我が魔王は緑谷出久!?   作:夢野飛羽真

75 / 86
やっぱりアクション書くのが1番楽しいですね。


第75話 ルミリオン

八斎會の入中ことミミックは自身の個性をブーストで強化したうえで地下通路に入り込んで一体化。

通路を形成するコンクリートを自由自在に操ることで時間稼ぎや圧殺を狙っていた。

 

(ワンフォーオール!シュートスタイル!)

 

「受けてみろ!ダイヤモンドの拳だ!」

 

天喰だけでなく、切島とファットガムをサー達の集団から分断することはできていた。

だが、グランドジオウと煙ビルド・ゴリラダイヤモンドフォームらによってその妨害は次々と突破されていってしまう。

 

(このままではまずいッ…!)

 

徐々にサー達は治崎らのいるフロアに近付いてしまっている。

足止めとして繰り出した実働部隊である八斎衆も全員繰り出してしまっているが主力の足止めという役割は果たせていなかった。

活瓶はリューキュウ事務所に抑えられ、乱波と天蓋はファットガムと切島の2人と交戦中。

窃野、多部、宝生の3人に至っては天喰環1人だけとの戦いになっており、ヒーロー陣営を思う様に抑えれていない。仮面ライダーゲイツこと爆豪勝己を屋外に留めれてはいるものの、それはオーマショッカーとの取引で手に入れたアナザーウォッチを2つ使ったからこそである。

 

(何とか耐えてくれ…オーバーホール!)

 

治崎ことオーバーホールと彼の補佐であるクロノスタシスが壊理を抱えて逃げ出そうとしているが、彼らの下にサー達より先に辿り着いた男が居た。

 

「治崎ー!」

 

それは、ミミックの妨害を自身の個性ですり抜けてきたミリオであった。

治崎達の前に現れるとともに、彼といたクロノスタシスの顔面を蹴り飛ばす。

 

「なんで…」

 

クロノスタシスが気を失いながら手放した壊理の身体を、ミリオがしっかりキャッチする。

 

「来たらダメだよ!あの人に…殺されちゃう!」

 

だが、壊理は未だ怯えている。

目の前にいる脅威、治崎廻がまだ健在故に彼女の中の恐怖心は消えていなかった。

 

「もう決して君を悲しませない!俺が君のヒーローになる!」

 

ミリオはあの日の会議から決心をしていた。

もう壊理のことを悲しませない、そしてもう離さないと。

 

「汚いな…壊理、戻ってこい。殺される?いつになったら分かるんだ?お前は人を壊す。そう生まれついた…」

 

治崎の肌はミリオの手が触れてしまったところからかぶれ、そこを治崎が搔きむしっている。

 

「ダメ…やっぱり…」

 

「聞かなくていい!」

 

怯える壊理の身体をしっかりミリオは抱えて治崎から逃がそうとする。

 

「いつも言ってるだろ。お前のわがままで俺が手を汚さないといけなくなる。お前の行動1つ1つが人を殺す。呪われた存在なんだ。」

 

「自分の子になんてことを言うんだ!」

 

壊理のことを罵る治崎に対し、ミリオが声を荒げる。

だが、彼は2つの間違いをしていた。

 

「そうか、そういう話だったな…俺に子などいない。」

 

『ジオウ…Ⅱ…』

 

1つは壊理が治崎の実の娘であるという間違い、もう1つは治崎の持つ力が個性だけでないということだ。

治崎が懐から取り出したアナザーウォッチを自身の身体に押し当てると、彼はアナザージオウⅡに姿を変える。そして彼がコンクリートに触れるとそれらが分解されて再構成されていき、針の山脈を形成する。

 

(修復どころじゃない!早い!)

