我が魔王は緑谷出久!?   作:夢野飛羽真

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久々の更新です!
心身の不調で1カ月も投稿を空けてしまって申し訳ないです。
これからも面白い作品をどんどん書いて行けるように頑張ります!


第69話 ラビットヒーローミルコ

「ウォズ君達のインターン、結構遠方なんだね。」

 

「ああ、まずは1週間の広島遠征に付いて行くことになってね。」

 

無事にインターン先が決まったウォズ達。

一先ずウォズと八百万はミルコの1週間の広島遠征に付いて行くことになった。

 

「しかしながら、我が魔王達もインターン先が決まったようで何よりだよ。」

 

「まあ、なんとかね。ミリオ先輩のお陰でまあ…」

 

出久と爆豪も無事にインターン先が決まっており、ウォズ達よりも先に開始しているが今日は招集が無く雄英にいる様だ。

 

「では、お互いの健闘を祈ってるよ。」

 

「おう!行ってこい!」

 

「連絡待ってるよ。」

 

爆豪と出久は2人を見送るために寮の廊下に一緒に向かう。

 

「ヤオモモー!いってらー!」

 

「ええ、行ってきますわ。」

 

芦戸を始めとする女子達も八百万らを見送る。

既に一部のクラスメイトはインターンに出発していてこの場にはいないが、寮に残っているクラスメイト達がウォズ達を見送る。

 

「行ってくるよ。」

 

「必ず、強くなって戻ってきますわ。」

 

「「「いってらっしゃい!」」」

 

寮を出た2人は近くの駅から新幹線に乗り、そこから西進していく。

昔であれば、途中駅の新大阪で乗り換えなければいけなかったが、今となっては東京から福岡に直通する新幹線も運行しており、それに乗って彼らは広島に向かう。

 

「緊張しているのかい?」

 

「い、いえ、そんなことは…」

 

その車内で、少し緊張している様子の八百万にウォズが声をかける。

 

「実際にプロヒーローとして活動するのは初めてだ。緊張するのは致し方ないよ。」

 

緊張気味の八百万をリラックスさせようと、そって彼女の手を握る。

 

「リラックスしすぎるのも良くないが、緊張しすぎて硬くなれば学べるものも学べなくなってしまうよ。」

 

「確かに、ウォズさんの言う通りですわね。」

 

ウォズの言葉に納得した様子で、八百万は深呼吸をして緊張を和らげる。

少しお互いの距離が近くなったことに、それぞれの心拍数が上がっていくが2人共そのことには気づいていない。

 

「さて、そろそろ広島だね…」

 

「そうですわね…」

 

間もなく、彼らが乗っている新幹線は広島駅に到着する。

ウォズと八百万は1週間分の着替えやコスチュームが入った荷物を手に持ち、降りる準備をしていく。

 

「さあ、始まるよ。我々のインターンが…」

 

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「来たな!2人共!」

 

「「おはようございます。」」

 

広島の地を降り立った2人を出迎えるのは私服姿のミルコだ。

白いTシャツにGパンというレアな出で立ちのミルコに驚きつつ、2人は挨拶をする。

 

「よし!じゃあまずは私の仮拠点に2人を案内する!そこでコスチュームに着替えて早速訓練だ!」

 

2人は大きめの貸倉庫に彼女に連れてこられ、そこで各々別室でコスチュームに着替える。

 

「さて、訓練というのは一体どういうことをするのだろうか?」

 

先に着替え終えたウォズが1番広い部屋にやってくる。

既に腰にはビヨンドライバーを巻いており、いつでも戦う準備は出来ている。

 

「それじゃあ、始めるぞ!」

 

そこにコスチュームに着替えたミルコと八百万がやってくる。

 

「まずは筋トレと体幹だ!フィジカルから強くしていくぞ!」

 

いきなり戦闘訓練を始めるのかと思いきや、まずはそのためのフィジカルを鍛えるところから始まる。

 

「特にこっちは体はあんま強くないから、しっかり鍛えていくぞ!鍛えねえと折角の個性も活かせねえからな!」

 

「わ、分かりましたわ!」

 

