ハイスクールD×D ~審判を超えし者~【凍結】 作:メラニン
前回の話から一夜明けたところから、スタートです。
今回は焼き鳥の襲来ですね。
ちなみに、これ書きながら本当に焼き鳥食ってました(笑)
では、どうぞ!!
―― 一誠side
コンコン…
俺の思考回路が完全停止してから、どれだけ経ったのか分からないが、不意に鳴ったノック音で我に帰った。
「イッセーさん、起きてらっしゃいますか?」
俺はそのまま急いでドアを開けた。
「お、おはよう、アーシア。えっと、トレーニングだよな。すぐ着替えて行くから待っててくれるか?」
「はい、分かりました。……………あの、イッセーさん大丈夫ですか?目の下にクマが…」
「へっ!?あ、あぁ、大丈夫だよ」
「そうですか?体調が優れないようでしたら、今日のトレーニングは――」
「だ、大丈夫だって!とにかく、下で待ってて」
「分かりましたぁ。では先に行ってますね」
最近はアーシアも俺のトレーニングに付き合い始めた。何でも神器の扱いを上達させたいらしい。もう充分に神器を扱えてると思うんだけどな…
『はぁ……、主様?アーシアさんが何故主様のトレーニングに付き合っているのか、お分かりですか?』
え?そりゃあ、神器の扱いを上達させたいからだろ?
そういや、もう大丈夫なのか?
『はぁ、………アーシアさんはあんなにも健気なのに………まぁ、いいです。
まぁ、私とレディオンは大丈夫ですが……』
『………ドライグは未だに放心状態。クロノスとオリジンは昨日の事に相当驚いたらしく、2人でずっと話してる………』
昨日ね………………………………………
マ、マズイ。思い出したら、顔から火が出そうだ……
と、とにかく着替えてトレーニングしよう。
まぁ、当然ながらその日のトレーニングはあまり身が入らず、終始アーシアに心配されっぱなしだった。
結局アーシアのトレーニングも俺に回復を掛け続ける単調なものになってしまった。
うぅ、情けない………
と、こんな感じにトレーニングを終えて、アーシアがシャワーを浴びに行き、俺は一旦部屋に戻ろうとした所でミラと遭遇してしまった。
「あ、ミラ、おはよう」
と、ミラの顔があっという間に真っ赤になった。
「「………………………」」
さ、流石に昨日の事があるから気まずい…
「おっはようにゃん、イッセー、ミラちん♪二人とも廊下に突っ立って何やってんの?」
「お、おはよう、黒歌。じゃ、じゃあ、イッセーまた後で…」
「お、おう」
突如現れた黒歌に面食らいつつも、そそくさとミラはその場を立ち去った。俺はそのまま立ち尽くしてしまったままだ。って、何でくっ付いて来てるんだ黒歌は?
「ん~、ミラちんもイッセーも挙動不審すぎぃ。何かあっ……………ん?」
「お、おい、黒歌?」
スンスンと俺に密着しながら匂いを確認する黒歌。微妙にくすぐったい。
「イッセーから、凄くリアスちんとミラちんの匂いがするにゃん。何でぇ~?」
っ!?
声はふざけた調子だが、明らかに怒ってる!何だかほんの少し殺気も感じるんですが!?
「弁明のチャンスを下さい」
「別に私はぁ、何も責めてる訳じゃ無いよぉ?」
こ、怖い………
「え、えっとだな、ここだと話しにくいし、それにそろそろ学校もあるから、帰ってからじゃダメか?」
「ま、今はそれで良しとするにゃん。けど、ちゃんとした説明をしてよねぇ?」
「お、おう。もちろん」
それだけ言うと、黒歌も下へ降りて行った。
はぁ、とにかく俺も準備をしようと思い、部屋に戻った。
――○●○――
それから、俺達は全員で登校した。ただ、ミラだけが俺と少し距離を取ってる感じだ。
「イッセーさん、ミラさんと何かあったんですか?」
心配そうにアーシアが俺の顔を覗き込んでくる。うっ、今はアーシアの純粋な瞳がキツイ!
