それではどうぞ!
第84話 対抗戦
「ほう、そのようなことが…」
文化祭を終えてから多くの出来事が起きた。
壊理ちゃんが雄英で育てられることになり、プッシーキャッツが現場復帰することになった。
更に、ヒーロービルボードチャートが発表されて、エンデヴァーが1位となり、そのエンデヴァーが九州で高性能な脳無と戦闘するという衝撃的な事件も起きた…
エンデヴァーは顔に大きな傷を負ったが、新たな象徴を世間に知らしめた。
そんなある日、我が魔王から相談を受けた。
「しかしながら、初代の記憶か…何故今更、そのようなものが…」
それは、夢の中で我が魔王がワンフォーオール初代継承者の記憶を見たのだという。
初代とその兄オールフォーワンのかつての会話、そしてワンフォーオールが生まれたその瞬間を見たのだという。
「それに、私や俊典が見た時とは違うことが起きてたんだ。出久が初代と言葉を交わしたんだ。」
我が魔王はこの件を既にオールマイトや歴代継承者達に話したそうなのだが、この記憶と言うのは歴代継承者達も皆一度見たことあるのだが、初代から声をかけられたのは我が魔王が初めてなのだという。
「もしかしてだけど、僕が歴代継承者の個性を使えたり、話すことができてるから、オールマイト達でも7見たことがない部分が見えたのかも。」
「その可能性は大いにあるね。」
他の継承者達よりも深く初代と関わったことに関しては、我が魔王の仮説が最も正しいのだろう。
「おい!そろそろ行くぞ。午後は運動場γだろ?」
「そうだね、そろそろ行かないと間に合わないね。」
とここで、爆豪君に急かされたのでさっさと更衣室で着替えて、授業を行う運動場に行くとしよう。
「おや?長袖かい?」
「ああ、冬だと汗出にくいかんな…これで出しやすくしとくっつー訳だ!」
更衣室で気付いたのだが、皆所々コスチュームをアップグレードしている。
そう言えば八百万君も、「創造しているものとベルトがヴィランから見えないようにマントを付けましたわ!」と言っていたね。もっとも、彼女の場合はツクヨミに変身できることが大きなアップグレードなのだが…
そして、爆豪君は半袖のコスチュームから、長袖にアップデートしている。冬でも汗を出しやすくすることで爆破をライダーの力と併用するようだ。
「皆、準備はできた?」
「おう!」
「それでは、行くとしよう。」
ということで、着替えも終わったところで我々も授業を行うために運動場γに向かうとしよう。
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「遂にこの時が来たー!」
「葉隠寒くないの?」
「めっちゃ寒ーい!」
運動場γに到着すると、既に葉隠君が張り切っている様だが、彼女は相変わらず全裸である。
11月も近付き、爆豪君らが冬の時期に合わせてコスチュームを改良しているが、彼女は特に変えていない。
「八百万君のマント、よく似合っているね。」
「ええ!防寒性能に相手のかく乱と様々な役割ができますわ!」
八百万君の仮面ライダーツクヨミのような白いマントは中々似合っている。
相手からジクウドライバーとライドウォッチを隠すのに使えるというのも1つの利点だ。
他にも各々がコスチュームの件について話し合っているが、今日の授業内容はそんな新コスチュームのお披露目も出来そうなスペシャルな内容だ。
「おいおい!たるんだ空気じゃないかA組…僕らをなめているのかい?」
「来たな?ワクワクしてんだよ!」
「フッ、そうかい!波は今確実に僕らに来ているんだよ!さあA組!今日こそ白黒付けようか!!」
そう、今日の演習内容はA組とB組の合同で行われる、言わば対抗戦だ。
早速、B組を引き連れる物間君が先頭でこちらに宣戦布告してくる。
B組と言えば、体育祭で活躍した塩崎茨君や、合宿で毒ガスのヴィランを倒すのに貢献した鉄哲徹鐵君や拳藤一佳君らが所属するクラスだ。
彼らのコスチューム姿を見るのは、意外と初めてかも知れない。
「ねえねえ見てよ!このアンケート!文化祭で取ったんだけどさぁ!!A組のライブとB組の超ハイクオリティ演劇!どちらが良かったか!!見える~!?2票差で!僕らの勝利だったんだよね!入学時から続く君達の悪目立ち状況が変わりつつあるのさ!!」
「マジかよ…見てねえから何とも言えねえ…」
切島君達と、彼が用意したアンケート用紙を見てみるが、下にしれっと(ぼくしらべ)と書かれていた。
物間君自身が取ったアンケートの結果なぞ、信用できるのだろうか?
