ハイスクールD×D ~審判を超えし者~【凍結】 作:メラニン
あったら、ごめんなさい。
では、朱乃回ですね。
どうぞ!
―――ユリウスside
初めまして。俺は兵藤ユリウスというものだ。今は久しぶりに一時帰国して、弟の兵藤一誠と裏山で、二刀を逆手持ちにした構えで相対し、鍛錬をしている。
なぜ、名前が兄弟なのに和と洋になっているかというと、母さんがどうしても「和名と洋名のそれぞれ子供が欲しい!」と言ったらしく、親父はそれに反対せずに賛成するしかなかったようだ。
やれやれ、会社のトップだというのに、しっかり母さんの尻に敷かれているな~。
「やぁぁぁっ!」
ッ!? キィィィィン!
「っと、危ない危ない。あやうく一本取られてしまうところだったな。」
ふぅ~、本当に一瞬冷や汗をかいた。さぁ、集中しないとな。
「…兄さん、能力は使わないの?」
「はははっ、これはお前の鍛錬だろうイッセー? 俺が能力を使ったら瞬殺しちゃうから、お前の鍛錬にならないだろう」
――カチンッ!
あっ、挑発しすぎた?
「なら、意地でも使わせてやる!ドライグッ、力を解放だ!」
『Explosion!』
イッセーの『
そう感じていると、イッセーが一瞬視界から消えた!?
「ッ!? そこかっ!」
ギィィィンッ!
「くっ、防がれた!?なら、これで!」
イッセーがその速度のまま連撃を仕掛けてくる。
カッ、キン、キィン、ギィィン!
「腕を上げたな、イッセー」
「まだまだっ!」
さらに、加速するのかっ!?
ギィィィン!
片方の刀を弾かれたか、そう思った瞬間誤って能力を発動させてしまう。
「っ!? 待――」
ガァァァンッ!
鋭い雷鳴が鳴り響いた瞬間衝撃が発生した。何とか、イッセーに直撃させないようにしたが、イッセーは衝撃で吹き飛ばされてしまった。
俺は急いでイッセーの元に駆け寄った。
『Reset!』
その音声が聞こえた瞬間、イッセーから力が抜けた。
「大丈夫か、イッセー?」
「うぅ、ぐすっ……痛かったけど、何とか兄さんに能力を使わせたから、僕の勝ちだ! ぐすっ……」
必死で泣くのを堪えながら、イッセーは俺に向かってVサインを向けてくる。
やれやれ、まだ俺も鍛錬不足だな。
「そうだな、イッセー今回はお前の勝ちだ。それにしても、俺に能力を使わせるなんて、成長したな」
そう言ながら頭を撫でてやると、さっきまで泣きかけていたのが嘘のように、満面の笑みを向けてくる。切り替え早いな…
「うん、父さんにも言われたよっ! まだ、父さんには全然敵わないけど」
「気にするな。親父にはまだ、俺だって勝ったことも、一本取ったことだってないんだぞ」
「じゃあ、どっちが先に父さんから一本取れるか競争だね!」
「ああ。じゃあ、ひとまず飯にするか」
「うん!」
母さんから貰った包みを開けると、おにぎりが入っていた。だがふと気づいた。
「あれ、イッセー飲み物は―――」
「うん?」
そう言って、水筒の中にあったであろう中身を全て飲み干した弟の姿がそこにはあった。
「やれやれ、全部飲んでしまったのか」
「うぅ、ごめんなさい」
「いや、気にするな。買いに行ってくるから、ここで待っていろよ?」
そうすると、イッセーはコクコクと首を縦に振って頷いた。
さて、なるべく急いで買いに行くか。
――side out
―― 一誠side
兄さんが、飲み物を買いに行った後、母さんの作ってくれた、おにぎりを少し摘み食いしながら、ドライグと話していた。
「はぁ~、やっぱり兄さんは凄いな~。敵わないや」
