我が魔王は緑谷出久!?   作:夢野飛羽真

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今回からインターン編。
さらにオリジナル要素が加速していく…

風邪引いたりしてお待たせしてしまい申し訳ございません。


インターン編
第67話 雄英BIG3


仮免試験でのオーマショッカーによる襲撃と云う事件はあったものの、我々雄英高校1年A組は全員無事に2学期を迎えることが出来た。

 

「あ!今日のゴミ当番僕だった!」

 

「私もお供するよ、我が魔王。」

 

レベルアップしていく授業内容について行きつつ、我々は寮での共同生活を確立していく。

ゴミ出しや洗濯、風呂掃除は当番制で回していくのだが、今日はちょうど我が魔王がゴミ出し当番の日だ。

少々今日は量が多いので、私も手伝うことにした。

 

「そういえばもうすぐ、インターンが始まるそうだね。」

 

「うん、僕たちの仮免取得が早まったのに伴って、インターンも1年からできる様になったんだよね。」

 

2学期が始まって早々に、相澤先生からはヒーローインターンについての説明を受けた。

簡単に言えば以前の職場体験の進化版で、本格的にサイドキックとして共にヒーローの職務を行うというものだ。仮免取得後に行う予定のカリキュラムで、こちらも我々の仮免取得と同様に1年前倒しで行われることになった。

 

「ヒーローインターンに授業にと大変だが、それよりも私はゴミの分別の方がネックだね。」

 

実家から出て21人での共同生活とは言え、自立した生活をしなくてはいけなくなった。

私は生憎ゴミの分別について考えるのが苦手でね、全て燃やせば済む話なのだが分別をしなくてはいけない。

どこにどのゴミを置けば良いかがイマイチわからないので今回も我が魔王に付いて行って勉強しようと考えた。

 

「ゴミね、食品トレーとかも可燃で出しちゃって大丈夫だからね。」

 

「これはこれはご丁寧に…」

 

と丁度先輩らしき人の声がして、アドバイスをくれたのでそちらの方を我が魔王と共に見たのだが、そこにいたのはただの人ではなかった。壁から顔と腕だけが出ている。

 

「うん。」

 

「「き、消えた!?」」

 

するとその金髪の男性の顔は壁の中に消えていく。

 

「なんだったんだろうか、今のは?」

 

「うわあああああ!!」

 

先程の顔のことはさておき、ゴミを捨てに行こうとした時、突如我が魔王が叫んだ。

 

「またあなたか…」

 

我が魔王が驚いている原因は、先程の顔が今度は地面から出てきたからだ。

 

「アハハハハ!悪いことした!ビックリしたよね?ビックリすると思ってやってるんだけどね!」

 

「な、なんですか!?あなたは!」

 

「アハハハハ!なんなんだろうね?何してるんだろうねって思うんだよね、僕もね!」

 

「我が魔王、恐らく不審者だ。さっさと行こう。」

 

こういうのはスルーするに限る。

我が魔王と共にさっさと歩きだそうとする。

 

「ゴメンゴメン!まあ、俺のことはじきに分かるよ!」

 

色々と怪しいので、私は我が魔王の手を引いてさっさとゴミ捨て場に向かう。

 

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翌日の基礎学

 

「今日のヒーロー基礎学はインターンの話だ。入っておいで!」

 

オールマイトの引退により、2学期からは各クラスの担任がヒーロー基礎学の授業を受け持つことになっており、A組の授業では相澤が教壇に立っている。

本日の授業はインターンに関することということで、その説明のために呼ばれた者達が相澤に招かれて教室に入ってくる。

 

「職場体験とどういう違いがあるのか、直に経験している人間から話してもらおう。心して聞く様に。」

 

