ハイスクールD×D ~審判を超えし者~【凍結】   作:メラニン

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さて、連続投稿です。
いよいよ第一章の最終話です!

アーシアはどうなるのか!?
そして、一誠の神滅具は!?

などなど、盛り沢山な内容です!

では、どうぞ!



第6話 少女、救います!

――  一誠side

 

パァン!

 

「これで、目は覚めたかしら? 部室に入ってくるなり、『はぐれ』にして下さい、ですって…

二度とそんな、アホなこと言わないでっ!」

 

事の詳細を話した上で、アーシアの救出を部長に提案した。だが、帰ってきた答えはNOだった。

…… 当たり前だ。真っ向から堕天使に喧嘩を売りに行くようなもんだからな。それでも、俺は食い下がった。その結果部長に平手打ちを食らったというわけだ。だけど、それでも俺は――

 

 

「なら、俺一人でも行かせて下さい。奴らが言っている、計画っていうのが気になります。それに、神器が関わっているなら尚更です。これでも、神器には詳しいつもりです。

奴らが言っている計画っていうのは恐らく、アーシア・アルジェントの身に危険が及ぶもののはずです。俺はたとえ、敵であっても友達を見捨てられる程割り切れません!」

 

「何度言ったら分かるの!?あなたが思っている程、悪魔と堕天使の関係は簡単じゃないの! 今だって戦争が起きて、敵同士で殺し合いを始めても不思議はない。

… あなたの心掛けは立派よ。けど、彼女は敵側に属していることに変わりはない!それに、あなたはグレモリー眷属の『兵士』よ。それを自覚しなさいっ!」

 

 

「奴らが部長の言う敵であるなら、それを消し飛ばすのがグレモリー眷属なんじゃなかったんですか?」

 

俺は部長と睨み合った。これだけは俺も譲れない!

あの子は誰がなんと言おうと、俺の友達だ!大切な存在を失うのを、絶対に許容出来ない!!

 

「… 部長。少し、お耳に入れたいことが。」

 

朱乃さんが部長に何か耳打ちした。それを聞くと部長の表情がやや厳しくなった。何かあったのか?

 

「悪いけど、話はここまでよ。」

 

「なっ!?部長、まだ話は終わってません!!」

 

 

「いいえ、終わりよイッセー。あなたに、『悪魔の駒』の内、『兵士』の駒の特性だけ話してなかったから話しておくわね。『兵士』の特性は、プロモーション。敵陣であれば、『王』以外の全ての駒の特性を発揮できる力よ。よく、憶えておきなさい。たとえ、階級の最も低い『兵士』であっても『王』を獲れるということを。」

 

 

 

そう言うと、部長は朱乃さんと部室を出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、お許しも出たし行くか。」

 

俺は伸びをしながら言った。すると、木場が中央のテーブルに置かれているチェス盤に『騎士』の駒を置いた。そこには既に『兵士』の駒が置かれている。

 

「やっぱり、気付いたんだね。僕も手伝うよ。僕だって君の友達だしね。それに、個人的に堕天使や悪魔祓いは嫌いなんだ。憎い程にね。」

 

隣に木場が来ると、小猫ちゃんも木場同様に『戦車』の駒を置いた。

 

「… 祐斗先輩にだけ、手伝わせるなんてしません。私もご一緒します、先輩。」

 

やれやれ、頼もしいな。

 

「まったく、俺には勿体無いくらいの友達と、後輩だよ…… じゃあ、行くか!」

 

「うん!」「… はい!」

 

二人が返事をする。

待ってろ、アーシア。すぐに、助けてやるからな!

 

 

 

――side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――リアスside

 

私、リアス・グレモリーは教会の近くの森に転移し、歩いていた。

少し後悔している。自分の下僕をあそこまで叱りつけたことに…

さすがに、嫌われたかしら?

 

「あらあら、うふふ♪ 部長、心配なさらなくても、イッセー君は嫌ったりしませんわよ。」

 

「……… 朱乃、勝手に人の心を読むのは辞めてちょうだい。」

 

「あらあら、表情に出ていたからつい。ごめんなさいね、リアス♪」

 

私の『女王』の姫島朱乃がからかってくる。最近、ずっとこの調子なのよね。何かいいことでもあったのかしら?

