我が魔王は緑谷出久!?   作:夢野飛羽真

64 / 86
どうも、東京に旅行に行っていて少し更新が遅れました。
格闘技の大会を観に行ったんですが、面白かったです。
久々の更新ですが、皆さん楽しんでいってください。


第64話 二次試験

「なんとか全員、一次試験を通過したようだね。」

 

「うん!まずは1安心だね!」

 

「皆で合格って嬉しいね!」

 

一次試験の終盤、既に合格していた出久達は他のクラスメイトの様子を見ていたが、何とか飯田を始めとする残りのクラスメイト達も一次試験を通過することが出来た。

麗日や切島など、一足先に控室に居た者達は喜びの声を上げる。

 

「ええー!?肉倉先輩落ちちゃったんスか!?」

 

「声デカいわ…先走って単独行動するからだ!あの劇場型男!」

 

一方、士傑の方では、肉倉が倒されてしまった事に夜嵐が驚きを隠せていない様子だ。

彼の性格が引き起こした悪い結果に、毛原は怒りを露にしている。

 

『え~一次選考を通過した100人の皆さん。これをご覧ください。』

 

と、ここで合格者控室に居る者達に、スクリーンを見るようにアナウンスされる。

 

「フィールドだ。」

 

「何だろうね?」

 

そこに映っているのは、先程まで彼らが試験を行っていた、街を模したフィールドだ。

 

「「「「何故!?」」」」

 

すると、画面に映る構造物が次々と爆破されていく。

突然の爆破映像に、学生たちの頭にはクエスチョンマークが浮かび上がる。

 

「こ、これは…」

 

『次の試験でラストになります。皆さんにはこの被災現場で救助演習を行ってもらいます。』

 

この映像の意図は、これから行われる救助演習のフィールドを説明するというものであった。

 

『一次選考を通過している皆さんは、仮免許を取得していると仮定して、どれだけ適切な救助を行えるか試させてもらいます。』

 

「人がいる…」

 

「老人に子供!?」

 

「あぶね!子供!」

 

その映像内には、老人や子供などが映っており、危険な瓦礫に近付いていっている。

 

「彼らは、あらゆる訓練において今引張りだこの要救助者のプロ!Help.us.campany!略してH.U.Cの皆さんです!」

 

「要救助者のプロ?」

 

「色んなお仕事があるのね。」

 

「ヒーロー人気のこの現代に、即した仕事かもね。」

 

ヒーロー科の授業や、大手ヒーロー事務所の定期的な訓練などで、救助現場を想定した訓練をする際に、被災者の役をする人間が多い。その被災者側のことをより深く理解し、演じ切るだけでなくアドバイスをするプロ。それがH.U.Cである。

 

『H.U.Cの皆さんは傷病者に扮して、フィールドにスタンバイ中。皆さんには、これから彼らの救助を行ってもらいます。なお、今回は皆様の救助活動をポイント制で見させてもらいます。救助活動を採点させていただき、基準値を満たしていれば、合格となります。10分後には始めますので、トイレなど済ましておいて下さいね。』

 

そして、爆破された構造物の瓦礫が転がるフィールド上で、H.U.Cの皆さんを救助するという訓練の内容が告げられる。

10分後には試験が始まるということで、各々準備を進めていくのであった。

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------

 

10分後、控室に試験開始を知らせるベルが鳴り響く。

 

『ヴィランにより大規模テロが発生。規模は〇〇市全域。建物倒壊により負傷者多数。』

 

「演習のシナリオね。」

 

アナウンスを担当する目良によって、今回の試験でのシチュエーションが告げられる。

 

「え、じゃあ…」

 

「始まりね!」

 

『道路の損壊が激しく、救急隊の到着に遅れ…到着するまでの救助活動はその場にいるヒーロー達が執り行うものとする。一人でも多くの命を救い出すこと…それでは…スタート!』

 

試験開始と共に、控室の壁が倒れて中に居る受験生達はその外に広がる試験会場を目にすることになる。

本物の爆薬を使っていたためか、彼らの目には立ち上る煙が映り、鼻が利く者の鼻には、火薬のにおいが漂ってくる。

テロによる被害を受けた市街地を再現したフィールドのどこに、H.U.Cの人達がいるかは明かされておらず、受験生達は縦横無尽に駆け出して彼らを探す。

 