『確かに、相棒の兄は強いな。しかし、相棒も赤龍帝である俺を宿しているのだぞ?いずれは、超えることもできるだろう』
「う~ん、別に超えられなくてもいいんだけどな~。一緒に鍛錬してくれて楽しいし、久しぶりにいっぱい話ができるから、それでいいや。けど、また北欧に行っちゃうのは寂しいな……」
『はははっ、その気持ちを大切にすることだ。決して力に溺れないようにな』
「ドライグの話は、たまに難しくて分かんないや。どうやって、力に溺れるのさ? 海に溺れたことはあるけど…」
『はははははははっ、つい先日行った時のことか。あの時は笑ったぞ。なぜ、浮き輪を使っていたのに、溺れたんだか。あの時の刃紅や、相棒の母の焦る姿は新鮮だったぞ』
「うぅ、もう泳げるようになったもん。少しは…」
『泳ぎもそうだが、少しずつ苦手なことを克服していけばいいさ。時に相棒、気になる力を感じるんだが…』
「気になる力―――――ッ!?」
『相棒も感じたか。いかにも嫌な気配だ。決して近づ――
おい、聞いているのか?』
僕はすくっと立ち上がって、力を感じた方と少し違う方向に向かって歩き出した。
『おい、聞け相棒。何があるのか――』
「うん、ドライグ。危ないのは分かっているんだけど、この近くって神社があったでしょ? もしそこに近づいてるなら、あそこの人たちに知らせてあげないと」
そう言うと、ドライグは嘆息して話しかけてきた。
『分かった。ただし必ず俺が引け、と言ったら引けよ、相棒?』
「分かった。ありがとう、ドライグ」
そして、僕は神社に向かって歩き出した。
――side out
―――ユリウスside
「はぁ~、やれやれ。ツいてないな、まさか一番近い自動販売機が全部売り切れとは………少しイッセーを待たせすぎたかな?」
そう、呟きながら裏山を上っている途中、妙な力を感じた。その先に少し歩を進めると、黒装束に身を包んだ怪しい集団を見つけた。
(全部で4人か。恐らく、俺の感じた妙な力の発生源は…アレか。)
そう思って、全員が持っていた長い包みに目を向けた。
妖刀の類でも入れているのだろう。何にせよ、碌なものではないな。嫌な気配だ。胸くそ悪くなる。
イッセーも待たせているし、弟の安全が最優先だな。あんな連中とイッセーを会わせるわけにはいかない。一度イッセーの元に戻ろう。
そう思って、イッセーの居たはずの場所に戻って俺は焦ることになる。
―――side out
―― 一誠side
神社に到着して、少し遅かったと後悔した。神社の境内は荒らされ、所々に戦闘の跡が残っていた。
その時、女の子の鳴き声が聞こえたような気がした。
急いで、『赤龍帝の籠手』を発動させて、倍増を始めながら声のした方へ、急いで向かった。
『Boost!』
そこには、離れの家があった。庭の外から、覗くようにして家の中を伺った。
「っ!? これは…」
そこにも、散々荒らされた状態の家の様子が見れた。
さらに、家の中に黒装束を着込んだ3人組が、一人の女の人に詰め寄っていた。その腕の中で、僕と同い年くらいの少女が泣いていた。3人組が口を開く。
「その子を渡してもらおう。忌々しき邪悪な天使の子だ」
「この子は渡しません!この子は私の大切な娘です! あの人の大切で大事な娘です! 絶対に渡しません!!」
女の人は、必死に少女を抱きしめている。
「…貴様はあの邪悪な天使に心まで穢されたか。致し方あるまい」
そう言って、一人が刀を振り上げる。
「朱乃っ!!」
「母様ぁぁぁっ!」
――ッ!!このままじゃ!!