 

 

「ええ、それはもう、とてもいい事がありましたわ。まだ、確証は無いんですけど♪」

 

「… だから、心を読むのは辞めてちょうだい。―――ッ!?」

 

そこで、私たちは会話を中断した。私達とは異質な力を感じたから。

 

「あっら~? 何でこんな所に悪魔が二人も居るワケ?」

 

「本当ね。汚らわしい悪魔が一体何用かしら?」

 

木の上に黒い翼を生やした女が二人も現れた。

 

「私の下僕がこれから大事な戦いを挑むそうだから、余計な邪魔が入らないように露払いよ」

 

そう言って、戦闘態勢を取る。朱乃も同様ね。

 

 

 

さて、手早くこの堕天使を消し飛ばして、イッセーの力を直接見せてもらいましょう♪

 

 

 

――side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――  一誠 side

 

「はいイッセー君、あの教会の図面だよ。」

 

教会の付近まで来て、木場が図面を渡して来た。

 

「へ~、準備がいいな。」

 

「当たり前だよ。これから乗り込むのは、敵の本陣だからね。」

 

 

図面を見てみると、単純な創りの教会だと分かる。でも、こんな所で計画とやらを行うか?それだと、あまりにも杜撰すぎる。きっと………

 

『主様、あの教会の地下から複数の気配を感じます。』

 

サンキュー、テミス。

どうだ、神滅具は使えそうか?

 

『あと、10分程で調整完了だ、相棒。あの、アーシア・アルジェントを助けるぞ』

 

 

『あらドライグ、ようやくあの子を認めたんですか?』

 

『ち、違うぞ!?俺はただ、あの娘を救わなければ、相棒が悲しむと思って――』

 

はいはい、ありがとよ。

ただ、10分も待ってられない。速攻で突入だ!

 

 

「よし、単純な創りの教会だから、下手な策に出るより、正面突破が一番効果的だろう。」

 

「うん、僕も同意見かな。小猫ちゃんは?」

 

「……… 私は先輩について行きます。」

 

小猫ちゃんが少し頬を赤らめながら言ってくる。ニュアンスが何と無く違って聞こえるのは、気のせいということにしておこう。

 

 

 

 

 

 

バァンッ!

 

 

勢いよく小猫ちゃんが、扉を開いた。

って、やり過ぎやり過ぎ! だって、扉が凹んでんもの!

 

 

「アハハハハハ!や~っぱり来たねぃ、悪魔君♪ 昨日のパンチの借り返えさせてもらいまっしょい!

ついでに、お隣の悪魔の方々もぉ、あの世へご案内だぜぃ♪ アハハハハハ♪」

 

また、こいつか。悪いが、そんなに長くお前に構ってらんないんだよ!

 

 

「速攻で決める!」

 

「アハハハハハ、やってみろよぅ?悪魔のイッセーくん♪」

 

ビュン!

 

剣をフリードが振り下ろそうとしてきた。

 

「プロモーション、『戦車』!」

「な、『兵士』か!?」

「無影掌!」

 

回転しながら、後方に剣を避け、渾身の突きを放つ。

 

 

ゴッ!!

 

「ぐっはぁぁぁぁ!」

 

ガッシャァァァァン!

 

奴は後方のステンドグラスまで吹き飛んで、ガラスを突き破って外まで行った。

… 凄いな、『戦車』の力は。魔力を使わないでこれか。

 

 

「す、凄いねイッセー君は。一撃で、外まで吹き飛ばすなんて… 」

 

「いや、俺自身ビックリだ。まさか、『戦車』にプロモーションしただけでここまで攻撃力が跳ね上がるなんてな… 」

 

「… 先輩なら、当然です!」

 

小猫ちゃんが自分のことのように、エッヘンと無い胸を突き出し――

 

ゴッ!

 

「っぐ!?」

 

「… 先輩、失礼な事考えましたね?」

 

「ご、ごめんなさい。小猫さま… 」

 

「分かればいいです… 」

 

本当に、もうこの子をからかうのは辞めよう。その内、命まで取られそうだから………

 

「… ははは、所でどこにもそれらしき人影すら見当たらないね。」

 

 

 

「あぁ、この地下から気配がするらしい。」

 

「らしい? どう言うことだい、イッセー君?」

 

 

あっ、ヤベ。つい口が滑った。ま、いっか。

 

 

 

「ま、まぁ、詳しくはこの件が終わったら話すよ。」

 

 

「うん、了解。それより、地下へはどうやって――」

 

「えい。」

 

 

ズガン!

 

 

「「……… 」」

 

「… 有りましたよ、地下への入り口。」

 

小猫ちゃんがいつの間にか探し当てて、像を吹っ飛ばした所に階段が現れた。

 

「行きましょう。先輩方。」

 

 

「「は、はい!」」

 

 

何、この子。頼もしすぎる!

