ハイスクールD×D ~審判を超えし者~【凍結】 作:メラニン
自分は色々あって、精神HPが赤です・・・
ま、それはさておき、今回は使い魔の話にしようかとも思ったんですが、少し違う話を一回入れさせていただきます。
申し訳ない。
ではどうぞ!
―― 一誠side
「いっちぇー、まだぁ?」
「まだぁ?」
「もう少し待ってな」
俺は今宿泊処ロランドで、何時もの様に悪魔稼業に精を出していた。
で、今はお菓子作り中。
何でこうなったかと言うと、ウォーロックさんとソニアさんが揃って市場に買い出しに行ってしまったからだ。
1時間程前に、部室にいつも通り集合したら魔法陣が急に輝いて、朱乃さんが調べた所、俺への緊急の依頼という事で大した確認もせずに転移した所、かなり慌てた様子のウォーロックさんとソニアさんが居た。
で、顔を合わせるなり早々
「来たか、イッセー君!すまんが、娘を頼む!」
「へっ?」
「いきなり、それじゃ分かんないでしょ!」
ドスッ!
「ぐふっ!?」
ソニアさんの的確な打撃がウォーロックさんに食い込む。アレは痛い………
「す、すまん、イッセー君………実はな、これから買い出しやオープンしたばかりの支店のチェックに行かないといけないんだ。その間だけ娘達の面倒を頼みたいんだ」
なるほど、つまりはベビーシッターか。けど、一つ気になるのは……
「はい、全然構わないんですが………えっと、一体いつ支店なんか出したんですか?」
「おお!それが君と考えたメニューが大当たりでな!それで利益は十分だったんだが、ここの従業員が
今では『宿泊処ロランド2号店』として、つい2日前にオープンしたんだ。それで一応様子を見に行こうという事になったんだが、子供二人を連れて行く訳にもいかないから、その間だけ娘達の面倒を見てくれないか?」
なるほど、そういえば従業員が減ってるな。
「ええ、お安い御用ですよ。では、今回の依頼はレイアとアグリアの相手って事でいいですか?」
「ああ、頼--ぐおっ!?」
ソニアさんが再び腹パンを……
「ちょっと!それだけじゃ無いでしょうが!
ごめんねぇ、イッセー君。この人が説明不足で」
「い、いえいえ!まだご依頼があるようでしたら幾らでも聞きますから。ははは……」
俺は出来る限りの営業スマイルを作った。だってソニアさんの腹パン、めっちゃ怖いんだもの!
「もう一つ依頼があってね。私達が居ない間に、お店を閉める訳にもいかないから、食堂の方だけお願い出来ないかい?今日宿泊客の予約は無いし、今日だけ宿泊は出来ない様な旨の張り紙もしておくから。頼めるかい?」
「はい、そんな事なら全然構いませんよ。メニューはそもそも俺とウォーロックさんとで考えた物ですから調理も出来ますし」
「そうかい!いやぁー、良かったよ!引き受けてくれて。食材は全部使い切るくらい自由に使って良いから。まぁ、それに今日は平日で、この時間帯は混まないから!じゃあ、3時間くらいで戻って来るから、頼んだよ!
レイア、アグリア。イッセー兄ちゃんの言う事を良く聞くんだよ?いいね?」
「「はーい!」」
うんうん、と満足した様に頷くソニアさん。
「ほら、何時までそうしてるんだい!?行くよ!」
ガッ、とウォーロックさんの服の襟を掴んで、ズルズル引きずられて行くウォーロックさん……
「レイア、アグリア!いい子で留守番してるんだぞ〜!」
「「行ってらっしゃーい!!」」
元気に手を振って見送る娘二人に終始顔が緩みきったウォーロックさんが、遠くに消えて行った。
「さ、お客さんも来るかもしれないから、お店の中に入っておこうか」
「「あい!」」
うん、元気の良い返事だ。俺は二人を連れて店の中へと戻った。
で、1時間くらいレイアとアグリアの面倒を見つつ、接客しながら過ごしたところで、お客さんが大体はけてきた。
驚いたのは、たどたどしくはあったが、レイアとアグリアがお客の注文を取りに行っていた事だ。何でも常連さんに聞くと、この2人は何時もウォーロックさん達の仕事を率先して手伝っていると言う。何でもお手伝いが楽しいらしい。そういう年頃なのかな?
