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第7話 雄英入学
再び訪れた桜の季節。
桜は国立の名門校である、雄英高校をも彩っている。
「こうして見てみると、ここの敷地はかなり広いですね。」
「そうだね。入試の時の演習場が何個もあるって考えたら、この広さも頷けるよね。」
既に出久とウォズも雄英高校の門を潜り、校舎に向けて歩いていた。
「しかしながら、爆豪君も雄英に受かっているそうだね。」
「うん、先生も雄英に3人も受かったって言って喜んでたね。」
ごく普通の公立中学である折寺中学からの雄英進学は史上初である。しかも、それが一気に3人ともなれば校長含む教師陣はかなりの大騒ぎであった。
「私的には他のクラスであって欲しいところだが…」
既に入学前に自身のクラスを知らされており、出久とウォズはお互いが1年A組に配属されたことを知っていたが、爆豪が彼らに教える筈もなく2人は彼のクラスを把握していない。
ウォズとしては他のクラスであることを望んでいるようだが…
((扉デカッ!))
彼らが指定された教室まで歩いてみれば、5m程の巨大な扉が目に入った。
様々な個性の生徒に対応したユニバーサルデザインの巨大な扉を開けて、2人が教室に入っていく。
「机に足をかけるな!雄英の先輩方や机の製作者に申し訳ないとは思わんのか!」
「思わねえよ!テメーどこ中だよ?端役が!!」
(最悪だ…)
ウォズにとっては同じクラスだと嫌だなと思っていた2人が、何やら言い争いをしていた。
実技試験の説明会で出久を攻めた男と、いじめっ子の爆豪。
彼らと同じクラスということに、ウォズは頭を抱えそうであった。
「ぼ、俺は聡明中出身の飯田天哉だ。」
「聡明だぁ!?超エリートじゃねぇか!ぶっ殺しがいがあるるかねえかぁ!!」
「ぶっ殺しがい!?君ひどいな!本当にヒーロー志望か?」
言い争いをしていた2人だが、教室に入ってきた出久達の方に気付くと、飯田がそちらに歩み寄って来る。
「おはよう!俺は私立聡明中学の…」
「聞いてたよ!僕は緑谷…よろしくね。飯田君」
「私は魚津圭介。ウォズと呼んでくれたまえ…」
飯田に挨拶をし返す緑谷に続き、ウォズも自身の名を名乗って軽くお辞儀をする。
「緑谷君…君は実技試験のあの構造に気付いていたのだな…」
「え…?」
「俺は気付けなかったよ!実力も素晴らしいが、試験に挑む者としても完全に上手だった…」
飯田は受験中、仮想敵の撃破ばかり考えてしまっており、レスキューポイントを稼げていなかった。
一方で出久は試験終盤に巨大敵を倒し、少女を一人助けていた。飯田はレスキューポイントを多くもらえるなら出久の様に人を救うために強敵に挑んだ者だろうと考えていた。
(ゴメン…気付いていなかったよ…)
なお、出久は試験の構造に気付いて助けたわけではなかった模様。
「ああ!君は…地味目の!」
「おお、君は確か、我が魔王がこけそうだった時に助けてくれた方か。」
さらに教室に入ってきたのは麗日お茶子だ。ウォズからすれば入試前にこけそうだった出久を助けてくれたという印象が強い。
「今日って、式とかガイダンスとかだけなのかな?」
「仲良しごっこやるなら他所に行け、ここはヒーロー科だぞ。」
少し騒がしくなった教室が、1人の男の一声で一気に静まる。
((寝袋…?))
出久達が声のした方を見てみれば、そこには寝袋に入った謎の男がいた。
彼の言葉に恐る恐る全員が自分の席に座る。
「俺は担任の相澤消太だ。ヒーロー名はそのうちわかるだろ。」
(まさかの担任!?)
寝袋から出て来た無精ひげを生やしたこの男こそ、1年A組の担任である相澤消太だ。
「早速だが、コレ着てグラウンドに出ろ。」
そして、彼が告げたのは入学式等の行事への出席ではグラウンドに行けという指示。
それに驚きつつも生徒達は支給された体操服を持ち、更衣室に向かうのであった…
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さて、相澤先生の指示で体操服に着替え、グラウンドに来たのだが…
既に白線で円や線が書かれており、体力テストの様なものをこれから行うのだと推測できる。
「これより、個性把握テストを行う。」
「「「個性把握テスト!?」」」
名前から察するに、個性を使って行う体力テストの様なものかな…?
「入学式は?ガイダンスは?」
「そんな悠長な行事をするほど、ヒーロー科は甘くない。」
入学式が無いだとッ…!?
