それと昨日は出久君お誕生日おめでとうございます!
ウォズ「祝え!」
新たに寮生活が始まった雄英生達。
徒歩5分で寮から学校に向かうことが出来るため、家にいた頃よりもゆっくりとした時間に出発してこれまで通りの朝のホームルームの時間に間に合わすことが出来る。
「昨日話したと思うが、1年A組は仮免取得を当面の目標とする。」
「「「はい!」」」
神野での戦いの後、力尽きてしまったオールマイトは引退状態となった。
それ故にヒーロー社会の動きもまた変わってきて、早急な次世代の育成が課題となってきた雄英高校ヒーロー科は1年前倒しでの仮免試験を受けることとなった。
「ヒーロー免許ってのは、人命に直接かかわる責任重大な資格だ。当然、取得のための試験はとても厳しい。仮免と言えど、その合格率は例年5割を切る。」
「仮免でそんなキツイのかよ…」
「そこで、今日から君らには1人最低2つ…必殺技を作ってもらう!」
相澤からの指令と共に、ミッドナイト、セメントス、エクトプラズムら3名が教室に入ってくる。
「「必殺技!?」」
「「学校っぽくてそれでいて!」」
「「ヒーローっぽいのキター!!」」
必殺技と言う響きに、主に男子生徒達は興奮してテンションが上がっている様子だ。
「必殺、必ズ殺ス技、スナワチ必勝ノ事ナリ」
「その身に染みつかせた技、型は他の追随を許さない。戦闘とは、いかに自分の得意を押し付けるか。」
「技は己を象徴する。今日日必殺技を持たないヒーローなんて、絶滅危惧種よ。」
エクトプラズム、セメントス、ミッドナイトの3人が必殺技の重要性を説いていく。
「詳しい話は実演を交え、合理的に行いたい。コスチュームに着替えて体育館γに集合だ!」
そして、相澤の指示に従って生徒達は、コスチュームに身を包んで体育館γへと足を運ぶ。
「体育館γ、通称トレーニングの台所ランド…略してTDL」
(TDLはまずそうだ…)
とある会社から怒られてしまいそうな略称ではあるが、必殺技を作るには最適の環境だ。
「ここは俺考案の施設。生徒1人1人に合わせた地形や物を用意できる。台所ってのはそういう意味だよ。」
「なるほど…」
「質問をお許しください!何故仮免許の取得に必殺技が必要なのか!その意図をお聞かせください!」
TDLのことを説明するセメントス達に飯田が質問を投げかける。
「順を追って話すよ、落ち着け。ヒーローとは、事件、事故、天災、人災、あらゆるトラブルから人々を救い出すのが仕事だ。取得試験では当然、その適正を見られることになる。情報力、判断力、機動力、戦闘力…他にもコミニケション能力、統率力など様々な適性を試される。」
「その中でも戦闘力はかなり重視される項目になります。備えあれば憂いなし。技の有無は合否に大きく影響する。」
相澤の説明に、ミッドナイトが補足を加える。犯罪者…即ちヴィランとの戦闘と言うのはヒーローにとって最も多い仕事と言えるだろう。それ故に戦闘力の項目は重要になってくるし、重視されるからこそ必殺技を作って高めなければいけない。
「状況に左右されることなく、安定行動を取れれば、それは高い戦闘力を有していることになるんだよ。」
「技ハ必ズシモ、攻撃デアル必要ハナイ。例エバ飯田君ノレシプロバースト…一時的ナ超速移動、ソレ自体ガ脅威デアルタメ、必殺技ト呼ブニ値スル。」
「あれ必殺技で良いのか…!?」
エクトプラズムが、飯田のレシプロバーストもある種の必殺技であると説き、その事実に飯田自身も驚きつつも受け入れる。
「なるほど、自分の中にこれさえあれば有利、勝てるって型を作ろうって話か。」
「その通り!先日大活躍したシンリンカムイのウルシ鎖牢なんか、模範的な必殺技よ。相手が何かする前に、縛っちゃう!」
神野で偽物であったとはいえ、ヴィラン達を一時的に捕縛することに成功したシンリンカムイ。
その手段であったウルシ鎖牢も、戦いを優位に進めることが出来る必殺技の1つと言えるだろう。
「中断されてしまったが、林間合宿での個性を伸ばす訓練は、必殺技を作り出すためのプロセスだった。つまり、これから後期始業まで、残り10日余りの夏休みは、個性を伸ばしつつ必殺技を編み出す…圧縮訓練となる!」
その訓練をサポートするために、セメントスは個性のセメントで岩場の様な地形を作り出し、エクトプラズムは自分の分身達を生成していく。
「なお、個性の伸びや技の性質に合わせて、コスチュームの改良も並行して考えていくように。Plus Ultraの精神で乗り越えろ。準備は良いか!」
「「「はい!」」」
