お待たせしました。
呪霊という存在はおおよそ7段階の等級に分けられている。
その一番低いものが4級、その等級にすら満たない雑魚を総じて蠅頭と呼んでいるわけだ。
呪術廻戦の原作において、わかりやすく各等級の強さの基準が紹介されていたが、それは
実際、原作0巻で登場した小学校の校舎を突き破って呪術師二人を飲み込んでみせた巨大呪霊の等級が
もう一度言おう。原作にて、
つまり、いくら等級が低く防御が脆い呪霊であっても、まともに受ければ即死クラスの攻撃を平気で繰り出してくるというワケ。
展開したシャボン玉は次々に蠅頭を撃墜し消滅させるが、4級の呪霊は一瞬怯んだだけでこちらへ次々に向かってくる。
私の呪力と波紋を込めたシャボン玉の威力は現状一般男性の蹴り並み。この数を相手にするにはいくら手数が多くとも相手の回復力が上回ってしまう程度のパワーしかない。
「リンダリンダっ! 着地まかせた!」
『了解!』
宙へ身を躍らせた直後、繰り出された多数の攻撃で壁が瓦礫に変わった。
壁に張り付いていた分の波紋を身体能力の向上に回し、落下方向で大口を開け待ち構えるカエルのような呪霊へアメリカンクラッカーを叩きつけて祓う。
衝撃で姿勢が崩れるが、生えてきた猫の尻尾でバランスをとりもどしてしばッ!っと地面へ降り立った。
今度は波紋でシャボンを鎖のように連結させたまま振り回して、呪霊が避けようとした瞬間に網のように形状を変化させることでまとめて一旦拘束し、思考に回す時間を稼ぐ。
私が一対一でようやく倒せる等級の群れに甚爾さんが投げ込んだのは、彼なりに私の『強くなりたい』という要望を叶えようとしてくれた結果だろう……。
『ただ雑魚の囮にちょうど良かったから連れてきたようにしか見えなかったけど?』
「だよね!?……まぁ、前向きに解釈してこの状況を有効に使おうってことでいこ?」
拘束を破りはじめた呪霊たちを、昆虫の甲殻と呪力で覆った腕の
波紋によって形状の応用がきくシャボンに呪力を込めることで隙を作るのは難しくないが、リンダリンダの能力のアシストがない状態ではやはり攻撃にパワーが足りないらしい。
波紋で肉体の出力を引き上げ、呪力でその許容範囲を増やす。
しかし、私の肉体は10歳の女児ッ! 記憶が目覚めた昨年から鍛え始めているし、先日おいしい料理で一息に成長したけれど、両方の強化を組み合わせてもスポーツの世界記録をギリギリ更新する程度に収まってしまう。
「
将来的にはどちらかの強化だけで、それこそ
リンダリンダの協力があれば今でも3級の呪霊まではきっと対抗できる。
でもそれで満足していたら、
私の攻撃手段はジョジョ第2部を参考とした呪力、波紋を利用した肉体強化によるクラッカーを用いた格闘戦と波紋を流すことで操作できるマフラーの中距離、シャボンによる中遠距離攻撃だ。
日課の呪霊狩りで最近ようやくクラッカーとマフラーには呪力が宿りだしたけれど単体では4級に通用するレベル。
先ほど呪霊を牽制、拘束してみせたシャボンは波紋によってかなり応用が利くが消耗品であるため強化には自前の呪力だけしか使えない。
そもそも、シャボンの塊を放つことでジョセフを空中へ吹き飛ばすシーンや、回転を加えることでカッターとなりワムウを切り裂くシーンがあったものの、第2部の波紋使いが使うアイテムは吸血鬼や柱の男に波紋を流し込むための手段であるため物理的火力はオマケに過ぎず等級の高い呪霊には力不足だ。
はじめて術式の検証をした時にも思ったことだけど、ジョジョ原作のアイテムを構築できる私の術式で機関銃だとかダイナマイトだとかを作り出せば簡単に火力を補えるけど構築術式の特性的に、作った後の処分に困るんだよね。
『作ったものが勝手に消えればいいのにね』
「まあ、そうだね……それだよ!? リンダリンダありがとう!!」
『?』
「ぎゅららららりりりれれろ!!」
校舎に入るとすぐに、教室の壁をぶち抜いてタタリガミとニガ団子を喰わされた直後のカオナシのキメラのような呪霊が追いかけてきた。
一歩の踏み込みで床がはがれ時には貫通して穴あきのチーズのようになっていく廊下は追いつかれた時の私の無残な死に方を容易に想像させられる。
3級以上の呪霊であることは明らかで新技を試すにはちょっと危険すぎる気がするんだけど!?
着々と背後に迫る死の気配に、走り方を逃走時のジョセフにすることでシャボン液を構築して距離を稼いで振り向く。
構えるのは変わらずシャボンを撃ちだす銃のオモチャ。
けれどそれは大量のシャボン玉でコーティングされ、巨大な砲身を形作っていた。
術式に呪力を流し込み、砲弾を構築する。
ズガッガガガガガン!!
射出された
呪霊はなお進もうと強引に身をよじったがすぐに呪力へと還り、からりと呪霊に突き刺さっていた砲弾が落ちる。
高熱にさらされ湯気をたてる砲弾は、ツララだった。
コイルガンを知っているだろうか。
弾丸をコイルの磁力で引き寄せる工程を複数繰り返して弾速を上げ撃ちだす銃だ。
それを波紋の
砲身かつコイルとしたシャボンを細かく作ることで加速の工程を大量に増やし、銃弾を上回る速度と、術式による構築で通常兵器に劣らない連射性を実現させたのだ。
当然シャボンと砲弾となるツララで摩擦熱が発生しシャボンは蒸発するが、ある程度は呪力で抑えられるし、オモチャのトリガーを引けばすぐに
今後私の身体能力や呪力総量が育てばさらに威力の向上も期待できる。
なかなかいい技を考えたんじゃないだろうか、私。
「よーっし!! この調子で辺りの呪霊狩りつくしちゃおっかなー!」
比較的大型の呪霊が倒されたのを目撃したからか、はなれた場所で様子をうかがう4級呪霊へ向けて新技、名付けるならシャボンコイルを再び構えて撃ちだした。
ベシッ、ベシシシシシ……。
「……あり?」
『新技、飛距離ないみたいだね』
不思議そうな顔をする呪霊と私を見て、リンダリンダは呟いた。
そんなぁ。
第4部終了後のストーリーどこから見たいですか? 選ばれなかったのは閑話やら回想やらでたぶん細切れで書きます。
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呪術、高専(玉折前)から
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ジョジョ、第5部から
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第4部と第5部の間のオリジナル
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すっ飛ばして呪術原作1巻から