幼馴染の変人ベーシストの料理番になった件について。 作:かんかんさば
※今回のお話は本編の現時点よりかなり先の時間軸となっていますが、本編とは一切関係ありません。
9月18日。今日はリョウの誕生日だ。
「今年の誕生日は祝日……つまり日本中が私の誕生を祝っているのでは?」
「トゥイッターのフォロワーは祝ってるんじゃね?」
「4000人程度では足りない。楓、来年からは山田リョウの日として私の誕生日が祝日になる伏線だよ!」
「ならねぇよ」
今年は祝日ということもあってから例年に比べて傲慢さが段違いに出ている。現に祝日を増やそうとしているし。
今日は夕方から某高級焼肉店で両親と俺と虹夏とで誕生日会をやることになっている。リョウ曰く、それまでは家で18年分のホームビデオを見る予定だったらしく、それが嫌すぎて今年も朝から俺の家に避難しに来たらしい。虹夏の家でもよかったのでは?
「で、叙○苑までまだ大分時間あるけどどうすんの?」
「ふっふっふっ……18歳になりたての私は退屈を凌ぐためにこんなものを用意したのだよ」
ドヤ顔を浮かべながらリョウはポケットから見るからに怪しげなボタンを取り出した。具体的に例えるとするならば、押すと5億年間何も無い異空間に閉じ込められる代わりに100万円貰えそうな雰囲気だ。あとはネットの掲示板とかに出てくる押すと○○系のボタンみたいな感じでもある。
「なにこれ」
「押すと10年後に行ける代わりに10年後の自分が現代にタイムスリップするボタン。つまり一種のタイムマシンみたいなやつ」
「掲示板とかでよく見るタイプのやつだ」
「ではさっそく10年後へいっt「ちょっと待て」なに?」
「そんなシンプルなボタン1つで未来に行けるわけないだろ」
本来タイムマシンって部屋1個分ぐらいの大きな装置なはずだからこんなシンプルな作りになるとは思えない。まぁ本来のタイムマシンも実物は見たことがないのだが。
「最近のタイムマシンはコンパクトになってるんだよ」
「最近もなにもないだろ」
「とにかく物は試し。行ってくるね」
「ちょ、待っ」
俺の言葉を聞かずにリョウはボタンを押した。特に何も起こらない、そう思った瞬間。
「おお」
装置から煙が出始め一瞬で彼女を包み込んだ。そして白い閃光がパッと輝き、軽く爆発した。
目を開くと、煙越しにうっすらと誰かの姿が見える。
煙が晴れるとそこには───
「急に懐かしい場所に飛ばされたと思ったら今度は楓が若返ってる」
10年後から来たであろうリョウの姿があった。
色付きのサングラス、今のリョウらしさに大人っぽい雰囲気を合わせたロングスカートとブラウスのコーデにネックレス。そして少し伸びた髪、具体的にいえばセミロングぐらいだろうか。そんな出で立ちなので、未来から来たと言われても納得できる。
「急になんだって思うよね。私も同じだよ」
「そ、そうですよね……」
「ところで今何年の何月何日?」
「2023年の9月18日です……」
「なるほど。ということはちょうど10年タイムスリップしたのか。むむ、つまり君は今17歳の下村楓だね?」
「は、はい……」
いくらリョウとはいえ、今目の前にいるリョウは10年後から来たリョウ。つまり28歳のリョウだ。10個上の人にタメ口なんてきけるわけがない。
「うん、状況は理解できた」
「えっ、そんなすぐ理解できるんですか!?」
「10年前の私がそこのタイムマシンを起動させたんでしょう?」
一旦状況整理してもらうのとアイスブレイクを兼ねてソファーに座ってもらった。するとすぐに状況を理解したみたいだ。
「天才ベーシストだからこのくらい当然だよ」
「……」
28になってもその性格は変わらないんだ……
「あ、タメ口でいいよ。私がリョウであることには変わりないから」
「わ、わかった……」
銀ちゃん以外の人にタメ口をあまり使わないからなんか違和感がすごいな。
しばらく28歳のリョウと雑談を交わしてみた。結束バンドや俺、SIDEROSの活動はどうなってるのか聞こうと思ったが「ネタバレは面白くない」と言って答えてくれなかった。だが、10年後の未来でもみんな元気に過ごしているこということだけは教えてくれた。
それにしても大人のリョウ、その……スタイルというか、色々大きくなってる。そりゃそうか、10年経ってるんだし。
「どこ見てるか私にはお見通しだよ?」
「ご、ごめん……」
「ふふ、面白い」
不可抗力なんだから仕方ないでしょ。いつものアイツをそのまま大人にしてみた感じのきれいなお姉さんだぞ。その上距離感がいつものリョウと変わらないから頭がバグるんだよ。
「まぁ私の美貌は高校生にはちょっと刺激が強いのかもしれないね」
「傲慢だ……」
うぜぇ……綺麗すぎてなんか訳分かんなくなりそう……
頭の中で混乱しているとふと彼女の左手の薬指に指輪が付いているのが見えた。
「もしかしてその指輪って……」
「そう、私、
左手の薬指に付いている時点で察しはついていたが、10年後のリョウは誰かと結ばれていた。
そりゃそうだろう。こんだけの美人なんだから。となると相手が気になるな。ダメ元で聞いてみるか。
「誰と結婚したの?」
「
でしょうね。まぁ確かに知ったところで多分ショック受けるだろうし。
「でも、どうしても知りたいのであれば10年後に君がその目で確かめてみるんだ」
「その目で……」
どういう意味なのかがさっぱりわからない。その目で?つまり10年後の俺は結婚式には呼ばれてるってことか?とりあえずこれ以上は聞かないでおこう。
「おや、そろそろ戻る頃合だね。ならその前に君にひとつ、私と約束してほしいことがある」
「約束?」
「これからも毎日私にちゃんと美味しいご飯を食べさせてあげて。料理番ならできるでしょ?」
