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時は少し遡る。
広大な雄英高校の敷地には、市街地を模した演習場が幾つもあり、出久もその内の一つにバスで向かい、到着していた。
(緊張する…けど、今までの特訓やライダーの歴史を思い出せ!)
ここに居る受験生達の多くは緊張よりも自信の方が勝っているのか、平常心を保っている様子で開始の時を待っている…
「今の僕なら…いける気がする!」
出久も最初は緊張していたが、中学の3年間でやって来たウォズやオールマイトとの特訓や、完全に自分の物として使いこなせるようになったジオウの力のことを考えれば、その緊張は自然と薄れていった。
(あの人…校門で会った良い人!同じ会場なんだ…)
彼が辺りを見回していると、校門でこけそうなときに助けてくれた丸顔の少女、麗日お茶子が居た。
先程のお礼を言おうと思って、話しかけようかと出久が考えていた時だった…
「そこの君!少しいいかな…?」
「は、はい…?」
後ろから実技試験の説明の際に出久を注意したメガネの少年が声をかけてきた。
「先程はキツイことを言ってしまいすまなかった。俺自身入試でピリピリしすぎていた様だ…」
「い、いえ…こちらこそその…ボソボソ喋ってて…すみません…」
メガネの少年、飯田天哉も出久と同じ会場である。
出久を見つけると先程出久のことを何も配慮せず、攻め立てたことを謝ろうとしていた。
「少し気になったのだが、なぜ君はあの少年に"魔王"と呼ばれているんだい?」
「それは…」
「はい!スタート!」
飯田の問いかけに出久が答えようとしたその時、プレゼントマイクによって突然開始のアナウンスが為された。
「行かなきゃ!」
『ジクウドライバー!』
アナウンスを聞くとすぐに出久は演習場に向けて走り出す。
カウントダウン無しでの開始にしっかりと反応できた出久は、ジクウドライバーを腰に巻き付けてジオウライドウォッチを取り出す。
『ジオウ!』
「変身!」
『ライダータイム!仮面ライダージオウ!』
『ジカンギレード!ジュウ!』
走って演習場内に入り、仮面ライダージオウへの変身を果たせば、身体能力が強化されて走る速度がさらに上がっていく。他の受験生を抜き去り、先頭を走りつつ、ジカンギレード・ジュウモードを手に持ち目の前にいる仮想敵を次々と撃ち抜いていく。
「その銃、反則ではないのかい!?」
自身の個性であるエンジンによって出久に追いついた飯田が、その銃は持ち込み可能の範疇を超えたサポートアイテムなのではないかと問いかける。
この場に持ち込んでいいのは、自分の個性を使う際に必要な物や、個性を使うことで起こる体への負担を抑えることのできるサポートアイテムだけである。銃や剣などは持ち込むことができないだけでなく、そもそも銃刀法違反になってしまう。
「大丈夫だよ。これも僕の個性だから…」
出久に関しては、仮面ライダージオウの力自体を自身に芽生えた個性として役所に提出している。彼の母もジオウを出久の個性として受け入れている。
なので、ライドウォッチやジカンギレード等も個性の一部なので持ち込みが可能だ。
「そうか、ならここは…お互いベストを尽くすとしよう!」
「そうだね!」
目の前に迫った2体の仮想敵をジオウと飯田がそれぞれ蹴り飛ばす。
『ダブル!』
さらにこちらに向かってくる数体の仮想敵に備え、出久はダブルウォッチを起動する。
『ライダータイム!仮面ライダージオウ!』
起動したウォッチをジクウドライバーのD'3スロットに装填し、1回転させる。
『アーマータイム!』
『サイクロン!ジョーカー!』
『ダブル!』
すると、サイクロンメモリとジョーカーメモリを模したメモリドロイドが召喚され、彼らが仮面ライダーW変身時のメモリを構えるポーズを取り、変形してからアーマーと共にジオウに装着されていく。
"ダブル"の文字が複眼として装着され、仮面ライダージオウ・ダブルアーマーへの変身が完了する。
「さあ、君達の罪を…教えろ!」
10体近い数の仮想敵達が押し寄せると、ジオウの肩に付いているメモリドロイドが分離し、ジオウ自身と共に敵に向けて走っていく。
「また姿が変わったッ…!」
自身に迫る敵を倒しつつ、飯田もジオウの新たな姿に驚きを隠せずにいた。
