ハイスクールD×D ~審判を超えし者~【凍結】   作:メラニン

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どもども。


さて今回は兵藤家の豪邸の紹介と、イッセーにとっては少し恥ずかしいイベントですね。知らないうちにユリウスも巻き込まれているといった内容です。


では、どうぞ!


第2話 悪夢なアルバムと聖剣です!

―― 一誠side

 

 

 

家が豪邸になってから、少し経った。しかし、まだイマイチ落ち着かない。何もかもが大き過ぎるんだよなぁ。

まず、玄関。玄関は以前のリビングくらいの広さになっており、さらに靴の収納スペースがとんでもない程広い。そして、リビングは以前のものより5倍以上の広さがあるようだ。ダイニングやキッチンも大幅に広くなった。

家具や調理器具なんかもほとんど新品で母さんも上機嫌な様子。

しかも、地下まで作られてた。地下3階まであって、地下一階はトレーニングルーム。トレーニング用の機材の他に、それなりに動き回れるスペースがある。多分模擬戦用のスペースかな?

さらに、大浴場まで付いている。本当にどこかの温泉みたいな広さだよ。しかし、男女共用なので入ってるか入っていないかが分かるように、回転式の札が扉の横にかかっている。

地下2階は室内プールになっている。その辺の市民プールなんかよりよっぽど広い。

そして、地下3階はかなりだだっ広い空間だ。何でも大規模な魔法陣なんかで転移したりするときに使うらしい。魔法陣を使わない時はそれなりに、大規模な模擬戦に使用可能。強度もかなり高くて、どんな災害などが来ても、崩れないとのこと。まぁ、今は倉庫みたいに使われているんだけど。

 

 

そして地上一階はリビングやキッチン、ダイビングなど。あとは、父さんと母さん、兄さんの部屋も一階だ。

そこから、上のフロアがそれぞれの部屋になっている。5、6階はまた、別のスペースになっていて、来客用だという。

因みに、俺の部屋は2階になっており、隣がそれぞれ部長と、アーシアの部屋になっており、隣り合ってる部屋同士行き来できるように扉も付いている。

そして、向かい側がミラの部屋だ。それ以外のメンバーは各々好きな階に部屋を持つ事になった。

 

 

実は部長のお父様は人間界では、建築の会社を運営しているというのは知っていた。その会社と父さんのクランスピア社が提携する事になったらしく、それぞれの技術を集めて出来たのがこの家らしい。インフラは勿論、セキュリティや内装や外装の細部に至るまで、全て最新技術を注ぎ込まれているらしく、いざという時は要塞並みの耐久性を発揮し、戦争が起きても物ともしない、とのことだ………

 

 

 

 

やり過ぎだとも思って、部長に言ったら

 

 

『あら、これくらいの大きさならまだ大した事無いわ。本当はもっと大きくしようともしてたくらいよ。お父様が張り切っちゃってね♪でも、さすがにそれはやり過ぎだから、このサイズにしたわ』

 

 

…………豪邸の時点でやり過ぎです。そうでしたね。部長は冥界の貴族のお姫様でしたね……

まぁ、俺がミラに吹き飛ばされた時に家に大穴が開いて、半分くらい崩れてたみたいだったから改修はするつもりだったらしい。だから、丁度いいといえば丁度良かったのか?

 

 

因みに、今までお隣さんだった方々は、そう遠くない所に引っ越したそうだ。たった、2日間で交渉に成功するとは………

流石は悪魔。今は俺も悪魔なんだけどな。

 

 

 

 

 

 

ま、総じて家のBefore、Afterを比べて言えることは――

 

 

なんということでしょう!

 

 

の一言に尽きるよな………

 

 

 

 

 

あと、余談だが俺たち家族が北欧から戻って来たのは、この街の開発の為だった。この家を筆頭に、街全体を再開発するらしい。既にゴールデンウィーク中に行ったショッピングモールなんかは再開発の最中だ。他にも街のあちこちで工事が始まっている。

確かに、この街は結構広い。そりゃ何かあった時社長がいた方がいいわな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな事情をこの数日間聞きつつ、普通に過ごした。ただ、今少し困った状況になっている。

それは俺の今の電話相手が原因だ。受話器からは騒がしい声が響いている。

 

 

『でね!ついに教会の正式な悪魔祓い(エクソシスト)になったのよ!』

 

 

「そっか、おめでとう。そういえばイリナは途中から、そのための学校に通ってたもんな。良かったじゃないか、念願が叶って」

 