「い、いや、何でも無いよ!」
黒歌はずっとジト目で見て来るし……………
はぁ、何でこんな事に…
「オッハヨー!兵藤家の住人達!朝っぱらから暗いわねー」
そう言って、後ろから声を掛けてきたのは桐生藍華だ。
「ああ、おはよう。そういうお前は朝っぱらから騒がしいな」
「失礼ね。そんなんだから朝っぱらから陰気な顔をするハメになってんじゃ無いの?」
…………俺か?俺の所為なのか?
うん、多分違うと思いたい!
「で、本当に何があったのよ?ミラさんだけ離れてるし」
「そ、そんな事無いわよ!」
ミラが慌てて反論するが…………
いや、それは無理があるだろう。だって、俺たちから2mくらい離れて歩いてんだもん。
「はっはぁーん。何かあったんだ。それも兵藤とミラさんの間に…………
アーシア、あんたも急がないと」
「き、桐生さん!やめてくださいぃぃぃ!!」
アーシアが必死に桐生の口を抑えてる。また、何言うつもりだったんだ?
――○●○――
「部長の様子が最近おかしい事についてかい?」
「ああ。心ここに非ずってのもそうなんだけど、何かに焦ってるようにも見えてさ。何か知らないか?」
放課後になり、旧校舎へ向かう途中で木場と合流した。そこで、昨日の事もあるから何か知ってるか質問したんだけど――
「ゴメン、何も知らされていないんだ。けど、朱乃さんなら何か知ってるんじゃないかな?」
「朱乃さんが?」
「うん、朱乃さんは『
「なるほどな……分かった、早速聞いてみるよ。サンキューな」
「いいよ、これくらい。それにしても、何で女性陣が君から離れてるんだい?」
そう言って、後ろを振り返る木場。
「あーー………、ミラを尋問中なんだろ。昨日は色々あってさ」
「へぇ、その色々っていうのは気になるけど…」
「……悪い、聞かないでく――またか、黒歌」
黒歌がまた、俺の背中に引っ付いてきた。だから、後が怖いって言うのと、もう少し羞恥心を…
「またって、ひどいにゃん、イッセー。こーんな美少女が抱きついてるのに」
「まぁ、可愛くはあるんだけど、いつもそれやって小猫ちゃんに痛い目見せられてるだろ?」
「イ、イッセーが可愛いって……………イッセー、もっと言ってにゃん♪」
「うおっ!?く、黒歌、歩きにくいって!木場、Help!!」
黒歌が飛びついてから、距離を取った木場に助けを求める。あれ、なんかいい笑顔作ってるんですけど…
「遠慮しておくよ。邪魔をしたら黒歌さんに悪いしね。それに、イッセー君はもっと女性の扱いを勉強すべきだと思うよ?」
「裏切り者ぉぉ!!」
「むふふ、イケメンは分かってるにゃん♪さて――」
旧校舎の廊下に出て黒歌の表情が真剣な物に変わる。
「……どうした、黒歌?何か居るのか?」
「うん、かなりの力を持った悪魔が一人。ここに近付く前から気になってたんだけど、リアスちんや朱乃ちんが話にならないくらい強大な魔力を持ってる」
黒歌は猫又の上位種である猫魈だ。
だから、周囲の気の流れを読む仙術や、妖術を使える。バルボスたちに後れを取ってたけど、あれは長い逃亡生活で心身共に疲弊しきってたからで、万全の状態であれば相当な実力者だ。
パワーバランス的に見ても、自惚れじゃないが、恐らく黒歌と戦ってまともに相手にできるのは、今のところグレモリー眷属内だと俺だけだろうな。今回も仙術の気配察知で旧校舎に居る存在を感知したんだろ。
で、黒歌が察知した悪魔ってのは多分…
「まぁ、多分あの人だよなぁ。タイミング的に見ても」
俺は記憶に新しいメイド服姿の女性を思い浮かべる。正直あんな事があった手前、物凄く会いにくい。っていうか会いたくない!
どんな顔して会えばいいか、分かんないんだもんなぁ……
とにかく、ここで呆けてる訳にもいかないので、部室に入ることにした。
部室には、部長、朱乃さん、小猫ちゃん、そしてグレイフィアさんがいた。グレイフィアさんだけが初対面の時と同じようなクールな表情で、他のメンバーは表情を曇らせているか、何となく冷たいオーラを発している。
まぁ、つまり総じて空気が悪い。部長が俺たちが部室に入ったことを確認すると沈痛な面持ちで口を開いた。
「これで、オカルト研究部は全員揃ったわね。では、部活を始める前に少し話があるわ。これは、眷属全体に関係ある事だから、よく聞いてちょうだい」
「お嬢様、やはり私が――」
スッと、部長は手をかざして、グレイフィアさんを制止する。
「いえ、大丈夫よ、グレイフィア。実はね――」
カッ!!