 

 

 

 

 

 

俺たちは地下へ駆け下りた。そこで、ようやく目的地にたどり着いた。

 

「アーシアァァァァァァァァ!」

 

 

随分広い空間の奥の方に10メートルの高さはあるだろう、という祭壇の上に、奇妙な十字架がある。

その十字架にアーシアは磔にされていた。祭壇の下には、神父と思わしき連中が数十人はいる。

 

朧げな表情でアーシアがこちらを確認する。

 

「……… イッセー… さん?… 」

 

「あぁ、助けに来たぞ!!」

 

 

堕天使が高笑いする。

 

「アハハハハハ、残念ね!今もう終わる所よ♪」

 

 

「い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁ………!」

 

やっぱり、計画ってのは、アーシアの神器をっ―――

 

 

「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

 

俺は叫んで突っ込む。

 

「行かせるか、悪魔めっ!」

「消滅しろ、悪魔!」

「死ねっ、悪魔!」

 

 

神父たちが光の剣を向けて来るが、関係ない!

 

「どぉぉけぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

 

ありったけの魔力を込めて殴る。『戦車』にプロモーションしたままだから、余波だけで周りの神父も吹き飛んだ。

 

「小猫ちゃん、僕らは露払いだ!『光喰剣』!」

 

「はい、祐斗先輩!」

 

木場や小猫ちゃんが道を開いてくれる。俺はあっという間にアーシアの元に辿り着いた。

 

 

「アハハハハハ、凄まじいわね。ご褒美よ。アーシアは返してあげる。」

 

 

すると、アーシアを縛っていた鎖が切れた。俺は急いでアーシアを抱きとめた。

 

 

「イ、イッセー… さん……… 」

 

「迎えに来たぞ、さぁ帰ろう!」

 

 

「は、はい… 」

 

声が弱々しい………

やっぱり、この堕天使の目的はっ!

 

 

「アハハハハハ、見て!これ。アーシアの神器、『聖母の微笑』よっ!どう?綺麗でしょ?」

 

「レイナーレェェェェェェェ!!」

 

 

「下級悪魔如きが、私の名前を軽々しく呼ぶなぁ!

それに、感謝して欲しいわね。あなたと、その子が今日一緒に遊べたのは、私がその子が逃げるのをワザと見逃してあげたからよ。見てて楽しくなっちゃったわ。今日死ぬかもしれないって子が、必死に楽しんでたんだから!

本当に人間って面白いわね。アハハハハハ♪」

 

くそ、そんなのって有るのかよ!?

こいつの方がよっぽど、悪魔じゃねぇか!!

 

 

「さぁ、その子共々、死になさい!悪魔がぁぁぁ!」

 

 

振り下ろされる槍を、アーシアを抱えたまま避けて、祭壇の下へ跳ぶ。

 

「ちっ、逃がすな!」

 

その掛け声とともに、神父たちが襲いかかって来る。

 

ギィィィィン!

 

「イッセー君は、その子を安全な所へ!道は、僕たちが拓く!!」

 

「… 先輩!行ってください!」

 

木場と小猫ちゃんが神父たちを払いのけて、道を開いてくれる。

 

「サンキュー、木場!小猫ちゃん!戻るまで耐えてくれ!!」

 

 

そして、俺は急いで階段を駆け上がる。

 

 

 

駆け上がった後、長椅子にアーシアを横たえる。

 

もう神滅具は使えるな!?

 

『あぁ、一応は使えるが… 相棒……… 』

 

うるさいっ!!

今はアーシアを救うことだけ考えろ!

 

 

「『時の支配者たる時計』!!」

 

神滅具を発動させて時間の巻き戻しを始める。けど… 何と無く助からないのが分かってしまう…

 

『…… 済まんが、我の力を持ってしても、無い物の時を巻き戻すことは出来ない… 』

 

 

分かってる!分かってるんだ!それでもっ!

 

 

「イッセーさん……… 」

 

「ア、アーシア!? 待ってろ、今助けてやる!!ここを出たら、もうアーシアは自由なんだ!」

 

……… 嘘だ。助からないのは分かってるけど、そんなこと言えるわけないじゃないか!!

 

 

「私は… この国に来て、良かったです… 生まれて初めて……… の友達が出来て… 嬉しかった… 」

 

 

「あぁ、ああ、これからも友達でいようぜ…!

