陰の実力者を諦めて!   作:リーパ―

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閑話 新拠点「古都アレクサンドリア」

 きっかけは、シャドウガーデンで保護された元悪魔憑きが百人の大台を超えたことだ。それまで拠点にしていた廃村は、増え続ける構成員に対して手狭になった。訓練場、居住地、その他構成員の増加とともに求められる施設規模が村の限界に到達したのだ。

 

 僕がイータに伝えた前世の(朧げな)建築技術をもとに、十階ぐらいなら高層建築を建てる技術をすでに確立していたが、廃村の周りは稀に人も出入りする普通の森である。そんなものを立てたら人目につくので、新たな拠点への移動は不可避だった。

 

 以前から規模拡大と秘匿性の観点から新しい拠点への移転は計画されていたので、候補地を調査していたゼータの帰還と同時に候補地を決定することにした。会議内容から普段はアルファ達の決定が報告されるだけの僕も参加している。今までは姉さんがベッタリだったが姉さんが学園に行ったため、自由時間に全力ダッシュすればアルファ達の元に昼でも短時間だけなら来れるようになった。

 

 そしてゼータが帰還した夜、アルファ達と僕はゼータから拠点候補地に関する最終報告を聞く。

 

「報告だけど、時間をかけさせてもらった分、よさげな場所、見つかったから」

 

「いいお家……どこ……!」

 

 ゼータの言葉に、イータが反応する。

 

「候補地は、……『古都アレクサンドリア』」

 

「古の都……? 聞いたことがありませんわね」

 

「私も知らないわ。ベータは何か知ってるかしら?」

 

「ええと……一応知っています。聖地リンドブルムのさらに東ーー『深淵の森』を抜けた先に存在するという、古代の伝説に語られている都です。ですが、あくまで伝説、言い伝えにとどまる話で、その実在は確認されていない場所です」

 

うちの頭脳フォートップの内、ガンマ・アルファの二人ですら知らなかったが、ベータが知っていたおかげで僕に御鉢が回ってくることはなかった。こういう話に最後のイータは役に立たないからね。それにしても伝説の都か。忘れ去られ、伝説のみが語り継ぐ古城とその玉座に深く身を委ねる陰の実力者。うん、実に絵になる光景だ。深夜に月を見上げながら、ワインを飲めばなお素晴らしい。

 

「そもそも『深淵の森』自体が、侵入したら二度と出られないとされている、有毒の霧に満ちた危険な森なので……!」

 

「……だけど、誰にも邪魔されない場所としては、適切なはず。仮に古都がなくたって、拠点候補としては最有力だと思っている」

 

「邪魔されない場所であることが重要なのは、確かにその通りではありますが「僕はそこを第一候補としたい」主さま!」

 

 ガンマが懸念を伝えるのを、無作法ではあるが横槍をいれる。

 

「アルファとガンマが知らなかったということは、その地の知名度は相当に低いと考えるべきだ。仮にその地を知っていても、毒の霧という自然の脅威があんな場所に本拠があるわけがないと思わせる。情報漏洩さえ気をつければ、外部からの拠点発見は相当困難になるだろう」

 

 ペラペラ口が回るが、本音はその伝説の古都にあるだろう古城で、陰の実力者ロールをしてみたいだけだったりする。

 

「連日の激務でお前達も疲れているだろう。毒の霧があるのが無粋だが、気晴らしの森林散策程度の気持ちで調べるだけでもしてみてはどうだ」

 

 僕が意見するとみんなシャドウ様がおっしゃるならと賛同してくれたので、準備が出来次第、僕とイータ以外の七陰、イプシロンの最初の悪魔憑きの解除者である軍事顧問のラムダ以下精鋭達で『深淵の森』の調査が決定した。デルタはピクニックと勘違いしていたが。みんなは懸念事項として『深淵の森』の伝承のうち、『霧の龍』というドラゴンの伝説を気にしていた。さすが異世界、ドラゴンというテンプレまでいるなんて面白い。

