我が魔王は緑谷出久!?   作:夢野飛羽真

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復活から急ピッチで書き続けていた文化祭編も遂に終幕です。
Twitterとかで感想スペースしたいですね。
一先ず今回の話はHero tooを聞きながら読んでくださいね~
それではどうぞ!


第83話 Hero too

「思ったより集まってるね!」

 

「朝からご機嫌な連中だぜ。」

 

「楽しみにしてくれてるんだよ、バカチン!」

 

文化祭当日の朝。

普段は体育館として使われている建物は今日はショーなどのパフォーマンスを行うステージになっており、A組のパフォーマンスは朝の10時から開演となっている。

既に多くの客が集まっており、A組メンバーは緊張した様子を見せている。

 

「さあ、始めようか。」

 

『シノビ!アクション!』

 

「変身」

 

『投影!フューチャータイム!』

 

『誰じゃ?俺じゃ?忍者!』

 

『フューチャーリングシノビ!シノビ!』

 

そんな中ウォズは、パフォーマンス開始前に仮面ライダーウォズ・フューチャーリングシノビに変身してしまうと、早速分身して観客に悟られないように体育館の天井部にあるステージの丁度上の足場に陣取る。

 

「おおー!!」

 

「キター!!」

 

10時を迎えると共に開演のブザーが鳴り、幕が開くとバンドメンバーとダンスメンバーがステージの上に立っており、彼らに観客達の歓声が浴びせられる。

 

「「「「「八百万!八百万!八百万!八百万!」」」」」

 

その中でも最も歓声を浴びているのが八百万である。

職場体験先のヒーローのウワバミと共にCMに出演した経緯があり、学内にも彼女のファンは多い。

 

「壊理ちゃん!見える?」

 

「うん…」

 

客席の中には壊理を担いでいるミリオの姿もあった。

 

(僕は、君の笑顔が見たい!)

 

そんな壊理の瞳に、既にグランドジオウに変身している状態の出久が映る。

 

「アイツ、見た目ド派手じゃね!?」

 

「噂の仮面ライダー!神野にいたやつだ!」

 

雄英体育祭や神野の中継で何度か人々から注目されていたジオウ。

特に金色のグランドジオウは見た目も相まって観客の視線を集めている。

 

「さて、どうかな?」

 

「どうかなって、俺超楽しみよ!」

 

「お前はどうでも良い。つか、パトロール行けよ…」

 

「ちょっとだけ!ちょっとだけ!」

 

客席エリアの最後方には相澤と本来パトロール中のプレゼントマイクがおり、2人はステージにいる生徒達を見ている。

 

(生徒達の中には、最近の雄英に対する不平不満をA組に向けている輩がいる。楽しもうなんて気が無く、品定めのために来ている輩もおり、お遊戯同然に映らなきゃいいんだが…)

 

「バンドとかダンスとか、普通に上手にやったところでさ、結局アンタらの自己満足じゃない…」

 

相澤の考えている通り、A組に不満を持つ生徒もこの場に来ており、先日爆豪が遭遇した普通科の男女の姿もあった。

 

「行くぞゴラァ!!」

 

「掴みはド派手に!」

 

ライトがステージ上のバンド隊に向けられていたが、ライトが一度暗転する。

 

「雄英全員…音で殺るぞ!!」

 

爆豪が大爆発を起こすと共に、バンド隊の演奏が始まる。

その爆破のタイミングでステージ上部からアーティストのライブさながらの火柱が噴き出す。

炎のカーテンを一瞬作り出すが、これを出すための機材は流石に用意できず、ウォズが忍法を使って出している。

 

「よろしくお願いしまーす!!!」

 

ダンス隊が踊り始めると共に爆豪が起こした爆風と、ウォズが忍法で起こした風が観客に吹き付ける。

 

「What am I to be? What is my calling? I gave up giving up,I’m ready to go!The future left unseen it all depends on me. Put it on the line to follow my dream. Tried all my life~ I’ve tried to find~ Something that makes me hold on and never let go Ohhhh!!」

 