言ったろ、アーシアにはまだ、教えたいことや、見てもらいたい物が沢山有るって! だからさっ… !」

 

 

上手く言葉が出てこない。涙も止まらない… くそ!

 

 

「イッセー… さん………泣… かないで。私は初めての… 友達がイッセーさんで… 幸せでした… 」

 

 

「そんなの、俺もだ!ほら、まだアーシアとまだ沢山遊びたいんだ!そうだよ、俺の友達にも紹介する!

そしたら、みんなきっとアーシアの友達になってくれる!必ずだ!もう、寂しくなんか無くなるんだ!

他にも、俺の家族にも会ってくれよ!必ず歓迎してくれるからさ、だから!」

 

 

そっと、アーシアが手を俺の頬に伸ばして来る。

 

 

「私は… ちゃんと……… お友達に… なれた…………………… でしょうか… 」

俺は、アーシアの手を握りしめた。

 

 

「あぁ、当たり前だ!ずっと一緒にいようぜ!俺と同じ学校にも通ってさ!」

 

 

「ホントに……… それが… 叶った… ら………… どんなに」

 

 

「違う!叶えんだよ!一緒にさ!」

 

 

「こんな… わ… たしの…… 為に泣いて… くれて… 」

 

 

「こんななんかじゃない!アーシアはまだ生きなくちゃいけないんだ!だって、おかしいじゃないかっ!

今まで苦労したんだろ!? 寂しかったんだろ!? なら、生きてもっと幸せにならなきゃおかしいじゃないか!」

 

 

「……… ありがとう… イッセーさん… 私は… もう充分……………… 幸せ… … 大好きです、イッセーさん… 」

 

 

「あぁ、俺も――」

 

スッ…

 

 

 

 

 

アーシアの手から力が抜けた…

アーシアの手が俺の手から、離れていく…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『お願い!エルを!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は… また手離したのか…

また、救えないのか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐっ、あぁぁぁぁぁぁぁあぁあぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁあぁぁああぁぁっぁぁあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁあああああ!」

 

 

色んなワードがフラッシュバックする。

 

エレンピオス、リーゼ・マクシア、分史世界、正史世界、審判、選択、鍵、クルスニク、骸殻、オリジン、クロノス、破壊、アスカ、セルシウス、ヴォルト、イフリート、ウンディーネ、シルフ、ノーム、マクスウェル、断界殻、霊力野、黒匣、源黒匣、アルクノア、証の歌、時歪の因子、カナンの地、魂の橋、カナンの道標、ルル、バラン、リドウ、ノヴァ、ヴェル、ユリウス、ビズリー、ミュゼ、ガイアス、エリーゼ、レイア、ローエン、アルヴィン、ジュード、ミラ、エル……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

思い出した…

 

俺は…

 

 

 

 

「あら?アーシア死んじゃったの?残念ね。」

 

後ろで薄ら笑いを浮かべた堕天使が立っていた。

 

「見てよ、この傷。ここに来る途中、ナイトの子にやられちゃったわ。けど――」

 

奴の手元が淡く光る。そして傷が消えた。

 

「素晴らしい力だわ♪『聖母の微笑』、これがあれば――」

 

「黙れよ、クソ堕天使が… 」

 

「は?何ですって?」

 

ドライグ、神滅具は?

 

『あぁ、問題ない。この堕天使を殺すぞ。』

 

『えぇ、アーシアさんの為にも』

 

『…… 主、俺も怒りでどうにかなりそうだ… 』

 

『初めてだぞ。我がここまで人間以外に怒りを覚えたのは』

 

『そうだね、クロノス。人間の可能性を踏みにじる者は生かしておけない』

 

 

 

ゴゥッ!!!!!

 

 

 

「な、何よ!?この魔力の量は!?あなたは、ただの下級悪魔じゃ――」

 

俺の左腕に、赤い籠手が出現する。その宝玉から声が発せられる。

 

 

『愚かな堕天使が。貴様は俺たち5匹のドラゴンと、この男の逆鱗に触れた。生き残れると思うなよ?』

 

 

「な、誰だ!?一体どこから声が!?い、いえ、それよりもこの力は、最上級の!?それ以上の!?」

 

『相棒、お前は至った。こいつ如きを倒すのには過ぎた力だが、使うか?』

 

「あぁ…… こいつは全力で殴らないと気が済まねぇ!禁手化!」

 

『Welsh Dragon Blance Breaker!!!!』

 

赤いオーラが鎧を形成していく。

 

「『赤龍帝の鎧』!!」

 

所々が鋭角な鎧が出現した!これが禁手か。すげぇ、力が溢れる。

 

『Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!』

 

一気に倍加が進んだ!これが『赤龍帝の鎧』の力か!