「やるぞ!やるぞ!やるぞ!!」

 

その中でも夜嵐は、自身が起こした旋風に乗って飛んでいく。

空から要救助者を探し出して、助けようと試みている。

 

『カメンライドタイム!ビ・ビ・ビ・ビースト!』

 

「テメエも探してこい!」

 

夜嵐が空から探るのを見た爆豪は、彼と同じ手で要救助者を探すことにした。

カメンライドタイムで呼び出した仮面ライダービーストがファルコンマントの能力で空を飛び、H.U.Cの人々を探す。

 

「俺も付いて行くぜ!」

 

偵察に出たビーストを追うように、ゲイツが走っていき、その後を切島と上鳴が追う。

 

「とりあえず!1番近くの都市部ゾーンに行くぞ!なるべくチームで動くぞ!」

 

「とは言え、既に何人かいないみたいだけどね。」

 

飯田がクラスで一丸となって行動しようと言うが、先に張り切って行ってしまった爆豪達がこの場にいないことを指摘する。

 

「いくら演習とは言え、ひどい状況ね。」

 

「皆!落ちてくる瓦礫に気を付けて!」

 

実際の街に見立てて作ったセットを、本物の爆薬で破壊しているためか、この試験会場にある構造物は実際に災害やヴィランの攻撃によって受けたのと同様のダメージを負っている。建物を構成していたコンクリートも、ダメージを受けていつ崩れてもおかしくない状態である。

 

「…!?」

 

そんな会場内を走っていた出久は、どこからか声がしたのに気付いて、そちらの方を振り向く。

 

「どうした!?緑谷君!」

 

「子供の声だ!」

 

その声が子供の泣き声であると瞬時に判断した出久は、そちらの方にクラスメイト達と共に向かう。

 

「うええーん!うええーん!助けて!お爺ちゃんが!潰されてェ!」

 

「大変だ!どっち!?」

 

「なんだよそれ!減点だー!」

 

「え…?」

 

泣きじゃくる少年に、出久がどの瓦礫に彼の祖父が埋もれてしまったのか問いかけた時、H.U.Cの少年は突如出久を怒鳴りつける。

 

「まず!私が歩行可能かどうか確認しろよ!呼吸の数もおかしいだろ!頭部の出血もかなりの量だぞ!仮免持ちなら被害者の状態を瞬時に判断して動くぞ!」

 

(この試験の演習!H.U.C自身が採点するのか!)

 

その少年が指摘したことは、救助と言う観点で的を得ていることであった。

しっかりと、その場でやるべき行動を指摘し、さらに採点まで行う。

これが要救助者のプロである、H.U.Cの仕事である。

 

「こればかりは訓練の数が物を言う!視野広く!周りを見ろ!」

 

出久達の場合は、カリキュラムの都合で1年生であるにも関わらず、この仮免試験に挑んでいる。

だが、他の学校は大体2年生でこの試験を受けている。つまり、救助訓練などの経験値では他校生の方が一歩リードをしている。

ヘリポートを作ったり、瓦礫を撤去して通路を作ったりと、救助活動をより円滑に行う整備を行っている。

 

「では、私が道を作ろう。我が魔王は彼をまずは搬送。他の皆は彼の祖父の救助を!」

 

『投影!フューチャータイム!』

 

『プログライズ!』

 

『フューチャーリングゼロワン!ゼロワン!』

 

諸先輩方の動きを見て、ウォズはフューチャーリングゼロワンに変身。

ライダモデル達を召喚すると、その内数体が瓦礫を撤去し、フリージングベアーが地面を凍らせて氷の道を作る。

 

「もう大丈夫、僕が運びます!」

 

「この道なら、私も手を貸しますわ。」

 

その少年を担いだジオウは、八百万が創造したそりに少年を乗せて、氷の道を滑って被災者を保護する区域に向かう。

 

「そりと氷での運搬か。安全性は微妙だが、円滑さは悪くない。」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

ウォズと出久の編み出した救助方法に、H.U.Cの少年はまずまずの高評価をする。

ウォズが即座に戦略を編み出したことで、一度叱責された出久やA組のメンバーは気持ちを切り替えてき救助活動をしていく。

 

「こっちだ!あぶねえ!」

 