教室に入って来たのは、出久達と同様に雄英高校の制服を纏う男子2名と女子1名であった。

男子の1人は金髪で筋骨隆々、夏服の半袖シャツを着ているためか太い腕の筋肉がかなり目立つ。

もう1人の男子は金髪の方に比べると細く見えるが、黒髪で鋭い目つきと耳が特徴的だ。

女子の方は美しいスタイルが服の上からでも分かるうえに、可愛らしい顔をしている。美しい青髪を腰ぐらいまで伸ばしている。

 

「あれって…」

 

「現雄英生の中でもトップに立つ雄英生3名。通称BIG3の皆さんだ。」

 

「BIG…3!」

 

その中の1人の顔に、出久とウォズは見覚えがあった。

筋骨隆々の金髪の先輩の顔は、先日彼らがゴミ捨てに行った際に遭遇した壁や地面から出てきた顔と同じであった。あの謎の人物がBIG3の一員であることに驚きを隠せない。

 

「雄英生のトップ!」

 

「BIG3!?」

 

「BIG3!」

 

彼らの登場に驚く生徒も居れば、興奮する者もいる。

 

「栄えある雄英生の中の頂点…」

 

「学校の中で一番プロヒーローに近い存在。」

 

「めっちゃキレイな人いるし…そんな感じには見えないな。」

 

(目標!捕捉!)

 

飯田や八百万達は彼らの実績に驚いている中、上鳴と峰田は唯一の女性の方に視線を向けている。

 

(あの人…思い出した!)

 

(確か去年の雄英体育祭に居た…)

 

一方で、出久とウォズは金髪の男の方に心当たりが有る様だ。

昨年受験勉強の息抜きで2人で見た雄英体育祭。そこで金髪の少年始め、他の2名も出久達の中にインパクトを残していたようだ。

 

「じゃ、手身近に自己紹介宜しいか?まず、天喰から。」

 

相澤から自己紹介を頼まれた黒髪の少年から、A組一同に向けられる視線が突如鋭くなる。

 

「ダメだ…ミリオ…波動さん…ジャガイモだと思って臨んでも頭部以外は人間のまま…依然人間にしか見えない…言葉が出て、こない…頭が真っ白だ!辛い…!帰りたい…!」

 

だがそれは、天喰が緊張して頭が真っ白になってしまっていたからだ。

人見知り故に、20人近い人々の前で話すことが出来ずに、壁の方を向いて頭を付けて俯いている。

 

「あの…雄英ヒーロー科のトップですよね?」

 

「聞いて!天喰君!そういうのノミの心臓って言うんだって!人間なのにね~不思議!」

 

そんな天喰の様子を不思議そうに見ている青い髪の女子生徒。

 

「彼はノミの天喰環!私が波動ねじれ。今日はインターンについて皆に話してほしいと頼まれて来ました!」

 

ここは青い髪の女子生徒、波動ねじれが天喰のことも紹介する。

 

「けどしかし、ところでなんで君はマスクを?風邪?お洒落?」

 

「これは昔…」

 

波動が不思議そうに前の席にいる障子が口に付けているマスクに関して問いかける。

その答えを障子が話そうとするが…

 

「ああ!あなた轟君だよね!ねえ!なんでそんなところを火傷したの!?」

 

「それは…」

 

だがその答えを待つことなく、今度は轟の火傷跡に関して問いかける。

 

「芦戸さんはその角!折れたら生えてくるの?動くの?峰田君のボールみたいなのは髪の毛!?散髪はどうやるの?蛙吹さんはアマガエル?ヒキガエルじゃないよね?どの子も皆気になるところばっかり!不思議!」

 

彼女はA組生徒の様々な見た目の観点で気になるところがあり、その質問がどんどん自分の口から飛んでいく。

 

「天然っぽーい、可愛い~」

 

「幼稚園児みたいだ…」

 

天真爛漫な彼女の様子に上鳴と芦戸は少し癒されてしまっている。

 

「オイラの玉が気になるって!?ちょっとちょっと!セクハラですってば!」

 