 

 そして当日、運悪く姉さんが一時帰宅する日と重なったので僕は途中までしか参加できないという以外は万全の体制で『深淵の森』を訪れた。

 

アルファ以外の七陰五人はこの森に適応できていないモンスターからこの森の不自然さを考察していた。一方で、アルファはラムダと七陰の成長方針について話していた。

 

「高位の軍務に携わっていたであろう、あなたの目から見て……私以外の七陰の剣技の仕上がりを、どう感じた?」

 

ラムダは悪魔憑きになる前は剣の国と呼ばれるベガルタ帝国の上級士官だった。その経験を活かすため、構成員の訓練・部隊編成などを一手に担当している、シャドウガーデンの軍師的立場にいる。アルファはその元職業軍人の視点での評価を求めた。

 

「……そうですね。忌憚のない意見を述べさせて頂くならばーー個々の能力差を横に置いてなお、一部に隔たりを感じます。元々は、シャドウ様が七陰の皆様に、剣の手解きをされていたとうかがっておりますが……」

 

「……シャドウは、私に対して共通の同じ形状の剣で、彼と同じ剣技の訓練をさせていたわ。でも、私以外の七陰、特にガンマとデルタに剣を教えようとして諦めた頃から……剣の稽古とは別に七陰それぞれの個性も伸ばす方針に変更して、彼は積極的に剣を教えると言うことをしなくなったの。そういう経緯もあって、私たち七陰は、それぞれ好みの得物を使うようになったのだけど……」

 

「そうですか……その影響かどうかはわかりませんが、特にイプシロン様の剣において、懸念すべき要素があります。恐らく、当人の創造性によるものなのでしょうが……他の七陰の方々が学んだ、シャドウ様の剣技とは異なり、魔力制御の重視に偏った、やや我流寄りのスタイルでーー太刀筋や斬撃の痕を、心得のある者が見れば、一目でイプシロン様の剣技だとわかるほどには、個性的です。また、ガンマ様とデルタ様についても、力任せでシンプルにすぎる剣技に仕上がっておりますので、何らかの形で再訓練を行う必要性あり……と考えています」

 

 あのラムダ、必要とあれば上司の再訓練も辞さないとは軍人の鑑だな。ただガンマの運動音痴とデルタの脳筋には、僕でさえ心を折られ、僕の剣技と信念を教えるという意思を諦めさせられた。ラムダの彼女達の再訓練も失敗に終わるだろうなと諦観している。

 

「シャドウですら不可能だと諦めたとしても、私たちがシャドウガーデンとして行動する以上、七陰がシャドウの剣技を習得することは、絶対条件よ。ラムダ、あなたの手をこれからも煩わせることになるけどーー」

 

「それについては、お気遣いなく。そのために、私は今、こうしてここにいるのですから。すべてはシャドウ様と、シャドウガーデンのために」

 

 僕はガンマとデルタに妥協したせいでベータ達にも自主性を尊重したのだが、結果的に強くなればいいかと問題視してなかったのに対して、アルファはそれを問題視していたわけか。みんなの個性を見る意味でも、僕も僕なりにみんなを再訓練しようかなと考えていると、イプシロンが何か違和感を感じたらしい。

 

「……何か、妙な違和感を感じる」

 

「イプシロン……?」

 

「……私にも、かすかに感じられているわ。何か、こう……空間が捻じ曲げられているような感覚。シャドウ、あなたは何か感じるかしら?」

 

「うん、何らかの魔術で方向感覚が狂っているような気がするね」

 

「誰かが、我々の進む邪魔をしている、ということ!?」

 

おっ、ガンマくん、その反応実にいいよ。今度機会があったら、モブの見本として真似させてもらおう。

 

「……つまり、この『深淵の森』の核心へと、私たちが近づいているーーということでもあるのかな」

 