 

何とか透過でそのコンクリートの棘に自身の身体をすり抜けさせて攻撃を回避するが。

 

「いけ…」

 

アナザージオウⅡが新たにアナザーライダー達を召喚し、ミリオに次々と差し向ける。

 

「この子ごとッ…!」

 

治崎による地下空間の作り変えによる攻撃と、アナザーライダー達による攻勢は、壊理を抱えたままのミリオを襲う。

 

「死んでしまっても、この力でまた蘇生すれば良いだけ…その子は身を持って知っているはずだ」

 

オーバーホールが再形成したコンクリートの塊が次々とミリオに向かってきて、アナザーライダー達が各々の武器をミリオに向けて振るうが、ミリオは壊理を抱えたまますり抜けで次々と回避する。

 

「逃げ道は塞いだ。壊理を抱えたままどう戦う?」

 

ミリオ自身への攻撃は陽動でもあった。退路となる道をコンクリートで塞がれてしまっていた。

 

「ッ…!」

 

ミリオに容赦なく襲い掛かるアナザーライダー達。

自身の個性やコスチュームのマントを使って攻撃を凌ぎ、壊理を何とか守り切っている。

 

(壊理ちゃんをっ…!1人にできない!)

 

アナザーライダーは10体近く召喚されており、数の上でもミリオはかなり不利と言えるだろう。

仮面ライダーではない者がこの数のアナザーライダーの攻勢を凌ぎ切ることは至難の業と言えるだろう。

だがこれは、多くの訓練を積み個性を使う技術を高めてきたミリオだからこそなんとか攻撃を喰らうことなく壊理を守り切っている。

 

「決して君を悲しませない!もうアイツには指一本触れさせない!」

 

だが、ミリオと壊理に向けて銃口が向けられていることにここで彼自身が気付く。

先程ミリオが倒したはずのクロノスタシスが起き上がり、銃を構えて引き金に指をかけていた。

 

(もう痛い思いは、させない!)

 

その弾丸を透過してしまえば壊理に当たってしまう。

透過することもなく弾丸を自身の背で受け止める。

 

「病人が…個性なんてものが備わってるから夢を見る!自分が何者かになれると精神に疾患を抱える!」

 

その弾丸はミリオの身体を貫かず、背中に針の部分が突き刺さる。

 

「笑えるなあ!救おうとしてきたその子の力で、お前の培ってきたものが全て!無に帰した!」

 

その弾丸は治崎らが壊理の肉体を材料に作り出した個性消失弾であった。

それも完成品であり、ミリオの中の個性を完全に消し去ってしまっていた。

蹲るミリオに向けてアナザーライダー達が次々と襲い掛かる。

 

(相手をよく見て!動きを予測するんだ!)

 

だが、個性を失ったミリオは未だに強かった。

敵の攻撃を上手く避けて防ぎ、寧ろ自身の方からパンチを撃ち出して攻撃する。

 

(これまでのすべてが無駄になったわけじゃない!)

 

「俺は!ルミリオンだ!」

 

ミリオは個性自体が強力な訳ではない。戦闘で活かすのが困難な個性をサーの下で培った技術力で何とかカバーしていた。個性を失っても戦闘の技術は生きている。

 

「それほどまでヒーローになりたかったか…」

 

だが、ミリオにも限界は訪れる。

次々と治崎やアナザーライダー達が繰り出す攻撃を被弾し、脇腹にコンクリートの棘が突き刺さる。

 

「壊理を助けたかったかルミリオン!汚らしい現代病だ!お前のような奴を直してやるのさ!壊理の力で!」

 

個性を持ち、ヒーローに憧れる人々を嫌悪する治崎。

彼はミリオにトドメを刺すために、時計の針を模した槍を構える。

 

(必ず…助ける!)

 

だがその時、コンクリートの壁を打ち破って現れたグランドジオウが、アナザージオウⅡに向けて蹴りを放つ。その後ろには相澤とサー、煙ビルドと万縄ウィザードがいる。

 

「サー!ジオウ!」

 

出久達はグランドジオウの力でミミックによる生き迷宮を攻略し、他のヒーロー達がミミック自身を拘束し、彼らは遂にミリオと壊理の下に辿り着いた。

 

「またアナザージオウ!?」

 

「仕方ないね。またやるよ。」

 

「この力でいくのさ!」

 

『ドラゴタイム!』

 

『ウォータードラゴン!』

 

『ハリケーンドラゴン!』

 

『ランドドラゴン!』

 

アナザージオウⅡが召喚するアナザーライダーに対抗するために、万縄はドラゴタイマーで4人のウィザードに分身する。

 

「もう大丈夫だ。」

 

