我が魔王は緑谷出久!?   作:夢野飛羽真

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大学の自習スペースで小説書くときって筆が凄く進むんですけど、これって脈アリですよね?

とりあえず今回は個性把握テストです。


第8話 個性把握テスト

前回のあらすじ

雄英高校入学の日を迎えた緑谷出久とウォズ、及び1年A組のクラスメイト達。

しかし、彼らに待ち受けていたのは入学式ではなく、担任の相澤による個性把握テストであった。

最下位になれば除籍と宣告されたこのテスト、果たして無事に潜り抜けることができるのだろうか!?

 

第一種目 50m走

 

「我が魔王に関しては心配は無用だろう…なら私も、その覇道を見届け追随するため、この試練を突破させていただこう…」

 

「何言ってるか分からないけど…よろしくね、ウォズ君。」

 

「こちらこそよろしく頼むよ。麗日君…」

 

最初の種目は50mの直線を走り切る50m走である。ウォズは麗日とペアで走ることになっている。

自分の個性を発揮して、如何に速いスピードで走り切るかが肝となる。

例えば、彼らの前のペアにいる飯田であれば、個性であるふくらはぎのエンジンで加速し、一気に駆け抜けている。麗日は自身の個性、無重力(ゼログラビティ)によって靴や衣服を無重力化して身軽な状態で走ろうとしている。一方ウォズは…

 

『シノビ!』

 

『アクション!』

 

仮面ライダーシノビのスピードを活かして、好記録を狙う様だ…

 

「変身」

 

『投影!フューチャータイム!』

 

『誰じゃ?俺じゃ?忍者!』

 

『フューチャーリングシノビ!シノビ!』

 

仮面ライダーウォズ・フューチャーリングシノビに変身したウォズがスタートラインに立つのを見て、本日2人目の仮面ライダーの姿を見ることとなったクラスメイト達は驚きの声を上げる。

 

「マジかよ!2人目かよ!」

 

「またいい記録が出るんじゃねえか?」

 

「ウォズ君も仮面ライダー!?」

 

「いちについてー」

 

麗日が驚いている間に相澤がスタートの合図をしようとし、それに気付いた彼女はすぐにクラウチングスタートの姿勢になる。それに対してウォズは特に構えもせずに立っている。

 

「よーいスタート」

 

『記録1秒』

 

そこからウォズがスタートしてゴールに辿り着くのにかかったのは、僅か1秒であった。

仮面ライダーシノビの能力による加速性能だからこそ、出すことのできた記録と言えるだろう。

 

「早すぎるだろ!」

 

「俺の記録が…」

 

『記録7.5秒』

 

「ちょっと、速すぎるって…」

 

速さにおいて自信のあった飯田は自身の記録があっという間に追い抜かれたのに唖然とし、一緒に走っていたはずの麗日も取り残されてしまったようで息切れしながらも何とかゴールに辿り着いた。

 

「私の記録程度で驚いていては身が持たないよ…我が魔王はもっといい記録を出すだろう…」

 

自信が好記録を出しても尚、視線は出久の方に向いていた。

 

「爆速ターボ!」

 

その出久の前の組には爆豪が居た。彼は両掌から爆破を放ち、その推進力で加速してゴールを目指したが…

 

『記録4.13秒』

 

「チッ…下僕にすら勝てなかったか…!」

 

だがその記録は、彼が精々マフラーだけの男と侮っていたウォズにすら及ばなかった。

 

『カブト!』

 

そして出久の番、彼が選んだのは仮面ライダーカブトのライドウォッチであった。

 

『アーマータイム!』

 

『Change!Beetle!』

 

『カブト!』

 

「いちについて、よーい」

 

出久が仮面ライダージオウ・カブトアーマーへの変身を終えると共に、スタートの合図をしようとする。

 

「スタート」

 

「クロックアップ!」

 

だが、次の瞬間。ジオウの姿はゴール地点にいた…

 

『記録0.1秒』

 

「流石我が魔王だよ。」

 

「ううん、カブトさんのクロックアップのお陰だよ…」

 

光を超える速度のタキオン粒子が全身を駆け巡ることで発動するクロックアップ。使用時の速さは簡単な数字では表せないだろう。その力を借りたジオウでも、50mを駆け抜ける姿を誰にも視認させなかった…

