまだ分らんのなら貴様の成績は猿以下だー!!」

 

「おっと危ない。」

 

上鳴が出久の両目を指で突こうとしたのを察し、ウォズがマフラーを伸ばして上鳴の腕を束縛して止める。

 

「落ち着け、なげー。分かんねえのは俺もさ…峰田のお陰でクリアしたけど寝てただけだ!とにかく!採点基準が開かされていない以上は…」

 

「同情するならなんかもう色々くれー!!」

 

瀬呂は峰田と組んでミッドナイトに挑んだが、途中でミッドナイトの個性によって眠らされてしまっていた。最後は峰田の頑張りによってチームでの条件達成はできていたが、瀬呂の個人成績がどうなるかは分かっていなかった。

 

「予鈴が鳴ったら席に着け!」

 

上鳴はまだ落ち着いていないが、ここで相澤が教室に入ってきて全員着席して口を閉じる。

 

「おはよう。今回の期末テストだが、残念ながら赤点が出た。」

 

赤点の者がいるという言葉に、条件を達成できなかった者達は自分達の補修が確定して表情を曇らせる。

 

「従って林間合宿は…全員で行きます!」

 

「「「「どんでん返しだー!!」」」」

 

だが、ここで相澤によって告げられたのは赤点の者でも林間合宿に行けるということであった。

 

「行っていいんすか俺ら!」

 

「ホントに!?」

 

切島、芦戸らは嬉しくなって先程とは打って変わって気持ちが高揚している。

 

「赤点者だが、筆記の方は0。実技で芦戸、上鳴、切島、砂藤…それと瀬呂が赤点だ。」

 

「やっぱり…クリアしたら合格とは言ってなかったもんな…」

 

期末内で何もできず、相方のお陰でクリアできても赤点ということが分かり、瀬呂は落ち込んでしまう。

 

「林間合宿はそもそも強化合宿だ。赤点取った奴こそ、ここで力を付けてもらわなきゃならん。ただし、赤点は赤点だ。お前らには別途に補習時間を設けている。ぶっちゃけ学校での補修よりキツいからな!」

 

赤点の者は合宿でのトレーニングに加えて、他の時間に補習を行うことになりこれまで以上に鍛えられることが確定した。何はともあれ、A組全員での林間合宿参加が確定してクラス一同はかなりテンションが上がっていた。

 

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「で?また呼び出されたわけだが、ワンフォーオールの話かい?」

 

さて、その放課後なんだが私と我が魔王はオールマイトに呼び出されて仮眠室に来ていた。

 

「いいや。今日はそういうのじゃないさ…まずは期末試験合格おめでとう!私もリザルトを見せてもらったが良い戦いだったよ。」

 

「ありがとうございます!!」

 

「お褒めの言葉、恐悦至極だね。」

 

オールマイトから褒めてもらって、我が魔王はかなり嬉しそうだ。

 

「さて、今日はいつも頑張っている緑谷少年に私からプレゼントだ。」

 

そう言ってオールマイトはスーツの懐から1つの封筒を出す。見たところ、国際郵便かな?

 

「海上に浮かぶ巨大人工移動都市"I・アイランド"で開催される個性やヒーローアイテムの研究成果を展示する展覧会の"I・エキスポ"その招待状が…私に来た!そして、同伴者を1人連れて行ってもいいとのことで、私は緑谷少年と一緒に行きたいと思ってね…」

 

「I・エキスポ!?そんなすごいところに!!ありがとうございます!!」

 

I・エキスポの開催は私もニュースで聞いたことがあり、かなり興味があった。

世界中から有名ヒーローや科学者が集まるビッグイベントだね。

そこにオールマイトと共にいけるということで、我が魔王もかなり喜んでいる。

 

「ただ、話はそれだけじゃない。実はI・エキスポの招待が緑谷少年にもう一件届いていてね…」

 

そう言ってオールマイトはもう1枚紙を取り出した。

 