「ゼータの言う通りね。私たちは正しく道を進んでいてーー妨害しようとする、何者かが存在している……ということ」

 

「……こっちの方から、強いやつの匂いがするのです」

 

「ワンちゃん、隊列を崩さないーー」

 

「メス猫、お前にはわからないですか?」

 

デルタにそう言われて、ゼータも渋々意識を集中させる。僕も、同じように意識を集中させて驚く。すごく強い魔力がこの先にいる。

 

「アルファ様!」

 

「あなたやシャドウがそこまで焦り驚くとなると、極めて危険な存在、ということかしら?」

 

アルファの問いかけに、無言でゼータが頷く。僕もこの先にいるのは今の七陰や精鋭では苦戦する強者だと判断する。そうアルファに言おうとすると、デルタが突っ走ってしまった。

 

「だったら、このまま進んで。その強い奴を倒してやればいいのです!」

 

「バカ犬! うかつに先行するなーー」

 

ゼータもデルタを連れ戻すために、俺たちから離れてしまった。

 

「二人とも! 今すぐ戻ってーー」

 

「いえ、ここはあえて先行してもらいましょう。私たちの、意図的に狂わされている方向感覚を信じるよりも、二人の野生の勘に先導してもらう方が、より確実でしょうから」

 

 アルファのいうことも一理あるな。このまま迷うぐらいなら死中に生を拾うというのも悪くない。

 

「ですが、その先に、どんな存在が待ち構えているのか……!」

 

「ガーデンの新天地を探す私たちに、後退の二文字はないわ。けれどもーーラムダはガーデンの構成員を連れて、今すぐ引き返しなさい。私たちが三日以内に戻らなかった場合は、イータに報告して」

 

「アルファ様……!」

 

「今回の相手は想像以上に強力な存在。私たち以外では、太刀打ちすらおぼつかないでしょうから。それにこちらにはシャドウがいる。彼と私たちでどうにもならなければ、精鋭でも返り討ちに会うだけでしょうから」

 

「……了解いたしました。直ちに撤退いたします」

 

「気をつけて。イータにもよろしく。私たちは……デルタとゼータの後を追う!」

 

「皆様……ご武運を!」

 

ラムダの声援を背に僕たちがデルタとゼータを追いかけると、彼女達は木の影に隠れて何かを観察していた。

 

「こいつは……でっかいぞ!」

 

「実在……していたというの……!?」

 

なぜか驚愕する二人に、僕たちが合流する。

 

「デルタ! ゼータ! ……ッ!?」

 

アルファが二人に呼びかけた直後に動きが止まる。そんな僕たちの目の前には一匹のドラゴンがいた。基本は蛇のように細長い体型だが後ろ脚はなく、腕だけが生え、背中には二対四翼のコウモリのような翼が生えている。頭は流線型のトカゲのようで、髭が左右に二本づつ生えている。全体的な色調は白だが、飛膜と腕の一部は蒼みがかった水色である。

 

よし、テンプレきたー。成り行き次第だが、どうせ古都に辿り着くには、こいつを倒すか認められなきゃしないといけないんだろうな。ゲームだとそういうの、お約束だし。うん、みんな驚いてる、もちろん僕も驚いている。

 

「……わしの眠りを覚ます者は誰かーー」

 

「うわっ……!?」

 

「な、なんて魔力のプレッシャー……!」

 

「『霧の龍』……!」

 

「そのようにわしを呼ぶ者も、かつて存在していたーーだが、すべては、時の流れと、霧の中に滅びた……!」

 

「それは『古都アレクサンドリア』も?」

 

「ベータ!?」

 

「…………。風前の灯たる、自らの命の行く末よりも、歴史の陰でひさがれ続けてきた、都の真実を知りたいというのか? たとえ知ろうとも、貴様らはここで息絶え、伝えるべき者なき物語になろうというのに……」

 

「ええ、とっても知りたいですッ! 得られた情報は決して多くはありませんでしたが……この状況含めて、考察可能なレベルには足りてますから!」

 