 

第二種目 握力測定

 

握力計を使い、物を握りしめる力を測るこの競技。

背中から伸ばした複製腕で何重にも重ねて握る障子や、万力を創造した八百万が好記録を出していく中、ジオウとウォズはそれぞれ響鬼アーマーとフューチャーリングキカイに姿を変えて挑んだのだが…

 

「「あッ…」」

 

「どうした…?」

 

「そ、その…壊しちゃいました…」

 

2人揃って握力計を握りつぶしてしまい、ジオウはかなり申し訳なさそうにしている。

 

「許容荷重を超えたか…ふつうこんなことはあり得ないんだが…」

 

「ええ、鍛えてますから。」

 

「一先ず2人の記録は無限にしておこう…」

 

「スッゲー!緑谷の記録また無限かよ!?」

 

第三種目 立ち幅跳び

 

「ハアッ…!」

 

『記録87.4m』

 

ウォズは再びフューチャーリングシノビに変身し、ひとっ飛びして無事に好記録を出していたが…

 

『アーマータイム!』

 

『3・2・1!』

 

『フォーゼ!』

 

出久はフォーゼのロケットモジュールを模したブースターモジュールを両腕に装着した姿、仮面ライダージオウ・フォーゼアーマーに変身すると…

 

「宇宙に…行くー!」

 

そのアーマーを変形させ、ロケットモードに変化すると、ブースターモジュールから火を噴きながら宙へ向けて飛んでいく。

 

「なあ、魚津。あれはどこまで飛んでいくんだ…?」

 

「恐らく、宇宙まで…」

 

「記録無限だな…魚津、呼び戻しておけ…」

 

「かしこまりました…」

 

出久だけで3つ目の無限の記録に相澤は呆れてしまう。

 

「もしもし、我が魔王…」

 

「いや、電話でできんのかよ!」

 

相澤から出久を戻すように頼まれたウォズはファイズフォンXで彼に連絡を取っており、その様子に思わずA組生徒の上鳴がツッコミを入れてしまう。

 

第四種目 反復横跳び

 

『アーマータイム!』

 

『タカ!トラ!バッタ!』

 

『オーズ!』

 

タカ、トラ、バッタを模した姿のアーマーを身に付けた仮面ライダージオウ・オーズアーマー。出久がこの姿に変身して脚部のバッタスプリンターで地面を蹴って、区間内を往復し続ける。

 

『記録、2011回』

 

「素晴らしいですね、我が魔王。」

 

因みにウォズはフューチャーリングシノビの状態で挑んだのだが、止まるべきとこで止まれず、少しロスがあったため1582という記録に落ち着いた。

 

第5種目 ボール投げ

 

出久は先程投げたため免除で、ウォズの様子を見守っている。

フューチャーリングを解除して通常形態になったウォズが、円の中に入っていく。

 

「さて、私は蹴りでいってみるとしよう…」

 

『ビヨンドザタイム!』

 

ウォズがビヨンドライバーを操作し、蹴りの構えをし…

 

『タイムエクスプロージョン!』

 

上に投げたボールに対して足を突き出して蹴り上げ、ボールは放物線を描いて飛んでいく。

 

『記録、1856m』

 

「流石ウォズ君だね。」

 

「お褒めの言葉。実に光栄だね。」

 

出久から褒められて少し嬉しそうなウォズである。

 

「緑谷君の実力もかなり強力だと思っていたが、魚津君の実力もかなりのものだな…」

 

「何か、2人の個性似てる気するけど気のせいかな?」

 

飯田と麗日も既に2人のことを気にかけており、自然と彼らの周囲に集まっている。

 

「私のことはウォズと呼んでくれたまえ。個性が似てるのはたまたま、いや、もしかすると運命というやつかもね?」

 

「運命…?もしかして2人!?」

 

「変なことを想像しないでくれ…」

 

まさかの展開を脳内で浮かべてしまった麗日に、ウォズは少し頭を抱える。

 

「死ねェ!」

 

その裏で爆豪もボール投げに臨んでいたのだが、爆風でボールを飛ばして出した記録は…

 

『記録705.2m』

 

「クソが!」

 

