けど、頑張ります!
「こっちだ!退避しながら皆にガスマスクを!」
「ええ!」
仮面ライダーウォズと八百万は、肝試しのコースを進みながら、B組生徒にガスマスクを配布したり、倒れている生徒にガスマスクを付けたりしていた。
「泡瀬君も、上手く配布できていたら良いんだけどね。」
毒ガスと山火事と言う事態において、ウォズが一番に恐れているのはガスなどによる学生の健康被害だ。
原因となるヴィラン退治よりも先に、ガスマスクによる生徒達の保護に向けて動いていたが、肝試しコースの中盤にいた彼らはコースを進みながらその途中でマスクを配布することにし、途中合流した泡瀬にはコースを逆方向に進んでガスマスクを配ってもらうことにしていた。
「耳郎君…葉隠君…」
その道中で、倒れている葉隠と耳郎を見つけて立ち止まる2人。
「待っていてください、後で必ず病院に運びますわ。」
ここに居る全員を宿舎まで運ぶのは不可能故に、今はクラスメイトの2人であってもガスマスクを付けてガスから守ることに徹する。
「もうすぐコースの中腹部だ。そこにい行けばラグドールと合流できるかもしれないからね。急ごう。」
「そうですわね…」
彼らは間もなくコースの中心部に差し掛かろうとしていたが、そこではプッシーキャッツのラグドールが待機しているはずだ。合流できたら他の人の位置も分かると思い、そこに向けて急いでいたが…
「おっと、あれは…」
「ネホヒャン!」
彼らが進もうとする先に工具を腕に付けた脳無が現れる。
「早々に対処しないとね。」
『ギーツ!』
目の前に脳無が現れたということで、ウォズはギーツマグナムミライドウォッチを手に取り起動させる。
『投影!フューチャータイム!』
『マグナム!』
『フューチャーリングギーツ!マグナム!』
ウォズはフューチャーリングギーツへと姿を変えると、両腕のマグナムアームドシューターから弾丸を連射して脳無を撃ち抜こうと試みる。
「喰らいたまえ!」
両腕から放たれたエネルギー弾が脳無の関節部や筋肉を撃ち抜いて動きを止めようと試みるが、その脳無はウォズが思っているよりも脆かった。
「再生しない…?」
ウォズにハチの巣にされた脳無だが、これまで戦ってきた脳無の様に再生するわけでもなく、ドロドロに溶けていく。
「あっさりすぎますわね…」
「この後復活するとかじゃないだろうね…」
溶けてすぐに果てた脳無。
これは死柄木が持ってきた個体を、オーマショッカーに加入したトゥワイスが個性で複製したものだ。
耐久性に関してはあまり高くなく、特にウォズの遠距離攻撃に対して本物であれば耐えれたところを耐え切れずあっさりと撃破されてしまったのだ。
「背後に気を付けつつ、先に進むとしよう。」
足止めとしてはあまり役目を果たせなかったが、彼らに警戒心を植え付け、歩みを遅くさせることはできた。
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「先生!」
「緑谷!」
一方、別の場所では洸汰を背負ったジオウⅡと相澤が合流を果たしていた。
「すみません!先生の許可なく、ヴィランと戦闘してしまいました…けど、この子を」
「言いたいことは分かった。」
相澤と合流できたことで、出久はふと冷静になり、少年を守るためとはいえ無許可で個性を使ってしまったことを話した。保須での一件の際、プロヒーローからの許可なくステインに挑んだ飯田が警察から注意を受けた話を聞いていたので、自分も同じことをしてしまったと相澤に謝罪していた。
「その子は俺が保護する。そして、お前はマンダレイの下に行け。」
「分かりました。」
「そこで、マンダレイにこう伝えろ…」
相澤からの言伝を預かった出久は、洸汰を彼に託して肝試しのスタート地点に向かう。
「なんだこのッ…!ヴィランは!」
そのスタート地点では、マンダレイと虎がマグネ相手に戦闘を繰り広げていたが、そこに来た新手に手こずっていた。
「あら、弔ちゃんの援軍、流石だわ!」
マグネの援護に現れたのは、仮面ライダーオーズの姿を模したアナザーオーズだ。
彼の振り回す爪がマンダレイ達を襲う。
「このままじゃ…!」
バッタを模した足で跳ね回るアナザーオーズの攻勢に惑わされ、今にも切られそうになってしまうマンダレイ。
『ライダー斬り!』
マンダレイに飛びつこうとするアナザーオーズだが、空中で突如ピンク色の斬撃が飛んできて切り裂かれ爆散する。
「緑谷君!」
アナザーオーズを撃ち落としたのは、サイキョーギレードを構えるジオウⅡであった。
(変身者がいない…どういうことだ?)