「ちげえよ…」

 

なお、峰田は自身の頭部の球と股間の玉を勘違いして受け取ってしまった様子だ。

 

「ねえねえ!尾白君は尻尾で体を支えられる?」

 

「え、あ、あの…」

 

「ねえねえ応えて!気になるの!」

 

尾白にも質問責めしていく波動に、流石の相澤も我慢の限界が来たのか鋭い目つきでBIG3の方を睨んでいる。

 

「合理性に欠くね…」

 

「イレイザーヘッド!安心してください!大トリは俺なんだよね!」

 

全く話が進まないことを注意され、金髪の少年がまずは自己紹介を進めることに

 

「前途~!」

 

と言ってA組の生徒達の方に自身の耳を傾けるが、誰も反応を示さず静かにしている。

 

「前途?」

 

「多難!っててね!よーし!掴みは大失敗だ!アハハハハ!」

 

「3人共変だよな…BIG3って割にはなんかさ…」

 

「風格が感じられん。」

 

掴みに大失敗して大笑いする金髪の男通形ミリオに、ノミの心臓の天喰、天真爛漫で自由に質問しまくっている波動。この3人の様子を見て、砂藤や常闇などは本当に我が校のTOP3が彼らなのか疑問を感じてしまって居る。

 

「まあ、何が何やらって顔してるよね。必修ってわけでもないインターンの説明に、突如現れた3年生だ。そりゃ訳もないよね。」

 

尚且つ、その説明に来た上級生が全員キャラが濃いためA組の者達はより困惑している。

 

「んー1年から仮免取得だよね。それに神野での戦いに参加した子も居るって聞いたし…今年の1年って元気があるよね。そうだね…何やら滑り倒してしまったみたいだし…」

 

「ミリオ?」

 

「君達纏めて俺と戦ってみようよ!」

 

「「「「ええええええ~!?」」」」

 

ミリオからの突然の対戦要求に、一同驚きの声を上げる。

 

「戦うって…」

 

「いきなりかよ!」

 

「俺たちの経験を、その身で経験した方が合理的でしょ?どうでしょうね?イレイザーヘッド!」

 

ミリオの考えとしては、実際に経験値を積んだ自分自身と戦ってみることでA組の者達にインターンで得れるものを教えようというものだ。

 

「好きにしな、ただしウォズ、爆豪、緑谷の3人は見学だ。」

 

「それは何故?」

 

「お前達は強すぎる。少なくとも3人対通形と他のBIG3でやっと勝負になるかどうかだ。」

 

2学期に入る前の段階で、出久はグランドジオウの力を使いこなせるようになり、爆豪もゲイツリバイブに覚醒。ウォズも仮面ライダーギンガを倒したことで強力なミライドウォッチを手にした。

そんな3人を相手するとなると、ミリオ達も伝えられる経験値を伝えきれないと判断した。

 

「なるほど、了解した。」

 

「戦ってみたかったが、仕方ねえ…」

 

(BIG3の個性…どんな個性なんだ…?)

 

相澤のその考えをウォズ達は了承し、出久はミリオの個性をじっくりと見れることに胸を躍らせている。

そして彼らは体操服に着替えて、体育館に向かうのであった。

 

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「あのーマジすか?」

 

「マジだよね!」

 

本当に戦うのかと疑心暗鬼な様子で集まるA組生徒達を前にして、ミリオは準備運動をしている。

 

「ミリオ、やめた方が良い…」

 

「…と?」

 

そんなミリオに対し、天喰は壁に頭を付けて俯いている。

その口からはミリオを止めるような言葉が飛び出してきている。

 

「インターンについては形式的に、こういう具合でとても有意義ですと語るだけで十分だ。皆が皆、上昇志向に満ち溢れているわけではない。立ち直れなくなる子が出てはいけない…」

 

「それほど、彼は強いということか。」

 