 

俺はゆっくり歩を進める…

 

「い、いや来るなぁっ!」

 

パァン…

 

光の槍を放って来るが、すぐに俺から漏れ出している魔力に当たって消え去った。そりゃそうだ。今も倍加が進み続けてるんだから。

 

『相棒、もう終わりにしよう。その女の目はドラゴンに怯えた者のそれだ… 』

 

ああ、そうだなドライグ。

 

堕天使が逃げようとする。

 

腕を掴んで下へ思いっきり殴る体制を作る。

 

「わ、私は――」

 

 

「消えろッ!!!!!」

 

『Over Explosion!!!!!!』

 

一気に力を解放し全力をぶつける。

 

ドッゴォォォォォォォォッ!!!!!

 

ガラガラ…

 

 

堕天使は床を突き破って、遥か下へと落ちて行った。

 

 

 

これだけやっても、もうアーシアは帰って来ない…………

そう考えると全てが虚しく感じてならなかった…………

 

「う、うおぉぉぉぉぉ………あぁぁぁあぁぁぁああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………………………………………… 」

 

 

 

 

 

―――side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――木場side

 

イッセー君が上へ上がってから、少し時間が経った。僕らはまだ、戦っていた。さっき、レイナーレを通してしまったが大丈夫だろうか?

 

 

しばらく、戦闘を続けていると…

 

バチバチ…

ガァァァァァン!!

 

相手が特大の雷にのまれていく…

 

「祐斗、小猫、無事!?」

 

そして、現れたのは部長と、朱乃さんだ!

 

「こちらも、終わったからここへ直接飛んできたのだけれど、イッセーは――」

 

 

ピシピシピシッ!!

 

いきなり、大量の魔力を感じたと思ったら、床や壁にヒビが入り始めた!?

 

「こ、この魔力の感じは、イッセー!? けど、これは下手をすれば魔王クラスよ!一体何が――」

 

 

ドッゴォォォォォォォォッ!!!!!

 

ガラガラ…

 

 

大音量と共に、地下に大穴ができた…

 

上を見ると、全身赤い鎧を身に纏った誰かがいた。あれは――

 

「う、うおぉぉぉぉぉ………あぁぁぁあぁぁぁああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………………………………………… 」

 

この声はイッセー君!?

鎧の隙間から涙が零れているのが分かる。見ているだけで、痛々しかった…

 

「…先輩、泣いてます………」

 

「ええ、そうね… 祐斗、この大穴に堕天使が落ちていくのが、チラッと見えたわ。飛んで行った速度が速くて確証はないけれど… 拾ってきてくれるかしら?」

 

「はい、分かりました。」

 

そう言って、『騎士』の速度で駆けていこうとしたとき朱乃さんがイッセー君の方を見ながら、何かを呟いていた。

 

 

「やはり、あの人が…………」

 

 

 

―――side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―― 一誠side

 

『Over Reset!』

 

「っく!?」

 

バシュッ!

 

音声が鳴った途端に、禁手が解除された。俺は、アーシアの元に近づく。

 

「…ゴメンな………助けるって言ったのに…」

 

また、一筋の涙が零れる。俺は、また手離してしまったんだ。もう、この子は戻らない…

 

 

「イッセー、大丈夫かしら?」

 

不意に、後ろから声がして振り返るとオカルト研究部の面々がいた。

急いで、涙を拭って顔を上げた。

 

 

「…すいません、部長。あれだけの、啖呵を切っておいて……結局、俺は…」

 

「部長、持ってきました。かろうじて、まだ息はあるようです。」

 

そこに、現れたのは木場だった。肩に、堕天使を背負っていた。

そのまま、堕天使を降ろした。

 

腹のあたりに、くっきり俺の拳の痕が残っている。よく、生きてたな。堕天使ってしぶとい…

 

 

「朱乃、お願いね。」

「はい、部長。」

 

 

バシャッ!

 

朱乃さんが手を上にかざし、水を出現させてそのまま、堕天使の顔にかけた。

 

「がっ…はぁ…、ぁ」

 

「ごきげんよう、堕天使レイナーレ。」

 

「き……貴様…は、グレモリー…の……、ゴッホ…」

 

「あら、辛そうね。お大事に。そうね、一応自己紹介しとこうかしら。私は、リアス・グレモリー。グレモリー家の次期当主よ。お見知りおきを。」

 

 

「はぁ、私には…まだ……同調している…ぅ…堕天使が…」

 

「あぁ、彼女たちなら来ないわよ。」

部長は、ポケットから2枚の羽根を出して、レイナーレの目の前に落とした。あれは堕天使の羽根か?