「これは雄英体育祭優勝者に贈られるもので、+2名友人を招待できる枠がある。」

 

「つまり、我が魔王へのI・エキスポの招待が重複してしまったということだね。」

 

「その通り!なのでどちらかの招待状を緑谷少年から誰かに譲って欲しいと思ってね。」

 

魔が魔王の下に届いた2つの招待券。そのどちらかを誰かに譲るということになったが…

 

「じゃあ、この体育祭優勝の方の招待状をウォズ君にあげるよ。」

 

「良いのかい?」

 

「うん。ウォズ君にはいつも助けてもらってるし、それに一緒に行けた方が嬉しいから。」

 

「そう言ってもらえて嬉しいよ。我が魔王。」

 

嬉しい言葉と共に招待状を渡してもらい、嬉しさのあまりその紙をじっと見つめてしまう。

 

「ウォズ少年は体育祭準優勝だからね。君が緑谷少年の代わりに行くのも、筋が通った話だ。」

 

「ありがとう、オールマイト。さて、同伴枠をどうしようかな…」

 

さて、ここで話は私と同伴する2人の方へと移っていく。

体育祭優勝者への招待状では、本人の他に2人友人を連れていけるということだが…

 

「かっちゃんは?」

 

「勿論、誘おうと思ってるよ。」

 

その内の1枠はすぐに爆豪君で確定した。

共にライダーとして戦う仲だし、むしろ誘わない理由がない。

 

「もう1枠は…まあ、ゆっくり考えるとしよう…」

 

問題は残りの1枠だ。誰を誘おうか迷うところだ、飯田君か麗日君にでも声をかけてみようかな?

 

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「てな感じでやって来ました!県内で最多の店舗数を誇るナウでヤングな最先端!木椰区ショッピングモール!」

 

期末の結果が発表された日の翌日、A組のメンバー達は合宿に向けて荷物を揃えるために木椰区ショッピングモールを訪れていた。

 

「個性の違いによる多様な形態を数でカバーするだけでなく、幅広く…ブツブツ」

 

「幼子が怖がるぞ。よせ」

 

このショッピングモールには多種多様な個性を持つ人々に合わせた、服や靴の様々なバリエーションがそろっており、それを見て出久が分析しつつ独り言を言っているのを常闇が諌める。

 

「とりあえず、ウチ大き目のキャリーバック買わなきゃ。」

 

「あら、では一緒に回りましょうか。」

 

「ピッキング用品と小型ドリルってどこに…」

 

「俺アウトドア系の靴ねえから買いてえんだけど。」

 

「あー私も私も!」

 

とは言うものの、多種多様なのは品揃えだけではなく各々が必要としている物もバラバラだ。

 

「みんな目的バラけてっし時間決めて自由行動すっか!じゃあ3時にここ集合だ!」

 

「「「異議なーし!!!」」」

 

ということでここは切島の発案で全員別行動をすることになり、3時まで自由行動となって各自ばらけていく。

 

「我が魔王よ、ここのクレープは美味しいと評判だそうだ。一緒に食べるかい?」

 

「ううん、僕はちょっとオールマイトグッズの店があるって聞いたからそっち行くかも。もうちょっと調べてから行くから先行っててよ。」

 

「了解した。我が魔王。」

 

出久は店のリサーチのためにこの場に残り、ウォズは事前に行こうと思っていたクレープ屋に向かうのであった。

 

「I・エキスポ?」

 

「ああ、私と我が魔王の所に招待状が届いてね…でその招待枠が2つ程ある。なので爆豪君を招待しようと思ってね。」

 

その後クレープを食べ終えたウォズは爆豪と合流し、彼に今度のI・エキスポに自分達の招待枠で来るかどうか問いかけていた。

 

「ま、せっかくだから行ってやんよ。出久も来るんだろ?」

 

「勿論。我々3人と後招待枠の残り1枠の4人で行くことになると思うよ。」

 