天喰の言動から、ウォズはミリオの強さは誰かの自尊心を折るには十分なのかもしれないと推測する。

そしてその推測が正しいことを理解するのに、あまり時間は要さなかった。

 

「攻撃が当たってねえ!?」

 

戦いの開始と共に、突如ミリオの服が脱げてしまい、その隙を突くようにA組の面々が攻撃を加えていったがそれらは全てミリオの身体をすり抜けてしまう。

 

「今度は消えた!?」

 

「キャアアアアアア!!」

 

青山のレーザーや轟の炎などが放たれるが、そこにいたはずのミリオの姿が消えてしまう。

すると次の瞬間、一番後ろに居た耳郎の背後に全裸のミリオが現れる。

 

「瞬間移動もできるのか…」

 

「いや、違う。あれこそミリオの技術だよ。」

 

そこからはA組生徒達の攻撃をすり抜けつつ、次々と腹パンを加えていく。

 

(あの子の個性、多分すり抜けか何かだよね。)

 

(ああ、それを上手く切り替えて戦っている様だ。)

 

ミリオがインターンで身に着けた技術というものを、プロヒーロー経験がある志村や煙は見抜いている。

 

(服が脱げたりしてたのは…)

 

(多分、すり抜け使った時に服が落ちたのさ。)

 

轟や飯田、切島に常闇と言った実力あるA組生徒達を次々と沈めていくミリオ。

端から見ると強力な個性を持っているミリオだが、実際はそうではない。

透過という扱いにくい個性を、インターンで身に着けた技術で上手く使いこなしている。

その様子を歴代継承者と共に出久は分析していってる様だ。

 

「POWERRRRRR!!!」

 

あっという間に、戦いに挑んだA組のメンバー達はミリオに腹パンされて倒れてしまって居る。

 

「多分このからくり、すり抜けを使ってワープしてるってことか。」

 

「なるほど、例えばすり抜けて地面に入ってから地中を移動して別の場所に浮上しているとか…相当な技術力だね。」

 

1つの個性を上手く応用して使っているミリオの様子に、出久とウォズは感心している。

 

「そういう技術身に付けれんのが、インターンってことか…」

 

「ああ、ミリオは相当な努力をしてきたし、インターン先でかなり教え込まれた。」

 

そんなミリオの努力を一番近くで見ていた天喰が、爆豪の言葉に頷く。

 

「今度は沈んだね。」

 

切島達と対峙するミリオの方はすり抜けで地面に沈み、姿を消す。

 

「後ろか!」

 

その場に居た轟が彼の個性の性質に気付き、後ろに現れると予測してそちらを向くが、轟の放つ攻撃をすり抜けで回避したミリオは、彼の腹部にもパンチを放つ。

そして、残った飯田や切島達も腹パンで沈められていく。

 

「POWER!」

 

あっという間に沈められてしまったA組生徒達。

彼らは腹を抑えつつも立ち上がる。

 

「まったく、歯が立ちませんでしたわ…」

 

「俺の個性、強かった?」

 

「強すぎっす!」

 

「ズルいよ!私のことも考えて!」

 

「すり抜けるし!ワープするし!轟みたいなハイブリッドですか!?」

 

訳も分からず倒されたA組生徒からは、ミリオの個性に関してブーイングが起こる。

 

「いや、1つ!どんな個性か分かるかな?」

 

「もしかして、すり抜けとかですか?」

 

自身の個性に関して問いかけるミリオに、戦いを客観的な立場から見て歴代継承者達と分析していた出久が応える。

 

「ご名答!正確には俺の個性は透過なんだよね!君達がワープと言ってる移動は緑谷君の推察するように透過の応用さ!」

 

「しかしながら、透過の個性を使ってどのようにワープを?地面に沈んでいたりもしたようですが…」

 

その応用にどのような技術が使われているのか気になっている様子で、ウォズが問いかける。

 