 

 

『うん、ありがとう!それでね、それでね――』

 

 

 

俺の電話相手は柴藤イリナ。俺が小さい頃、同じようなタイミングで引っ越して、向こうでも暫く学校が同じだった幼馴染みだ。まぁ、途中から違う学校に行ったんだけど。俺が北欧から日本に戻ってきた後も何回か電話で話してる。

にしても、相変わらず元気だなぁ。

 

 

『それでね………って、ちょっと聞いてるの、イッセーくん!?』

 

 

「え?あ、ゴメン。少し考え事を。で、何だっけ?」

 

 

『ヒドイわ、イッセーくん!!私が空港に見送りに行った時も、普通に流しちゃうし……』

 

 

「え、そうだったか?」

 

 

『そうだよ!ああ、主よ。これもまた試練なのですね』

 

 

電話の向こうで、本当に祈ってるんだろうな。少し寒気がする。

 

 

 

「悪かったって。で、何だっけ?」

 

 

『空港の時だってさ………その………幼馴染みだったんだし、もっとこう……あそこまでしたのに……』

 

 

「イリナ〜?大丈夫か〜?」

 

 

『へ?あ、う、うん!大丈夫!何でもないよ!で、何?』

 

 

「いや、何?じゃ無くて。俺がそれを聞きたかったんだよ。さっき、俺が聞き逃しただろ?」

 

 

『あ、そうそう。それそれ。で、私が正式な悪魔祓い(エクソシスト)になった関係で、今度そっちに行くから!』

 

 

 

「…………え?」

 

 

 

『じゃ、そういう事だから!………え、もう出る?ウソ、もうそんな時間!?ご、ごめんね、イッセーくん!じゃ!』

 

 

「いや待て!イリナ!?…イリナ?……………切れてる………」

 

 

 

俺はその場で蹲って頭を抱えた。だって、そうだろ!久々に会う幼馴染は教会の悪魔祓い(エクソシスト)。今の俺は日が浅いとはいえ悪魔だ!しかもグレモリー家は結構、他の勢力にも名が知れ渡ってるほどだ。それの眷属だってのがバレたりなんかしたら…………

 

 

 

「うおぉぉ………………どうすれば………」

 

 

 

「イッセーさん?どうしたんですか、頭をかかえて。はっ、もしかして痛むのですか!?今すぐ治療します!」

 

 

アーシアが『聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)』を出して、回復をかけてくれる。うん、相変わらず癒される。って、そうじゃなくて!

 

 

「大丈夫だよ、アーシア。別に頭が痛いわけじゃないんだ。今度、幼馴染が来るみたいでさ……」

 

 

 

アーシアはキョトンとした顔でコッチを見てくる。

 

 

「あの、それで悩んでたのですか?お友達に再会できるのにですか?」

 

 

「う〜んと、その幼馴染は教会の悪魔祓い(エクソシスト)なんだ。ついこの間、正式に任命されたらしくて……」

 

 

 

「教会の方……ですか?」

 

 

 

「ああ、そう………アーシア?」

 

 

アーシアの顔が少し曇った。そこで俺は、ハッとなって気付いた。そうだった、アーシアは元々……

 

 

「ご、ごめん、アーシア!俺は――」

 

 

「だ、大丈夫です、イッセーさん!そ、そうでした!私、お母様にお手伝いを頼まれていたんでした!失礼します、イッセーさん」

 

 

 

アーシアは、スクッと立ち上がって小走りに去って行った。

 

 

 

………やってしまった………

アーシアは既にもう悪魔だが、元々教会のシスターだ。そんな彼女が教会の人間と遭ってしまう状況が今度起きかねない。

教会側はアーシアを『聖女』から『魔女』として追い出した。今でも教会内部で、アーシアは恐らく『魔女』として記憶されてしまっているのだろう。他にも、トラウマだってあるかもしれないのに俺は…………

 

 

 

「あぁ〜…………クソ………どうにもなぁ」

 

 

 

「何やってんのよ?そんな所に蹲って。邪魔なんだけど?」

 

 

 

「お前、落ち込んでる相手に辛辣だな、ミラ」

 

 

 

いつの間にか、隣にはミラが立っていた。

 

 

 

「さっき、アーシアが走ってくのが見えたけど、あんた何かしたの?」

 

 

 

「あ〜〜〜…………した、と言えばした事になるよなぁ」

 