「た、助かった…」

 

一方の爆豪も、落ちてきた瓦礫に潰されそうだったH.U.Cの人間を助ける。

出久達と別れた爆豪らも、順調に救助演習をこなしていっている。

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------

 

こうして、試験を受ける者達が順調に救助活動を進めているところを、見つめる男たちがいた。

 

「怪我人の振り分けに応急処置。救急隊が来るまでのわずかな時間…その代わりをヒーローが務め、そして円滑な橋渡しができるようにしておく。」

 

それはプロヒーローの1人であるギャングオルカと、その部下たちは待機室から現在会場で行われている救助訓練の様子を見ていた。

 

「調子は?」

 

『初動はまあ、至らない所はありますが、それでもH.U.Cの皆さんが下す減点の判断は想定していたよりも少ないです。』

 

彼は通信機で、目良から現在の試験における受験生達のポイントの変動について聞く。

1次試験で優秀な受験生に数を絞ったからか、全体的な減点の幅も例年よりは少ない。

 

『概ね、良いんじゃないですかね。』

 

「市井の人々を守るため、ヒーローには複合的な動きが求められる。」

 

"ヴィランにより大規模テロが発生。規模は〇〇市全域。建物倒壊により負傷者多数。"

今回の様なシチュエーションでは、救助活動だけでなく、そのテロの犯人であるヴィランとの戦いも想定される。ヴィランとの戦闘と救助の両立をする手腕いうのも、ヒーローになるにあたって必要な能力である。

その能力を試すため、ギャングオルカとその部下たちはテロリスト役として二次試験に乱入することになっていた。

 

「あ、あれは!?」

 

だがその刹那、ギャングオルカのサイドキックの1人が空の方を指さす。

 

「あんなのがあるとは聞いてないぞ!」

 

ギャングオルカ達が目にしたのは、空から会場に向けて降り注ぐ3つの光の球であった。

それぞれ黄色、青、濃い紺の3つの色の球であり、それぞれが会場の各所に向けて落ちていく。

 

「何なんだあれは!?」

 

『わ、分かりません!少なくとも参加者の個性によるものではありません!すぐに調査をします!』

 

勿論それらは仮免試験を仕切っている公安の者が用意したものではない。

想定外の存在に、目良達も動揺を隠せていないようだ。

謎の存在の正体は分からなくとも、それが驚異の可能性があるならプロヒーローであるギャングオルカ達のやるべき行為はただ1つ。

 

「これより作戦を変更する!光の球への対処と、H.U.Cの皆さんの救助だ!動ける受験生がいるなら彼らと協力するんだ!」

 

謎の3つの光が会場に落ちたことで、用意していた構造物が崩落し、怪我人が出ている恐れがある。

試験の受験生だけでなく、H.U.Cの人達もいる。建物の倒壊や、光の球による攻撃によってH.U.Cの人々は本当の要救助者になってしまった。恐らく負傷をした受験生もおり、彼らの救助と事態の対処となるとギャングオルカ達だけではやり切れるかどうかは分からない。

 

「とにかくいくぞ!」

 

動ける受験生達と協力しつつ、彼らは想定外の事態の対処に向けて動いていくのであった。

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------

 

「さて、ここが下等生物達の集まる会場とやらか…」

 

怪我人の救護エリア付近に落ちた黄色い光の球。その正体は金色の機械生命体の様な未確認生命体であった。

渦巻き形状の頭部の装飾に、黄色と赤の右腕、刺々しい白い左腕を持つその怪人の名はイザンギ。

嘗て別の世界では仮面ライダーリバイス及び、その仲間のライダー達と戦った怪人である。

 

「あれって…怪人?」

 

(どうやらそうみたいね。)

 

(倒すしかないな。)

 

そのイザンギの近くには、先程助けたH.U.Cの少年を運び込んでいた仮面ライダージオウこと緑谷出久がいた。

 

『グランドジオウ!』

 

その場で志村と煙からも目の前の怪人と戦うべきであると助言された出久は、グランドジオウウォッチを起動させる。

 

(あの怪人と戦いつつ、皆を助けないと…!)

