何とか間に合いました…
「装置の価値を吊り上げるために、犠牲になってもらうぞ!」
個性を活性化する装置を取り込んだアナザー新1号。
それにより変身者であるウォルフラムの個性が強化され、自身の付近の金属片や、地面から生成した金属の塊を次々とオールマイトやジオウ、ウォズ達に打っていく。
「これがパパの装置の力…」
360度様々な方向から迫って来る金属の塊による攻勢に、3人は苦戦気味だ。
「Shit!」
1つの金属の塊がオールマイトに迫り、それを何とか受け止めているが、活動限界が近いオールマイトはその攻撃を押し返そうとしているが口から血を流している。
「オールマイト!」
そんな彼を助けようとするジオウ達だが、2人もアナザー新1号が飛ばしてきた金属の塊に弾き飛ばされる。
「助けないとッ…」
ウォズは空中で下半身のブーストのマフラーから炎を噴射し、体制を整えながらオールマイトの方に向かっていこうとする。
「ウォズ君!」
だが、彼の横から金属の塊の波が迫ってきてウォズを巻き込んで押しつぶそうとしている。
「…!」
だが、その金属たちが一気に氷に覆われてウォズの眼前で止まる。
「くたばりやがれ!」
その場に轟達も到着し、彼が自分のことを氷結で守ってくれたのだとウォズが分かったその時、爆豪が変身する仮面ライダーゲイツも登場して右腕の手榴弾型の籠手にあるピンを抜いて大規模爆破を浴びせる。
「何やられてんだよ!おい!」
その攻撃こそ金属の壁を作って塞がれてしまったが、着地したゲイツがジオウ、ウォズと並び立つ。
「爆豪少年!」
「今のうちにヴィランを…!」
「轟君!皆!」
爆豪や轟に加えて飯田を始めとしたA組メンバーもこちらに到着していた。
「応急処置は私に…」
「お願いします!」
八百万はデヴィットが血を流しているのを見つけると、包帯やガーゼを創造して止血を開始する。
「金属の塊は俺達が引き受けます!」
「麗日君!ここを頼む!」
「うん!」
切島と飯田も前に出ていき、アナザー新1号が繰り出してくる金属の塊へ対処していく。
「教え子たちにこうも発破をかけられちゃ…限界だなんだと言ってられないな!」
ジオウⅡの剣による攻撃、ゲイツが浴びせる爆破、ウォズの銃撃、轟の氷結と火炎、飯田のエンジンで勢いをつけた状態の蹴り、切島の硬化した拳によるパンチが次々と金属の塊を打ち砕いていき、オールマイトも自身に迫る金属の塊を押し返してパンチ一発で一気に吹き飛ばす。
「限界を超えて!さらに向こうへ!!Plus ultraだ!!!」
ワンフォーオールのパワーで飛びながら、空中を飛びながらさらに迫って来る金属の塊も打ち砕いていく。
「カロライナスマッシュ!」
迫り来る金属の塊を次々と打ち砕いてアナザー新1号との距離を詰めていき、敵の眼前にある鉄の壁も破壊していく。
「観念しろ!ヴィラン!」
オールマイトが打ち出すパンチと、アナザー新1号が繰り出すパンチがぶつかり合う。
「観念するのはお前の方だ!」
拳をぶつけ合うオールマイトに、アナザー新1号の両肩にある赤い節足が放たれ、それを受けたオールマイトが血を流しながら突き飛ばされる。
「オールマイト!」
そのオールマイトの身体が宙の上で大量の金属に覆われていき、捕らわれてしまう。
そんな状況にデヴィットを止血する八百万や、彼女が創造した盾でメリッサ達を守っている麗日もオールマイトの身を案じている。
「お前たちもくたばれ!」
そして、金属の塊の波は攻勢に出ているジオウ達だけでなく、守備側に回っている八百万達にも向けられる。
「八百万君!」
金属の塊を打ち砕けるような攻撃力を彼女たちは持ち合わせていない。
それ故にウォズはブースターで一気に加速しながら八百万らの方に向かうが、少し距離がある。
(間に合え!)
「「「皆さん!伏せて!」」」
何とか屈んでやり過ごそうと指示を出す八百万だが、容赦なく金属の塊が迫ってきている。
「危ない!」
八百万達が金属に押しつぶされるかに見えたその時、不思議なことが起こった。
突如八百万達の前に光の壁ができて、その攻撃から守ってみせる。
(この力は?)