 

 

「何よ、ハッキリしないわね。言いなさいよ。聞いてあげるから」

 

 

 

俺は事細かにさっき起こった事情を話した。どうやらミラはアーシアが何で悪魔になったのか聞いてはいなかったらしく、俺の話を聞いた後、目を細めて厳しい表情に変わっていた。

 

 

 

「まったく!どうして人ってのはこう、自分と違う存在は祭り上げるか、排除しようとしかしないのかしら!?ムカつくわね!」

 

 

 

「まぁ、落ち着けってミラ。それに、そんな人たちばかりじゃ無い。ただ、今回は俺の落ち度だっ――」

 

 

「はぁ?」

 

 

「………何だよ?」

 

 

「あんた、私よりアーシアと長く居て、あの子の事分かってないのね?」

 

 

俺は少しミラの発言にムッとした。分かってない?俺が?アーシアを?

 

 

 

「………そりゃ、全部は分かんないけどさ」

 

 

 

「はぁ………あの子は教会の人間と今更会う事にビビってる訳じゃ無いわよ。ただ、少し気持ちを整理したくて、離れただけよ。その様子を見られたくは無かったんでしょ。

あんたが自分の発言の所為でアーシアが逃げたんだと、思ってるなら思い上がりもいいトコよ。あの子はあなたが思うより、よっぽど強いわよ」

 

 

 

俺はミラの言葉に反論出来なかった。確かに、アーシアがこれくらいで落ち込むような子じゃないのは今まで見て来た。それを忘れてた筈じゃないのに………

 

 

 

「………そうだな。アーシアはよっぽど強いもんな。ありがとう、ミラ。思い出したよ」

 

 

「ふん、分かればいいのよ。分かったらココで落ち込んでないで、サッサと立ちなさいよ」

 

 

 

「はいはい………ん?ミラ、今までのって、もしかして励ましてくれてたのか?」

 

 

 

「なっ、ちょ、調子に乗るな!バカ!」

 

 

 

ミラは少し顔を赤くしながら、足早にリビングへ歩いて行った。

 

 

 

 

ミラの方がよっぽどアーシアの事を見てたのは少し悔しい気もする。だけど、そうだよな。落ち込んでる暇なんか無いよな。

俺は、立ち上がってその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――○●○――

 

 

 

「え、俺の家でですか?」

 

 

「そうよ。旧校舎が今日は年に一度の大掃除なのよ。あと、ついでに色々と建物のチェックもするそうよ。ほら、あそこって中々古いじゃない?だから、今日はイッセーの家で臨時に活動しようと思うの。あなたのお母様の許可も取ってあるから大丈夫よ」

 

 

昨日から一夜明けて、今は揃ってみんなで一緒に登校中。

 

 

「抜け目ないですね………まぁ、母さんが許可を出したんなら良いと思いますよ。それに今は部長たちもあの家に住んでる訳ですし」

 

 

 

「ふふ、決まりね。じゃあ皆、放課後はイッセーの部屋に集合よ。ちょうど、イッセーの部屋が一番広いから」

 

 

「え、俺の部屋?リビングとかじゃ無く?」

 

 

「うふふ♪イッセーくんのお部屋で部活動なんて新鮮ですわぁ」

 

 

「はわわ、イッセーさんのお部屋でなんて……ああ、主よ。このような――きゃう!?」

 

 

「ちょっと、アーシア!?大丈夫!?」

 

 

 

アーシアは昨日の出来事から、事情を自分の中で整理したようで、朝には何時ものように元気に挨拶してくれた。

って言うか、今日俺の部屋で部活なのは拒否出来ないんですね〜…

まぁ、確かに俺の部屋が一番広いんだけど。前の部屋の10倍くらいあるんじゃ無いか?ってくらい広い。テレビやら、オーディオなどの家電製品なんかも全て揃っている。他にも家具類はかなり大きい。特にベッドなんかは一人で使うには広すぎて落ち着かない!

う~ん、慣れるまで時間が掛かりそう。

 

 

「先輩の部屋で………楽しみです」

 

 

 

「にゃははは♪最近イッセーは部屋に入れてくれないから、いい機会にゃん。小さい頃は白音と私と一緒に寝てたのにねぇ?」

 

 

 

ピクリと女性陣の耳が動いた。あ、あれ?

 

 

「イッセー?それは本当かしら?」

 

 

部長が少し漏れ出した魔力で、髪を揺らめかせながら聞いてくる。

あるぇ?