 

『(アークル) (オルタリング) アドベント!COMPLETE!ターンアップ!(音角) CHANE BEETLE!ソードフォーム!ウェイクアップ!カメンライド!サイクロン!ジョーカー!タカ・トラ・バッタ!3・2・1!シャバドゥビタッチヘンシーン!ソイヤッ!ドライブ!カイガン!レベルアップ!ベストマッチ!ライダータイム!』

 

彼の背後には要救助者を保護するスペースがあり、H.U.Cの人々や他校の生徒がいる。

彼らを守り、救助しながら戦うとなると多数のライダーを召喚できるグランドジオウが適任であると判断し、グランドジオウウォッチをジクウドライバーに装填する。

 

『グランドタイム!クウガ!アギト!龍騎!ファイズ!ブレイド!響鬼!カブト!電王!キバ!ディケイド!ダブル!オーズ!フォーゼ!ウィザード!鎧武!ドライブ!ゴースト!エグゼイド!ビルド!』

 

その状態のジクウドライバーを1回転させ、ジオウは黄金の鎧を纏っていく。

 

『祝え!仮面ライダー!グランドジオウ!』

 

壮大なる王、仮面ライダーグランドジオウが多くの命を救うために、この場に再度君臨する。

 

「あれが噂に聞く、仮面ライダージオウか。まあ、ここで倒すまでだ。」

 

「僕は倒れない!皆を守るために!」

 

手を触手の様な形状に変化させたイザンギが、グランドジオウに向けてその腕を振るいながら走っていく。2人の黄金の戦士が拳を交えるその一方で、別の光から現れた怪人も仮面ライダーと相対していた。

 

「爆豪、やべえかも知らねえぞ!」

 

「おいおい!なんか急に降って来たぞ!」

 

切島と上鳴の前に現れたのは、ソフト帽と道化師の様な帽子を組み合わせた特徴的な頭部を持つ青色の怪人である。彼も未確認生命体の1人であるバリデロで、彼も仮面ライダーリバイスらと戦ったことがある。

 

「倒さねえといけねえヴィランってことに間違いはねえ…」

 

会場に降り立ったバリデロが左腕の銃や、棍棒から火炎弾を撃って他の受験生達や瓦礫に攻撃して場を争うとしているのを見て、仮面ライダーゲイツこと爆豪は切島と上鳴の前に立ち、バリデロと戦う構えを見せる。

 

「下等生物が…俺に勝てると思うなよ…」

 

「俺がテメエみたいな怪人に負けると思ってんのか!クソが!」

 

ゲイツ・ディエンドアーマーの力で召喚していた仮面ライダーバースと共に、バリデロに向かっていく。

 

「良いだろう。この俺が相手してやる!」

 

2本の棍棒を構えたバリデロが、自身に向かってくる2人のライダーに向けて自身の得物を振るう。

棍棒と彼らの拳のぶつかり合いが、戦いの始まりを告げるゴングとなる。

そして、もう1つの光はウォズと轟の前に現れていた。

 

「まさか、このライダーが現れるとはね…」

 

「知ってるのか?」

 

「ああ、それにこれは…非常にまずい事態だ。」

 

目の前に現れた仮面ライダーの存在に、ウォズは驚きを隠せず、そんな彼に轟が問いかける。

 

「そんなにヤバいのか?」

 

「ああ、彼は宇宙のパワーを扱う強力な戦士、仮面ライダーギンガさ。」

 

ウォズ達の前に現れたのは、宇宙を思わせる色合いのスーツやマントを身に纏い、所々に惑星の様な意匠がある仮面ライダー。その名もギンガ。彼の持つ強力な能力に関して、ウォズは前世からよく分かっている。そんな敵が目の前に現れたことで、動揺を隠せない様子だ。

 

「この地球を…滅ぼす!」

 

「そうはさせないさ…ここは私達が守る!」

 

仮面ライダーギンガによる攻撃が来る前に、ウォズはフューチャーリングゼロワンの力で呼び出したライダモデル達に一気にギンガを襲わせる。

こうして、仮免試験の会場は本物の戦場となってしまった。

3体の怪人と3人の仮面ライダー。彼らの戦いは受験生やH.U.Cを巻き込み、さらに激しくなっていくのであった…




まさかのギーツ×リバイスの敵怪人と仮面ライダーギンガが登場でございます。
その理由は?戦いの結果は?
次回のお楽しみに!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。