アナザーオーズにも、以前戦ったアナザークウガやアナザージオウの様に変身者がいると思っていたが、アナザーオーズが倒された場所には変身者もアナザーウォッチも転がっていなかった。
「マンダレイ!洸汰君!無事です!それと、相澤先生からの伝言です!テレパスで伝えて!」
アナザーオーズに関することは一度置いておき、まずは相澤から預かった伝言を伝えることにした。
「A組B組総員!プロヒーロー、イレイザーヘッドの名の下に戦闘を許可する!」
出久の言葉に頷き、マンダレイはテレパスを使って生徒一同に戦闘許可を出す。
「新手が来てるぞ…気を付けろ。」
「やだ、アタシを助けに来てくれたのかしら?」
ジオウも森の中に入っていって他のクラスメイトの援護に向かおうとしていたが、今度はアナザーウィザードとアナザー鎧武が森の中から現れ、マグネの援護に加わる。
それに対し、虎とマンダレイは身構え、ジオウもまずは目の前にいる2体のアナザーライダーの対処に動くことになった。
(かっちゃんとウォズ君も居るんだ!きっと大丈夫!)
まずは目の前にいるアナザーライダーの撃破に動くことになった出久。
他の場所のことは信頼の置ける仲間である爆豪やウォズに託すことにし、彼らの勝利を信じつつアナザー鎧武と刃を交える。
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「助かったぜ、半分野郎!」
一方、仮面ライダーゲイツに変身した爆豪も轟と共にヴィランと交戦していた。
対峙するヴィランの名はムーンフィッシュ。その個性は歯刃と言うもので、自身の歯を自由自在に伸縮、分岐させて刃物の様に使って相手を切り裂くというものだ。
ムーンフィッシュがゲイツに向けて放つ歯の刃を、轟が生成した氷の壁が防ぐ。
「爆豪!新手だ!」
「なんだ!」
新たに飛びついてくるヴィランに対して、爆豪がパンチを放ちつつその身を退けさせる。
「テメエは…」
ムーンフィッシュと共にやって来たヴィラン、基い怪人の正体は仮面ライダービルドに似た姿をしているアナザービルド。
「コイツでいくか…」
『ディエンド!』
『アーマータイム!』
『カメンライド!』
『ディエンド!ディエンド!ディエンドー!』
爆豪はゲイツ・ディエンドアーマーに姿を変えると飛んでくる歯刃や、殴りかかってくるアナザービルドの攻撃を後方に退きながら避けていく。
「爆豪!」
さらに、ムーンフィッシュ、アナザービルドの2人とゲイツの間に氷の壁を作ると、その間にゲイツはライドウォッチを1つディエンドライドウォッチに装填する。
『カメンライドタイム!ク・ク・ク・クローズ!』
そして、仮面ライダークローズを召喚すると、それをアナザービルドに向かわせる。
「まずはテメエからだ!」
新手のアナザービルドの対処をクローズに任せ、爆豪と轟は再びムーンフィッシュと相対する。
「爆豪、爆破は撃つなよ…」
「分かってらあ!」
彼らのいる森の中は毒ガスが充満しているため、爆破や炎を放てば甚大な被害を齎すことは彼らは重々承知していた。
「だったら、こいつ使ってみるか。」
そこでゲイツが取り出したのはジカンザックス。
本来、仮面ライダーゲイツのメイン武器として備わっている斧型の武装であるが、個性を使っての戦闘が主流であった爆豪はこれまで使ってこなかった。
「くたばれ!!」
自分に向けて伸びてくるムーンフィッシュの歯刃を、ジカンザックスの刃部分で砕くように切る。
『スマッシュヒット!』
一方クローズの方もビートクローザーから斬撃を放ち、アナザービルドに対処している。
クローズとゲイツが各々の得物で相手に対処している中、突如木が幾つも折れていく音が彼らの耳に入っていく。
「爆豪!轟!早く光を!」
木を薙ぎ倒す音と共に障子の声が2人に届く。そしてに爆豪と轟、それにムーンフィッシュが目を向けると、そこにいたのは巨大な闇の様な怪物であった。
「常闇!?」
それは常闇のダークシャドウが狂暴化した姿であるとすぐに分かった。
その闇の中心部には苦しむ常闇の姿があり、暴走するダークシャドウはアナザービルドとムーンフィッシュを殴り飛ばす。
「やべえだろ…」
ダークシャドウがムーンフィッシュの歯刃を折ると、その体を掴んで地面に引きずり、気に叩き付ける。
「…!?」
さらにダークシャドウはアナザービルドの身体を掴んで地面に叩き付け、もう一度敵の身体を握ると森の方に放り投げる。
「アバレタリンゾ!」
暴走するダークシャドウの攻撃の矛先はゲイツと轟に向くが、ゲイツは手から起こす爆発の光を、轟は炎による明かりをダークシャドウに照らし、力を抑制させる。