 

 

「あ、あの部長?一緒に寝てたって言っても、俺は子供でしたし、当時黒歌と白音が猫魈(ねこしょう)だって、知らなかった時ですから!」

 

 

「あらあら、イッセーくん?そんな事を聞いていたのではないですわ。今はただ事実確認がしたいだけ。お分かりかしら?で、一緒に寝たことがあるんですの?」

 

 

 

あ、朱乃さんまで………

全員が俺に注目していた。ただ、小猫ちゃんは赤くなって俯いているし、黒歌は妖しく微笑みながらコッチを伺っている。

あの悪猫!絶対こうなる事を予期してやがったなぁ!

ああ、もうしょうがない………

 

 

 

「えっと、その………はい」

 

 

 

「…………黒歌?」

 

 

「どうしたにゃん?リアスちん♪」

 

 

 

ゴゴゴ……

 

 

な、何か不穏な空気が。

 

 

「やぁ、おはよう、イッセーくん。部長たちもおはようございます」

 

 

部長は黒歌に嘆息しつつ、今しがた表れた木場に向き直った。

 

 

「ええ、おはよう祐斗。後でイッセー達から今日の活動について聞いておいてちょうだい。もう、学校に着いてしまったし、話の続きは今度よ」

 

 

 

「ふっふっふ、望むところにゃん♪」

 

 

 

俺は木場に近付いて耳打ちをするように小声で礼を言おうとした。

 

 

「すまん、木場。助かった。あのままだったら、どうなってたか……」

 

 

「いいよ、イッセー君。本当はもう少し見ていても面白かったかもしれないけどね」

 

 

「……………木場?お前傍観してたのか?」

 

 

「さぁ、行こうか、イッセー君」

 

 

「木場?逃げられると思うなよ?」

 

 

「いいや、逃げ切ってみせるよ」

 

 

それからしばらく、俺と木場の鬼ごっこは続いた。

しかも、逃げられた。チクショウ…

 

 

 

――○●○――

 

「「イッセー、貴様!」」

 

 

教室に入るとイキナリ見覚えのある拳が飛んできたので、カウンターを入れてやった。

 

 

「「グフッ……」」

 

 

「で?今度は何だよ?松田、元浜」

 

 

 

「さ、流石だな、イッセー………今の不意打ちを返すとは……」

 

 

そりゃ、前から運動神経は良い方だったし、悪魔になった事でさらに増したからな。今の二人のストレートも、のんびり迫って来るようにしか見えなかった。

 

 

「今度は何だよ?」

 

 

 

「白ばっくれるな、イッセー氏!貴様はあろうことか……あろうことか………」

 

 

 

元浜が震えながら、血の涙を流し始めた。松田も同様だ。

 

 

「アーシアちゃん、塔城黒歌さんに、ミラさんだけでは飽き足らず、二大お姉さまのリアス先輩に、朱乃先輩、マスコットの小猫ちゃんまで、同居とはどういう事だぁ!!?」

 

 

「……………ナンノコトダ?」

 

 

「とぼけるな、イッセー氏!ネタは上がっているんだぞ!」

 

 

「お前の家が豪邸になった後、お前の家の近くを通った奴が、玄関からお前と一緒に女の子達が出て来るところを見た、と言っていたぞ!」

 

 

え〜……俺にプライバシーは無いんかい?ってか一体いつそんなの見られたんだよ。

 

 

 

「それは、えーっと………アレだ!偶々オカルト研究部の集まりが俺の家であったんだよ、うん。そう言えば今日もだな」

 

 

「嘘を付け!夕方にお前の家に行って、朝一緒に登校………イッセー!貴様は女の子を毎日朝帰りさせているのかぁ!」

 

 

「ま、待て!誤解だ!」

 

 

「何々ぃ?兵藤が美少女を毒牙に掛けてる話?朝帰りさせるとはやるわねぇ」

 

 

 

ヒョッコリ顔を出して、話に混ざって来たのはトラブルメーカーである桐生藍華だ。

 

 

「おいぃ!その朝帰りってのヤメろ!生々しいし、そんな事実は無い!」

 

 

「ほうほう。では、ご本人に証言していただきましょう。って事でまずアーシア?どうなの?」

 

 

「ふぇっ!?わ、私ですか?えっと、そのぅ………」

 

 

「アーシアちゃん!嘘は付かなくていいぞ!在りのままを言ってくれ!」

 

 

「そうだぞ!もしイッセー氏に何か口止めされているなら、我らプロジェクトISMチームが保護すると約束し――ぎゃ!」

 

 

「俺が何かやらかしてる事前提で話すのをやめろ!」

 

 

元浜は俺に殴られた頭を抑えながら机に突っ伏した。って言うか、プロジェクトISMチームって何!?あのくだらないヤツそんな大層な物になってんの?

