我が魔王は緑谷出久!?   作:夢野飛羽真

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さあ始まって参りました林間合宿編!
そして前半戦の山場も近いですね。


林間合宿編
第50話 合宿初日


「ようやく休憩か~」

 

「おしっこ!おしっこ!」

 

さて、I・アイランドでのエキスポ見学を終えて戻って来た我ら雄英高校1年A組の一同は現在、夏休みの林間合宿の宿に向けてバスで移動中だ。

途中休憩ということで、我々は山の中腹で降ろされたのだが、トイレ等が見当たらない。

峰田君もトイレを探して走り回っている。

 

「つか、何ここ?ここ、パーキングじゃ無くね?」

 

「あれ?B組は?」

 

休憩場所にしては少し変だ。パーキングエリアや道の駅の様な施設があるわけでもないし、共に合宿に参加しているB組のバスとも途中で分かれてしまった様だ。

 

「何の目的もなくでは、意味が薄いからな!」

 

「トイレは?」

 

相澤先生曰く、この地に着いたのには何か目的があるらしい。

 

「よう、イレイザー!」

 

「ご無沙汰してます。」

 

すると、隣に止まっていた車から2人の女性と1人の少年が下りてくる。

 

「煌く眼で~ロックオン!」

 

「キュートにキャットにスティンガー!」

 

「「ワイルドワイルド~プッシーキャッツ!」」

 

その女性とは、猫を意識したパーツが随所にみられるコスチュームを着た2人のヒーローだ。

 

「今回お世話になるプロヒーロー、プッシーキャッツの皆さんだ。」

 

「有名事務所を構える4名1チームのヒーロー集団!山岳救助などを得意とするベテランチームだよ!」

 

我が魔王の言うように、世間でも有名なプロヒーロープッシーキャッツのメンバー4人のうち2人がこの場に来てくれている。山岳救助が得意な彼女らが面倒を見てくれる合宿ということは、そう言った救助の訓練も行うのだろうか?

 

「キャリアは今年で12年に!」

 

「心は18!」

 

青いコスチュームを着たプッシーキャッツのピクシーボブが、彼女たちのキャリアについて語ろうとする我が魔王の口を防ぐ。

どうやら、歳が分かってしまうような話はNGらしい…

 

「ここら一帯は、私らの所有地なんだけどね。」

 

さて、一通り挨拶を終えた後、赤いコスチュームを着ているプッシーキャッツのマンダレイが、現在われわれがいる山の中腹よりも下にある、麓の森を指さして説明を始める。

 

「アンタらの宿泊施設は、あの山の麓ね。」

 

「「「遠い!」」」

 

マンダレイが指さすのは、森の中のとある場所だ。

どう考えてもここからならかなり遠い。

 

「じゃあ、なんでこんな半端なところに?」

 

「これってもしかして…」

 

「いやいや…」

 

「バス戻ろうか。なあ?早く。」

 

「そうだな、そうすっか。」

 

ここで我々を降ろして、プッシーキャッツが出てきて、宿泊場所をこの道中で説明される。

そのことから、蛙水君や砂藤君が察し始めて、上鳴君や瀬呂君がバスに戻ろうとする。

 

「面白そうだね。我が魔王、爆豪君。」

 

『ウォズ!』

 

と言っても、相澤先生たちがそう簡単に私達をバスに戻してくれるとは思えない。

なのでここは、プッシーキャッツがやろうとしていることに乗るだけだ。

 

「1番最初に着くのは俺だ!」

 

『ゲイツ!』

 

「うん!後、カブトとかは使わない方が良いかな?」

 

「恐らく、その方が訓練になるからね。」

 

『ジオウ!』

 

我々3人は腰にベルトを巻き、ライドウォッチを起動させる。

この場での訓練なら、カブトアーマーやディケイドアーマー・ファイズフォームを使うのは不適切だろうなどと話しながらライドウォッチをドライバーに装填していく。

 

「今は午前9時30分。早ければ、12時前後かな?」

 

「ダメだ!おい!バスに戻れ!」

 

「12時半までかかったキティは、お昼ご飯抜きだからね~」

 

「それはまずい!速く行かねば!」

 

ここから3時間以内に宿に着かなければ昼食抜きはまずい。

既に2時間後には腹を空かしている自信しかない。間に合わさねば…

 

「いこう!2人共!」

 

「「「変身!」」」

 