「テメエと俺の相性が残念だぜ…」
「スマン、助かった。」
ダークシャドウの暴走が治まり、解放された常闇が爆豪に礼と詫びを言う。
「障子、何があったんだ?」
「先程、あのヴィランに遭遇した際に俺が傷を負ってしまい、それで常闇の抑え込んでいたダークシャドウの暴走のトリガーとなってしまった。」
「暗闇の中でのダークシャドウの制御…未だ訓練が必要なようだ。」
常闇の個性であるダークシャドウは闇が増すほどに強く、獰猛になる。
昼間よりも夜の方がダークシャドウは強くなるが、常闇の感情に何か揺らぎがあればダークシャドウの暴走を引き起こしてしまう。
「障子…皆…悪かった。俺の心が未熟だった。怒りに任せ、ダークシャドウを解き放ってしまった…闇の深さ、そして俺の怒りが影響され、奴の暴走に拍車をかけた。結果、収容も出来ぬほどに増長し、障子を傷つけてしまった…」
「そういうのは後だ、とお前なら言うだろうな。」
今回の暴走の件に関して謝罪する常闇を、障子は許す。
「だな、話は後だ。また来やがったぜ…」
ゲイツ達の前に現れたのは、先程投げ飛ばされたアナザービルドと新たにやって来たアナザーエグゼイド。
「毒ガスも晴れたみてえだ。全力でいくぞ!」
周囲に漂う毒ガスが無くなった。
これは別の場所でB組の鉄哲と拳藤が毒ガスを発生したヴィランのマスタードを撃破してくれたからであり、これでゲイツは爆破を、轟は炎を扱えるようになり、全力で戦える2人はアナザーライダー達と相対する。
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「ラグドール!ラグドールは!?」
ラグドールがいるはずの肝試しコースの中間地点に辿り着いたウォズと八百万であったが、その場所にいるはずのラグドールの姿が見当たらない。
「ウォズさん…これ…」
そこで八百万が見つけたのはラグドールのコスチュームのヘルメット部分で、それには誰かの血が付いてしまっている。
「まさかラグドールが…いや、考えたくはないね。」
ラグドールが殺されたという最悪の事態を想定しそうになるが、ウォズは首を横に振ってまだ助けれるはずだと気合を入れなおす。
「おや?もう1人のターゲットもこの場に現れてくれるとは、ラッキーだね。」
と、彼らの前に白い仮面を顔に付け、トレンチコートを着た男が現れる。
その男の手の中には、ビー玉の様なものがある。
「ほう、悪いけどそう簡単にはやらせないよ。それにラグドールも返していただこう。」
もう1人のターゲットと言う言葉に、ウォズは瞬時に自分が狙われてると悟りジカンデスピアを構える。
平成仮面ライダーの歴史を知る存在である自分自身を、アナザーライダーも使役しているオーマショッカーが狙うことは十分あり得る。そう考えたウォズは目の前のヴィランを撃破しつつ、ラグドールが捕縛されている可能性がるなら奪還しようと試みる。
「Mr.コンプレス、そいつは俺がやる。」
「だったら任せるよ、死柄木。」
「死柄木…?」
コンプレスの横に現れた怪人が死柄木と呼ばれていることに、ウォズは驚きを隠せない。
(まさか死柄木弔がアナザージオウⅡになってるとはね…)
この場にアナザージオウⅡがいることもウォズにとっては由々しき事態であるが、その正体が恐らくUSJ襲撃の主犯である死柄木であることに、ウォズはより警戒を強めている。
「八百万君、走って逃げろ!」
『シノビ!』
「で、でも!」
「良いから!彼と共に我が魔王を呼んできてくれ…こいつはかなりの強敵だ!」
シノビウォッチを起動しながら、フォックスブーストドロイドを八百万に託し、彼女に逃げるように言う。
「女の子から逃がしてあげるなんて、随分漢気あるね~」
「悪いけど今は、褒めてもらう余裕もないよ。」
『投影!フューチャータイム!』
『誰じゃ?俺じゃ?忍者!』
『フューチャーリングシノビ!シノビ!』
死柄木からの皮肉を受けつつ、ウォズはフューチャーリングシノビに姿を変え、ジカンデスピアをカマモードにしてから飛び掛かってアナザージオウⅡに切りかかる。
「おっと、俺と戦う前にまずはこいつらを倒すんだな。」
ウォズが振るう刃を、加速してきたアナザーカブトが空中で受け止める。
「…ッ!」
更に今度はアナザーキバがバッシャーマグナムでウォズを撃ち落とし、ウォズは地面に着地しながらアナザージオウⅡ達の方を見る。
(アナザーライダーの数が増えてる…)
アナザージオウⅡはアナザーライダー達を召喚する能力があり、アナザーカブトとアナザーキバに続いて、アナザー響鬼とアナザー電王が召喚され、合計5人のアナザーライダーをウォズは相手することになる。