部長が説明を始めようとした瞬間、部室の床が光り始める。
そこに現れたのは、見た事のない紋様の魔方陣だった。
グレモリーとは違う、別の悪魔か?
「フェニックスか…」
傍に居た木場が声を漏らすのが聞こえた。
フェニックスって、あの不死鳥の事か?
魔方陣から炎が噴き出し、その中に男性が現れた。赤いスーツを着崩した20代くらいの悪っぽいイケメンだ。
「会いに来たぜ、愛しのリアス」
魔方陣から現れて開口一番に言った言葉がそれだった。
「私は会いたくも無かったわ」
そう言って部長は目も合わせようとはしない。
「おいおい、つれない事を言うなよ。わざわざ、こんな炎と風の汚い人間界までやって来たんだ。少しは労いの言葉くらい掛けてくれたって、いいんじゃないか?」
にやけた顔で、部長に問いかける男性。あの二人どういう関係だ?
「あのお二人は、婚約者同士ですよ、兵藤一誠様」
「おわっ!?グ、グレイフィアさん!?」
いきなり、横に立っていたグレイフィアさんに話しかけられて飛び上がった。
気配もなく急に横に立っているとか、ホラーか!?
「私は幽霊などのような存在とは違いますよ?」
……何を思ってるか見透かされてるようですね…
「す、すいません、ビックリしてしまって」
「いえ、構いません。昨夜はクランスピア社社長のご子息とも知らず、ご無礼をはたらき、申し訳ございませんでした。重ね重ね、非礼をお詫び申し上げます」
「いえ、そんなに謝らないでください。あれは、過ぎた事ですし。それに、会社の方は父さんと兄さんが主に経営してるので、俺はあまり関係がない、のほほんとした次男ですから。
それより婚約って、どういう事ですか?」
「先の大戦で、純血の悪魔の方が大勢亡くなったのはご存知ですか?」
「はい。というか、その原因の片割れが俺の中に居ますから」
「そうでしたね。あなたは今代の『
昨今、純血の悪魔が減っており、『
『
確か悪魔の中でも名門な72の家の事を指してるんだっけか?
なるほど、段々話が見えてきた。つまり、お家同士で勝手に決めた話に部長は反対で、この話を解消するために昨夜あんな行動に出たと。まぁ、簡単にまとめるとこんな感じだろ?
つまるところ、お家騒動である。
「いい加減にしてちょうだい!!」
部長の怒声が部室に響き渡る。まぁ、俺がグレイフィアさんから説明を受けていた間中、ライザーは部長の肩を抱こうとしたり、手を握ろうとしたりしていた。まぁ、全部ふり払われてるんだけど…
懲りないな、こいつ……
「ライザー、私はあなたと結婚しない!自分の相手ぐらい自分で決めるわ!」
「ははは、手厳しいな。だが、これは家同士の問題だし、純血の悪魔を増やすことは、いずれ冥界全体の利益にもつながる。それが理解できない訳ではないだろう?」
「そんな事は百も承知よ!だから、婿養子だって迎えるつもりよ」
「おお、話が早い!だから、俺と――」
「けど、その相手はあなたじゃない!!言ったわよね?自分の相手ぐらい自分で決めるって」
今までソファに腰かけていたライザーがゆっくりと立ち上がった。
「そうか、なら俺は君の下僕をすべて燃やし尽くしてでも、君を冥界に連れ帰るぞ!」
ライザーの後ろから大火力の翼が放出される。本気か、こいつ?