 

「堕天使カラワーナ、堕天使ミッテルト、彼女たちは私が消し飛ばしちゃったから。」

 

「な…ぁ………」

 

レイナーレはさらに、狼狽している。

 

 

「以前、子猫やイッセーが襲われたときに、堕天使全体の計画だと思って、無視していたのだけど。どうにも、最近になっていきなり動き出すなんておかしいと思ったの。だって、こちらが気付けるくらいに計画が杜撰だったから。

そこで、朱乃を連れて独自に調べたら、計画はあなたたちのみで行っていると分かったわ。意外とすんなり計画の全容が知れちゃったから、つまらなかったわね。」

 

そう言って、部長は嘲笑した。

ははは…、この人、裏でそんなことしてくれてたのか。これには、感謝だな。正直もしかしたら堕天使と戦争の口火を切るかもと、少し内心焦ってたし…

 

「部長の魔力は触れた者を消滅させる、力を持った公爵家のご令嬢だからね。

『紅髪の滅殺姫』の二つ名を持つんだ。」

 

木場が俺の隣に来て耳打ちしてくれた。

 

「それにしても、イッセー?さっきの姿は、想像が付くけど後できっちり、説明して頂戴ね。」

 

「はい、分かりました、部長…」

 

う~ん、さすがにこれ以上隠し通すのは無理くさいし、正直に言うか。話せるとこだけ………

けど、まずは…

 

「じゃあ、最後のお勤めをしましょう。消えてもらうわ、堕天使レイナーレ。」

 

そう言って、堕天使の前に立つ。

 

「待ってください。部長、俺が自分でやります…」

 

俺は、『赤龍帝の籠手』を発現させて足を進めた。

 

『Boost!』

 

部長は少し目を丸くして、その場を空けてくれた。元は俺が言い出して始まったのが今回の事件だ。なら、俺自身が始末を付けなきゃな。

 

「さて、何か言うことあるか?堕天使?」

 

『Boost!』

 

「…ぁ、あぁぁぁ…い、いやぁ……死にたく…な……」

 

『Boost!』

 

『もう、ダメだ相棒。これで、終わりにしよう』

 

「あぁ、そうだな。ドライグ…」

 

『Explosion!』

 

俺は、魔力を集めて倍加し魔力弾を放った。

 

ドンッ!!

 

吹き飛んだ後には、黒い羽根が残るだけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

堕天使レイナーレが消えた後に、宙に淡い緑色の光が浮いていた。

アーシアの神器だ。俺はそれを受け止めて、アーシアの元に歩み寄った。

 

アーシアに、指輪型の神器、『聖母の微笑』を戻しても、何も変わらない……

 

「皆、済まない…、折角手伝ってもらったのに俺は……」

 

「…イッセー、これなんだと思う?」

 

そう言って、取り出したのは紅い駒だ…

まさか…

 

「これは、『僧侶』の駒よ。役割は、眷属をサポートすること。癒しの力を持ったこの子には、ピッタリよ。転生させてみる?」

 

 

………アーシアは追放されたとはいえ、聖職者だ。もし、悪魔に転生なんてさせたら、ショックじゃ済まないかもしれない…

 

 

 

 

『お前に、できるのか!?選択がっ!』

 

 

 

 

俺が、兵藤一誠ではなく、ルドガー・ウィル・クルスニクだった頃に、問われたな…

 

そうだ、俺はもう『選択』するんだと、決めたんだ!

それを、受け入れると!!

 

「はい、お願いします。部長。」

 

 

 

 

 

「ふふ、分かったわ」

 

アーシアを魔方陣に運び、部長が前に立つ。

 

「我、リアス・グレモリーの名において命ず。汝、アーシア・アルジェントよ。今再び我の下僕となるため、この地へ魂を帰還させ、悪魔と成れ。汝、我が『僧侶』として、新たな生に歓喜せよ!」

 

 

 

駒がアーシアと同化する。

 

「ふぅ…」

 

部長はそうして息を吐いて、魔力の放出を止めた。

 

アーシアの目がゆっくりと、開けられる。

 

「…あれ、私は………?」

 

二度と聞けないと思っていた声が、俺の耳に届く。

 

「後は、あなたが守ってあげなさい、イッセー。」

 

「イッセー…さん……?」

 

上体を起こして、俺へ視線を向けてくる。

俺はアーシアに近づいて、抱きしめた。

 

「今度こそ帰ろう、アーシア。」

 

俺は、二度とこの手を、手離さないと誓った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―― new life

 

「それで、説明してくれるかしら、イッちゃん?」

 

皆さん、おはようございますっ!はい、今絶賛お説教中です!