「ご飯……わ、わかった。その約束、絶対守ってみせるよ!」
もう一度、装置から煙が出始めてリョウを包みこむ。
「じゃあね、未来の───」
そう言い残して、未来へと戻って行った。去り際の一言の、最後の単語だけが聞き取れなかった。何を言っていたのかはわからない。彼女のみが知ることだろう。
「た、ただいま……」
もう一度煙が晴れるとそこにはいつもの、18歳のリョウがいた。さっきまで28歳の彼女を見ていたせいか、いろいろナーフされたなという自分で考えていても失礼な感想が出てきてしまった。
「再会してそうそう変なこと考えてる」
「わ、わるい……」
「まぁしょうがない。28歳の私はチェリーボーイの脳をこんがり焼くほどの美貌の持ち主だったってことにしておこう」
「それはそれでうざいなお前」
やっぱ変わんないなこの傲慢っぷりは。そういえば10年後の未来はどうなってたんだろう。
「そういえばそっちはどうだった?」
「風景はそんなに今と変わらない感じだった」
「へ〜。で、誰と会ったの?」
「楓」
「おお、俺か。どうだった?」
「う〜ん……今の楓の女遊びしてそうな雰囲気って感じじゃなくて音楽家っぽい感じのおに……おじさんだった」
「28じゃおじさんじゃねぇだろ。あとわざわざ言い直すな」
もしかして28の俺って結構老けてるのか?
「そういえば28のお前、
「言ってた。
「おお、俺もか!」
「楓がちゃんと結婚できるのが驚きだった」
「なんだよその言い方。それ言ったらお前もだからな?」
「私は美人だから当たり前」
「はぁ……にしても誰なんだろうな」
「ね。もしかしたらドバイの石油王かもしれない」
あれ、10年後の俺もってことはもしかして……
いや、たまたま同時期に素敵な人が見つかったってことだよな。安心安心。
「あ、そうだまだまだ時間あるしコンビニにアイスとジュース買いに行かね?」
「そうしよう。あ、アイスはハーゲンダッツ3つで全部楓の奢りね」
「はいはい」
約束を果たすために、まずは今目の前にいるヒモ美少女に美味いものを食べさせないとな。
来る10年後の未来に思いを馳せ、これからも頑張っていこう。俺はそう決心した。
R-15タグや最近のお話のセリフから皆様お気づきかもしれませんが、このシリーズではちょくちょく下ネタ(っぽい単語)や少しえっちな言い回しがあります。私がそれらを使うのは単純にロックに多少の性的要素は付き物だと考えているからです。最近某脚本家のノイズ発言で騒がれていますが、この作品はあくまで二次創作なのでこれからもこのスタンスを貫いていく所存です。なので今後とも応援よろしくお願いします
改めてリョウ先輩、誕生日おめでとう!!!
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【第2回】好きなキャラは?
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山田リョウ
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伊地知虹夏
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後藤ひとり
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喜多郁代
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下村楓
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伊地知星歌
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PAさん
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廣井きくり
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岩下志麻
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清水イライザ
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大槻ヨヨコ
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長谷川あくび
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本城楓子
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内田幽々
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ぽいずん♡やみ
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後藤ふたり
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暗殺前の山田リョウ
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初期案後藤ひとり
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郁代(ぱぺちゃ)
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伊地知ニジカ