今では立派な看板娘達って訳だ。ウォーロックさんが目に入れても痛く無いほど、娘を可愛がる理由が分かった気がする。
お客さんも、そんな二人を見に来るのが目的の人も多いそうだ。
グゥゥ〜……
で、お客が居なくなって、手伝いに疲れたのか二人のお腹が鳴った。
「ははは、そっか。二人とも疲れたよな。そうだな、手伝ってくれたご褒美に何か好きなものを作ってあげるよ」
「「ホント!?」」
2人は目をキラキラさせながら、コッチを見てくる。
「ああ、ホントホント。じゃ、2人は何が食べたい?」
「えっとねー、おかし!」
「わたし、けーき!」
おおぅ、この辺は二人とも女の子だね〜。甘い物好きですか。
ま、一応作れるけど。
「うーん、材料あるかなぁ?」
ガサゴソと調理場を漁る。後ろには期待の眼差し全開のレイアとアグリアが、ちょこちょこと付いて来る。
これで無いとか言ったら、泣かれそうだよな………
頼むからあってくれよ。
俺は切実に願いながら、材料を探索する。
「えっと………おっ、あったあった。薄力粉だろ、砂糖に、えーっと……おっ、ホットケーキ用の粉まである」
「えー、ほっとけーき、作るのぉ?」
ケーキをオーダーしたアグリアが、不満そうな声を上げる。
「いや、違うよ。この粉って、ケーキの材料にも使えるんだ。ま、実際に出来てからのお楽しみって事にしときな」
「うーん………はーい」
まだ、ご不満の様なアグリア。これはビックリするぐらいの物を作んないとな。
さてと、残りの材料も探しますか。
俺はそれからも調理場を探索して、5分後には卵やチョコレート、バターなど、必要な材料を集め終わっていた。
「さてと、作りますか!」
「「わたしも手伝うー!!」」
元気一杯に手を挙げる、レイアとアグリア。
「うーん、火とかも使うから危ないんだけど……」
キラキラした目でコッチを見上げる2人。うーーーーーーーーん……………………
「分かった。じゃ、簡単な所だけ手伝ってくれるか?」
「「あい!!」」
元気良く返事をすると、2人は手を洗い始めた。
その間に俺は一方のボウルに、バターを入れて擦り混ぜて、そこに溶き卵を流し込んだ。そこに薄力粉を入れた。
で、もう一方のボウルにはホットケーキ用の粉と、牛乳、砂糖、卵、少し溶かしたチョコレートを入れておいた。
「「いっちぇー、手あらったー」」
2人が両手をコッチに広げてくる。
「よし!じゃ、始めるか。レイアはコッチで、アグリアはコッチのボウルな。レイアは手で直接混ぜてな。アグリアはこれを使おう」
「「はーい!」」
レイアは素手で、薄力粉が入った方のボウルを、アグリアは泡立て器でチョコレートの入った方を混ぜ始めた。
それから、それぞれの工程を経て、それぞれ型に流し込んで、オーブンへ入れた。2人が思いの外熱中してしまい、結構な量の生地を作ったので、物凄い量になった。まず、クッキーが大体100枚に、ケーキは5ホールにもなった。
うん、調子に乗りすぎた………
で、オーブンの側でジッと中を見つめるレイアとアグリア。時々まだかまだか、と聞いてくる。
仕方無い。簡単な物を作るか。
俺は食パンと、マーガリン、砂糖を出して来て、食パンをレンジで軽く温めている間に、マーガリンと砂糖を良く混ぜる。それを一口サイズに切った食パンに塗って、別のオーブンで簡単に焼いた。
「ほら、待ってる間にこれでも食べておきな」
俺は二人に白く、表面に砂糖の付いたお菓子を差し出す。2人は既にコッチに興味深々だ。
「「なぁに、これ?」」
「これはラスクってお菓子だよ。食べてごらん」
初めて見たからなのか、2人は恐る恐る口に運んでいく。ただ、サクッと口に含んだ瞬間にパァっと、表情が輝いた。
「「おいしい!!」」
「お、それは良かった。ほら、まだあるよ。あっ、でも余り食べ過ぎないようにな。メインのケーキと、クッキーが食べられなくなるぞ」
「「うん!」」
それだけ言うと、2人はチビチビとラスクを齧り始めた。
そんな風に時間を潰していると、チンという音がした。どうやら、焼き上がったみたいだな。
カランカラン……
と、そこで、来客を知らせるベルが鳴る。あれ、お客か?