屈んで伏せている八百万達は光の壁に気付いていないが、自分達の身を守れている。
その間にウォズがブーストによる蹴りで金属の塊を打ち砕く。
「大丈夫かい?」
「ええ!」
謎の光の壁にウォズは少し首を傾げながら、またヴィランの方に向かっていく。
(あの光の壁、まさかね…)
個性ではない何かの力、例えば仮面ライダーの力を誰かが持っているのだろうかと考えつつもウォズはジオウの下に向かう。
「オールマイトを助けるよ。我が魔王!」
「うん!」
「じゃあ、あれでいくか!」
金属の塊に捕らわれるオールマイトを助けるために、ジオウ、ゲイツ、ウォズの3人が並び立つ。
『ジオウトリニティ!』
『ジオウ!ゲイツ!ウォズ!』
ジオウトリニティライドウォッチをジクウドライバーに装填してダイヤルを回す出久。
『トリニティタイム!』
そして、ジクウドライバーを1回転させると黄金の光に包まれたウォズとゲイツがバンドのある腕時計の様な姿に変わってジオウに装着されていく。
『3つの力!仮面ライダージオウ!ゲイツ!ウォズ!』
『トリニティ!トリニティ!』
(ワンフォーオール!フルカウル!リライブバンド!)
オールマイトを捕える金属の塊に向けて浮遊の力で飛びながら、ジオウは全身にワンフォーオールを張り巡らせながらリライブバンドで筋肉を刺激。
「デトロイトスマッシュ!」
その状態で拳を振るい、オールマイトを捕える金属の塊を一気に打ち砕く。
「緑谷少年!いや、爆豪少年とウォズ少年もいるのか…」
「ああ、そうだとも。今はまあ、ジオウ・トリニティとでも呼んでくれたまえ。」
ジオウトリニティ内の意識空間であるクロックオブザラウンド内では、足元の巨大な時計の針がウォズの方を向いている。
「さあ、オールマイト!我が魔王!爆豪君!共にいこう…!」
「「「ああ!/うん!/おう!」」」
ジオウトリニティとオールマイトが並び立ち、ウォズの一声と共に双方がワンフォーオールで身体能力を強化させた状態で跳躍してアナザー新1号に突っ込んでいく。
「スマーッシュ!」
「くたばれ!」
アナザー新1号が彼らを妨害しようと金属の塊や柱を幾つも飛ばしてくるが、それをオールマイトがパンチで打ち砕きつつ、ジオウトリニティも爆豪の爆破で金属を壊して吹き飛ばしていく。
「俺達も援護だ!」
それに続く様に飯田達もアナザー新1号が操る金属に対処をし始め、オールマイトに迫るように伸びていく金属の柱をエンジンの推進力を加えた蹴りで飯田が破壊する。
「助かるよ!飯田少年!」
更に迫って来る金属の塊の波を轟が凍らせ、地上の金属の塊を硬化させた拳を振るう切島が殴って壊していく。
「轟君に切島君もありがとう!」
「おうよ!こっちは俺達に任せろ!」
頼もしい援護も加わり、オールマイトとジオウトリニティはさらに敵との距離を詰めていく。
「ヒーローごときが俺に勝てると思うな!」
下半身から生える4本の節足で跳躍し、ジオウトリニティに飛びつこうとするアナザー新1号。
「カリフォルニア…スマーッシュ!」
それに対してオールマイトが空中で前転して回転を加えてから、下方向にパンチを撃ち出せば、飛び込んできたアナザー新1号の顔面部を捉えて地面に叩き落す。
(ワンフォーオール!リライブバンド!)