 

 

「で、アーシア?どうなの?確かアーシアって、元シスターとか言ってなかった?その元とは言え、シスターが嘘を付くのはどうなのかしらぁ?」

 

 

こ、こいつ、痛いところを!ってか何でこんなに色々知ってんだ!?

 

 

「はうっ!うぅ……」

 

 

「ちょっと、やめなさいよ!アーシアだって困ってるでしょ!」

 

 

そこで、ミラが間に入った。良かった、助かっ――

 

 

 

「そんなに知りたいんだったら教えてあげるわよ。少し前からリアスや朱乃たちまで、あの家に住み始めたのよ。家が豪邸になったのは、その所為よ。まったく、いい迷惑だわ」

 

 

 

「ミ、ミラ!?そんな簡単に――」

 

 

「はいは〜い、兵藤は黙ってて。ふんふん、なるほどね。で、そのいい迷惑ってのは……ゴニョゴニョ」

 

 

桐生がミラの耳元で何かを呟いている。すると、ミラの顔が真っ赤になった。

 

 

 

「なっ!?ち、違うわよ!何で、私がこんなのを取り合わなきゃいけない訳!?」

 

 

「えぇ〜〜♪なら、取られてもいいの?良かったわね、アーシア。ライバル(恋敵)が減ったわよ」

 

 

 

「あ、あんたねぇ!?」

 

 

「ミ、ミラさん!落ち着いて下さいぃ〜〜〜!」

 

 

 

ケンカ腰のミラをアーシアが必死に抑えてる。桐生の奴また何を言ったん――

 

 

「っとと………黒歌!急に飛び付くな!危ないだろ!」

 

 

「だって、ミラちんが降りてくれるみたいだしぃ?これはチャンスにゃん♪だから、ついつい飛びついちゃったにゃん♪」

 

 

「降りる?何をだ?何で、それがチャンスなんだ?」

 

 

 

「…………イッセー、本当に分かんないのん?ま、らしいと言えばらしいけど」

 

 

 

「諦めなさいな、黒歌。それが兵藤な訳よ。そんなだからプロジェクトISMなんて事やられんのよ」

 

 

 

「おい、今のスゲェ暴言じゃないか、桐生?」

 

 

「え〜〜♪何のことぉ?――あっ、ほらほら予鈴が鳴ったわよ?」

 

 

そう言って、そのまま席に戻って行った。

くっ、また逃げられた!

 

 

 

因みに、松田と元浜は砂になってサラサラ風に流されていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――○●○――

 

 

 

さて、俺たちは学校が終わり、放課後は示し合わせた通り俺の部屋に集まっていた。下校中は周囲の視線が結構怖かったけど、まぁ気にしないでおこう。

で、今は全員が俺の部屋に集まって、それぞれ自由に座っている。

 

 

「さて、じゃあ今月の定例会議を始めるわよ。朱乃」

 

 

「はい、部長。今日はまず、皆さんが取ってきた契約数の確認ですわ。私が14件、小猫ちゃんが11件、祐斗くんが9件、アーシアちゃんが4件ですわ」

 

 

 

「新人にしてはいい成績よ、アーシア。頑張ったわね」

 

 

「そ、そんな私なんてまだ……」

 

 

「へぇ、良くやったじゃない、アーシア。悪魔の仕事なんてよく分かんないけど、褒められてるんなら素直に喜んどきなさい」

 

 

「ミ、ミラさん………はい、そうします!部長さん、ありがとうございます!」

 

 

 

「うふふ、アーシアちゃんは素直ですわね♪で、最後にイッセー君ですわ。イッセー君は8件。イッセー君も新人なのに、この契約数は凄いですわ」

 

 

 

「くそ〜〜……あとチョイで木場に追いついたのに」

 

 

「ははは、僕はイッセー君より悪魔歴が長いから、まだ新人である君には負けないよ。でも差が1件か……これは負けないように気を付けた方がいいね」

 

 

「ふふ、そうね。なら祐斗はイッセーに負けたら、罰ゲームでも受けてもらおうかしら?」

 

 

「おっ、イイですね!ふっふっふ、来月が楽しみだな、木場?」

 

 

 

「ちょ、ちょっと、部長。本気ですか?」

 

 

「ええ♪私があなたに嘘を言った事があるかしら?」

 

 

 

木場の顔が僅かに引きつっている。

ふはは、最近俺をからかってるんんだから、その仕返しだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バンッ!