『ライダータイム!仮面ライダージオウ!』

 

『ライダータイム!仮面ライダーゲイツ!』

 

『投影!フューチャータイム!スゴイ!ジダイ!ミライ!仮面ライダーウォズ!ウォズ!』

 

昼食を逃がすわけにはいかないということで、我々3人はそれぞれ仮面ライダーへの変身を遂げる。

そして、バスの方に逃げる切島君達とは逆に、ここから飛び降りて森に向かい、宿泊施設を目指すのであった。

 

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バスに逃げ込もうとしたA組生徒達は、ピクシーボブの個性である土流によって操られた土の波によって森の方に放り出される。

 

「ほう、しっかり障害物も用意しているんだね。」

 

そんな彼らより一足先に森に入ったウォズ達の前には土でできた魔獣達がおり、彼らの行く手を阻もうとしていた。

 

「ご飯のためだ。悪く思うな。」

 

『投影!フューチャータイム!』

 

『デカイ!ハカイ!ゴーカイ!』

 

『フューチャーリングキカイ!キカイ!』

 

ここでウォズは全形態の中でも最大の攻撃力と防御力を誇るフューチャーリングキカイに変身し、パンチ1発で目の前の土魔獣を壊してみせた。

 

「くたばりやがれ!」

 

一方のゲイツも、自身に向かってくる土魔獣に対し、爆破を放って体を構成する土を打ち崩していく。

 

『アーマータイム!』

 

『カメンライド!』

 

『ディケイド!ディケイド!ディケイドー!』

 

そして、出久の変身するジオウもディケイドアーマーへと変身すると、ライドヘイセイバーを構える。

 

『ヘイ!ウィザード!』

 

『デュアルタイムブレーク!』

 

そして、仮面ライダーウィザードの力を使い、自身の背後に、赤、青、緑、黄の魔方陣を生成。

剣を振るうと同時に魔方陣から火、水、風、土の属性の斬撃を放ち、迫り来る魔獣を切り裂いた。

 

「レシプロバースト!」

 

出久達の後方でも、さらに現れる土魔獣を飯田や轟が己の個性を活かして撃破していく。

 

「アイツら…」

 

だが、ウォズ達の進んでいくペースは轟達よりも早く、あっという間に他のA組生徒から見えない位置まで来てしまっていた。

 

「私達も急ぎましょう。これ以上遅れを取る訳にはいきませんわ。」

 

八百万は大型のハンマーを創造し、それを振るって土魔獣と戦っている。

彼女もまだライダーたちに負けていられないと、轟達に声をかけて進み始めた。

 

「さて、案内を任せたよ。」

 

「場所の方は僕に任せて!」

 

『サーチホーク!』

 

『ブースト!フォックス!』

 

『スイカアームズ!コダマ!』

 

さて、森の中に入った出久達であるが、やはり複雑に入り組んだ地故に迷ってしまう可能性があった。

そこで出久はタカウォッチライド、ウォズはフォックスブーストロイドを、爆豪はスイカアームズコダマをそれぞれ起動させる。

タカウォッチライドが宿泊施設の場所を探り当て、他の2体がウォズ達をその位置まで案内するという布陣だ。

 

「さて、このまま突破しよう。」

 

ライドガジェット達に導かれながら、ウォズ達は宿泊施設を目指して駆けていく。

途中の魔獣達も難なく撃破して出発から約2時間後の11時30分。

 

「何とか着いたね…」

 

彼ら3人は目標の12時よりも前に宿に到着していた。

 

「もう着いたの!?早いね~」

 

「噂には聞いていたが、ここに昼前に辿り着くとは中々の実力だな。」

 

そんな彼らをプッシーキャッツの黄色担当であるラグドールと、茶色担当で筋骨隆々の虎が出迎える。

 

「こんにちは、相澤先生やマンダレイ達はどこに…?」

 

「まだこっちに向かってる途中だけど、もうすぐ着くと思うよ~」

 

まだ姿を見せていない相澤たちのことを問いかけるウォズに対して、ラグドールが答える。

どうやらウォズ達は相澤達よりも先にここに到着してしまった様だ。

 

「それまでは中で昼食を用意している。しっかり食って酷使した筋繊維を治すんだ!」

 

「「「はい!/おう!」」」

 

一先ず、12時までに到着した出久達は、虎に案内されて中で食事をとることになった。

 