かつて音楽の道に行くか、ヒーローの道に行くか悩んだ少女耳郎響香。

そんな彼女の嘗ての悩みと、ヒーローになる決意を表したような歌詞の曲であり、選曲した彼女自身にとっても非常に思い入れのある楽曲である。その歌詞を歌い上げつつ楽器での演奏とダンスで場を盛り上げる。

 

「Hero too I am a hero too My heart is set! and I won’t back down」

 

前半は開演直後以外は大きな演出はせず、演奏とダンスだけで見せているが、時折飯田が見せるロボットダンスのような硬い動きは観客の笑いを誘っていた。

 

「Hero too Strength doesn’t make a hero True heroes stand up for what they believe So wait and see~」

 

「見て!」

 

ワンフォーオールで身体能力を上げた状態で出久は、既にヒーロースーツを身に纏っている青山を空中に向けて投げる。

 

「So wait and see~」

 

「レーザーだ!」

 

「人間花火かよ!」

 

そして空中で青山は回転しつつ、スーツの各部位からレーザーを放つ。

その光の演出に観客達もさらに魅せられ興奮する。

 

「What do they think of me?Who do they think I’ll be?」

 

「出番短い!」

 

「行っちゃった…」

 

「でも見てて、きっとまた出番があるよ。」

 

「I could not care less I don’t wanna know」

 

尾白にキャッチしてもらって着地した青山と出久が客席にサムズアップしてから一度舞台袖に退く。

出久の出番があっという間に終わってしまった事にミリオと壊理は驚きつつも、更なる見せ場に期待する。

 

「Am I doing right?Am I satisfied?I wanna live my life like it’s meant to be Tried all my life I’ve tried to find~」

 

峰田のハーレムダンスパートと飯田のロボットダンス(不本意)などで観客の中には笑い出す者もおり、品定めに来た普通科の男女も吹き出しそうになっていた。

 

「Something that makes me hold on and never let go」

 

「来るぞ!」

 

「Ohhhh!!」

 

その間に演出班も各々の演出に向けた準備をしており、切島は上半身裸で待機しており、しれっとウォズギンガファイナリーにフォームチェンジしていたウォズもエナジープラネットを作って待機している。

口田も鳩を呼び寄せてその時を待っている。

 

「Hero too I am a hero too」

 

キーボードを演奏する八百万は腕から生成したクラッカーを鳴らし、天井には轟が氷の通路を生成していく。

 

「My heart is set and I won’t back down」

 

その演出に歓声が上がり、観客達もダンス隊と共に踊り始める。

 

「Hero too Strength doesn’t make a hero True heroes stand up for what they believe So wait and see」

 

氷の通路の上を切島が走りながら、手に持つ氷を削って雪を降らし、別の通路を出久がロープで青山を吊り下げながら走る。レーザーによる光を放つ青山が移動し、その光が氷の結晶に反射することで幻想的な景色を場内に作り上げていく。その間を口田の呼んだ鳩が飛び回る。

 

「People will judge for no reason at all. Yea they might try. To say your dreams dumb ...don’t listen.」

 

「キレイ~」

 

客席やダンス隊を照らすライトが消えて、天井にウォズが作り出したエナジープラネットが浮かび上がる。

その演出を目にした観客からは思わず感嘆の声が漏れる。

 

「They may look down on me and count me out I’m going my own way They may look down on me and count me out I’m a hero,I’ve got music」

 

『電王、キバ、ダブル、ドライブ、ゴースト』

 

その演出に魅了され、耳郎の歌声に耳を傾ける観客達。

その間に裏で密かに電王・ガンフォーム、キバ・バッシャーフォーム、ダブル・ルナトリガー、ドライブ・タイプテクニック、ゴーストエジソン魂が召喚される。

 

「Hero too I am a hero too My heart is set and I won’t back down~Hero too Strength doesn’t make a hero True heroes stand up for what they believe Yea I’ll be!!!」

 

そして、曲がラストサビに入るその瞬間、召喚されたライダー達が各々の銃を撃ち、弾丸が宙に浮くエナジープラネットを撃ち抜くとそれらは花火の様に破裂して光の粒子となる。

 

「Hero too I am a hero too My heart is set and I won’t back down」

 