 

 

理由は簡単だ。あれだけ、帰りが遅くならないように言われていたのに、遅くなった上に、アーシアをおんぶして帰ってきたもんだから、何か変な勘違いをしているらしい。

とりあえず、背中のアーシアも寝ちゃってたし一先ず、話は明日という事にして昨日は終わったんだけど…

今朝、朝早くに叩き起こされて、今に至るってわけだ。因みに、今は朝の6時前。早過ぎるよ!!俺の隣のアーシアはまだ、うつらうつらしているよ!!悪魔は朝が苦手だからなぁ…

まぁ、父さんが仕事で家を出る前に話しておきたいってのは、至極真っ当な理由だから分かるんだけど…

 

「イッちゃん、私は悲しいの。この間も、裸の女の子と寝ていて、どんどんイッちゃんが、大人の階段どころか、大人のエレベーターで遠くへ行っちゃうみたいで、耐えられないの!」

 

「っぶ、ちょっと母さん!盛大に勘違いしてるからね!?俺何も疚しいことしてないから!」

 

俺は、必死に弁明する。と言うか、この間の件については説明したじゃん!?そして、何故か隣のアーシアが、ご機嫌斜め?頬をぷくっと膨らませている。あれ?何かしましたか?俺…

 

「あ、あの、アーシアさん?何で怒ってらっしゃるんでしょうか?」

 

「別に、怒ってませんっ! イッセーさんが…その……どんな、女性と寝ようと自由ですし…はぅ……」

 

 

「……アーシアァァァ!違うから、それは俺も記憶がなくて……とにかく、何もなかったんだって!」

 

「ほ、本当ですか?」

 

「本当だって! 俺はアーシアには、嘘を付いたことは無いだろ!」

 

アーシアは顔をパァっと輝かせる。

 

「そ、そうですよね、疑ってごめんなさいでしたっ、イッセーさん!!」

 

「イッちゃん、事情を説明して!何で、その子と仲がいいのかとか色々含めて!」

 

うっ、さすがに隠し切れないか…

 

「はぁ、コーネリア。そんなにイッセーを質問攻めにするな。ここ数日間の状況は私も把握している。まずは、イッセーの今の状態から説明する。」

 

 

 

さすが、父さんだ。このカオスな状況を止めてくれた。って言うか、ここ数日の状況を把握しているって、もしかして俺が悪魔になっていることも…?

 

「安心しろ、イッセー。お前が何者だろうと、この家族は変わりはしない。」

 

っ!?やっぱ、ばれてたみたいです。

 

 

 

その後、父さんからの説明でようやく、その場を治めた。父さんは、どうやら自分の会社のエージェントにここ数日間、俺を見張らせていたそうだ。それで、知った情報を話してくれた。俺からも、包み隠さず話した。もう、家族で隠し事は嫌だからな…

 

その後の母さんの態度は変わらなかった。

 

「そう、イッちゃんは悪魔になったのね…

でも、イッちゃんが生きていてくれるなら、私は何でもいいわ。」

 

………相変わらず、母さんはブレなかった。正直素直にありがたい。もし、ばれたら最悪勘当されるくらい覚悟してたからな。

そして、アーシアの事情を説明したらアーシアの居候も認めてくれた。本当に俺の家族は自慢だよ。

 

 

そして、今はアーシアを連れて学校の部室に来た。昨日解散する時に、朝早くに召集されたからだ。

 

「「おはようございます、部長(さん)」」

 

 

「あら、早いわね。時間まで、まだあるのだけど。」

 

「うふふ、時間前に来るなんて、真面目でいいではないですか♪」

 

部室には、すでに部長と、朱乃さんが来ていた。

 

「さて、アーシアは着替えてらっしゃい。更衣室はあっちよ。朱乃手伝ってあげて。」

 

「はい、部長。行きましょう、アーシアちゃん♪」

 

「は、はいっ!」

 

 

二人は別室の更衣室に入っていった。

 

「で、イッセーはご両親に本当に説明したのかしら?」

 

そう、実は家族にすべてを打ち明けることを昨日部長には言ってあったんだよ。

 

「えぇ。もう、隠し事はしたくなかったので。」

 

「そう、それで反応は?」

 

「すんなり認めてくれました。」

 

「…………いい意味で、子も子なら親も親という事なのかしら…」

 

「ははは…」

 

…苦笑するしかない。

 

「あなたについては、また聞かせてもらうとして――」

 

そう言って、部長が近づいてくる…

 

「これは今回頑張った、ご褒美よ。」

 

部長の唇が俺の額に触れた…

 

――えええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?