ミルコ曰く、既に活躍しているウォズというよりは八百万の方の肉体がまだまだで、これでは創造で武器を使っても上手く使いこなせず終わってしまうと指導する。

ミルコが八百万とウォズに課した訓練は基礎的でありつつも、かなりハードである。

しっかりとストレッチや筋トレ、体幹トレーニングをしてフィジカルを鍛えていく。

 

「次はミット打ちだ!」

 

続いてのトレーニング内容は、ミットにパンチやキックを打ち込んでその動作をしっかりと身に着けていくという訓練である。

 

「もっと腰ひねって!」

 

「はい!」

 

そのパンチの打ち方などはミルコから厳しく指導される。

フィジカルとテクニック、それらを数時間かけて磨き上げた後は実践編へと移っていく。

 

「じゃあ、スパーリングだ!」

 

続いては実戦形式での組手をすることになり、まずはウォズとミルコが戦うことになる。

 

「では、本気でいくよ。」

 

『ゼロワン!アクション!』

 

ミルコと対峙するために、ウォズはゼロワンミライドウォッチを自身のビヨンドライバーに装填する。

 

「変身」

 

『投影!ヒューチャータイム!』

 

『プログライズ!』

 

『フューチャーリングゼロワン!ゼロワン!』

 

フューチャーリングゼロワンに変身したウォズだが、ライダモデル達は召喚していない。

 

「さあ、始めるぞ!」

 

「よろしく頼む。」

 

ミルコの個性は兎、主に彼女の脚力を強化している。

その足で地面を蹴れば、弾丸の様なスピードでその体がウォズに向けて突き進んでいく。

 

「おっと、危ない。」

 

そのミルコが放つパンチを横に避けて、ウォズはミルコの腹部を狙って膝蹴りを撃とうとするが…

 

「お見通しだよ!」

 

それに反応したミルコが右足を振り上げる。

兎の様に優れた彼女の脚力から繰り出される蹴りは、ウォズ自身に当たることはないが、蹴りと共に起きる強風は彼に攻撃を中止させて後退させるには充分であった。

 

「足なら負けないさ!」

 

兎は脚力に優れた生物であるが、昆虫界で脚力に優れていると言えばバッタだろう。

そのバッタの力を持つ仮面ライダーウォズ・フューチャーリングゼロワンもミルコに対抗できる脚力は備わっている。

 

「ハアッ!」

 

ミルコが地面を蹴ってウォズに突き進み、蹴りを放とうとするが、それをウォズは瞬時に見切って自分からも蹴りを放つ。

お互いに回し蹴りを仕掛けようとしたウォズとミルコのそれぞれの足がぶつかり合う。

高い攻撃力を持つ2人の蹴りがぶつかり合い、それぞれの身体が反作用で後ろに後退していく。

 

「良い蹴りだ。それに私のスピードにしっかりと対処している!」

 

「当然だ。私は普段もっと速い人たちを相手しているからね。」

 

ミルコの脚力から来るスピードは、現代のプロヒーロー達の中でもトップクラスだろう。

しかし、それ以上に速い速度を出せる者達とウォズは良く行動を共にしている。

ジオウとゲイツは使うライダーの姿次第で、プロヒーロー達以上の速度で動くことが出来る。

そんな彼らとよくトレーニングをしているウォズも、ある程度速い相手への対処はできる様になっている。

 

「良いぜ!燃えてきた!」

 

更にもう片方の足で蹴りを繰り出すミルコに対し、ウォズは身体を仰け反らせて回避する。

 

「それ!」

 

後ろに足を引かせてから、右足を軸に身体を回転させてバックアンドブローをミルコに向けて打つ。

 

「いいねえ、けど今日はここまでだ!」

 

ウォズの攻撃を腕で止め、ミルコはスパーリング終了を告げる。

 

「お前は中々いい感じだ。次は八百万!いくぞ!」

 

「は、はい!」

 

ミルコが次に相手とするのは、八百万だ。

戦うことに、少し不安そうな様子を見せる八百万。

 

「大丈夫だ。君の個性と判断力であればしっかりと戦えるはずだ。」

 