「答え合わせをしたい、とでも? ……ははっ、この期に及んで、面白い奴! よかろう……わしが語り部となっている間に、、どうわしを出し抜くか、策を練ってみることじゃな……!」

 

そこから『霧の龍』とベータのやり取りを簡略化すると、『霧の龍』はアレクサンドリアの王と盟約を交わして毒の霧で古都アレキサンドリアの繁栄を守っていた。だが時の流れとともに、アレキサンドリアの民は勿論、王の子孫からも『霧の龍』と交わした盟約と竜の存在は忘れられて、アレキサンドリアは毒の霧の守りの安寧を享受し続け腐敗するようになった。気高い精神を失い、愚民化した古都の住民を『霧の龍』は見限り、毒の霧を古都アレキサンドリアに流して滅ぼしたという。

 

「与えたり、奪ったり、自分勝手なやつ……」

 

「与えるか、奪うか……その通りだ、獣人よ! 究極のところは、その二つだけが、この世界を動かす! そして……この森に深く踏み込んだ貴様らもまた、与えられることはなくーー奪われる側となろう!」

 

「シャドウ様! 何か策はーー」

 

イプシロンか。ふむ、策ね、策。…………うん、無い。こいつベータと喋っている間も、隙がなかったし、力づくで返り討ちにするしか無いだろう。

 

「こいつは格上、それも人間相手とは比べ物にならない。よってお前たちは霧を避けつつ龍の牽制に徹しろ。この龍は、俺が倒す」

 

「人間よ、何者じゃ!」

 

「我が名はシャドウ。影に潜み、陰を狩る者。シャドウガーデンの盟主。この暗き森で無意な時を過ごす哀れな龍よ、我が剣で断つ」

 

ドラゴンに見栄を切って名乗る異世界ムーブ……これはこれで楽しい。そんな話をしている間にも僕は龍に切り掛かる。これまでのモンスターに比べると強いが、戦うことはできる。できるが……。

 

「どういうこと、シャドウの剣が効いてない?」

 

「鱗の隙間を突いての攻撃さえ、ダメージになっていない。今の所、主も龍の攻撃を喰らってないけど」

 

「このままだと、当たってもダメージが通らない分、シャドウ様が不利です」

 

攻撃は躱されたわけではない、手応えはあった。なのにダメージがない、感覚からしてアンデッドというわけでもなさそうだ。龍の奇妙な耐性を破るため、今の体で耐えられる魔力を限界まで使う。

 

龍の口元に多くの魔力が集まっている。ゲームとかでお馴染みのドラゴンブレスだろうか?

 

直撃しても防げるだろうけど、陰の実力者的には……ブレスを食らったふりをして回り込む。

 

「自らの力に飽き、悠久の生にも飽き、時の流れを惰眠のように貪る古き龍よ……貴様は何を望んでいる?」

 

「お前は……ただの人間ではない?」

 

「人間だ……だが、貴様の想像を遥かに超える人間だがな。受けるがいい、これこそ未だ未熟なるこの身で放つ『最強』の一端、『フォトン・レイ』」

 

膨大な魔力を螺旋を描くように収束させる。その魔力を突きとともに解き放つ。前世の僕が核を越えるため考えた、自分自身が核に匹敵する力を放つ『アイ・アム・アトミック』。今はまだ体も魔力も未熟なため核を越えることはない、下位置換。それが『フォトン・レイ』である。

 

「お前たち、覚えておくといい。ただ強いだけではだめだ、その力を制御する技を伴わなければ。敵を冷静に見極める智があっても、それを支える勇気がなければダメだ。力、技、智、勇、それらを培ったものこそが英雄であり、培ったそれを弱者に示す。それこそが強者の、英雄の作法だ」

 

それを直撃した龍は傷口から大量の血が流れ出る。なのにそれを苦にもせず龍は存在する。

 