俺はオーブンを切って、レイアとアグリアに待っておくように言っておいた。凄い嫌そうな顔をされたけどな。
うーん、子供って欲望に素直だよね。
「はーい、いらっしゃい………ま…………………………せ……………………?」
俺はお客を迎えようと、カウンターから出た所でフリーズした。思わぬ来客だったからだ。
「お、やってるなイッセー。どうだ、悪魔稼業は?」
「イッセー!遊びにきたにゃん♪」
「ゴメンね、イッセー君。止められなくて」
「おっ、いい匂い。何々?この匂いもしかしてイッセー君、お菓子作ってた?ラッキー!」
「ノヴァ、行儀が悪いですよ。申し訳ありません、イッセー様」
ゾロゾロと、入って来るグレモリー眷属一同に、ミラ、黒歌、兄さん、ノヴァさん、ヴェルさん。
おおぅ、一気に人口密度が………
「いっちぇー、だれぇ?」
「だれぇ?」
奥からヒョコッと顔を出すレイアとアグリア。
「「あーっ!ミラねーちゃ!」」
テテテと、ミラに駆け寄るレイアとアグリア。ミラの脚に、2人はしがみ付いた。
「久しぶりね、レイアとアグリア」
「「うん、ひさしぶり!」」
「お久しぶりです、レイアさん、アグリアさん」
「アーねーちゃ、ひさしぶり!くろねーちゃも!」
「お久しぶりにゃん、二人とも♪」
そっか、居候組はここに来た事があったんだ。けど何で居るんだ?
「あの、部長?何で勢揃いなんですか?」
「スッカリ忘れていたのだけど、あなたとアーシアは使い魔を持っていないでしょう?それで、使い魔を手に入れる手筈を整えて置いたんだけど、失念していたのよ。ほら、最近イロイロあったじゃない?」
まぁ、確かに合宿にライザーとの初ゲームなどイロイロとありましたが……
「って事は俺を呼び戻しに?」
「ええ、そうよ。ついでにあなたの仕事の様子を見ようと思ってね。そしたら皆付いて行くって聞かないんですもの」
部長は少し嘆息しながら言った。
「で、仕事は順調かしら?」
「ええ、まぁ。って言うか、何で兄さんまで居るんだよ!」
「前にお前達が夜にここに出掛けただろ?それで、少し興味が湧いてな。安心しろ、一応客として来てるから」
ジー……
「ん?何かな?」
レイアとアグリアが、兄さんに注目していた。それに気付いた兄さんが膝を付いて視線を合わせる。
「「いっちぇーに、にてる!」」
「おっ、そうか。俺とイッセーは似てるか。それは嬉しいな」
兄さんが微笑む。だが、その微笑みは次の一言でブチ壊しにされた。
「「いっちぇー、このメガネのおじちゃん、だれぇ?」」
「お、おじっ!?」
「「「「「「「ぷっ、」」」」」」」
俺たちは全員が吹き出してしまった。いやぁ、子供って正直だね。ククククク…………
「あ、あのなぁ、俺はイッセーとは8つしか変わらないんだぞ。まだ、おじさんって歳じゃない」
「いやいや、ユリウスさん。ぷっ………8つって結構離れて……ブフッ………そ、それに、このちっちゃい子達からしたら………ぷっ…………あっはははははははは!ご、ごめんなさい!我慢できない、アハハハハハハ!」
笑うのを堪えながら、話していたノヴァさんだったが我慢しきれなかったようだ。ぷっ…………ククク……
それにしても、この世界でもおじさん呼ばわりって…………ククククク…………
ヤバい、笑いを堪えるのが辛い!