出久達がアナザーライダー軍団に向かっていく中、サーがミリオと壊理の下に駆け寄り、2人を抱き寄せる。

 

「よくやった…ミリオ…!」

 

そして、壊理を助け出して守り切った彼に賞賛の言葉を贈るのであった。

 

「これでどうだ!」

 

「助かります!」

 

『キバ!ファイズ!響鬼!鎧武!』

 

ウィザードが黒鞭で敵のアナザーライダー達を縛り上げると、そこにグランドジオウが召喚したライダー達が各々の武器で攻撃を加えていく。

 

『ダブル!』

 

『ルナ!マキシマムドライブ!』

 

さらに迫り来るアナザーライダー達に対処すべく、ジオウはトリガーマグナムを生成し、ルナメモリを装填。

 

「トリガーフルバースト!」

 

トリガーマグナムから放たれた光の弾丸が縦横無尽に跳ね回り、次々とアナザーライダー達に突き刺さっていく。

 

「病人共が!」

 

アナザージオウⅡは地面に触れて自身の個性を使おうとするが…

 

(個性が使えないッ…!)

 

(ワンフォーオール!シュートスタイル!)

 

相澤の個性によって自身の個性を封じられたアナザージオウⅡが、グランドジオウに蹴飛ばされる。

グランドジオウとアナザージオウⅡの戦いは出久にとって既に経験済みであり、他のライダーとの連携も強化されているためか優位に戦いを進めることができている。

だが、今回は相澤の加勢もあり、変身者自身の個性を気にせず戦うことができるためか、ワンフォーオールで強化された打撃を次々と浴びせることができる。

 

「バカなッ…!」

 

グランドジオウとアナザージオウⅡのスペックは同等程度ではあるが、出久の肉体はワンフォーオールによって強化されている。2人の格闘戦となれば、身体能力で勝るジオウが圧倒していく。

 

(黒鞭!)

 

さらに使える個性の数も多いジオウは黒鞭でアナザージオウの身体を縛って自身の方に引き寄せてからパンチを撃ち出す。

 

『電王!』

 

今度はデンガッシャーを自身の手に装備し、アナザージオウⅡに切りかかる。

 

「アレが、ジオウの力…」

 

「壊理ちゃんを!守る!」

 

壊理を治崎から守ると硬く決意し、迷いが一切ないジオウの攻撃が徐々にアナザージオウⅡを追い詰めていく。

 

『ドラゴンフォーメーション!』

 

その一方で、分身したウィザード・ドラゴンスタイルたちはそれぞれドラゴスカル、ドラゴウィング、ドラゴテイル、ドラゴヘルクローを装備し、それらを活かした連携攻撃でアナザージオウⅡが呼び出したアナザーライダー達を次々と撃破していく。

 

「デトロイト!スマーッシュ!」

 

相澤や万縄らの援護を受けた出久の拳が、アナザージオウⅡの顔面を捉えて殴り飛ばす。

 

「流石だ…緑谷!」

 

サーはミリオ達を守りながら、ここから出久達の勝ちを確定させるために、治崎の未来を自身の個性で見る。

 

(さあ、どう動く…)

 

敵の動きを予測して出久に伝えようとするサーであったが…

 

「これはッ…!」

 

サーが見た未来に驚愕する間に、アナザージオウⅡが地面に手を触れさせると、彼の個性が再び発動して、コンクリートの針の山がジオウに襲い掛かる。

 

「イレイザー!?」

 

「抹消ヒーローイレイザーヘッド、あなたのことは良く調べていました。」

 

治崎の個性が再び発動したと言うことは、相澤に何かがあったと言うことだ。

サー達が彼の方を見ると、クロノスタシスが彼を拘束し、目も彼の捕縛布で覆っていた。

 

「アンタは今、カタツムリ並の速さでしか動けない。何をしても無駄だ。」

 

クロノスタシスが自身の個性で相澤を無力化し、彼の個性を封じたことで戦況は治崎らの方に傾いていく。

 

「緑谷!これ以上はダメだ!」

 

サーが自身のサポートアイテム、超質量印を投げてアナザージオウⅡに応戦。

出久をこの場から離そうとする。サーにはここから出久達がさらに不利になる未来が見えてしまっていた。

 

(結果を見るだけではなく、1秒先の未来を予測し、私とミリオが望む結末を!)