その瞬間、また脳裏に覚えのない記憶がよぎる。
――memory
ここは、ホール?少し広めの空間で赤と黒を基調とした、鎧姿の男と二人の人物が戦っていた。片方は白黒の髪に青いワイシャツ、黒いズボンで黄色のネクタイをしている。何だか、他人な気がしない……
そしてもう一人は、ブロンドのロングヘアーの女の人だ。ホールの隅には僕より少し年上な感じのする女の子がいる。ホールの柱には白衣姿の少年が磔にされていて、別の柱にはチョビ髭を生やした男の人が磔にされている。
何でだろう?急に胸が苦しくなった。僕はこれを知っている?
「…で、隠し味は―――生贄だ」
そう言うと、共に戦っていたブロンドの女の人の足元に巨大な穴が開いた。
「あああ!」「っぐぅぅぅ!」
急いで白と黒が混じった人が、急に黒い鎧のようなものを纏って、女の人の手を掴む。もう片方の手には槍が握られていて、それを地面に刺して耐えている。
――髪型だけ違うけど髪の色が同じだ。あれは、僕?
「ルドガー、ミラ!」 少女が叫ぶ。
「リドウーーーっ!」
白衣姿の少年が柱に磔にされたまま叫ぶ。あの赤と黒い人がリドウって人なのかな?
「素直になれよ、ジュード・マティス。 会いたいだろう?愛しのマクスウェル様にさ」
「この、この!これ止めてよ!」
少女が剣を鎧姿の男にぶつけながら、叫ぶ。
「大人気だね。ニセモノ」「ニセモノじゃないしッ! ミラは…ミラだよ!」
「あっそ」
ガッ!
少女が蹴られ、吹き飛ばされた。
「エル!」「っく!」
鎧の男が、刃物を持ち少女に迫る。
「は、離して! このままじゃ……」「あきらめちゃダメ、ミラー!」
「お前は諦めろ!」
鎧の男が手を振りかざした。
「しっかりしろ! 誰がエルのスープを作るんだ!」
女の人の手を掴んでいる男の人が叫ぶ。
「……ごめん。あなたが作ってあげて…」
「ッ!」
女の人は自ら手を放す…
「お願い! エルを!」
そして、その人は目の前の暗い穴に落ちて行った………
――side out
「やめろぉぉぉぉぉっ!!!」
バキィィィ!!
我に返った僕は、刀を振り上げた一人を殴り飛ばした。一体今の記憶は…
「なにっ!?子供だと!?」
残った二人は驚いて目を見開いている。
「ドライグッ!解放だ!」
『やれやれ、必ず生き残るぞ相棒!!』
『Explosion!』
そうして力を倍増した後、残りの二人を思いっきり殴り飛ばした。
「ふぅ、大丈夫?」
そう言って、振り返った瞬間だった。
「後ろっ!」
少女がいきなり叫んだ。
ガッキィィィン!
無傷の男が、放った斬撃を何とか籠手で防いだ。まだいたのか!?
けど防御が不完全だったから体勢を崩された。マズイッ!
ザッシュ!
目の前に突如女の人が現れて、切り付けられた。
「ぁ…あぁ………母様ぁぁぁぁぁっ!!!」
「う……うわぁぁぁぁぁ!!!」
今切り付けてきた男を、渾身の力で殴り飛ばした。
壁を突き破って、向こう側まで吹き飛んだ。
『Reset!』
その瞬間に力が抜ける。
「か、母様ぁ……」
「あ、朱乃…」
少女が母親に近づいて、彼女を呼んだ。
「この、化け物ガァァァァァァァァッ!!」
っな!? 一番初めに殴り飛ばした男が切り付けてこようとしていた!解放前だったから力が足りなかったのか!?今度は僕が二人の前に立つ!
「いやぁぁぁぁっ!」
「―――セルシウスッ! 防げっ!」
パキィィィィ!
突如、僕の前に氷壁が現れて、男の斬撃を防いだ。
「ヴォルトッ! 弾き飛ばせっ!」
ガァァァン!!
男は紫の閃光に包まれたと思えば、遥か向こうに吹き飛ばされていた。
「イッセー、無事か!?」
「兄さん!」
ゴッ!