「この!………………ノヴァ!お前減給だ!」
「え〜〜〜!?ヒドい!職権乱用だ!パワハラだ!」
「うるさい!上司を侮辱した罰だ!」
「え~~~~ん!ヴェルー、ユリウスさんがイジメるーーー!」
ヴェルさんに泣きつくノヴァさん。
「ノヴァ、ある意味自業自得ですよ」
あらら、ヴェルさん結構冷たい。クイクイっと、服が引っ張られた。
「「いっちぇー、まだ?」」
「ははは………そうだな。ほら、兄さん!そこまでにしてあげなよ。取り敢えず席に案内するから。コッチだよ」
俺は席に皆を案内した。レイアはミラの膝上に、アグリアはアーシアの膝上に乗って、それぞれ上機嫌である。
「ご注文は?」
「いっちぇー、おかし!」
「けーき!」
「はいはい、2人はそれな。で、兄さんたちは?」
「そこのお嬢さん方のオーダーと同じで頼む。皆もそれでいいか?」
全員が頷いた。
「承りました。少々お待ちください」
俺は奥に行って、大量に作ってしまったお菓子を台に積んで、持って行った。
「おー、また一杯作ったね〜。けどイッセー君の料理を久しぶりに食べられるから、ラッキーだよね!ね!ヴェル?」
「分かりましたから、そんな騒がないでください、ノヴァ」
「にしてもイッセー、コレは作りすぎじゃないか?」
「これは、レイアとアグリアに手伝ってもらったら、二人とも結構熱中しちゃってさ。で、この量になったって訳」
「「わたしたちが、つくったの!」」
レイアとアグリアは、ミラとアーシアの膝上で誇らしげに自慢する。
「へぇ、すごいじゃない。ちゃんと出来たのかしら?」
「「うん!」」
力一杯頷く2人。
「さて、じゃあ皆、今回は兄さんが全部奢ってくれるようだから遠慮せずに食べてくれ」
「おい、イッセー!何で俺だ!?」
「いやいや、ここは年長者としての威厳を見せるべきだと思うよ、兄さん?」
「ぐ………身内に支払いを対価を求めるとは………悪魔か、お前は!?」
「悪魔ですが、何か?」
「…………はぁ、分かった。ここは俺が奢らせてもらおう。皆、好きなだけ食べてくれ」
「ありがとうございます、お兄様」
部長がスッと、頭を下げる。
「ああ、いいんだ。これは君達の引越し祝いも兼ねてだと思ってくれ」
「はい、分かりました。じゃあ、皆いただきましょう」
「「「「「「「「はい、いただきます!」」」」」」」」
「ん?ちょっと待って。引越し祝いって?部長、引越したんですか?」
「あら、知らなかったのかしら?今日からお世話になるわね、イッセー♪」
「ふふふ♪私もお世話になりますわ、イッセー君」
「私も、先輩の家にまた戻ります」
ん?お世話になります?戻ってくる?どこに?えっ、俺の家に?
ん?ん?ん?
「えっと、兄さん?」
俺は兄さんの方に視線を移した。何時ものように、面白そうな笑みを浮かべている。
「あれー?そっかー、イッセーは知らなかったかー。知ってるもんだと俺は思ってたからなー(棒読み)」
ガシッと、俺は兄さんの肩を掴む。
「兄さん?どういうことかな?」
すると兄さんは俺の首に片腕を回してきて、皆に背を向けて、聞こえないように言ってきた。
「お前、リアスさんの婚約、滅茶苦茶にしたんだって?」
「なっ!?何で兄さんがそれを知ってるんだよ!てか、あれは部長も望まない結婚であって――」
「まぁ嫌がっているとはいえ、女の子の結婚を潰したんだし、イロイロと責任は取らないとなぁ?」
「な、何だよ?イロイロって?」
「ファーストキス」
「!?」
「ははは、油断したなお前。アレがバレないとでも思ったか?」
な、何でバレた!?あの時、擬似空間は壊れかけて、外からも様子は見れなかったはずだし、アレを目撃したのは、アーシアとドラゴン達だけの筈なのに………
「………まさか、あのインカム………」
「正解だ。モニターがどういう動きや衝撃でダメージを受けるのかも調べたかったからな。コッソリ内蔵型のカメラを取り付けといた。安心しろ。誰にもコレは言ってない。だが、婚約を潰された相手の希望は聞くべきだよな?」
「ぐっ……………兄さんの方がよっぽど、悪魔っぽいよ!!」
「失礼な。これでも俺は人間だ」
「「いっちぇー、まだー!?」」
後ろからレイアとアグリアが声をかけて来る。
もう待ち切れない、といった様子だ。
「はぁ……………はいはい、じゃあ切り分けるか」
それから、俺たちは俺作のケーキや、クッキーを食べた。だが、さすがに多かったので食いきれなかったけどな。
しょうがないので、残りは俺が亜空間に収納することにした。レディオンを具現化する事が出来てから出来るようになってて、少し驚いた。
ちょうど、食べ終わって全員に紅茶を出した頃に、ウォーロックさん達も帰って来た。
そこで俺は報酬を受け取って、この日の悪魔稼業は終了になった。
それから、俺たちオカルト研究部組は部室へ戻り、兄さんたちは残った。何でも少し商談をしたいらしい。
抜け目ないな、ホント………
というわけで、今回は一誠の悪魔稼業でした。
あとは、まぁ・・・
因みに、作中出てきたお菓子ですが、実際にあの材料で作れますよ?(分量はメンドイので書いてませんが・・・)
興味があればチャレンジしてみて下さい!
さて、次回こそは使い魔の話です!
では、はいちゃらば!