今のところI・エキスポに行くのはオールマイトから招待された出久と、その出久から体育祭優勝者向けの招待券を譲られたウォズ。そしてウォズが持つ招待枠の内の1枠を貰った爆豪の3人が現状行くと確定している。

 

「とりあえず、この期間の予定をしっかり開けてくれていたら大丈夫だ。さて、もう1枠だが…」

 

ここでウォズには悩みが1つあった。

それはもう1つの招待枠が余っていることである。先程飯田にも声をかけたが彼も兄の代理で出席するため招待枠は別の者に使うことになっていた。

 

「八百万は誘わねえのか?」

 

「八百万君!?君なら麗日君や蛙吹君、切島君辺りの名前を出すと思ったが…」

 

普段出久、ウォズ、爆豪に加えて飯田らが仲良くしているメンツとしては麗日や蛙吹や切島、後は峰田、上鳴、瀬呂辺りであるが、爆豪の口から出たのは八百万の名前であった。

勿論訓練等で一緒になることが多かったので交友がないわけではないが、爆豪の口からその名前が出るほど普段からよく話しているわけではない。

 

「テメエ、アイツのこと気になってんだろ?」

 

「い、いや、そんなことは…」

 

「最近アイツのこと、ずっと見てんだろ。」

 

「ま、まあ…」

 

会話が多いというわけではないが、ここ最近ウォズは八百万のことをよく気にかけていた。

自信なさげな彼女を心配していたということもあったが、約4ヵ月の間クラスメイトとして共に過ごしていたことでウォズの中で八百万は"気になる女子"の部類に入っていた。

 

「誘うなら今だろ?行って来いよ。」

 

「君がそう言うなら仕方ない、行くとしよう…」

 

中学時代まではまるで周りが見えていなかった爆豪すら、今はかなり視界が広くなって自分のことまで気にかけてくれている。その事実に少しウォズも心を動かされ、一歩踏み出してみることにした。

 

「では、少し声をかけてくるよ。」

 

そう言ってウォズは一度爆豪から離れ、八百万を探して歩いていく。

 

「お、いたね。八百万君、少しいいかな?」

 

カバンが売っている店の近くで八百万を見つけたウォズは、早速彼女に声をかける。

 

「どうなさいましたか?ウォズさん。」

 

「実は今度開催されるI・エキスポの招待枠が1つ余っていてね、もしよければ一緒にどうかな?と思ってね。」

 

早速ウォズは八百万にI・エキスポの話を出してみるが、すぐに八百万は返事をする。

 

「I・エキスポですと、今度私も行く予定ですわ!実はお父様がスポンサー企業の株主でして…」

 

流石は八百万一家と言ったところだろう。すでにスポンサー企業から渡された招待券でI・エキスポに行くことが決まっていた。

 

「なるほど…なら、向こうで会えることを楽しみにしているよ。」

 

「ええ、その時はぜひ!」

 

誘いを断られてしまった形にはなったが、I・アイランドに行くことは変わらないということでそこで合流できたらいいなと思いつつウォズが爆豪の下に戻ろうとしたその時だった。

 

「警察?一体何の騒ぎが…」

 

その時、彼らの耳に何台分ものパトカーのサイレンが聞こえてきた。

ふと広場の方に目をやるとそこには出久と麗日がおり、そこに何人もの警官が集まってきた。

 

「何があったんだ…我が魔王!」

 

その後、ウォズが出久から事情を聴いてみたところ、なんとオーマショッカーの死柄木と遭遇してしまったとのことだ。

彼としばらく話すことになり、死柄木はすぐに去ったそうだ。

この日はショッピングモールは閉鎖になり、この件に関する事情聴取や雄英から出久らへの聞き取りであっという間に時は流れ、彼らは夏休みを迎えるのであった。




劇場版編に入っていく前に、今作のヒロインは八百万さんになりました。
結構決まるのが遅くなりましたが、ウォズの恋愛も物語の軸に入れていけたらなと思ってます。
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