「デトロイトスマッシュ!」
そこに続く様にジオウトリニティのワンフォーオールとリライブバンドで強化されたパンチが、地面に倒れこむアナザー新1号の体に撃ち込まれる。
「まだだ!」
追撃を加えようとするジオウ達に対し、アナザー新1号は両肩から赤い節足を突き出して防ぎ、後方に下がると周囲の金属の欠片を自分の身の回りに集めていく。
「それで身を固めようとも無駄だ!」
ジオウトリニティの体の主導権はウォズにあり、彼が手榴弾型の籠手が装備された右腕を敵に向けると、それを察した爆豪がすぐに大爆破を放つ。
「…ッ!」
身に纏おうとした金属の塊ごと吹き飛ばされるアナザー新1号に対し、ジオウトリニティはライドヘイセイバーを構える。
『ヘイ!電王!』
『デュアルタイムブレーク!』
剣先からデンライナーの姿をしたエネルギーが放たれ、アナザー新1号の右肩に直撃。そこから生えていた赤い節足が切り落とされて地面に落ちる。
「ここで終わってたまるかァ!!」
この攻撃に激高し、キューブ状に固められた金属の塊がジオウ達に迫っていく。
「テキサス…スマッシュ!」
だが、飛んでくる金属の塊に対してオールマイトが腕を振るい、それで起こる強風が金属の塊を吹き飛ばす。
『フィニッシュタイム!』
『ヘイ!仮面ライダーズ!ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘヘヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!』
その間にライドヘイセイバーにディエンドライドウォッチを装填して、針を3周回転させると、39枚のライダーズクレストが描かれたカード型のエネルギーをの周りに竜巻状に纏わせる。
『ディ・ディ・ディ・ディエンド!』
その状態のライドヘイセイバーの剣先をアナザー新1号に向けて、突きを放つとカード型のエネルギーと共に剣の形のエネルギーが敵に向かって進んでいく。
「喰らってたまるか!!」
金属の壁を幾つも生成して攻撃を防ごうと試みるアナザー新1号だが、それすらも突き破り、ライドヘイセイバーから放たれたエネルギーが敵の巨体の左胸を撃ち抜いて、肩から生える節足を落とす。
「いくぞ!有精卵達!」
この一撃を喰らったアナザー新1号はダメージを受けて防戦に切り替え、自分の周りを金属の塊で固めて、その塊は山の様に大きくなる。その中腹部に体を埋もれさせながら、金属の塊や柱をオールマイトやジオウ達に放っていくが、それを避けながら2人の英雄は駆けていく。
「させねえ!」
幾つもの金属の塊がジオウ達を横から襲おうとするが、轟が氷の塊を作って防ぐ。
その後繰り出される金属の塊による攻勢も、ジオウとオールマイトは避けながらパンチやキックで壊して敵との距離を詰めていく。
「うおおおおおおお!!」
ウォルフラムが上から下に斜めに伸ばした金属の柱の上を、オールマイトとジオウが走り、それを潰そうと敵は巨大な金属の塊を作り出す。
「目の前にあるピンチを!」
「全力で乗り越え!」
それに対して、オールマイトは地面を蹴り、ジオウは爆破を足から放ってそれぞれ飛んで金属の塊へと直進。
「人々を!」
「全力で助ける!」
そんな2人を狙って飛んでくる金属の欠片を、ジオウはジカンデスピアで弾いて防ぐ。
「それこそが!」
「ヒーロー!」
「タワーごと潰れちまえ!!」
オールマイトとジオウ、それに加えて雄英生達やセントラルタワーごと破壊しようと、巨大な金属の塊を振り下ろして落とそうとするアナザー新1号。
「「ダブルデトロイト!!スマーッシュ!!!」」
ジオウトリニティは右腕で、オールマイトは左腕で、ワンフォーオールのエネルギーを込めたパンチを撃ち出して巨大なキューブ状の金属の塊を打ち砕いてその勢いのままにアナザー新1号がいるところまで突き進む。
「いけー!」
「「オールマイト!」」
「「ジオウ!」」
「「ぶちかませ!!」」
『フィニッシュタイム!』
仲間たちの声援を背に受けて、ジオウはライドウォッチの起動スイッチを押していく。
『ジオウ!』
「さらに!」
『ゲイツ!』
「向こうへ!」
『ウォズ!』
「「「「Plus Ultra!!」」」」
アナザー新1号に向けて飛び立ちながら、出久、ウォズ、爆豪、そしてオールマイトが声を合わせる。
ジクウドライバーを一回転させたジオウトリニティは全身にワンフォーオールのエネルギーを張り巡らせながら蹴りの体制に移行し、オールマイトもパンチを撃ち出そうと構える。
『トリニティタイムブレークバーストエクスプロージョン!!』
「デトロイト…スマーッシュ!!」
ジオウトリニティが放つライダーキックと、オールマイトが放つ強力なパンチ。
それらはアナザー新1号に直撃し、周囲の金属の塊ごと一気に吹き飛ばす。
タワーに纏わりついていたウォルフラムが操る金属や、周囲から生えていた金属の柱もすべて弾き飛ばされていく。
「トシ…」
そんな中、八百万から応急処置を受けたデヴィットは、敵を倒して立つオールマイトとジオウトリニティの姿を目に焼き付けた。
嘗てのオールマイトの様に人を救う若い英雄、その存在にデヴィットの表情は緩くなった。