「全身個性を発動すると、俺の身体はあらゆる物をすり抜ける。すなわち地面もさ!」

 

「じゃああれ、地面に落っこちてたってこと!?」

 

戦いに参加していたA組生徒達も、彼の行動と今の解説の点と点が繋がっていく。

 

「そう!地中に落ちる。そして、落下中に個性を解除すると不思議なことが起きる。質量がある物が重なり合うことはできないらしく、弾かれてしまうんだよね!つまり俺は瞬時に地面に弾き出されてるのさ!これがワープの原理。体の向きやポーズを調整して弾かれた先を狙うことが出来る!」

 

「ゲームのバグみたい。」

 

「言い得て妙!」

 

ワープの原理は、まさしくゲームのバク技の様であるが、それを使うのもかなりの技術力がいるだろう。

 

「攻撃は全て透かせて、自由に瞬時に動けるのね。やっぱりとても強い個性…」

 

「いいや、強い個性にしたんだよね。個性発動中は肺が酸素を取り込めない。吸っても透過しているからね。」

 

透過の個性自体を強い個性だと評する蛙吹に対し、ミリオはその言葉を否定するようにデメリットを話し始める。

 

「同様に鼓膜は振動を、網膜は光を透過する。あらゆるものがすり抜ける。それは、何も感じることが出来ず、ただただ質量を持ったまま落下の感覚だけがある。」

 

「一見便利そうに見えるが、意外と扱いにくいのか…」

 

5感を使えなくなってしまうだけでも、相当なデメリットであり、そこも踏まえると扱いにくいという印象を受ける。

 

「その通り!そんな感じだから壁をすり抜ける時も片足以外発動。もう片方の足を解除してから設置。そして残った足を発動させてすり抜け。簡単な動きでもいくつか行程がいるんだよね。」

 

「急いでる時ほどミスるな~俺だったら。」

 

「おまけに何も感じれなくなってるんじゃ動けねえ…」

 

上鳴と峰田は自分であればその個性を使いこなせる自信がないと言う。

A組のクラスの何人かも、彼らと同じ気持ちだろう。

 

「インターンの現場ではプロと同列に扱われる。時に人の死にも立ち会う!けど、怖い思いも辛い思いも全てが学校じゃ味わえない一線級の経験!その経験が予測をする力を育みトップを掴んだ!ので、怖くてもやるべきだと思うよ!1年生!」

 

(経験を力に!)

 

ミリオは18人同時の対戦で自身の実力を示すとともに、そこに至るまでの経緯、自分が持つ個性のメリットとデメリットを話した。一番下から一番上に這い上がれる要因となったのはインターンで積んだ経験。その重要性を短時間で出久達に理解させてみせたのだ。

 

「体育祭とか、神野とかで見せてもらったんだけど、このクラスは強力な個性を持っている子が多い!その子たちもインターンで経験を積めばさらに輝くよ!今日戦えなかった緑谷君、爆豪君、ウォズ君も是非!」

 

「当たり前だ!」

 

「私も現場はもっと見ておきたいからね。」

 

既に出久、爆豪、ウォズもミリオの凄みを見学だけで理解し、インターンに行くことに前向きになっている。

それはミリオと直接戦ったクラスメイトも同様であった。

出久達は放課後、早速インターン先を探したのだが…

 

「まずいことになったな…」

 

「ああ、これは非常にまずい…」

 

「僕もだよ…」

 

その夜寮の談話室に腰掛ける爆豪、ウォズ、出久。

 

「門矢士にインターンを断られてしまった…」

 

「僕も、グラントリノが色々と用事で立て込んでて無理だった…」

 

インターンに関して、大体の人は職場体験でお世話になったヒーローの所に行くのだが、3人は職場体験先の門矢士とグラントリノに受け入れ拒否をされてしまった。

 

「どうやら彼は、他の地に旅立つそうだ。それで我々のインターンの面倒は見れないとのことだ。」

 