 

 

いきなり、扉が勢いよく開かれて、入ってきたのは母さんとノヴァさんだ。二人とも、少し大きめのダンボール箱を持っている。何だ、アレ?

 

 

「は〜い、皆注もーく!私とママさんがユリウスさんとイッセー君の面白、恥ずかしなアルバム持ってきたよ〜♪」

 

 

「こういう風に一度でいいから、同級生の子達にイッちゃんのアルバムを見て貰いたかったのよ♪」

 

 

 

「ちょっと待てぇぇぇぇ!!」

 

 

ジャラ……

 

 

「な、これは!?」

 

 

母さんたちのダンボールに手を掛けようとした瞬間に俺の体には白く光る鎖が巻き付いていた。

この、魔術は……

 

 

「ふふ、魔術に関してはまだまだね、イッちゃん♪その鎖を切るのは中々出来ないわよ?なんたって、レプリカとは言え、グレイプニルを模して作った鎖なんだから。そこに私が独自の魔術を掛けて更に強化してあるもの」

 

 

「な、何でこんなのを持ってるんだ!?」

 

 

「向こうで寿退社する時に、貰ったのよ。まさか自分の息子に使うとは思わなかったけどね。さ、皆!見てちょうだい。イッちゃんの過去を!」

 

 

 

「やぁめぇろぉぉぉぉぉ!」

 

 

俺の叫びは虚しく、皆それぞれにアルバムを取ってはどんどん開いていく。

あぁぁぁぁ……………

 

 

 

 

「小ちゃいイッセー小ちゃいイッセー小ちゃいイッセー小ちゃいイッセー小ちゃいイッセー小ちゃいイッセー……」

 

 

「部長さんのお気持ち分かりますぅ」

 

 

「そう、あなたも分かるのね、アーシア」

 

 

 

「全く、アルバムなんかで舞い上がっちゃって」

 

 

「そんな事言いつつ、ミラちんもキッチリ見てるにゃん」

 

 

「う、うるさい!」

 

 

「………先輩、溺れてます」

 

 

スッと小猫ちゃんが一枚の写真を指差す。

何で嬉しげ?

 

 

「ああ、それはね、イッちゃんが初めて海に行った時よ。泳げないのに波にさらわれちゃった時ね。あの時は焦ったわぁ」

 

 

「先輩はカナズチなんですか?」

 

 

「違うぞ!?今ではしっかり人並みには泳げるぞ!」

 

 

 

「そうですか……」

 

 

あれ?何で落ち込む?

 

 

 

「はいはーい!ママさん質問!コッチのユリウスさんと、イッセー君が泣いてる写真は?」

 

 

 

「それはね、ユリウスが留学に行っちゃう前にイッちゃんが凄いごねちゃって。それで挙げ句の果てに喧嘩して、刃紅に怒られちゃったのよ。理由が理由だけに、どう叱ればいいものか分からなくて大変だったわ。でも、ユリウスとイッちゃんが初めて喧嘩した時の写真だから、結構お気に入りなのよね。二人して泣いてる写真なんかこれしか無いんだから」

 

 

「ヘェー……あのユリウスさんが」

 

 

「ふふ♪あの時は特に可愛かったわ。あの時のイッちゃんは意地でもユリウスに行って欲しく無くて――」

 

 

「わあぁぁぁぁぁ!!頼むから止めてくれぇぇ!」

 

 

 

クッソーー!この鎖さえ無ければスグにでも回収して封印するのに!ってか、本当に切れないんだけど、この鎖!元歴代最強のヴァルキリーは伊達じゃないってか!?