しょうがない、正当防衛ってことで。
俺の右腕が光ったと同時に、ライザーの炎の翼が消えた。俺はすかさず、『
当のライザーは何が起こったのか分からない表情を浮かべている。
ははは、これが本当の『ハトが豆鉄砲を喰らったような顔』ってやつだな。
すると、俺の右腕に気が付いたライザーが俺を睨み付けてくる。
「おい、今のはお前の仕業か?」
「はい、ご明察です。さすがに俺も燃やされるのは嫌なので、ささやかな抵抗をさせていただきました。正当防衛という事でご容赦ください」
俺は、『
ライザーは青筋を立てて、かなり怒り心頭なご様子だ。
「貴様、下級悪魔ごときが上級悪魔に対して、無礼だぞ!!」
「失礼しました。立ち振る舞いが上級悪魔のそれとかけ離れていたので、分かりませんでした」
俺は嫌味たっぷりと、ライザーに返す。
「き、貴様ぁぁぁ!」
「あ~、うるさいです。しかも、馬鹿にされた相手に対しての、ボキャブラリーも少ないんじゃないんですか?フェニックス、不死鳥とは言っても、所詮は鳥なんですかねぇ?よっ、鳥頭!」
「き、貴様…今のはフェニックス家への侮辱と受け取るぞ!?」
「いえ、ライザーさん。あなたを少しからかっただけですよ。ボキャブラリーが少なく、やかましいあなたを。
あなた、本当にあのフェニックスなんですか?フェニックスって、もっとこう…賢いってイメージがあったんですけど。なんだか、期待外れで残念です。
あっ、ひょっとして、フェニックスじゃなくて焼き鳥の間違いなんじゃないですか?冥界じゃなくて居酒屋に帰って、サラリーマンの人たちの元に行ってください」
「な、お前……絶対に殺す!!!」
今にもライザーは俺に向かって飛びかかりそうな勢いだ。オカルト研究部のメンバーはというと、ポカンと唖然としている。黒歌なんか今にも大声で笑いだしそうだ。
「そこまでです。双方、落ち着いてください。これ以上は私も黙って見過ごすことはできません。私はサーゼクス様の名誉にかけて、手加減は一切致しません」
「ぐ、俺も最強の『女王』と称されるあなたと相対するつもりは無い……
だが、そこの下級悪魔の数々の侮辱は許せん!」
許してもらうつもりなんか、無いっての。
「どうやら、話し合いは破談のようですね。この状況は両家も、推測していました。そこで、最終手段として両家からある提案がなされました」
「どういう事かしら、グレイフィア?」
「両家から、『レーティングゲーム』で決着を付けてはどうか、という内容です」
「っ!?けど、あれは成熟した悪魔しか――」
「存じております。確かに公式な『レーティングゲーム』ですと、成熟した悪魔しか参加はできません。しかし、非公式ならば、未成熟な悪魔でも参加ができます」
「……お父様方はどこまで、私の人生をいじればっ………!?」
部長が明らかに怒っている。殺気すら感じるほどだ。
「………いいわ。いい機会だから、これで白黒付けましょう」
「へぇ、受けるのか、このゲームを。いいのか、リアス?俺はすでに何度か公式戦にも出て、白星の方が多いくらいだぞ?」
「かまわないわ。それに、折角のチャンスだもの。あなたを消し飛ばすのに使わせてもらうわ」
「承知しました。現時点をもってお二人の意思はこのグレイフィアが確認いたしました。また、ゲームの立会人も私が務めさせていただきます。よろしいですね?」
「ええ、かまわないわ」
「ああ、問題ない」
「分かりました。両家への連絡は私の方から行います」
それを確認したライザーの視線は今度は俺たちに移る。
すると、嘲笑を浮かべながら部長に視線を戻して問いかけた。
「おいおい、リアス。まさか、君の眷属はこの7人だけか?俺の眷属の半分も居ないじゃないか」
不敵な笑みを浮かべながら、順繰りに俺たちを品定めするように視線を移していく。
ん?7人?
人数の勘定が合わないことを疑問に思っていたら、今度は部長が口を開いた。
「勘違いしないでちょうだい。ここにいる私の眷属は、5人よ。彼女たち二人は私の眷属ではないわ」
「ははははははは、たったの5人か!?それで、俺に勝つつもりなのか?しかも、君の眷属の中で名が通っているのは『雷の巫女』くらいのものじゃないか!