新たな平和の象徴の種に、デヴィットは安心している様子だった。
「やったのか?」
「やったんだ!ヴィランをやっつけたんだー!!」
出久達の勝利を確信し、峰田達が歓声を上げ始める。
ウォルフラムの肉体が地面を転がり、その横でアナザー1号ウォッチと個性活性化装置が砕け散る。
ヴィラン達は全員気を失っている様子で、自分達が勝ったことが分かって轟も安堵の笑みを浮かべている。
「デク君!皆!」
「メリッサさん!」
ジオウトリニティの変身が解除されて現れた出久、ウォズ、爆豪の3人の下にメリッサが駆け寄る。
「デイヴ!デイヴ!」
「オール…マイト」
歓喜する雄英生達から少し離れたところで、オールマイトは八百万からの治療を受けて包帯を体に巻いたデヴィットと言葉を交わそうとしていた。
「パパー!」
「オールマイトー!」
そんな2人の無事を喜ぶように、呼びかける出久とメリッサを見て、この事態を収拾してくれた感謝の言葉をデヴィットが発する。
「助かったよ…オールマイト。ありがとう…」
「いいや、礼なら緑谷少年達とメリッサに言うべきだ。」
今回の騒動が収まったのは、出久達A組メンバーやメリッサの活躍あってこそだとオーツマイトが告げる。
「良かった…本当に…ありがとう。デク君達のお陰で皆を助けることが出来た。」
嬉し涙を浮かべながら、メリッサが出久、ウォズ、爆豪の3人に感謝の言葉を述べる。
「メリッサさんもです。メリッサさんのリライブバンドに何度も助けられました。ありがとうございます!」
「ジオウトリニティに変身しているとき、確かに普段よりも力が出せていると感じたよ。ありがとう…」
そんなメリッサに対し、出久とウォズはリライブバンドを託してくれたことの礼を言う。
「デク君…ウォズ君…」
「けどそいつ、なんか焦げてねえか?」
2人の言葉に嬉しそうにしているメリッサであったが、出久の右手首に装備されていたリライブバンドはショートしてしまったのか、火花を散らしながら出久の手から落ちてしまった。
「ご、ごめんなさい!大事なものなのに、壊しちゃって!」
「ふふ、そんなこと。」
リライブバンドを酷使しすぎて壊してしまったと、謝罪する出久。だがメリッサは役立ったのならそれで十分とその謝罪を受け入れる。
「おーい!デクくーん!」
「ケガはないかー!?4人共ー!」
「大丈夫だよー!」
「ああ、心配は要らないよ。」
その場にいる4人に、麗日や飯田達が声をかけ、出久とウォズがそれに手を振って応える。
「メリッサから大体の事情は聞いたよ。」
「私は…君という光を失うのが、築き上げた平和が崩れていくのが怖かった。」
オールマイトから、彼が自身の犯してしまった罪に関してもう聞いたと言われ、デヴィットは後悔の言葉を紡ぎ始める。
「だが、私の考えも、あの装置も、所詮は現状維持の産物でしかない。」
そして、自分の考えは間違っていたと言いながらデヴィットは立ち上がる。
「未来が、希望がすぐそこにあると言うのに…私はそれに気付かなかった。」
デヴィットの視線の先にいるのは、出久とメリッサ達。
彼らこそ、未来の希望であるとデヴィットは感じていた。
「メリッサが私の跡を継ごうとしているように、緑谷君達が君の跡を継ごうとしているんだな。」
「まだまだ未熟さ。しかし、彼らは誰よりもヒーローとして輝ける可能性を秘めている。」
「私にも見えるよ。トシ、君と同じ光が、ヒーローの輝きが…」
新たな1日の始まりを告げるような日の出の光が、デヴィットを継ぐ未来の研究者となるメリッサと、オールマイトを継ぐ未来のヒーローとなる緑谷出久、ウォズ、爆豪勝己を照らすのであった。
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「ウォズ!おめーさっきから肉喰いすぎだぞ。」
「おう!俺らの分もちゃんと残せよ!」
「おっと失礼、つい夢中になってしまってね…」
あれから数日。
エキスポは少し延期になってしまったが、我々雄英高校1年A組のメンバーはI・アイランドでバーベキューを楽しんでいた。
私は肉を多く食べすぎていたところを、切島君と瀬呂君に注意されてしまっていた所だ。
(しかしながら、あの時の光は何だったのだろうか…)
この事件はデヴィット・シールド博士とその助手のサム、そしてテロリスト達が逮捕されて終息となった。
だが、私には気がかりなことが幾つかある。
一つは敵からの攻撃から八百万君達を守った光。
(誰かが新たな力に目覚めたのだろうか…?)
もしかしたら、仮面ライダーの力がまた誰かに宿り、その一端が出てきたのだろうか?
「どうしましたの?ウォズさん」
「いいや、なんでもないよ。」
私が少し見すぎていたのだろうか、気になって八百万君が声をかけてきた。
「ほらこちら、パエリアがありますわ!」
「おお、美味そうだね。」
ということで八百万君に案内されてパエリアを食べることにしよう。
それともう一つ、心配事がある。
それは今回のテロリストにアナザー1号ウォッチを渡した者のことだ。
恐らく、オーマショッカーだろう。
彼らとの戦いは、これからも続きそうだ…
合宿編に続く…