「ワクワクしてきたー!」
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ということで、相澤先生の指示で始まった必殺技を作るための訓練。
爆豪君は自身の個性である爆破を、我が魔王はオールマイトから受け継いだワンフォーオールの強化をそれぞれしていくことになった。
「蹴りを主体にした戦い方か!良いねえ!」
「ありがとうございます!」
我が魔王はこれまでのパンチ主体であったワンフォーオールを、蹴りでも上手く活用する特訓をしている。パンチスタイルに加えてシュートスタイルの取得。
更には他の歴代継承者の個性の覚醒も、目標の1つとなってくる。
我が魔王はグランドジオウに変身し、仮面ライダーゴーストを召喚。そのゴーストにワンフォーオール歴代継承者の志村菜奈の精神体を憑依させて特訓に付き合ってもらっているそうだ。
「さて、私も張り切っていこうかな。」
「ああ、かかってこい!」
一方、私と相対するのはもう1人の歴代継承者である煙と言う男が憑依した、仮面ライダービルドだ。
さて、爆豪君や我が魔王と違って仮面ライダーの他に戦力のない私は、ライダーとしての戦闘力を上げることが今回の課題となる。
「ハアッ!」
まずは私の方から攻撃を仕掛ける。
ビルドとの距離を詰めてから、右ストレートパンチを打ち出す。
「おっと、危ない危ない。」
だがこのパンチをあっさりと避けられてしまい、体制を崩しかけたところでビルドの蹴りが放たれる。
「ッ…!」
そのキックを両腕をクロスさせてガードするが、少し体が後ろに退いてしまう。
「まだまだ!」
さらに間髪入れず、ビルドはドリルクラッシャーをその手に持って私に向けて突き攻撃を放つ。
『ジカンデスピア!』
そこで私はジカンデスピアをその手に構え、その柄部分でドリルクラッシャーを弾く。
『ヤリスギ!』
さらに、ジカンデスピアをヤリモードにして、ビルドの胸部を狙って突きを繰り出す。
「良いやり捌きだね。俺もノッてきた!」
今度はドリルクラッシャーをガンモードにして、私目掛けて銃で撃ってくる。
「銃には銃だ!」
『ギーツ!』
『ブースト!』
『アクション!』
ビルドが銃撃によって私との間の距離を取って来たので、ここはギーツの力で対処するとしよう。
2つのギーツミライドウォッチを連結させて、ビヨンドライバーに装填する。
『投影!フューチャータイム!』
『ブースト!&マグナム!』
『フューチャーリングギーツ!マグナム!ブースト!』
私の切り札的形態である仮面ライダーウォズ・ヒューチャーリングギーツブーストへと姿を変えると、ビルド目掛けて両腕のマグナムアームドシューターから弾丸を連射していく。
「遠距離でも武器があるのは良いけど、これはどうかな?」
とここで、彼の個性の煙幕が発動。
私の周りが煙に包まれてしまう。こうなると相手の姿を見失ってしまい、私も迂闊に手を出せない。
(まずは、相手の位置を捕捉するのに集中しよう…)
どこから相手が来るのか警戒しつつ、いつでも撃てるように両腕のマグナムアームドシューターによる射撃の準備をする。
「そこか!」
僅かな足音で相手がいる方向を推測し、そちらに向けて銃口を向けて弾丸を放つ。
「見事だね…」
その銃弾はビルドに直撃したようで、火花を散らしながらビルドが膝を付く。
「じゃあ、今度はこれでどうかな?」
『ゴリラ!ダイヤモンド!ベストマッチ!』
とここでビルドはベストマッチのゴリラダイヤモンドフォームに変身し、更なる攻撃を仕掛けてくる。
こういった感じでTDLで私と煙ビルドの組手は続いていく。
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「ウォズ君、今日もお疲れ様。」
「こちらこそ、お疲れ様だよ。我が魔王。」
特訓開始から2日目。
それぞれその日の行程を終えた出久とウォズは、2人で寮の風呂に浸かってその日の疲れを癒しながら特訓について振り返る。
「我が魔王の方の特訓は順調かい?」
「シュートスタイルの方の確立は順調だよ。」
仮面ライダーに変身した際は、パンチだけでなく蹴りも多用して使うことが多い。
それこそ、必殺技がライダーキックと言うことだけあって、蹴りに特化した戦いもしやすい場合もある。ジオウの場合、ジカンギレードやライドヘイセイバー等の武器を使いながらの戦いも多いことを考えれば、パンチよりもキックとワンフォーオールを掛け合わせた戦法を必殺の型として身に着けることにした。