だがその間にも、ジオウは確実に敵を倒してポイントを稼いでいる。
自分自身はジカンギレードをケンモードにして周囲の敵を切りつつ、メモリドロイドサイクロンはホバリング飛行をしながら敵の頭部を蹴りつけて敵を撃破し、メモリドロイドジョーカーは格闘戦で敵を次々と葬っていく。
「次は僕とッ…」
更に迫って来る3体の仮想敵の姿を捉えると、メモリドロイド達は再び変形して出久のアーマーとして装着される。そして、右手を翳せば竜巻が発生して仮想敵達の身体が巻き上げられる。
その竜巻の中にジオウが入っていき、上手く動くが取れない仮想敵達を次々と倒していく。
「次は…ブレイドさん!力を貸してください!」
『ブレイド!』
出久はウォズと出会ってからの3年間の特訓の間に19人の平成ライダーの歴史を継承しており、多くのライドウォッチを使い分けて戦うことができる。そのライドウォッチの1つであるブレイドライドウォッチを起動してダブルウォッチと取り換え、ジクウドライバーを1回転させる。
『ライダータイム!仮面ライダージオウ!』
『アーマータイム!』
『ターンアップ!』
『ブレイド!』
ブレイラウザーを模したアーマーを肩に付けた仮面ライダージオウ・ブレイドアーマーに変身し、ジカンギレードを構える。
「一体、幾つ姿があるんだ…」
既に飯田の前では3つ目の姿を見せるジオウ。その異質な強さに飯田や他の受験生は困惑しつつも、各々仮想敵を倒してポイントを稼いでいく。
「いくよ!」
肩のアーマーから現れたトカゲが描かれたカードと鹿が描かれたカードが、ジカンギレードに入っていく。
そして自分の周囲にいる敵に向けて振るえば、ジカンギレードの強化された切れ味によって装甲を真っ二つにされ、それと同時に剣から放たれた雷撃が回路に流れ込み、その高電圧に耐えきれず爆発する。
仮面ライダーブレイドのラウズカードを使いこなす力を受け継いだこの姿は、9種類の多様な能力を活用することができる。
「まだ、向かってきてる…」
周囲の仮想敵こそ倒したが、また遠くから敵が向かってくるのを出久が確認すれば、肩から出て来たジャガーが描かれたカードがジオウの脚に入っていく。すると走力がかなり強化され、見つけた敵に向けて高速で向かっていって先頭にいる一体の首をジカンギレードで切り落とす。
「ハアッ!!」
更に向かってくる仮想敵の攻撃を避けつつ、ジカンギレードで敵の脚部や腹部を切断していく。
切り伏せられた仮想敵達は次々と鉄屑と化していき、地面には先程まで彼らの身体を動かしていた電気回路やコードが散らばる。
「おいおい、何かデカいのが来たぞ!」
「早く逃げろ!押し潰されるぞ!」
出久の実技入試は順風満帆に進むかに思われたが、突如逃げ惑う受験生達の声が耳に入る。
次に出久の耳に入ってくるのは、地面から響く轟音とモーターが回転する音だ。
「あれがさっき説明してた…」
出久はそれが、説明会の時に0Pのお邪魔虫と紹介されていたロボとすぐに理解した。
多くの受験生が巨大敵から逃げていってるが、出久は冷静に敵の方を見ていた。
「いいッ…!ダメッ…!」
「あの子は…」
そんな中、出久はジオウの仮面越しに1人の少女の姿を確認した。足が瓦礫の下敷きになり、上手く動けないようだ…
(転んじゃったら、縁起悪いもんね。)
その少女は雄英の校舎前でこけそうになった出久を助けてくれた少女、麗日お茶子であった。
『エグゼイド!』
自分を助けてくれた少女の危機に、出久の身体は自然と動いていた。
エグゼイドライドウォッチを起動し、ブレイドウォッチと付け替えればジクウドライバーを回転させる。
『ライダータイム!仮面ライダージオウ!』
『アーマータイム!』
『レベルアップ!』
『エグゼイード!』
ジオウは仮面ライダーエグゼイドの歴史を継承した、仮面ライダージオウ・エグゼイドアーマーに姿を変える。その両腕には大型のハンマーであるガシャコンブレイカーブレイカーが装備されている。
「ノーコンティニューで…クリアできる気がするッ…!」
麗日との距離を徐々に近づけていく巨大敵。
早く敵を退けなければ、彼女が轢かれてしまう。逃げることのできない彼女を助けるのに時間がかかれば、確実に巨大敵の餌食になってしまう。そんな状況で出久が選んだ答え、それは必殺技を使い早めに勝負を決めることであった。