「うっ!!痛いよっ、兄さん! 剣の柄で殴らないでよ!」
「馬鹿野郎っ! 待ってろと言っただろう!」
「はっ、それより――」
僕は急いで、女の人の元に駆け寄る。少女は、母親にしがみ付いたまま、泣いていた。血が止まらない…
「っく、ドライグ! 何とかならないの?」
『……残念ながら相棒、俺に人を癒すような力はない。ましてや、これは呪いだ。簡単に解くことはできない』
「そんな…」
「…そんなに、悲しそうな顔をしないで。あなたは…私たちを、守ってくれた」
「違うッ、守れてなんか…」
「い…いえ、守ってくれたわ。私の…大切な宝を………あなた……が来なければ、今頃は朱…乃も……ゴホッ」
「ぁ…ぁあ、 い、やぁぁぁ……母様…母様ぁぁ………」
「イッセー……」
また、失うのか?…あの記憶のように……
そんなのっっ!!
『ならば、我が力を貸そう』
いきなり、聞いたことのない声が聞こえた。
『強く思え。貴様は審判を超えし者。この世界では我等の力は思いの強さで発現する』
そう聞こえ、僕は強く念じた。目の前のこの人を救いたいと――
カァァァァァァ!
そう願った瞬間目の前が急に光りだした。そこへ手を伸ばすと、金と銀と、僅かに黒が入り乱れた、懐中時計が現れた。
それを、徐に女の人の方に掲げ叫ぶ。
「『
女の人の傷の付近が淡く光りだした。そうすると――
「なっ! これは、傷が治っ――いや、戻しているのか?時間を!?」
暫く、そうしていると完全に女の人の傷が消えた。――あれ?急に、ね…む……
ドサッ
―――side out
―――ユリウスside
「イッセー!」
俺は急いで倒れた弟を抱え起こした。
「すぅ、すぅー」
「………寝ているだけか。 はぁ~……良かった~」
全く、凄いよお前は。そう思いながら、寝ている弟の頭を撫でた。
『ユリウス』
いきなり、イッセーの籠手の宝玉から声がした。
『この女の傷は治ったが、呪いの方までは巻き戻せなかったそうだ。今の相棒は幼いから、しょうがなくはあるのだが…それと、相棒の中にいる、俺以外の者からの伝言だ。「時が来れば、いずれは全てを話す。全てを知るには、こやつはまだ幼い」だそうだ。同様の内容を、刃紅にも伝えてくれ』
それだけ言うと、消えてしまった。
――全てを知るには、か…
まぁ、今考えても始まらないだろう。今やるべきことは、こいつ等を拘束することか。
そう思い、すぐさま4人組を一か所に集め、氷で動けないように固定した。
「よし、これでいいだろう。さて――」
「あ、あの、ありがとうございました」
イッセーを担いで、その場を後にしようとすると、イッセーが助けたであろう少女が礼を言ってきた。
「あぁ、同じように背中のこいつにも伝えておくよ。じゃあな」
「あ、待っ――」
ビュンッ!
その場から急いで去った。というのも、今はもう夕方の4時30分だ。母さんに、イッセーと必ず5時までに帰るように、言われたからな。
イッセーは意識がないし、このままいくと……ブルッと身震いした。
このままだと、母さんに大目玉を食らってしまう。それだけは、何としても阻止しなければっ!
そのまま、背中のイッセーを気遣いながら走り、何とか門限は守れたが、母さんが背中のイッセーを見て、顔色を変えた……………
説教は免れなかった。
小一時間ほど、留学へ行ってて寂しいだとか、なんでもっと細目に連絡を取らないの、だとかの願望という名の説教を受け続けた。
うぅ……
いかがでしたでしょうか?
ユリウス苦労人ですね。ドンマイ!
所々、無理がありましたが...
見逃してください。
さて、一誠の中にはロンギヌス(?)が複数存在します。ユリウスも同様ですね。どういった能力なのかはまた別の機会ということで...
う~ん、中々本編にたどり着かない。