「シュートスタイルの完成、それを見れるのが楽しみだよ。」
「うん、けど問題はもう1つの個性の方かな…」
蹴りを強化するシュートスタイルの確立に加え、出久にはもう1つの課題があった。
「ワンフォーオール5代目継承者である万縄大悟郎の個性、黒鞭か…」
それは、歴代継承者の個性をまた1つ使えるようになることである。
オールマイトが既に調べていた歴代継承者の1人である、5代目万縄大悟郎の個性を出久に発現させることも現状の彼らの目標の1つである。
「うん、黒鞭も発現できれば戦いの幅広がりそうだし、頑張らないと…」
オールマイトが残した資料によって学んだ、万縄の個性は中距離での戦闘に於いて活かしやすい。
使えるようになると、出久の戦いの幅をさらに広げることが出来る。
「それに、黒鞭が出てからの特訓もやらないと…」
「確かに、使いこなせるようにならなければ意味はないからね。」
「うん、そうなると相澤先生とか瀬呂君、後はウォズ君にも教えてもらわないとね。」
「私かい?」
出久が黒鞭の使い方を学ぶにあたって、アドバイスを求めたいと言われたウォズは驚いたような表情を見せる。
「何故私なんだい?」
「だってほら、中学の時とかウォズ君マフラーで色々とやってたし…」
嘗ての折寺中学時代、ウォズは仮面ライダーの力よりも平常時に自身が装備しているマフラーをよく活用していた。当時の爆豪始め多くのクラスメイト達はウォズの個性がマフラーであると思い込んでいたレベルだ。何なら今この風呂の中でも首に着用されている状態だ。何故濡れないのかは企業秘密だが。
「そうかそれだ!すっかり盲点だったよ!」
「きゅ、急にどうしたの!?」
「湧き上がってきたんだよ…私の必殺技の案がね!」
出久の言葉で必殺技のアイデアが浮かんできたウォズは勢いよく湯船から立ち上がり、脱衣所へと向かっていくのだった。
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その後も必殺技を作るための訓練は進んでいき、その途中サポート科の生徒に頼んでコスチュームを改良した者も居た。
「纏え!
『ハイヨ!』
特訓開始から5日程経てば、必殺技の型が出来てきた者が出始める。
「ダークシャドウを纏うことで、弱点であるフィジカル、近接をカバー。名付けて
「言いづらくない?技名は言いやすさも大事よ。」
『ハイヨ!』
常闇の新たな必殺技は、ダークシャドウを自分自身に纏わせて強化するというものであったが、その技名にミッドナイトはやや難色を示している。
「ようやくスタイルを定め始めた者も居れば、既に複数の技を習得しようとしている者もいます。」
この日はオールマイトが見学に来ており、その特訓の様子を相澤が彼に説明している。
(掌全体じゃなく、一点に集中し起爆…)
「
爆豪の編み出した必殺技は、掌の中で起爆する部位を絞り、一点集中した爆撃を放つというものであり、それで岩の塊を撃ち抜く。
「ハッハー!できたぁ!」
「爆豪少年は相変わらずセンスが突出しているな。」
この特訓の期間、爆豪は仮面ライダーに変身せず、自身の個性を高めて必殺技も作り出していた。
「おい上!」
だがその時、爆豪が撃ち抜いた岩の一部が割れ、下にいるオールマイトに向けて落ちていってしまう。
「スマーッシュ!」
その時、それに気付いた仮面ライダージオウが飛び出してきて、その岩を蹴り砕く。
その姿を見たオールマイトは安堵したような笑みを浮かべる。
「祝え!緑谷出久の新たな戦法、その名もシュートスタイルの確立を!」
そのオールマイト達の横に突然現れたウォズが、出久の新スタイルに祝福を送る。
「ウォズ少年!?いつからそこに?」
オールマイトがウォズの方を向くと、そこにいるウォズの姿にも変化があった。
仮面ライダーウォズの首には、彼が変身前に巻いているマフラーが装着されていた。
「こちら結構便利なマフラーでね、変身時にも使ってみることにしたよ。私の新たな必殺の型、その名も仮面ライダーウォズ、マフラースタイル!」
ウォズはマフラーで自身の身を包み込むと、一瞬でその場から姿を消す。
「やあ。」
「いつからそこに!?」
と、今度は爆豪の後ろに瞬間移動してくる。
ウォズの新技に、爆豪や相澤も驚きを隠せない。
こうした新しい技や戦いの型を、A組メンバー達は確立していき、仮免試験に臨むのであった。
ウォズのマフラーを変身前でなく変身時にも使うスタイルが確立されました。
神出鬼没な戦い方が期待できそうですね。
そして次回、いよいよ仮免試験でございます!
お楽しみに!