そこから数時間後

昼食後に自主トレをしていた出久達だが、夕方になると他のクラスメイト達も到着して彼らを迎え入れていた。

 

「皆、かなりボロボロだね。」

 

約6時間、戦い続けながら森を抜けて宿泊所に辿り着いた雄英生徒達。

顔や肌、制服がかなり汚れてしまっており、個性を酷使した影響が出てしまっている者もいる。

 

「腹減ったー!死ぬー!」

 

ここまで体力の消費が激しかった切島達は地面に座り込み、腹を鳴らしてしまっている。

 

「けど皆、私の予想よりは早かったわね!特にそこの3人!仮面ライダーの強さは伊達じゃないね!」

 

と、ピクシーボブは午前の段階で到着していた出久、ウォズ、爆豪の方を指さす。

 

「数年後が楽しみ!唾つけとこー!」

 

「な、なにを!?」

 

「こういうのは、やめていただきたい。」

 

と言って、3人に自身の唾を付け始め、それをウォズがマフラーで拭う。

 

「マンダレイ、あの人あんなんでしたっけ?」

 

もう少し若い頃のピクシーボブを知っている相澤は、唾を付けていく彼女の様子に困惑している。

 

「彼女焦ってるのよ、適齢期的なアレで。」

 

ピクシーボブ、現在31歳独身。30代を迎えて未だにパートナーと出会えていないことに、少し焦りを覚えてしまっている。

 

「適齢期といえば!」

 

「といえば…?」

 

「我が魔王から離れろ!」

 

歳の話をされて出久の顔を抑えようとするピクシーボブと、それを引き剥がそうとするウォズ。

 

「ずっと気になってたんですが!その子はどなたのお子さんですか?」

 

「ああ、違う。この子は、私の従妹の子供だよ。」

 

出久が問いかけたのは、マンダレイの横にいる少年だ。

プッシーキャッツのメンバーではない少年の存在を気にしていたが、どうやら彼はマンダレイの親戚のようだ。

 

「洸汰、挨拶しな。1週間一緒に過ごすんだから。」

 

「ああ、えっと僕…雄英高校ヒーロー科の緑谷。よろしくね…ンッ!!」

 

「緑谷君!?」

 

洸汰に挨拶しようとした出久の股間に、少年はストレートパンチを放ち、悶絶して倒れそうな出久の下に飯田が駆け付けて体を支えてやる。

 

「おのれ従甥!何故緑谷君の陰嚢を!」

 

「こういう時は跳ぶんだ!我が魔王!」

 

洸汰のことを注意しようとする飯田と、出久の股間のダメージを和らげようと腰をトントンと叩いてやるウォズ。

 

「ヒーローになりたいなんていう連中と、ツルむ気なんてねえよ!」

 

「つるむ!?幾つか君は!」

 

(ヒーローをよく思っていないのかな?彼は…)

 

口が悪いその少年に驚く飯田と、彼がヒーローに対して嫌悪感を抱いていると感づくウォズ。

 

「マセガキ」

 

「前のオメエに似てねえか?」

 

「似てッ…るかもな…」

 

轟に洸汰と前の自分自身を重ねられた爆豪だが、過去のことを反省しているからこそ、その言葉を否定はできなかった。

 

「この後もスケジュールが詰まってる。バスから荷物を降ろせ、部屋に荷物を運んだら食堂にて夕食。その後入浴で就寝だ。本格的なスタートは明日からだ…さあ、早くしろ。」

 

と、相澤からの指示で疲労も残る中、A組一同は1日目の残りの行程をこなすこととなった。

 

「「「いただきます!!」」

 

ということで、夕食の時間を迎えて昼食を食えなかったメンバー達はようやくありつけたご飯をガツガツと自身の胃に流し込んでいく。

 

「美味しい!米美味しい!」

 

「心に染み渡る!ランチラッシュに匹敵する粒立ち!いつまでも噛んでいたい!」

 

その中でも切島と上鳴は感動の涙を流しながら白米を口に運んでいく。

 

「…!?土鍋!」

 

「土鍋ですかー!?」

 

空腹と、土鍋によって炊かれた白米の感触によって、2人はややおかしいテンションになっている。

 

「まあ色々世話焼くのは今日だけだし、食べれるだけ食べな。」

 

「「あざーす!!」」

 