 

自身の個性だけでは見れない数秒単位の未来を予測し、適切な位置に重さ5kgの超質量印を次々と投げていくサー。

グランドジオウもそれに合わせて攻撃や退避をしようとするが、アナザージオウⅡが追加で召喚したアナザーライダ達が出久達を阻み、その隙に治崎が個性で攻撃を仕掛ける。

 

(…!?)

 

「危ない!」

 

その状況を打破するべく、サーが未来予測を釣祐るが突如、彼の中に動揺が走る。

それと同時に治崎が作り出したコンクリートの棘がサーの左腕を貫いた。

その大きなコンクリートの塊はサーの心臓部を狙ったものであったが、それに気付いた煙ビルドがサーの身体を押したことで急所は免れた。だが、サーの左腕と体は離れてしまい、血がしたたり落ちる。

 

「間に合わなかった…!」

 

「私のことは良い!早く緑谷をこの場から!」

 

「何言ってんだ!ここでアイツをこの場から離したらもっとまずい状況になる!」

 

出久をここから逃がすように言うサー。

だが、目の前に強大な力を持つ敵がいるのに敵前逃亡をしてしまえば、全員の命が危なくなってしまう。

 

「まさかアンタ!?」

 

「煙さん!サーと壊理ちゃん達を逃がしてください!」

 

「…ッ!分かった!」

 

煙はサーが見てしまった未来を察した。

それは出久がこの戦いの中で死を迎えてしまうという未来なのかもしれない。

だが、それを出久自身に伝えてしまうよりもまずは彼が守るべき存在をこの場から離して上にいる他のヒーロー達と合流することを優先する。

それが煙なりに出久の死という未来を回避する最適な答えだと考えた故の判断である。

 

「おい!地下にずっといてもアイツの思い通りさ!まずは上にかっ飛ばせ!」

 

「はい!」

 

一方の出久と万縄はサーが重症を負った経緯からあることに気が付いていた。

それは、この地下空間という場所が治崎にとって非常に有利なフィールドであることだ。

ここはコンクリートに囲まれた場であり、治崎が床や壁に触れてしまえばそれらすべてのコンクリートを分解、再形成して出久達に攻撃を加えることができてしまう。

 

『オールドラゴン、プリーズ!』

 

『カブト!』

 

まずは地上に彼を出してしまい、彼が攻撃に使えるものが少ない場に押し出そうとする。

万縄は全てのウィザードと合体し、身体にドラゴンの尾、翼、爪、頭を装備する。

出久は3つのゼクターを取り付けたパーフェクトゼクターを構える。

 

「いくのさ!」

 

まずはウィザードがアナザージオウⅡに向かっていくと、ドラゴンの尾で敵の足元を狙って払いのける。

 

「オラァ!」

 

足元を狙われて動揺したアナザージオウⅡに向けてまっすぐに進んできたウィザードがドラゴクローで天井に向けてかち上げる。

 

「これでもくらうのさ!」

 

「なんだッ…!?」

 

そしてウィザードがドラゴウィングとドラゴスカルを使って作り出した炎の竜巻で、宙に浮くアナザージオウⅡを巻き上げて天井にぶつける。

 

『カブト、ザビー、ドレイク、サソードパワー!オールゼクターコンバイン』

 

タキオン粒子のエネルギーをパーフェクトゼクターの先端に収束させて天井のアナザージオウⅡに向ける。

 

『マキシマムハイパーサイクロン!』

 

そこから放たれる竜巻状のエネルギーがアナザージオウⅡに向かっていき、天井のコンクリートごと吹き飛ばす。その強力なエネルギーは地下から地上に向けて突き進み地下から天井に向けて大穴を開ける。

 

「まだいるのさ!」

 

だが、地上まで吹き飛ばされたアナザージオウⅡは健在であった。

天井部のコンクリートを個性で自身の前に集めて、ダメージを受けつつも何とか防ぎ切っていた。

 

「第2ラウンドだ!」

 

グランドジオウは浮遊の個性で地上に向けて浮上していく。

地下から地上に上がり再びアナザージオウⅡとの戦いが始まる。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。