「……ク、ク、ク……! お前ならば……わしを殺せるというのか!? この恐れ……嬉しいぞ……! かつて、古の盟約は打ち棄てられたーーだが、世界がまた連れてきてくれた! 龍という存在に……ありきたりな死は……許されない……そのように……世界に呪われている……! 故に……龍に対する真なる勝利は……命を奪える力を持つことで、初めて得られる……!」

 

つまり、残機があるとかアンデッドみたいに体をコマ微塵にすればいいとかではなく、一撃でその命を消滅させるほどの大火力が必要という認識でいいのだろうか。ゲームだと毎ターン体力が全回復する永続バフを持ってるため、一ターンでHPを消しとばすダメージを叩き出さなくては永遠にクリアできないということか。

 

「未だ我も未熟ということか。それにしても、難儀な生だな」

 

「その力に通じる者へ、いつか賜われる死を条件に従うこと……これこそが……我が古の盟約……!」

 

その言葉と同時に、龍の魔力を帯びた吐息が僕に吐きかけられる。お、これはもしかして。

 

「我が力、常に其方とともにあろう……! いつか、我が命を絶てる者よ……其方は何を望む……!?」

 

「我が求めるは今より遥かなる高み、世の全てを敵に回そうともそれらを打ち砕き、我が道を歩む力だ」

 

「は、は、はっ……シャドウ、か! 何もかもが、規格外の男じゃーー。エルフと獣人よ。そなたらは、シャドウに従う盟友なのだな。この森を抜けて、古都アレクサンドリアに何の用があるのだ?」

 

「……シャドウと、彼の率いる、シャドウガーデンにふさわしい、新天地を探している。シャドウと私たちには、やらなければならないことがある。そのために、身を潜め、力を蓄える場所を必要としているの」

 

「新天地、か……! お前たちが力を高めれば、そこのシャドウがさらに世界の真理に近づくきっかけとなる、かーー。ならば、古都アレクサアンドリアの地を、我が力と合わせ、シャドウと、シャドウガーデンのものとするがよい……!」

 

よし、フラグ回収。これで新しい拠点がゲットできる。

 

「これより、古都はそなたらの拠点となりーー我が霧は、そなたらを世界から隠すベールとなるであろう……!」

 

その言葉と同時に霧が晴れ、竜の姿が消えていく。そして目の前に広がるのはあちこちに崩れた建造物の名残、川と農地の跡、そして中央に森に囲まれ朽ちかけているがそれでも悠然と聳える古城。絶景だ。

 

「……ここが……! 『古都アレクサンドリア』……!」

 

「アルファ様……!」

 

「……ガンマ。すぐに戻って、イータとラムダに知らせて。本格的に、拠点移動を開始するわ!」

 

「アルファ、そろそろ刻限だ。あとのことは任せる」

 

「ええ、期待していて、シャドウ」

 

こうして僕たちシャドウガーデンは新しい拠点、『古都アレクサンドリア』を手に入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後日。

 

「マスター、拠点の防衛設備において何かアイデア、有る?」

 

『古都アレクサンドリア』の防衛設備か。シャドウガーデンの構成員は全員魔剣士だし、攻めてくるとしたら、やっぱり同じ魔剣士だよな。

 

「まずは地雷だな。魔剣士といえど、常時魔力を纏わせているわけではない。地面や罠で投擲される飛翔物を爆薬を仕込むことで、魔力を纏わぬ無防備な瞬間を狙う兵器があればいい。また、魔剣士としても呼吸は必須なので、密閉空間で大気を燃焼させることで煙や低酸素による窒息を狙うのも効果的だ。より多くの犠牲を出すために密閉空間を迷宮にするというのも面白い」

 

「おお、新たなる『陰の叡智』? さすがマスター」

 

アイデアを求めにきたイータに入れ知恵したため、アレクサンドリアの防衛施設がより悪辣になったのを僕は知らない。

 

 

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