「だったら数で勝てばいい…分身の術!」
ウォズは仮面ライダーシノビから継承した忍法の力で数十体に分身し、数で優位に立とうとするが…
「来い!アナザークウガ!」
さらに追加で召喚されたアナザークウガの巨大な腕が、ウォズの分身たちを薙ぎ払う。
「退くなー!進めー!」
次々と分身を生み出し、アナザーライダー達に攻勢を仕掛けていくウォズ。
だが、アナザージオウⅡらによって次々と分身が撃破されていってしまう。
「中々、厳しい戦いになりそうだね…」
分身を出しても次々と倒されていってしまう状態で、忍術を使うウォズの体力もジリジリと削られていく。
生み出された分身たちは、多彩な属性の忍法をアナザーライダー達に繰り出していくが、巨体を誇るアナザークウガのパワーや、アナザーキバが操るアームズモンスターの攻勢、アナザー電王が操る4本の短刀によって次々と撃破されていく。
特に、アナザージオウⅡに触れられた分身体は、アナザージオウⅡの変身者である死柄木の個性によって崩壊していく。
(このままでは私の体力が削られ、いずれ倒されてしまう。その前にも何とか八百万君、援軍を…)
援軍を待ちつつ思案し、アナザーライダーへの対処を試みているウォズだが、ある1つの違和感を感じていた。
(先程の仮面の男がいない…?)
分身を増やしてアナザーライダー達に繰り出していくウォズであったが、自身の目に映る敵の中に先程の仮面の男がいなかった。
「まさか…!」
次々とウォズの分身がやられていく中、また分身を生み出してアナザーライダー達に向かわせ、自分自身は先程逃がした八百万を追おうとしていた。
彼の視界にいたはずのMr.コンプレスが、八百万も標的に加えていて、出久達の所へ行くのを阻止しようと気空いたウォズはまずはコンプレスを止めに行こうとした。
「遅いよ。気付くのが…」
だが、ウォズの前に新たに召喚されたアナザーファイズが現れて、彼の身が蹴り飛ばされる。
「お前には特別に教えてやるよ…!」
ウォズが地面を転がるのと時を同じくして、分身たちもアナザークウガやアナザー電王らによって撃破されていって全滅し、アナザージオウⅡが彼に歩み寄る。
「どういうことだい…?」
「俺達の狙いは別にお前じゃない。狙ってたのは、あの女だ…」
アナザージオウⅡが指差す先は、先程八百万が走っていった方向だ。
「八百万君を!?」
「ああ…お前がわざわざアイツと離れるような作戦で、俺達に挑みかかってきてくれて助かったよ。」
オーマショッカーが初めから標的としていたのは八百万であり、ウォズが八百万を自分から離してアナザーライダー達と戦闘を行ったのは失策であった。
「何故彼女を狙う!?」
「どうせここでお前は死ぬんだ…だから、特別に教えてやるよ!」
地面に倒れ伏すウォズの身体を、アナザージオウⅡが踏みつける。
「先生が言っていたよ、八百万百は新たなライダーになる可能性を秘めていると…だからここで、その力を奪うのさ!」
そのまま息の根を止めようと、ウォズの身体に触れて彼の肉体を崩壊させるが…
「忍法、変わり身の術。」
彼が崩壊させたのは、ウォズの身代わりであった。
フューチャーリングシノビだからこそ使える忍術で、死柄木に触れられる直前に離脱することに成功した。
「良いことを聞かせてもらったよ。君は詰めが甘いな…」
「コノ野郎!」
「悪いけど、ここで失礼させてもらうよ。」
再びウォズを仕留めようと動くアナザーライダー達に対し、ウォズはフューチャーリングシノビの誇るスピードを活かして一気に森を駆けていく。
「君はさすがに速いね、けど!」
森の中を走っていくウォズは多くのアナザーライダー達を振り切る。だが、クロックアップを使えるアナザーカブトが彼に追いついてくる。
「メガトン忍法!」
そのアナザーカブトに向けて巨大な紫色の竜巻を生成すると、その突風の中に敵を閉じ込めてウォズは再び駆ける。
「さあ、見つけた!」
アナザーカブトの足止めに成功したウォズが見つけたのは、八百万が走っていった方向に走っていくMr.コンプレスの姿であった。
「ゲ!追いついてきた!死柄木は何やってんだ!」
「ウッド忍法!」
そのコンプレスに向けて忍術で"木"の元素から錬成した植物のツタを伸ばし、その身を拘束する。
「さあ、ここで大人しくしておくんだね。」
「しまった…けど、本当のマジシャンは、ここでもう一つトリックを使うんだぜ。」
ウォズがコンプレスを取り押さえられたと思ったその刹那、コンプレスの身体がドロドロに溶けて消えていく。
(溶けた!?さっきの脳無と同じか…何故だ…?)