同じ中学出身の2人には遠く及ばない記録であった。

既に、折寺中学から雄英に来た面子の中では最下位となってしまっている自分に、彼は不満を抱いていた…

 

第六種目 上体起こし

第七種目 長座体前屈

 

ここは2名ともベルトが邪魔になると判断して外して挑んだため、省略。

 

第八種目 持久走

 

『フューチャーリングシノビ!』

 

『アーマータイム!』

 

『『ドライブ!』』

 

『ドライブ!』

 

最後の持久走では、ウォズはフューチャーリングシノビに、ジオウはドライブアーマーに変身してスタートラインに立つ。

他のクラスメイト達も各々の個性を使う準備をし、スタートラインで開始の時を待っている。

 

「よーい、スタート。」

 

そして、相澤のスタートの合図と共に全員が走り始める。

 

「爆速ターボ!」

 

両掌からの爆破で加速し、その推進力で突き進む爆豪。足元を凍らせてその上を颯爽と滑っていく轟、涼ふくらはぎのエンジンで加速しながら走る飯田、自身の個性で創造したバイクで走る八百万など各々が自身の個性を使ってトラック上を走っていくが…

 

「やはりドライブアーマーの加速性能も侮れませんね。」

 

「追いついてるウォズ君も十分凄いけど…」

 

やはり、頭一つ抜きんでているのはジオウとウォズだ。

仮面ライダードライブの力で加速していくジオウに対し、ウォズはシノビの持つ高速移動で走って何とか食らいついている。

 

「あんなの、ありですの!?」

 

「バイク乗ってる奴が言えることじゃねえけどな…」

 

その後を追う八百万と轟は推薦入学生である。

家庭の環境もあるだろうが、推薦で雄英高校ヒーロー科に入って来れる人間は中々のエリートだ。

2人は心の奥底で、自分が一番実力があるだろうと思い入学式の日を迎えていた…

だが、この場でその幻想はあっけなく崩れてしまった。

轟はバイクに乗ってる八百万も、まあまあ規格外と思っているようだが…

 

「お先に失礼。」

 

「一周抜かれた!?」

 

この持久走では500mのトラックを3周の計1500mを走ることになっているのだが、既にジオウらは2周目に入っており、最下位の峰田を追い抜かしていた。

 

「君のその個性、反復横跳びの時みたいに反発材として使ってみたらどうかな?」

 

なんなら、出久はその峰田にアドバイスを送る余裕もあるようだ。

 

「言われなくても…やってやらあ!」

 

自分の前を去っていったジオウを追う様に、自身の頭に着いた球状の物体を前方に投げ、その上を忍者の様に素早く飛んで移っていく。先程よりも素早く前進していく峰田だが、それでも爆豪や轟らとの差が縮まるだけで2人の仮面ライダーとの差は広がっていく。

 

「クソッ…!」

 

さらに、2人との差をその身で感じることとなったのは爆豪だ。とうとう彼も、1周自分達よりリードしている出久達に追い抜かれてしまった。

 

「今回は中々、面白いクラスになりそうだ…」

 

誰よりも早く3周目に入っていくジオウとウォズを見て、相澤はただ1人笑みを浮かべるのであった…

 

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「んじゃあ、パパっと結果発表。トータルは単純に各種目の評点を合計したものだ…」

 

さて、全ての種目を終えて結果発表の時を迎えたのだが…恐らく1位は我が魔王で2位は私だろう…

 

「口頭で言うのは面倒なので、一括開示する…」

 

相澤先生がスマホから映し出した順位表を見てみたが、うん予想通りだ。

因みに爆豪君は5位か…そこそこ実力があると言ったとこだろう…

 

「素晴らしい順位だ。おめでとう。」

 

「ありがとう…けど…」

 

そして、残念ながら最下位となってしまったのは峰田君か。

持久走では我が魔王のアドバイスを受けて頑張っていた様だが、周囲より小柄な体格故幾つかの種目で結果を残せなかったようだね…

彼の個性を把握し、救いの手を差し伸べた我が魔王は素晴らしいとだけ言っておこう…

 

「因みに、除籍は嘘な。」

 

この瞬間、全員がポカンとしていた。

 

「君らの個性を最大限引き出すための合理的虚偽」

 