蛙吹の舌を腹に括り付けた状態で麗日が宙を舞い、観客達に触れていくと、触れられた観客達が彼女の個性で宙に浮いていく。

 

「Hero too Strength doesn’t make a hero True heroes stand up for what they believe So wait and see」

 

そして客席ではダークシャドウが壊理を見つけて彼女を包み込み、解放するとそこには満面の笑みを浮かべ楽しんでいる彼女の姿があった。

警察と文化祭開催に向けての交渉を行った根津校長、文化祭を守るために警備を厳重に行う教員達、、壊理に笑顔になってもらうために彼女を文化祭に誘った出久、そして、最高のパフォーマンスをするために努力を重ね続けたA組生徒達。彼らによって、壊理は楽しい、そして嬉しいという気持ちになることができた。

 

「I have met so many heroes in my life Gave me the strength and courage to survive Gave me the power to smile everyday」

 

(見えるかい!緑谷君、皆!笑った…笑ったよ!)

 

音楽の力で、闇に囚われた少女壊理の笑顔を取り戻すことができた。

彼女の満面の笑みを見て、ミリオもその目に涙を浮かべる。

 

「Now it’s my turn to be the one to make you smile」

 

そして、曲が終わると共に演出隊と召喚されたライダー達が巨大なクラッカーを鳴らして客席には金銀のテープと紙吹雪が舞い、大盛況の中A組のライブは幕を下ろすのであった。

 

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「さあさあ、若い連中はここは俺達に任せて楽しんで来るのさ!」

 

ライブが終われば残っているのは、体育館の清掃で紙吹雪などの回収や、轟が作った氷を解かすなど様々な後片付けが残っていたが、グランドジオウと歴代継承者が乗り移った響鬼、ウィザード、ゴースト、ビルドの活躍もあってそれらの片づけは早々に終わり、早い段階で生徒達は文化祭を見て回ることができるようになった。

 

「よう!お疲れ!」

 

そして、片づけを終えた出久にミリオが声をかける。

 

「あのね!最初は大きな音で怖くて、でもダンスでぴょんぴょんってなってね、ピカって光って!デクさんいなくなったけど、ぶおーって冷たくなってね!ピカーってぐるぐるーって光って!女の人の声がワーってなって!私!ワアー!って言っちゃった!!」

 

その横で自分達のライブの感想を笑顔で、嬉々として語る壊理に、嬉しくなった出久は思わず涙を零す。

 

「嬉しいね、我が魔王。我々も頑張った甲斐があったね。」

 

その隣にやって来たウォズが優しく出久の背を撫でる。

 

「楽しんでくれてよかった…」

 

そして出久も、その嬉しさを壊理に伝える。

 

「A組!」

 

「楽しませてもらったよ!」

 

「アザッス!」

 

さらに近くにいるA組のメンバー達に、ライブを見ていた他クラスの生徒達が感想を伝えていく。

 

「ああ、楽しかった…良かったよ…」

 

あのリーゼントの大柄な普通科男子生徒も、ドスの利いた低い声で感想を述べる。

品定めのつもりで見に来ていた者達だが、彼らの方を爆豪が睨みつける。

 

「ごめん!」

 

「こき下ろす気で見てた!本当にスマン!」

 

「言わなくていいのに…」

 

すると、普通科の生徒達は品定めに見に来ていたことを謝罪し颯爽とその場から去っていく。

ストレスを感じていた生徒達も今回のパフォーマンスを機に、A組に対する見方が変わっていくだろう。

 

「それよりお前ら!早く行くぞ!ミスコン!」

 

文化祭はまだまだ続く。

ジオウらの力で早々に片付けが終わり、その次は峰田主導でミスコンを皆で見学する。

 

「ハアッ!」

 

『華麗な美しさと演舞!強さと美しさの共存!素晴らしいパフォーマンスです!!』

 

峰田によって、ミスコンの良い席を確保しており、A組の面々は前の方でパフォーマンスを楽しむことができていた。B組の拳道による、木の板を拳で割るパフォーマンスに周囲から歓声が上がる。

 

「彼女、可愛くて強いってすごいよね!」

 

「アンタもまあ、昔からそうだったけどね。」

 

「もう…」

 