「ええ、ありがとうございます。」

 

ウォズからの励ましに感謝し、八百万はミルコの前に立つ。

 

「んじゃあ!いくぜ!」

 

「よろしくお願いします!」

 

早速地面を蹴り、勢いよく八百万に向かっていくミルコ。

その攻撃を防ぐように八百万は創造した盾を右手に持って構えるが…

 

「そんなの、すぐに突破しちまうぜ!」

 

ミルコは八百万の前で飛び上がり、上から降下しながら踵落としを仕掛ける。

 

「…!?」

 

咄嗟に反応して左腕に盾を装備して上に向けて構えて防ごうとするが、ミルコの踵落としはその盾すらも粉砕し、盾が粉砕されてしまった衝撃で八百万は尻もちをついてしまう。

 

「これで一本だな!」

 

「は、速いですわ…」

 

僅か数手で自分を圧倒してしまったミルコの動きに、八百万は驚きを隠せない。

 

「今のは判断を誤ったな。」

 

「と言うと…?」

 

戦いの中での八百万の動きに、ミルコは手厳しくダメ出しする。

その内容に関してウォズも気になっている様だ。

 

「今出したのが盾じゃなくて棒であれば、私は攻撃に転じることが出来なかった。蹴り砕きにくいし変な落ち方したら刺さっちまう。怪我覚悟で突っ込んでも良いが避けるのが得策。まあ、盾よりは私にダメージ与えれたな…」

 

「よくよく考えれば、理にかなってますわね…けど、その作戦が戦いの時に頭に浮かびませんでしたし、そうしようという判断もあの場でできてたかと言われると…」

 

八百万の戦闘に関してのアドバイスから、八百万はその時の自分の行動に関して考える。

だが、ミルコが言うような行動をその場でできたと言える自信がない。

 

「そう!そこだ!今のお前の弱みはまさしくそう、咄嗟の作戦立案と判断だ!それも1秒未満の間での即決!そういうのが戦闘で大事になってくるが、今のお前にはそれが足りない…」

 

「即決ですか…」

 

「八百万君は一度止まって考えて判断する能力に優れているが、動きながらの判断は確かに苦手な印象だね…」

 

一度の組手で八百万の短所が分かれば、ミルコのやることはただ一つ。

 

「じゃあその短所を潰すのにやることはただ一つ!只管戦って経験積むのみよ!ウォズ!お前も手伝え!」

 

「ウォズさん…」

 

「私とて、乱暴は好まないが、強くなりたいという君の気持ちに応えるためだ、本気でやるよ。」

 

八百万とのスパーリングを続けつつ、彼女にミルコが戦闘時にするような咄嗟の判断をする力を付けようというものだ。

フューチャーリングゼロワンに変身したウォズがライダモデル達を呼び出し加勢させる。

ただでさえ強力な相手が多数。ピンチではあるが成長のチャンスである。

強力かつ多勢の相手を捌き切ることが出来るようになって来れば、瞬時の判断力も身に着くかもしれない。

 

「強くなるための覚悟はできていますわ…ミルコさん…ウォズさん…よろしくお願いします!」

 

覚悟を決め、八百万はミルコ達に向かっていくのであった。

 

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「さてと、東と西に我々の戦力を用意することが出来た。」

 

「しかしながら、神野で吸収した力がようやく芽生えるとはな…」

 

蛇腔市という土地にある大きな病院。

その医院長である氏子達磨という男は地域住民からも慕われており、良き医者という顔を持つ。

また彼はオーマショッカーのドクターという顔を持っており、彼の病院の地下には秘密の研究所がある。

そこにある培養液のタンクの中には新型の脳無が幾つか眠っており、彼が座る椅子の前にはオールフォーワンが座っている。

 

「ドクターの培養の賜物だね。あの時はウォッチの変化すら起きないほどの微小な力だったけど、今ではアナザーウォッチを作り出せたのだからね。」

 

雄英高校ヒーロー科林間合宿への襲撃と、八百万百の誘拐。

それは彼女の中に芽生えつつあった仮面ライダーの力の回収が目的であったが、その回収は失敗したのだと思われていた。

 