「ハアァァァ!?」

 

どうやら、個性把握テストで最下位除籍は嘘だったようだ。

驚きの声が上がり、除籍を回避した峰田君本人もかなり驚いている。

我が魔王は少しホッとした表情を見せており、級友が1人減らなかったことに安心して胸を撫で下ろしている。彼のことを気遣う我が魔王、流石お優しい…

 

「……」

 

さて、無事に個性把握テストが終わったんだが、1人只ならぬ雰囲気で我々を睨みつけている男がいた。

 

「少し話そうか。」

 

「いいぜ…言いてえことはたんまりあるからな…」

 

そう、爆豪勝己である。

終礼の後少し席を外させてもらい、我々2人だけで階段の踊り場に彼を呼び出した。

 

「で、言いたいことってのは何かな?」

 

「ああ、クソデクだけじゃなくてテメエまで力を隠してやがったな!」

 

怒った爆豪君がする行動は至極単純。そう、私の服の襟首を掴むことだ。

 

「テメエら2人揃って個性を隠して俺を騙してたんだろ!裏で俺を嘲笑ってそんなに楽しかったか!?ああ…!」

 

流石に、殴りかかって来られそうだったので首にかけていたマフラーで彼の身体を巻き取り、拘束する。

 

「離せ!」

 

「確かに、私が折寺中時代に"本気を出していなかった"ことは謝ろう…だが、君を騙して嘲笑ったりはしていない。それだけははっきり言っておこう。」

 

少なくとも私が彼の前で仮面ライダーウォズに変身したのは、今回が初めてだ。

なので、彼自身私の個性をこのマフラーだけと思い込んでいたようだが…その認識で終わったのは、恐らく彼がしっかり私達と向き合ってこなかったからだろう…

 

「はっきりと言っておこう…我が魔王が変身できるようになったのは、君がヘドロヴィランに捕らえられた時が初めてだ。」

 

「だからなんだッ…!」

 

「その時まで彼が無個性だったのは確かだ…少なくとも我々は君を騙して嘲笑うようなことはしていない。君の勝手な妄想だ。」

 

マフラーで拘束した彼の身体を壁に押し当て、彼の額に人差し指を押し付ける。

 

「う、嘘付くんじゃねえ!」

 

「嘘じゃないさ…それにその期間に関しては我々の方がフラストレーションを抱えていたよ。我が魔王が寛大にも君による虐めを教師に言いつけていなかったことをむしろ感謝してほしいね…そうしてもらえなければ君はこの場に居れないのにね…」

 

我が魔王のお陰で、何とかこの場に居れるのに彼はまだ事実を受け入れることができないようだ…

 

「君が私達のことを無力な石コロだと思い、調子に乗っている間も我々は必死に鍛錬を積んでいた。君が我が魔王の力を認めてない間、彼はその力を磨き上げた。悔しければ今日の結果と向き合い、自分の無力さを痛感し、精々足掻けばいいさ…」

 

私の言葉に何も言えなくなったのだろうか…彼は黙りこくってその辺の空気を見つめている。

 

「私から言えるのはそれだけさ…それじゃあ失礼させてもらうよ…」

 

何も言い返せない彼をその場に放置し、私は皆の下に戻るのであった。

 

「遅かったじゃないか!ウォズ君。」

 

「爆豪君とどこか行ってたみたいだけど…」

 

「失礼、少々話し込んでいてね…」

 

我が魔王に会おうと校門前に来たところ、そこには飯田君と麗日君の姿もあった。

 

「ねえ、ウォズ君。2人も一緒に帰って良いよね?」

 

「ええ、勿論です。」

 

私は少し嬉しいです。

中学時代私以外の友人が居なかった我が魔王が…新たに御2人も友人を……

ああ、感動で泣いてしまいそうです…

 

「ところで、デク君…」

 

「は、はいッ…!」

 

因みに爆豪君が作ったデクというあだ名がいつの間にか流行っているようだが…

今度の授業、少しお仕置きが必要かも知れませんね…

 

「まあね、」




今回の補足
峰田実
原作と違って個性把握テスト最下位になってしまった少年。
持久走で出久のアドバイスを受けて個性を生かした結果、相澤先生に見込みアリと判断されて除籍を回避できた。
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