幼馴染の変人ベーシストの料理番になった件について。 作:かんかんさば
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虹夏にキスされてから一夜が明けた。
正直、今でも戸惑いは隠せない。普段のイメージからではとても想像がつかない妖艶な顔をして頬に口付けしてきたのだ。思い出しただけでも顔が赤くなっていく感じがするが、そう簡単に人に話す訳には行かないので、なんとか深呼吸して平静を装ってバイトに向かうことにした。
「おはようございま〜す……って、何があった!?」
スターリーに入るとひとりがゴミ箱にこもり、喜多ちゃんたちに励まされながら大泣きしていた。
「ひとりちゃん元気だして!過ぎたことをいつまでも悔やんでもしょうがないよ」
「そうだよぼっちちゃん、また頑張ろ?」
「また働いてためろ」
「ちょっとこれどうしたの?野良猫かなんかにいじめられた?」
「いや、そうじゃなくて……なんかよくわからないんですけど20万消えたとかずっと呟いてて」
「は!?」
20万!?うせやろ!?まさかアレじゃないよな?
まさかと思い、俺は虹夏と確認する。
「なぁ虹夏、まさかとは思うけどあれだよな?」
「うん、多分アレだと思う……」
恐らく俺と虹夏の予想は一致しているだろう。あとは本人に確認してみよう。
「ひとり……その……20万も何に使ったの?」
「ううっ、マイニューギアしたくて全部使った……」
「えぇ……馬鹿すぎる……」
でしょうね☆
昨日のひとり、まあまあヤバかったから心配してたけどやっぱりそうなってたか。うーん、アホだなぁ。
「ちなみにエフェクターどんぐらい買ったの?」
「ざっと15個ぐらい……」
そんなに要らないだろ。何に使うんだよ。待てよ、ちょうど俺もエフェクターが欲しいって思ってたしこの際、ひとりから何個か買い取るか。
「じゃあさひとり、何個か俺に買い取らせてくれないか?」
「え……」
「俺もそろそろエフェクター買おうかなって思ってたから」
「いいの……?」
するとひとりはスマホを開いて買ったエフェクターの写真を俺に見せてきた。どれもよさそうな物ばかりで少し嬉しくなってしまう。
「とりあえずお代は後で渡すから」
「あ、ありがとう、今度シフト一緒の時に持ってく!」
これでwin-winでしょう。
「そういえばギターヒーローのアカウントのフォロワー1000人行ってるじゃん!」
「あっ、ファンの皆さんが気づいてくれて」
「へー、ならよかったね……」
「てか始めからそうすればよかっただろ……」
ギターヒーローのアカウントのページをスマホで開くと、確かに大量のいいねがついた投稿がチラホラ見られた。
しかもかなりリプが付いてるな。どれどれ──
『えっ!そんなにエフェクターあってどうするんですか!?』
『写真ばっかあげてるけど練習しないの?』
『演奏動画あげてください!』
ファンの皆様、ごもっともな発言ありがとうございます。
「うっ……」
「どっ、どんまい……」
「まぁ、どんまい」
「ちょっと!大変なことになってます!!」
喜多ちゃんがなにか衝撃的なニュースを掴んだのだろうか、こちらに駆け寄ってきてスマホを見せてきた。
「ん?『【悲報】女子高生さん、文化祭ライブで衝撃の展開にwwwwww』……うわ、これひとりじゃねぇかよ!?」
喜多ちゃんが見せてきたのはネット掲示板の記事。嘘でしょ、あいつまさかの掲示板デビューかよ。
『一人しか受け止めてくれなかったの不憫で草』
『突然ダイブされたら無理だろうよ。受け止めニキも失敗したとはいえよーやっとる』
『かなり痛そうな音してぶつかったのに受け止めニキ少しフラついただけなのほんま怖い』
おいちょっと待て俺まで拡散されてんじゃねぇかよ。なんだよ、受け止めニキって。
「見て、トゥイッターにも拡散されてる」
そう言って今度はリョウがスマホを見せてきた。
『さすがに不憫すぎるwwwww』
その文章とともに掲示板のものと同じ動画が乗せられたトゥイートはリトゥイートが1000件、いいねは3000件近く着いていた。
「てかお前もサラッとリトゥイートといいねしてるじゃん」
「面白かったからつい」
そういえば、この前SICK HACKに関することを調べてた時に出てきた「受け止めニキ」ってこっから来てたのか。なんだか納得したな。
「まっ、まぁこんな話題すぐ忘れ去られるよ!大丈夫、落ち込まないで!」
「……」
「どっ、どうしたの?」
「い、いいね数負けた……」
「これもひとりちゃんだよ!?」
「20万がダイブに負けた20万がダイブに負けた20万がダイブに負けた20万がダイブに負けた」
登録者数8万近くいるからいいだろ。まぁ20万溶かすのはどうかと思ったけど。
「最初のギターの写真だけで踏みとどまってれば……引き際を見誤った……」
なんか将来が心配だなぁ……。
「ひとり、まぁ今回はいい勉強になったんじゃないのか?20万は勉強代ってことで……」
「うぅ……」
「ぼっち、マイニューギアは計画的にやらないと意味ないよ」
「リョウさん……!」
「お前が言うなよ」
高い楽器や機材すぐ買っては転売してるのはお見通しだからな?