「力の増幅には大分苦労したが、個性の複製技術を応用して何とかできた。」

 

だが、その時着実に彼女の中に眠る力の一部を採取することに成功していた。

それを氏子の技術によって増幅させて、彼らは新たな戦力を作り出した。

 

「この世の中には燻っている悪意が多くある。それを私が裏から目覚めさせ、力を与える。やがてこの国は、いいや世界はさらなる悪意に包まれるだろうね。」

 

「例のヤクザ達も順調そうだしな。」

 

「死穢八斎會…彼らも中々に面白いものを作るからねえ。」

 

オールフォーワンの手の中には、いくつかの銃弾の様なものがあり、その先端には針のようなものが付いている。

 

「個性消失弾か、興味深い品じゃが…」

 

「なんでも、"巻き戻し"という個性を持つ少女の血肉で作ったそうだ。」

 

オールフォーワンは新たな悪の力を死穢八斎會という組織に渡す代わりに、彼らが作ったという個性消失弾を得ていた。その製造工程は人の道を外れた様なものであるが、オーマショッカー陣営としてはそれは関係のないことだ。

 

「中々えげつない製法じゃが、彼らならアナザージオウの力を成長させれることに期待じゃな。」

 

「ああ、向こうの若頭の個性も中々興味深いからねえ…」

 

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「んじゃあ!今からパトロールだ!」

 

時は流れて夕方、日が沈み出した時間にミルコはウォズと八百万を連れて街を歩いている。

基礎訓練を終えて、次は応用と言うことで夜の街をパトロールすることになった。

 

「夜だとやはり、昼間よりも治安は悪いだろうね…」

 

「え、ええ…」

 

ウォズの方は普段通りであるが、八百万は疲労困憊と言った様子である。

 

「どうした?まさかさっきまでの訓練で疲れたとは言わせねえぞ。」

 

「そ、そんなことないですわ!」

 

その疲労の原因をミルコに見抜かれてしまったが、八百万もプロヒーローを目指す者として訓練後のパトロールも頑張らねばと背筋を伸ばす。

 

「おう!じゃあ、さっさと行くぞ!」

 

ミルコに先導されながら2人は歩いていくが、事件は特に起きないまま時が過ぎていく。

 

「この町はあまり治安が悪いといった様子はなさそうだね。」

 

「そうだな、けど最近大物ヴィランがこの辺に居るって情報があるんだ。」

 

「大物ヴィラン?」

 

この日は小さい事件もあまり起きていないこの広島の街であるが、裏では大きな悪が動き出そうとしていた。

 

「関西全域を拠点にしてた麻薬密売組織の奴らだ。中々にデカイ組織だったし、一回蹴りに行ったんだが苦労したぜ。」

 

「その彼らがこの町に?」

 

「そうだ。前にぶっ飛ばしたんだが中枢の奴らは取り逃がしちまった…で、今この町で再起を図ってるって情報を得たんだ。」

 

ミルコが得た情報では、嘗て彼女と戦った麻薬密売組織のボスや幹部がこの町に逃げ込んだとのことだ。

 

「では、今回の遠征の目的って…?」

 

「ああ、またアイツらをぶっ飛ばす!」

 

今回インターンとしてウォズ達を受け入れたミルコだが、それには若きヒーローの育成だけでなくこの件の解決のための戦力増強という理由もあった。

広島遠征の目的も麻薬組織の情報収集と討伐である。

 

「そう言うことなら、早く行ってくれればよかったのにね。私は情報収集も手を貸せるからね。」

 

『フォックスブーストロイド!』

 

ウォズは自身の手に持ったギーツ・ブーストミライドウォッチを変形させて、フォックスブーストロイドにすると、早速街の方に解き放つ。

 

「彼ならば良い情報を集めてくれるはずだ。」

 

「ほう、中々使えそうだな!」

 

ライドガジェットによる情報収集を開始したウォズに、ミルコは感心している。

 

「さて、私らの足でもどんどん情報集めていくか!」

 

情報集めと治安維持のためのパトロールは、夜遅い時間まで続くのであった…

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