「そして今日!A組VSB組!初めての合同戦闘訓練!」
「黙れ…」
「物間!?」
流石に彼がうるさいと思ったのか、相澤先生が捕縛布で物間君の首を絞めて黙らせる。
「今回!特別参加者が居ます!」
「しょうもない姿はあまり見せないでくれ。」
確かに、物間君は特別な参加者とやらに見せるには不適切かも知れないね。
「特別参加者?」
「おもしれえ!」
「女の子?」
「「一緒に頑張ろうぜ!」」
その、特別参加者という言葉に八百万君、爆豪君、上鳴君、切島君、鉄哲君がそれぞれ反応を示す。
「今回の特別ゲスト、ヒーロー科編入を希望している…」
「わあ!」
「ああっ…!」
「普通科C組心操人使君だ。」
その特別参加者と言うのは、体育祭で尾白君を洗脳し、我が魔王と決勝トーナメントで戦った心操君であった。
体育祭での成績次第で普通科からヒーロー科への編入があると聞いていたが、体育祭で決勝トーナメントまで進出した彼もその対象となったようだ。
「ヒーロー科に編入を希望…!」
一度戦った心操君の登場に、我が魔王も目を輝かせているが、その横で尾白君は震えている。
「あれ、相澤先生の捕縛布?」
「マスク自前かな?」
「よろしくな!」
B組生徒達も彼のコスチュームに興味津々で声をかける。
「心操、一言挨拶を…」
「心操人使です。何名かは既に体育祭で接したけど、拳を交えたら友達とか…そんなスポーツマンシップ掲げれるような気持の良い人間じゃありません。俺はもう何十歩も出遅れてる…悪いけど必死です。俺は立派なヒーローになって、俺の個性を人のために使いたい。この場の皆が超えるべき壁です。馴れ合うつもりはありません…よろしくお願いします。」
心操君の挨拶に皆から拍手が送られる。
皆よりも遅れているからこそ、"ヴィラン向き"と言われてもおかしくない個性だからこそ、相当な覚悟を感じる。彼の覚悟もしっかりと受け止めて今日の訓練に臨むとしよう。
「お~ギラついてる。」
「引き締まるな。」
「初期ロキ君を見てるみたいだ。」
「そうか…?」
「良いね。彼…」
確かに瀬呂君の言う通り、昔の轟君もかなりぎらついていたな。
ただ、物間君、早々に目を付けるのはやめたまえ。
さて、本日の訓練内容は我々A組とB組の対抗戦だ。
各クラスを4人のいくつかのグループに分けて、4VS4の戦いを行うこととなった。それぞれがヒーロー側の立場となり、相手をヴィラン側として先に相手4人を確保した方の勝利というルールである。
因みに、心操君がどのように参加するかと言うと…
「心操は今回2回参加させる。A組チーム、B組チームにそれぞれ1回ずつ。つまり、5試合中2試合は5VS4の訓練となる!」
という特殊な参加方法となる。
一見、彼が参加することで人数が多くなるチームの方が有利に見えるが、"先に4人を確保した方の勝利"というルールなので、他者よりも経験が浅く捕まるリスクの高い心操君をチームに入れる方が不利と見れるかもしれない。ただ、彼も相当な覚悟を持ってきている。そうそう簡単には捕まらないだろうね。
「しかしながら、我々A組は21人だ。心操君に関係なく、どこかで5人チームがもう一つできるのではないだろうか?」
さて、ここで1つ問題がある。
B組は20人という人数なのに対し、我々A組は21人いる。キレイに4で割り切ることができない。
それなら、B組側を心操君を入れて21人にして、4VS4を4回、5VS5を一回の勝負にすれば良いものの、何故A組が20人でやるB組と同じ分け方なのだろうか。
「そのことだが、A組は緑谷を抜いた20人でチームを割り振ってもらう。」
「え!?僕が…!」
これはまさかだったね。まさか我が魔王が省かれるとは…
「それで、我が魔王はどうなる…?」
「ああ、緑谷は最後にB組20人全員とエキシビションをしてもらう。」
「僕とB組全員!?」
ほう、我が魔王とB組全員と言うカードを組んできた訳か…
確かに、グランドジオウのあの力、ヒーロー科生徒4人で抑えろという方が酷だ。
ここは1VS20にすることでグランドジオウが為せる数的優位を潰しに来たというわけか。
「舐められたものだね!たった1人で僕ら20人を全員相手するのかい!?」
「舐めているのは君達の方だね。物間君。我が魔王の力は一騎当千。果たして、20人でそう簡単に抑えれることができるかな?」
それでも、20人が相手でもそう簡単に我が魔王を倒すことはできないだろう。
「できるか?緑谷…」
「はい!B組の皆の個性とかも見れる機会、全力で頑張ります!」
我が魔王も相澤先生の言葉に応え、サムズアップして見せる。
グランドジオウの力を活かせる。いや、それ以上にこの戦いでは我が魔王の伸び続ける力がどこまでいけるか試すことができるだろうね。
「じゃあ、」
「クジな。」
と言うことで、くじ引きの結果対戦カードはこのようになった。
第一試合
A組:蛙吹・口田・上鳴・切島・心操 VS B組:塩崎・宍田・鱗・円場
第二試合
A組:青山・八百万・葉隠・常闇 VS B組:小森・拳藤・黒色・吹出。
第三試合
A組:飯田・障子・轟・尾白 VS B組:角取・骨抜・回原・鉄哲。
第四試合
A組:爆豪・耳郎・瀬呂・砂藤 VS B組:鎌切・取陰・泡瀬・凡戸。
第五試合
A組:ウォズ・麗日・芦戸・峰田 VS B組:物間・小大・庄田・柳・心操。
エキシビションマッチ
緑谷出久VSB組20名
「麗日君、芦戸君、峰田君よろしくね。しかしながら、相手には物間君と心操君か。」
「うん、よろしくね。心操君とも対戦できるのワクワクだね!」
「力を付けた心操君!どう来るのか楽しみだ!」
「どこから出した…?」
体育祭から進化した心操君の実力に、我々は期待しており、我が魔王はノートを取り出してメモしようとしている。
そのノートをどこから持ってきたかは分からないが、A組、B組全員の現状の姿をたっぷり見てノートにメモできる故、今日の授業は我が魔王にとってご褒美となるかもしれないね。
さて、私も我が魔王にさらに見てもらえるよう、頑張るとしよう…!
今更ながら、ヒロアカユアネクスト見てきました~
良い映画でしたね。
ジュリオはお気に入りですわ。