『フィニッシュタイム!』
一時的に装備が外れ、ジクウドライバーを1回転させると、エグゼイドの力で強化された脚力で一気に飛び上がる。
『クリティカル!タイムブレーク!』
そして、巨大敵の胸部に向けて一直線に降下していき、両手を覆うガシャコンブレイカーブレイカーにエネルギーを溜めて連続でパンチを繰り出していく。パンチが繰り出されていくのと共に"ヒット"という文字のエフェクトが現れている。
巨大敵の身体はパンチを受ける度に、装甲はダメージを受けてへこんでいき、身体が後退していく。
「スマーッシュ!!」
そしてジオウはトドメを刺そうと右腕を振り上げてエネルギーをため込み、一気に巨大敵の胸部に向けてその拳を突き出す。
その攻撃を受けて機体が限界を迎えた巨大敵は、身体の各部位を爆発させながら後ろに倒れこんでいく。
「あれ…?ウチ、助かった…」
巨大敵が倒されたのに気付いて視線を上げた麗日の視界に、エグゼイドアーマーを解除して地面に降り立ったジオウの姿が映る。
「もう大丈夫…」
ジオウは彼女の方に駆け寄ると、足に落ちて来た瓦礫を持ち上げて除ける。
「僕が来たッ…!」
「あ、ありがとうッ…」
助けてもらえたことに感謝しつつ、安堵の表情を見せる麗日。
「残り時間も少ないし、お互い頑張ろうね。」
「う、うん!」
残り時間はあと僅か、試験のラストスパートをかけえるために2人は再び戦場に向けて走り出したのだった…
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「あら、魚津君。いらっしゃい。」
「これはこれは我が魔王の母君。お邪魔しております。」
「魔王って呼ばれ方はよく分からないけど、ゆっくりしていってね~」
入試終了から約1週間。自分の入試結果を見た後のウォズは、出久にも届いているだろうと思って彼の家を訪れていた。
「あ、ウォズ君いらっしゃーい。」
「おはよう。我が魔王も、もう結果が届いたかな?」
「うん、今から見るところだよ。」
因みにウォズは既に自分の結果を知っており、自分が入試を全体2位で合格したことが分かった後、出久も合格していると確信していた。
「では早速、見てみるとしましょう。」
2人は出久の寝室に入り、勉強机の上で雄英から届いた封筒を開ける。
するとそこには小型の端末が入っており、一度結果を見ていたウォズはその端末を操作する。
『わーたーしーがー!投影された!』
「オールマイト!?」
すると端末から投影された画面に、オールマイトが映し出される。
突然の彼の登場に出久はかなり驚いている。
『諸々手続きに時間がかかって、連絡が取れなくてね。いや、すまない!』
実は入試の日以降、出久達とオールマイトは連絡が取れなかった。
その原因は主に雄英とオールマイトの間で為された手続や、合格者向けの結果発表のビデオ撮影であった。
『実は、私がこの町に来たのは他でもない。雄英に勤めることになったんだ。』
「え!?オールマイトが雄英に?」
「これは嬉しいサプライズだね。」
出久の住む地域と雄英高校はかなり近い。
約1年前からオールマイトが出久の住む町や、付近の海岸にいたのは雄英に勤めるために引っ越してきたからだった。
『さて、入試の結果だが筆記は合計で9割超え!そして実技では仮想敵を撃破して得たポイントは80ポイント!』
「素晴らしい!私以上の高得点だ!」
『さらに先の試験!見ていたのは敵ポイントだけではない!救助活動ポイント!こちらは審査制でヒーローとして相応しい行いをした者に与えられる!君に与えられたレスキューポイントは50ポイント!合計で130ポイント!!歴代最高点で主席合格だってさ』
「歴代最高…」
『来いよ!緑谷少年。ここが君のヒーローアカデミアだ!』
「うわあああああん!!」
彼自身、合格の自信こそあったが、改めて聞いてみると嬉し涙が目からあふれ出てしまう。
「涙をお拭きください。どちらのポイントも私以上ですよ…」
涙を流す出久にウォズはハンカチを差し出す。
その後、出久の母の緑谷引子も加わり親子で泣いていたが、雄英高校への合格…
これもまた緑谷出久が歩む覇道の1ページとなるのであった…
次回から雄英入学!
皆様楽しみにしていてください。