 

「ふふ、これからも頑張りなさい。」

 

 

「あ、は、はははい…」

 

急な不意打ちに対応しきれない…

 

『うおぉぉぉぉ、リアス・グレモリー貴様ぁぁ!』

 

『そうです!まだ、私たちはアーシアさんしか認めていませんから!!』

 

 

…俺の中で、2匹のドラゴンが怒り狂っている。他3匹は何してんのさ…

止めてよ、その2匹を…

 

『いやぁ、このままの方が面白そうだし。』

 

『…俺も、賑やかで楽しいぞ、主…』

 

『ふん、あの二天龍がこんな下らんことで、怒るなど中々見れんからな』

 

つまり、2匹を止める気は――

 

『『『無い(よ)』』』

 

そう、思っていると後ろから、殺気が2つほど…

 

「あらあら、リアス、抜け駆けなんて嫌ですわ♪」

 

「イッセーさん、やっぱり… あぁ、ダメダメ!こんな事を思っては、主がお許しになるはずが――はぅっ!?」

 

そうして、アーシアがその場に蹲る。

 

「はぁ、当り前よ… 私たちは悪魔なのよ。祈ればそうなるわ。」

 

「あらあら、アーシアちゃん、大丈夫ですか?」

 

朱乃さんが、アーシアの元に寄って心配してくれている。

 

「うぅ、そうでしたぁ… 私は悪魔になったんでしたぁ…」

 

頭を抱えながら、アーシアが立ち上がる。

 

「後悔してる?」

 

「いいえ。どんな形であれイッセーさんといられることが、幸せですから、ありがとうございますっ!」

 

っく、なんていい子なんだろう!本当にアーシアを助けられて良かった。

 

「っていうかアーシア、その服――」

 

「あっ、似合いますか?」

 

その場で一回転しながら聞いてくる。うん、素直に可愛いと思う。

 

「あぁ、すごく似合ってるよ。」

 

「は、はぅ~。イッセーさんに改めて言われると恥ずかしいですぅ…」

 

そんなことを言いながら、その場でモジモジしている。

 

「後で、俺の友達皆に紹介するよ!約束したからな!」

 

「は、はいっ!よろしくお願いしますね、イッセーさんっ!」

 

 

ガチャッ

 

 

「おはようございます、部長、朱乃さん、イッセー君、アーシアさん」

「…おはようございます。」

 

扉があいて、木場と小猫ちゃんが部室に入ってくる。おぉ、オカルト研究部全員集合だな!

 

「さぁ、皆揃ったところで、パーティーを始めましょう! 朱乃と、私でケーキを作っておいたから、一緒に食べましょう!」

 

朱乃さんが、ガラガラと台を押してケーキを持ってきてくれた。

 

「っていうか、多くないですか、部長?」

 

「あら、新人の歓迎をするんですもの。このくらいやらないとね。」

 

それぞれが、コップに飲み物を注いだ。

 

「さて、これからよろしくね、新たな『僧侶』アーシア♪」

 

「は、はい、これからよろしくお願いします!部長さん、朱乃さん、木場さん、小猫さん、そして、イッセーさん!!」

 

「あらあら、こちらこそ、よろしくお願いしますわ、アーシアちゃん」

「よろしくね、アーシアさん」

「…よろしくお願いします、アーシア先輩」

「よろしくな、アーシア!!」

 

 

さあ、これから悪魔稼業を頑張ろう!!!

 




ってな訳で、第一章でした!

ようやくここまで来ました・・・


うん、長かったですかね?
この章の最終話ということで、やや長くしてしまいました。すいません。

そして、早くも禁手を出してしまいました。ごめんなさい・・・
ただ、派手な演出をイメージしてたらこれしかなくね?と思ってつい・・・

まぁ、まだ出てない神滅具ありますからw


兵藤家の人たちには、秘密なしにしてもらいました。はい。TOX2では秘密だらけでしたからね・・・


え、ユリウスが出てない?
大丈夫、第2章で活躍させる予定なので多分、・・・きっと・・・

次回は番外編です!

では、アデュ~
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