「見つけたぜ、ウォズ!」
Mr.コンプレスが先程撃破した脳無の様に溶けて消えた原因を考えるウォズだが、その体に強い衝撃が走る。
ウォズに追いついてきたアナザークウガが彼の身に突撃し、その衝撃でウォズは大きく吹き飛ばされる。
「悪いけどそいつは、トゥワイスが作り出した偽物だ。」
「トゥワイス…?君たちの仲間かな?」
「ああ、そいつは便利な奴だ。どんなモンでも分身を作れるんだ。物でも人間でも、脳無でもな!」
この時ウォズは、自分達を襲い、八百万を狙う彼らがしっかりと計画を持って攻めてきたことをその脳で理解した。アナザーライダーを召喚でき、圧倒的な戦力となるアナザージオウⅡ。森を燃やした者と毒ガスを発生させた者。仮面の男コンプレスに他の者をコピーできるヴィラン、そして本物の工具付き脳無。
林間合宿を襲撃するには、十分なメンツであると言えるだろう。
「ミッションはクリアだ。集合地点に行くぞ。」
そして、死柄木は通信機を通じてこの場にいるヴィラン達に撤退の指示を出す。
自分達の目標が達成されたため、もうこれ以上この場にいる意味はないということだ。
「逃がさない!八百万君を返してもらうよ!」
ミッションをクリアした、それ即ち先程死柄木が言っていた八百万の誘拐が達成されたということだ。
なんとしても取り戻し、ここでヴィランを確保しなければいけないと感じたウォズがアナザージオウⅡに突撃していくが、それをアナザークウガが阻む。
「悪いな。壁はいっぱいいるからね。頑張れよ~ヒーロー候補生!」
「ッ…!」
死柄木の挑発を受け、何としてでも彼らを追おうとするウォズだが、その眼前にはアナザークウガ達、召喚された敵の戦力が次々と立ちはだかる。
(何とか突破せねば…!)
目の前に立ちはだかるアナザークウガ達を、ウォズは突破しようと試みる。
『覇王斬り!』
『G3!ギワギワシュート!』
その時、青いエネルギー弾と金色の斬撃がアナザークウガに襲い掛かり、それらが直撃したアナザークウガの身が爆散する。
「我が魔王!爆豪君!それに皆!」
「大丈夫?ウォズ君?」
「コイツが案内してくれたぜ。」
ウォズが背後の方を見ると、そこにはジオウやゲイツ、轟、常闇、障子がいた。
爆豪の右掌の上には、ウォズのフォックスブーストロイドがおり、捕えられた八百万に変わって彼が爆豪や出久達を呼んでくれたのだ。
「助かるよ。皆…ありがとう。」
「ううん、ヒーローとして当然のことだよ。」
「流石だよ、我が魔王。それと、今回の襲撃、かなりの大事になりそうだ。彼らは八百万君と、恐らくラグドールを捕えている。逃げる前に奪還しないと…」
出久達に感謝しつつ、ウォズが今の状況を出久達に説明する。
「八百万さんとラグドールが!?」
「ああ、だからまずは彼らを突破して敵を追おう。」
「ああ!逃げられる前に取り返すぞ!」
爆豪の号令と共にこの場に集まった者達が、アナザージオウⅡらが逃走を図った方向に向けて走り出すのであった。
次回、アナザーライダー軍団VSジオウ達
お楽しみに!