「むむ、まさか楓、私のマイニューギアトゥイート見てるね」
「まぁな。お前の金欠山菜ご飯トゥイートももちろん見たぞ」
「いやん、えっち」
「は?」
「乙女のトゥイートを見るということは下着姿を見るのと同じだから」
「なわけねぇだろ」
どこもえっちじゃないだろ。いや、勝手に見てるこっちが言えた話じゃないか。
「まぁでも私も楓のマイニューギアのトゥイートいいねとリトゥイートしてるから同罪」
「えぇ……」
だからあのトゥイートあんなにいいね付いてたのか。あとなんでバレたんだよ。
「お~い、お前らそろそろ開店だから準備しろ〜」
「は~い」
まぁ適当に調べたら特定出来たとかそういうのだろうし、いいか。
店長の一声でみんなそれぞれの定位置に着く。
俺とリョウは今日は受付担当だ。
「そうだ、スマホ貸して」
「え、ああ、いいけど、どうした?」
スマホを渡すと、リョウは何らかの操作を少しして返してきた。画面を見るとトゥイッターのアプリが開かれていて、リョウのアカウントがフォローされている状態になっていた。そして程なくして『世界のYAMADAさんにフォローされました』と通知が来た。
「お互いのアカウント、リアルで幼馴染やっててさすがにフォローしないのはアレでしょ?」
「まぁ、そうだな……そうなのか?」
「この国民的美少女トゥイッタラーの私が言うのだから間違いない」
ほんとかなぁ。なにか足りないんだよな、借金クズとか変人とか寄生虫系美少女とかさ。
リョウの二つ名に足りない要素を考えているとお客さんがやってきた
「あ、こんにちは~!今日はどのバンドを見にこられましたか?」
「緑黄色野菜です!」
「緑黄色野菜ですね!ドリンクワンオーダー制となっておりますがよろしいでしょうか?」
「はい!」
後ろに置いてあるカゴからチケットを取るために振り返るとそこには───
「ふふっ、やった……」
とても可愛らしい笑みを浮かべながらスマホを眺めるリョウの姿があった。
「か、かわいい……」
そして、思いがけず口にしてしまった。
「えっ、かっ、かわ……」
「どうかしたか?」
「な、なんでもない……あ、今かわいいって言ったよね。それじゃあかわいい代として3000円頂こう」
「あげないわ!あと仕事しろ!そこのチケットが入ってる箱取って!」
少し訂正しよう、クズでウザかわいいな、こいつ。
次回、「下村家秋の味覚祭り」
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【第2回】好きなキャラは?
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山田リョウ
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伊地知虹夏
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後藤ひとり
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喜多郁代
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下村楓
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伊地知星歌
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PAさん
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廣井きくり
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岩下志麻
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清水イライザ
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大槻ヨヨコ
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長谷川あくび
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本城楓子
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内田幽々
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ぽいずん♡やみ
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後藤ふたり
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暗殺前の山田リョウ
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初期案後藤ひとり
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郁代(ぱぺちゃ)
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伊地知ニジカ