プッシーキャッツのメンバーは21人いるA組メンバーの食事を、次々と食堂のテーブルに運び込んでいく。だが、これらの食事は殆どA組の者達の胃の中へと運ばれていき、あっという間に食事の時間は終わってしまった。

そして、入浴の時間。

 

「まあまあ、飯とかはね、ぶっちゃけどうでもいいんすよ。」

 

隣接する男湯と女湯の間の壁の前で、峰田が何やら独り言を言っている。

 

「求められてんのって、そこじゃないんすよ。その辺分かってるんすよオイラ…求められてんのは、この壁の向こうなんすよ。」

 

「一人で何言ってるの?峰田君?」

 

と出久が独り言を言っている峰田に疑問を投げかけるが、彼は壁に耳を押し当てて女湯の方の会話を聞こうとしている。

 

「ほら~いるんすよ。きょうび男女の入浴時間ずらさないなんて事故。そう、もうこれは事故なんすよ。」

 

隣の空間で女子達が入浴をしていると意識してか、男子たちは頬を赤く染めている。

 

「峰田君!やめたまえ!君のしていることは己も女性陣も貶める!恥ずべき行為だ!」

 

「やかましいんすよ。」

 

風呂から上がって峰田を注意する飯田だが、その言葉は峰田には響いていないようだ。

屈託のない笑顔を見せ、頭のもぎもぎをちぎって手に取る。

 

「壁とは、超えるためにある!さらに向こうへ!Pius Uitra!」

 

そのもぎもぎを壁に付け、どんどん上に登っていく。

飯田達はその様子を下から見ることしかできなかった。

だが、峰田が壁の頂上に差し掛かろうとした時、そこから洸汰が顔を出す。

 

「ヒーロー以前に、人のあれこれから学びなおせ。」

 

彼に行く手を阻まれた峰田は、そのまま落下していって下にいた飯田に受け止められる。

と言うより落ちてきた峰田の尻が飯田の顔にめり込み、2人がそのまま温泉に落ちていった。

 

「やっぱり峰田ちゃん最低ね!」

 

「ありがと洸汰くーん!」

 

峰田を撃退した洸汰に、感謝の言葉を投げかける女子達。

だがそちらを振り返った洸汰は、彼女らの裸を見てしまって、悩殺されて壁から落ちてしまう。

 

「あ…!?」

 

「危ない!」

 

落ちてくる洸汰の方に飛び込み、出久が何とか彼の身体をキャッチする。

 

「ナイスだ、我が魔王。」

 

「うん、洸汰君大丈夫かな?」

 

洸汰を抱きかかえる出久だが、洸汰は気を失ってしまっている。

 

「どうやら、気絶しているようだね。」

 

「うん、僕はマンダレイのとこに洸汰君を運んでおくよ。」

 

そう言って出久は一足先に浴室から出て、気絶した洸汰をマンダレイの下へと連れていく。

 

「さて、爆豪君。峰田君へのお仕置きは君に任せるよ。」

 

「お、おい!何する気だ!」

 

一方のウォズも、峰田の身柄を爆豪に渡すと、浴室の出口に向かう。

 

「私はこの件を相澤先生に報告してくるよ。ついでに、男女の入浴時間はずらすように勧めてくるよ。」

 

「いっそのこと、こいつはセンコーと一緒に入浴で良いんじゃねえか?」

 

「うん、悪くないね。」

 

この件をしっかり先生たちに報告しようとするウォズ。

彼に対し、峰田の頭をがっしり掴んだ爆豪は、峰田だけ特別に先生達と入浴させようと進言。

ウォズは共に合宿に来ているであろうB組担任のブラドキングや、先程自主トレに付き合ってくれたプッシーキャッツの虎の風貌を思い浮かべると、笑みを零してからその意見に賛成する。

 

「そ、そんな!オイラの青春は!合宿に来た意味は!」

 

「そんなの、個性の強化に決まってるだろ。」

 

覗きや水着などのお色気要素を楽しみに来た峰田に対し、轟は本来の目的と言う名の正論をストレートで投げかける。その言葉でトドメを刺された峰田は、ショックを受けて顔を真っ青にし、無慈悲にもウォズは相澤達の下に向かうのだった。

 




今回は結構峰田がやらかしてくれましたねw
因みに今回、合宿の風呂シーンを見ながら書いていたんですが、とあるキャラの行動に気付いて僕はうっかり大爆笑していました。
どこか分かった方はぜひ感想お願いします!
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