すいませぇん、前回のタイトルちょっと誤字があったので修正します。
おかげさまでお気に入りが1400件を超えました。
本当にありがとうございます。
評価、感想、ここすきを定期的に確認してニヤニヤしながら継続していきます。
停電騒ぎから数日、杜王町は落ち着きを取り戻しすでに大半の住人が平和な日常を過ごしている。
甚爾さんの言葉を受け私は早速原作に……絡んでいなかった。
だって、音石明がつかまった後はしばらく日常回で、
特に岸辺露伴の登場回は康一さんが本にされた時点で私のことを一方的に知られているだろうし、彼自身のテンションが振り切れて能力の使用に歯止めが一切利いていない状態であるだろうから、出会った瞬間に本にされること間違いなしだ。
だから私は近寄らない。この前ふらふら歩いている康一さんの後を仗助さん達がつけているのが見えたけど、知らないったら、知らないっ!
夜間のパトロールは続けているが、石仮面の持ち主は依然として知れないまま。
もしも吸血鬼になっているのなら食事のために人を襲っているはずだが、杜王町内で変死事件だとか輸血パックが盗まれたとかいう話は今のところ聞いていない。
しかし、変化がないように見えて町の一部では大きな変化が出ていた。
杜王町の南にある田園地帯、ここ4、5日の間に段々と
十中八九、例のドブネズミの影響だろう。
2匹のドブネズミのスタンド使い。共通して砲台のようなスタンド像をもち射出した針に仕込まれた毒は、どんなものでもどろどろに溶かしてしまう代物だ。
『原作』では人間の民家の食料品や家畜を平らげ、住人までも殺しかけた恐ろしいキャラクター。
どちらも承太郎さんの薫陶を受けた仗助さんが討伐しているが、疑問が残る話だった。
ネズミの食事量は一日に多くても約体重の3/1ほど、つまり300グラムほどで足りてしまう。
承太郎さん達が狩りに出かけたのはネズミがスタンドに目覚めた10日ほど前、2匹分の食事量を考えても、6キログラム程度でしかない。
鶏が1羽いたとして、それだけで約1キロの肉が食えるのだ。
そんな怪力があったのなら、射撃地点を一発撃つたびに何メートルも変えることもできただろう。
だからきっと…彼らは――
「「矢文ちゃんおはよー!」」
思考の海に潜っていた私をクラスメイトの女の子達の声が引き上げた。
「お、おはよう」
「今日はいよいよ体育測定だね!」
「伊藤のヤツ、先生に頼んで矢文ちゃんと同じタイミングで測定してもらうらしいよ?」
「どうせアットーテキに敗北する癖にねー」
そこまで言わなくてもいいんじゃあないかな……。
彼、妙にスルドイところがあって、私が波紋で強化していないとすぐ気づいて文句を言ってくるから手を抜けないんだもの。大差がついてしまうのはもうどうしようもないよ。
「おうおうおうっ! そんなことが言えるのは今のうちだぞこら!」
「そうだそうだ! 今日の秀一は一味も二味もちがうぞ!」
苦笑いでケラケラと笑い合う彼女たちと廊下を歩いてると、後ろから威勢のいい声。
見ればいつもの秀一くんの取り巻きの二人と、その一歩後ろに立つ秀一くん。
「……」
アレは、本当に秀一くん?