「体育祭で指名してきた奴らの中から選ぶか…」

 

グラントリノは現在警察と連携して大きな事件を追っており、門矢士は他の世界に出発するためインターンで面倒を見れないということで新たに受け入れてくれるヒーローを探さないといけなくなった。

 

「けど、グラントリノからオールマイトに相談してみろって言われて、もしかしたらオールマイトが紹介してくれるかもしれないしその人のとこに良かったら3人で…」

 

「あの、インターンの件なんですが私からも相談させていただきたいことがあります。」

 

「八百万さん?」

 

グラントリノは電話で出久からインターンの件を断る際に、他の候補を1人推薦してくれていた。

そのヒーローはかつてオールマイトのサイドキックをしていた男で、オールマイトならば紹介してくれるだろうとアドバイスをしてくれていた。

3人でオールマイトに頼んでみようと出久が提案していたところに、八百万が割って入ってくる。

 

「あの…ウォズさん…」

 

「どうしたんだい?」

 

「私と!インターンに一緒に行ってくれませんか!」

 

八百万からの突然の頼み、それにウォズ達は驚いた様子を見せるが、すぐにウォズは彼女と向き合う。

 

「それは何故だい?」

 

「今日も私はあっけなく負けてしまいましたわ…全く歯が立ちませんでした。体育祭の時もウォズさんに何もできず、林間合宿では…」

 

「それ以上は言わなくても大丈夫だよ。」

 

推薦で雄英高校に入学した八百万。中学時代までに残してきた経歴とは裏腹にここの来てからは多くの挫折を味わっていた。そのことを拳を握りしめて涙ぐみながら語ると、彼女の意思を汲んだのかウォズがたと上がって彼女の言葉を止める。

 

「今日のミリオ先輩を見て学んだだろう。経験はより人を強くする。インターンに行けば私も君ももっと強くなれる。君のその申し出、断る理由はないよ。」

 

そして、硬く握られた八百万の手を優しく握る。

 

「ありがとうございます!」

 

「けど本当にいいのかい?」

 

「ええ、ウォズさんは普段からクレバーな戦い方をされてますから、学べることが多いかと思いまして…」

 

八百万はインターン先のプロヒーローからだけでなく、ウォズからも学ぼうとしている。

 

「良いだろう。では、共に頑張ろう!」

 

「はい!」

 

ウォズとインターンに行けるということで上機嫌で部屋に戻っていく八百万。

 

「良かったじゃねえか。」

 

そんな2人の様子を見て爆豪はニヤニヤ笑いながらウォズに語り掛ける。

 

「ああ、彼女には仮面ライダーになれる兆候があるからね。インターンでいよいよ花開くかも知れないね。」

 

Iアイランドで八百万に現れた兆候、林間合宿ではその兆候が出た八百万をオーマショッカーが狙った。

そう言ったこともあり、ウォズは彼女が新たな仮面ライダーになれる日が来ることを信じている。

 

「それだけじゃねえだろ。」

 

そんなウォズの太腿を、爆豪は肘で押しながらニヤニヤとしている。

 

「そ、そのことは触れないでいただこう…では私は失礼するよ。」

 

ウォズは八百万に好意を抱いており、それを指摘されると頬を赤くしたウォズはそそくさと部屋に戻ろうとする。

 

「明日も早い。ちゃんと寝て明日に備えよう。」

 

そう誤魔化しつつもウォズは嬉しさを感じながら帰っていくのであった。




ということで、インターン先もまたこれまでと違う組み合わせが生まれそうです。
ミリオ先輩の実力を示すために、ライダー勢は見学にしました。
多分ゲイツリバイブ疾風とかがミリオ先輩相手でも強いので。

さて、前回紹介さしていただいた拙作のオリジナルライダーですが連載版として作り直してみました。
興味ある方はぜひ!

https://syosetu.org/novel/323658/
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