それで勝とうとはお笑い草だな!」
そう言って、なおの事高笑いをあげる。多分今の情報を得て、勝てるって確信したんだろうな。まだ勝負すら始まって無いのに。
「ははは、はぁ~………、そうだな、これだとハンデがありすぎる。これだと、勝ったとしても勝った気はしないだろうな………よし、リアス。ゲームの日程は10日後にしないか?」
部長は未だにライザーを不服そうに睨み付ける。
「…それは、私にハンデをくれるということ?」
「そうだ。さっき言ったように今の君に勝ったとしても、勝った気はしないだろうし、やるならお互い全力でやった方が後腐れがないだろう?」
ニヤリと笑うライザーに、さらに目を細めて怒る部長。
「……そう。けど、あまり私の下僕を舐めない事ね」
「はっ!そうは言うが、君の眷属でまともに俺の眷属とやりあえるのは、『雷の巫女』ぐらいだろう?そうだな、これだとまだハンデ不足だろ。俺の眷属を紹介しておく」
いきなりライザーの後ろにフェニックスの紋章の魔方陣が浮かび上がり、ライザーが現れた時と同じように、15人のライザーの眷属と思しき悪魔たちが現れた。
ってか、全員女!?バランス悪っ!!
「俺は、駒をすべて揃えてる。それに、実戦経験のない君の眷属と違い、こちらは既に実戦経験も豊富だ。試に――」
ライザーの視線が俺へと移る。おいおい、まさか?
「俺をコケにしたそいつと力比べをしようか?やれ、ミナ」
「はい、ライザー様」
「ちょっと、ライザー!?」
部長の制止が入る前に、ミナと呼ばれた少女は棍を構えて、俺に向かいながら棍で突きを放ってくる。
「へぇ~、なかなか」
「っ!?このっ!」
俺は素早く躱して、続けざまに放たれる攻撃をすべて見切って避ける。
うん。棍を使ってた、あっちの世界のレイアほど強くは無いな。これなら、生身でも相手ができる。
俺は掌に魔力を纏って、棍を正面から受け止めた。
「な、私の棍を…」
「呆けてる暇は無いぞ」
俺はすれ違いざまに、首の後ろに手刀で一撃を与えた。それで、彼女は床に倒れた。
「な、貴様、よくも俺の下僕を!!」
ライザーがまた炎の翼を展開する。先に自分から仕掛けてきて何言ってんだ?
俺が迎撃態勢に入った時、俺とライザーの間にグレイフィアさんが割り込んだ。
「お二方とも、矛をお納めください。決着は10日後と先ほど決定したはずです」
「ちっ、おいお前!10日後にお前を必ず倒してやる!それまで首を洗って待っていろ!!」
それだけ言うと、ライザーは自分の眷属を引き連れて魔方陣で帰って行った。
「では、私も今回の事を報告するためにも、帰らせていただきます」
「待ってください、グレイフィアさん」
魔方陣で転移しようとするグレイフィアさんを俺は慌てて引き留めた。
「何でしょうか?」
「グレモリー家の現当主に会う事は出来ないでしょうか?」
グレイフィアさんや、他の眷属の皆も驚いた表情をしている。まぁ、唐突過ぎるよな。
けど、何を思って実の娘に対してこんな事をするのか、どうしても知りたい。多分理由の一つは、ライザー達が言っていた純血悪魔を絶やさないためなんだろうけど、本当にそれだけなのか?
もし、納得できるような理由でないなら……
「……何のために、なのかは測り兼ねますが、今のあなたでは無理でしょう」
はぁ、部長に聞いたけど、悪魔は完璧な貴族社会。まだ下級悪魔である俺と、上級悪魔の当主が直接会うなんて、無理か……
「そう、ですか…」
俺が肩を落としていると、グレイフィアさんは一つ息をついて、言ってくれた。
「ですが、あなたがお会いしたがっている旨は、お伝え致します。では、皆様失礼します」
グレイフィアさんはお辞儀をして、そのまま魔方陣へと消えて行った。
こうして、10日後に俺たちにとって初のレーティングゲームの対戦が決まった。
はい、こんな感じでした。
原作ですと、ライザーの眷属の中にミラ、という眷属がいるんですが、被るので一文字いじってミナに変えました。
因みに、ライザーのセリフは原作よりやや、柔らか目(?)にしてみました。
原作同様か、それ以上のテイストの物を書こうとしたら、鳥肌が立ちまくったので・・・
では、次回は修行開始です!
アリーヴェデルチ!!