その様子をライドガジェットに魂を移している志村と煙。志村は煙の一言に、思わず小突いてしまう。

 

「君!何も分かっていないようですわね!この程度でこの私と張り合おうだなんて!」

 

『3年サポート科!ミスコン女王!絢爛崎美々美!顔面力をアピール!圧巻のパフォーマンス!!』

 

ここで、昨年、一昨年と波動ねじれら各クラスの美女たちを下してミスコン女王に立ち続けた女、絢爛崎美々美の登場である。自身の姿をした金色のロボットを乗り回し、ステージ上で舞っている。まさにド派手と言えるパフォーマンスで、顔面力を物理的にアピールしている。

 

「これは何する場所なの…?」

 

「ちょうど今、分からなくなったとこだよね…」

 

美しさを競うとは何なのか、よく分からなくなるパフォーマンスに壊理達は呆気に取られているが、少なくとも絢爛崎の技術力は素晴らしいものであると分かる。

 

『続いてヒーロー科3年!波動ねじれさんです!』

 

「ねじれ…」

 

「波動さん…人間だって動物、哺乳類だと思えば楽になる…」

 

そしてここで、波動ねじれが登場し、環を始めとするクラスメイト達は少し緊張した様子を見せる。

 

(ねじれが去年負けたのは、絢爛崎に派手さで挑んだから…派手は絢爛崎の良さ、ねじれには、ねじれの良さが!)

 

ねじれが自身の個性で作り出したねじれる光を漂わせ、自身も宙に浮かんでいく。

 

(麗日さんだ!梅雨ちゃんも!)

 

彼女は客席にいる麗日達に気付くと、客席に笑顔を振りまきながら宙を舞う。

 

(通形と壊理ちゃん!皆ビックリした顔してる!不思議~)

 

笑顔で宙を自由自在に飛び回り、その周囲には光のオーラが漂う。

その光のきれいさと、ねじれ自身の可愛さもあり、妖精やエルフが飛び回っているかのように見える。

観客はその光景に魅了され、眼を奪われ、歓声を上げる間もなくうっとりと見つめている。

 

「キレイ…」

 

『幻想的な空の舞い!引き込まれました!!』

 

そして彼女が着地すると共に、歓声が沸き上がる。

その後の投票の結果、ねじれがこのミスコンを制するのであった。

出久や壊理、そしてクラスメイト達はその後もアスレチックやクレープ、1年C組の心霊迷宮にサポート科の発明披露など様々なアトラクションを楽しむのであった。

 

「今日はありがとう!楽しかった!」

 

「うん…」

 

そして夕方を迎え、校門前に相澤、ミリオ、壊理、ウォズ、そして出久が集まっていた。

だが、壊理は少し浮かない表情で俯いていた。

 

「壊理ちゃん…サプラ~イズ」

 

そんな彼女に、出久がりんご飴を差し出す。

 

「りんご飴!?売ってた?俺探したよ…」

 

彼女が少し落ち込んでいた理由。それは出久に聞かされていたりんご飴がこの文化祭に無かったためである。

 

「プログラムを見て、無いかもと思ったので、砂藤君に手伝ってもらって作ったんです。」

 

「なるほど、それでしばし2人の姿が見えなくなっていたのか。」

 

文化祭の途中、出久が1時間ほどこの場を離れており、ウォズが出久の代わりに壊理と文化祭を回っていたが、それは出久が壊理のためにりんご飴を作っていたからであった。

 

「ま、近いうちにすぐまた会えるさ。」

 

「ふふ、さらに甘い…!」

 

そのりんご飴は、再び壊理を笑顔にした。

りんご飴の甘さに笑みを零し、眼を輝かせている。

 

「また作るよ!」

 

「その時はもっと甘いものを楽しみにしていると良いだろうね。」

 

壊理の笑顔に、出久やウォズ達も笑顔になり、こうして幸せな文化祭は幕を下ろしたのであった。




さて、色々書き進めつつ決まったことがあります。
B組対抗戦、ヴィランアカデミアの後に映画第2弾ヒーローズライジングのエピソードやります!
凄く思い入れのある作品なので描いていきたいのでよろしくお願いします!
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