 

 

 

「あら、コッチはイッセー君が赤ちゃんの時の写真ですわね。可愛いですわぁ♪」

 

 

「朱乃さんんんーー!そんな潤んだ瞳で俺の写真凝視しないでぇぇ!」

 

 

「ちょっと朱乃!コッチにも赤ちゃんの時のイッセーの写真見せてちょうだい!」

 

 

「あら、リアスちゃん。イッちゃんが赤ちゃんの時の写真はコッチにもいっぱいあるのよ」

 

 

母さんはそう言うと、ダンボールから計3冊のアルバムを取り出した。まさか、アレ全部……

 

 

「ほら、やっぱり赤ちゃんの時が一番可愛いじゃない?それで、どうしても撮りすぎちゃって。ほら、ユリウスの方もあるわよ」

 

 

そして更に4冊のアルバムを取り出して来た。アレも!?

 

 

「ユリウスはやっぱり長男で、初めての子だったから、こんな量になっちゃったのよ」

 

 

「うわぁ、ユリウスさんも赤ちゃんの時は可愛いぃ♪」

 

 

 

あらら、兄さんの方も色々見られてら。

女性陣は俺と兄さんのアルバムを囲んで、自分達の世界に入り込んでしまった。

 

 

「いいご家族じゃないか、イッセー君」

 

 

「木場!お前も見るな!」

 

 

「ははは、いいじゃないかイッセー君。少し羨ましいよ」

 

 

「え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………イッセー君、この写真は?」

 

 

一枚の写真の所で木場の手が止まり、表情がやや曇った。

そして、俺の方にアルバムを見せてきた。

 

 

 

「ん?あー、コレか。これは幼馴染の紫藤イリナって子と撮った写真だな。どうした?少しいつもと違うぞ、お前」

 

 

「……うん、まさかこんな所で巡り会うなんて思わなくてね」

 

 

 

「……本当にどうした?普通の写真だぞ?」

 

 

 

スッと、写真の一部を指差す。そこには、壁に飾られた剣が写っていた。

 

 

「コレがどうかしたか?」

 

 

「これは聖剣だよ、イッセー君。少し話を聞きたいんだけど、この後時間を取ってもらっていいかな?」

 

 

「……ああ、いいぞ」

 

 

俺はその後、木場にその写真は何年前の物か?写真に一緒に写っている人物についてや、今この剣は何処にあるのかなど、様々な事を聞かれた。

俺は正直に全部を答えた。最後に俺の家を後にする木場の表情には影が差していた。

また何かが起こりそうな予感です。

 

 

 

 

――side out

 

 

 

 

――?? side

 

 

ポツポツ………

ザアァァァ……

 

 

「ひゃははは!凄いですわ、この聖剣!モブ神父を一撃でバッサリスッキリ!ほぅら、もう少し楽しませて下さいよ〜、なぁっ!」

 

 

ゴッ!

 

 

「う………ぐ…」

 

 

「ちっ、んだよ。もう壊れやがったんですかい?なら、要は無えから殺っちゃってイイっすよねぇ!?」

 

 

ヒュン!

キィンッ!

 

 

「あぁ!?んだよ、テメェ!?邪魔すんな!」

 

 

「……最近起きていた神父狩りの犯人は君かい?フリード・ゼルセン」

 

 

「んん〜〜?おう!?チミはイッセー君にくっついて来てた、『騎士(ナイト)』くん。悪魔である君がぁ、神聖なる俺様に何の御用でぇ?」

 

 

「……その剣………僕が見間違う筈がない………一体どこで手に入れたんだい?」

 

 

「うしゃしゃしゃ!!そんなん企業秘密に決まってごぜぇます。それにぃ、悪魔祓いである俺様が、悪魔の君に教えるとでもぉ?」

 

 

 

「なら、力尽くでも吐いてもらう!『魔剣創造(ソード・バース)』!」

 

 

「ああ!いいぜいいぜ!俺様の下ろし立てスペシャルウェポンと、君の魔剣どっちが強いか白黒つけようぜぇ!」

 

 

 

 

ギィインッ!

 

 

 

「うひょひょ♪中々やるねぇ、悪魔君!」

 

 

「その剣……エクスカリバー、だろ」

 

 

「ああ!?」

 

 

キイィン!

 

 

「何でテメェがこれを知ってんだ!?」

 

 

 

「それに関係があるからさ。僕はその聖剣を許さない……聖剣エクスカリバーをっ!!」

 

 

 




今回はやや長めでした。


さて、久々登場テンションひゃっほう!なアイツもようやく出せました。

次回は、イリナ達に登場してもらいましょう。




さて、ここで妖精さんについて。
彼らは、「人類は衰退~」から登場させています。彼らもいずれは本編に本格的に関わってきますので、乞うご期待!


ではでは次回またお会いしましょう!
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