我が魔王の晴れ舞台が一つ消えてしまうではないかッ…!
「君達がこれまで行ってきたのは個性使用禁止の非合理的な体力テストだ。ま、文部科学省の怠慢だな。」
とは言うものの昨今の超常社会において、ヒーロー科を目指す小・中学生は多い。
そうした子達が多いにも関わらず、体力テストが個性使用禁止だったりと個性を伸ばす様な教育が為されていないのはヒーロー科の人間としては疑問を感じるだろう。
「ではまずデモンストレーションとして入試成績トップの緑谷、こっち来てソコの円に入れ。」
「は、はい!」
おや?どうやらデモンストレーションは我が魔王がご指名の様だ。
爆豪クンが彼のことを睨みつけているようだが、気にしないでおこう。
ヘドロ事件で我が魔王がジオウになってから、彼はずっとこの調子だが正直慣れてしまった。
「中学の時の『個性禁止』ハンドボール投げの記録、幾つだった?」
「34mです。」
「その円の中なら何してもいい。全力で飛ばせ。」
「分かりました…」
『ジクウドライバー!』
そう言われると我が魔王は、ジクウドライバーを腰に巻き付ける。
オールマイトのアドバイスで、役所にはジオウの力を個性として提出している。なので、こういう場で使用しても問題ない。
『ジオウ!』
『ゴースト!』
我が魔王が最初に選んだのは、ゴーストのライドウォッチであった。
「変身!」
『ライダータイム!仮面ライダージオウ!』
『アーマータイム!』
『カイガン!』
『ゴーストー!』
そして我が魔王は、仮面ライダージオウ・ゴーストアーマーへの変身を完了する。
相澤先生からボールを受け取り、我が魔王は白線で書かれた円の中に入っていく。
「スッゲー!姿が変わった!」
「あの人って…」
「あれって、1年前のヘドロん時の…」
「まさか、同じクラスに居るとはな…」
確か1年前のヘドロ敵の時、この姿が謎の仮面の戦士としてネットで話題になっていた。
何人か覚えていてくれたみたいだね。
「それじゃあ、いきます!」
そう言って、我が魔王がボールを投げると彼の肩から現れた1体のパーカーゴーストがボールを掴んで空へと飛んでいく。
「緑谷…あいつはどこまで飛んでいくんだ?」
「そうですね…僕が"いい"って思うまでですね。」
「なるほど、じゃあ記録は無限だな。」
流石我が魔王。パーカーゴーストを活用して早速素晴らしい記録を出された。
「いきなり無限!?スゲえじゃねえか!」
「まずは己の限界を知る。全てはそこからだ。」
確かにこの個性把握テスト、相澤先生が我々の個性やレベルを確認することができる。
だが、それだけでなく成績を数値化することで各々が自分の立ち位置や今の強さを理解することができる。入試に合格して調子に乗っていた者も、ここで出鼻を挫かれてしまうだろう…
「流石ヒーロー科!全力で個性使えるなんて!」
「何コレ面白そう!」
「"面白そう"か…」
ピンク色の肌の少女が放った一言に、先生が反応する。
「ヒーローになるための3年間、そんな腹積もりで過ごす気でいるのかい?」
その時、彼が不敵な笑みを浮かべたのを私は見逃さなかった。
「8種目トータル成績の者は見込みナシと判断し、除籍処分としよう…」
「「「ハァー!?」」」
「生徒の移管は俺達の自由!ようこそ!これが雄英高校ヒーロー科だ!」
少々自由すぎる気もするが…まあ、やるしかないだろうね。
ということで、我々は個性把握テストに向けて準備をしていくのだが…
「クソッ…前までその辺の石コロだったはずだろ…」
そんな中、爆豪クンだけは不満そうに我が魔王のことを睨みつけていた。
「それはもう、過去の話だろ?爆豪クン」
「ああ…?」
「我が魔王が力を得たのは運命であり、彼の信念もあってこそだ…その事実を早く受け入れたまえ。」
無個性であったのに、いつしか力を得た我が魔王に対して彼は不満を抱いているようだ。
ヘドロ事件から1年経っているというのに、何故受け入れられないのだろうか…?
「まあいいだろう、このテストで今の君と我が魔王の差を感じるがいいさ…」
「うっせ…」
さて、これから行われる個性把握テスト、他のクラスメイトの個性を把握するだけでなく、私自身もその実力を発揮させていただこう…
次回は我が魔王によるアーマータイム祭りになる予感…
それと風邪引きました。ちゃんと治します。