黄色の学生帽から覗く眼光は鋭く、いつもならこのタイミングで出てくるだろう軽口を一切たたかずに静かにこちらを見つめている。
「見ろっ、この研ぎ澄まされた表情を!」
「これで負けたらもう中学高校といじられること間違いなしだぜ!」
あなた達ホントに彼の味方? 逆にプレッシャーかけてるんだけれど……。
そんな彼らの言葉にも反応をせず、こちらに近づいてきた。
不気味に思った周りの女子が私の後ろに隠れていく。
……すぅぅぅぅ
先頭に立たされた私の顔、5センチ手前まで顔を寄せ深く息を吸い込んだかと思ったら一言も発さずにスタスタと歩いて行ってしまった。
「なに~アイツ……?」
「ヤバくない?」
「……ちょっとカッコいいかも///」
「「それはないでしょ」」
眼前まで近づいた彼からわずかに感じ取った香り、どこかで嗅いだような気がする。
クラスメイトが戸惑うなか、私は再び深い思考の海に潜りはじめていた。
今日の秀一くんは明らかにおかしかった。
いつもの饒舌さは影形もなく、授業中に先生からの指名を受けても冷静に黒板まで歩いて行って答えを書き込みまっすぐ席に戻っていく。
普段なら正解だと確認できた時点でこちらに絡んでくるのだがそんなことは無く、どこか感情の薄い目でこちらを静かに見つめている。
呪霊かスタンドの影響を受けているのかと、目を凝らし、少なくなってきた目薬を注して確認をしたがそのような様子も見られない。
わからぬままに時間は過ぎて午後、体育測定の時間となった。
準備運動を終えて他の生徒が測定を終えるのを待つ。
昨年の授業で何度も波紋や呪力の強化で高い成績を残した影響で、ほかの生徒のやる気を削がないため、かつ運動神経の良い秀一くんとならべて最後に競わせることで、クラス全体のモチベーションアップに一役買うことになっているのだ。
「……」
「……」
隣に座る秀一くんにそっと視線を向ける。彼は校庭のトラックを懸命に走る皆を姿勢の良い体育座りでじっと見ている。
彼の異変に介入できるのはおそらく、授業の合間とはいえ二人きりに近い今この時だけ、私は思い切って話しかけてみることにした。
「秀一くん、ずいぶん雰囲気が違うけど何かあったの?」
「……」
「わ、私、今日の測定けっこう楽しみにしてたんだよ。 去年から君が挑んできてくれるから思いっきり正々堂々勝負できるいい機会だって!」
「……せいせい、どうどう?」
「そう! 同じ条件で持てる力を出し切ってする勝負!」
「……いいな、
今日はじめて聞いたその声は普段の喧しいアルトではなくどこか少女のようなソプラノボイスだった。
ぬらり、と彼が立ち上がる。と同時に体育教師が大声で私たちを呼びつけた。
「まずは50メートル走だ! 合図したらおもいっきり走れよお!」
直線のコースのスタートでお互いに構える、姿勢はお互いに子供らしいかけっこの構えなどではなく、クラウチングだ。
こおぉ、と波紋の呼吸を深くする。
すでにわかっていることで原因はさっぱり見当もつかないが、
「よぉーい」
腰を上げ、いつでも飛び出せる状態に移行する。そして、先生がアイズの旗を振り下ろした瞬間――
ぼごっ、めっぎょおん!
彼のふくらはぎが異音をたてて、膨らんだ。
「どんっ!」
「な、なにぃ~~!?」
改造車両がスタートからターボで爆走するような加速で秀一くんが走り出す。
コンマの差でスタートした私の横を同等かそれ以上の勢いと踏み込みで並走している。
私は今、波紋で肉体を強化している。それによって生まれる脚力は陸上部に所属する高校生のそれを軽く凌駕しているのにっ。
彼は私の横を追い抜こうとしているの!?
彼の背中が見え始めた。そこで先ほど感じた異音の正体を認識する。
膨らんだように見えていたそれはすっかり変形していた。あまりに素早い動きでスタート地点から見ている皆には認識できないだろうが、ちょうど
「ゴオオオル! 勝者は伊藤秀一!」
ゴール地点にいた担任教師が大きな声で先着した名前を叫び、それを聞いたクラスメイトが一斉に走ってくる。
「おしかった!」「くやしかったねえ!」などと慰めに来た女子たちに囲まれる直前、視線を彼の足に向けたが、幻を見ていたかのようにその形状はとっくに人間のものへと戻っていた。
第4部終了後のストーリーどこから見たいですか? 選ばれなかったのは閑話やら回想やらでたぶん細切れで書きます。
-
呪術、高専(玉折前)から
-
ジョジョ、第5部から
-
第4部と第5部の間のオリジナル
-
すっ飛ばして呪術原作1巻から