ハイスクールD×D ~審判を超えし者~【凍結】 作:メラニン
あとは、猫たちです。はい。
では、どうぞ!
―― 一誠side
…ここは?
不思議な空間だな~、所々が光で満たされて、そして目の前には見たこともない巨大で、赤いドラゴンがいた。
『こうして、顔合わせるのは初だな、相棒』
「もしかして、ドライグ?」
『ああ、他にもいるがな』
そう言うと、僕の周りに4匹のドラゴンが現れた。
一匹は全身が光っていて、かろうじてシルエットが分かる。他にも、頭から後ろへ銀髪(?)の伸びた、体が白とグレーのドラゴン。
あと、体が黒とグレーで、所々に黄色いラインが入ったドラゴンに、全身の鱗が全て鏡のように光り輝く、ドラゴンがいた。
光っているドラゴンが口を開いた。
『やぁ、久しぶりだね。と言っても君の中から外の様子は見ていたんだけどね。君は相変わらず、誰かを救うことに必死みたいだね。君に力を与えて、正しく使ってくれるか少し不安だったんだけど、僕は安心したよ』
『しかし何なのだ、あの様は。我を降した昔の貴様ならあの程度なんともなかったはずだが?』
「ん?ん?えーっと、君たち誰?」
『『『『…………………』』』』
4匹とも黙ってしまった。
『まさか、記憶が… もしかして、あの時の真紅の龍の妨害が原因かな?』
『恐らく、そうなのだろうな。我らの姿が変わっているというのもあるが…
事実、我等の意識がつい先日まで眠っていたのも、アレが原因だろう』
「えーっと、話が見えて来ないんだけど」
『なら、改めて自己紹介しようかな。僕はオリジン。そして、隣の銀髪のドラゴンが――』
『クロノスという。まぁ、元は本体が切り離した力の一部だったのだがな』
『『………』』
最後の、黒いのと、鏡みたいなのは黙ったままだ。
『気にするな、ルドガー。いや、今は兵藤一誠だったか』
『この2匹は、実は元々君の使っていた、力の一部から生まれたんだ。きっと、そこにいるドライグと、ずっと君の中に居たのが原因なんだろうけど。かく言う僕らも、ドライグの龍の気でドラゴンの姿になってしまったしね』
次はドライグが尋ねはじめた。
『俺は、貴様らのようなドラゴンを見たことはないんだが… 一体貴様らは何なのだ?』
『心配無用だよ、ドライグ。少なくとも、敵ではないからね。ただ、ルドガーの…いや、イッセーの記憶が戻ってないのに、色々と語っては本人が混乱するだろうし、まだ彼は幼いからね。もう少し僕らの力を使いこなせるようになったら、話すよ。そこで、黙っている2匹も同様のようだね』
『そうか、相棒に害悪が無いのならば良い』
何か僕だけ、置いてけぼりの気分なんだけど… というか、ルドガーって呼ばれたけど、誰のことかな?あの女の子を助けたときの記憶にそう呼ばれていた人がいたけど… などと思っていると、クロノスが話しかけてきた。
『我と、オリジンの力の扱い方はいずれ、説明する。ただ、我等の力は今の貴様には強大すぎる。もう少し、成長してから使うことだ。 もし力を使うならば先に、あっちの黒いのと、鏡の方にしておけ。あれは、元々貴様の力だ。使い方はもしかしたら、体の方が覚えているかもしれないからな』
「うん、分かったよ。ありがとう、クロノス、オリジン! 皆、これからよろしくね!」
『それはそうと、相棒。そろそろ目を覚ませ。相棒の母や兄、刃紅が心配しているようだぞ』
『そうだね。それにしても、ビズリーの親馬鹿具合と、尻に敷かれている姿は面白いね。あの時からは、想像もつかないよ』
『そうだな。では、それについても話し合おうか、オリジン――』
そうすると、突然視界から5匹が消えて視界には見覚えのある、天井が見えた。
「う~ん、どのくらい時間が経ったんだろう?」
窓の外を見ると、既に日が沈みかけていた。
そんな風にしていると、いきなりドアの外から音が聞こえた。
ダッダッダッダッダッ!…バンッッ!
「イッちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」
「「にゃーん!」」
そうして、僕の部屋に母さんと白音、黒歌が飛び込んできた。
母さんは僕を思いっきり抱きしめ、黒歌と白音は体を僕に擦り付けてくる。
「もう、心配したんだからぁぁ~!」
「なーっ!」
「にゃんっ!」
うっ、心配してくれるのは嬉しいけど、く、苦しい…
「ぷはっ、ごめんなさい母さん。もう心配かけないようにするよ。黒歌と白音もゴメンね」
そう言って、僕は黒歌と白音を撫でた。尻尾をゆらゆら揺らしながら、一層甘えてきた。
「ううん、イッちゃんが無事ならいいの」
暫く、そうした後に一階に降りると
「おっ、起きたかイッセー。2日も寝てたから心配したぞ」
ソファーの上に座っていた、兄さんが手を上げながら話しかけてきた。
「うん、おはよう。2日も僕寝てたの? だから、お腹が凄い減っているのか」
グゥゥゥゥ~、とお腹が鳴った。うん、本当にお腹へった。
「ふふっ、じゃあすぐに用意するから、待っててね」
そう言って、母さんはキッチンに入っていった。
そうすると、リビングのドアが開いた。
「ユリウス、イッセーは――」
「あっ、お帰りなさい。父さん!」
また、いつものように父さんに飛びついた。
「目が覚めたか、イッセー。心配したぞ」
そうして、僕をヒョイっと抱きかかえた。
「うん、さっき起きたんだ。それより父さん、いつもより帰るのが早いね」
「流石の親父も、イッセーが心配だったか?」
「まぁ、そういうことだ。ところで、お前たちに、話があるのだが――」
「できたわよ~。あら、刃紅お帰りなさい」
父さんは少し嘆息しながら、
「まずは、飯にするか。 話はその後だ」
そうして、僕は2日振りの(?)食事にありついた。
―――side out
―――刃紅side
「すぅ~、すぅ~~」
一誠は満腹になったら、そのまま寝てしまった。私たちは苦笑していた。
「しょうがない、初めての実戦の後なのだからな……話はまた明日だ。コーネリア、イッセーを頼む」
妻は頷いて、一誠を抱きかかえてリビングを後にした。それに、白音だけが付いていき、黒歌の方はここに残っている。
「さて、イッセーに付いて行かずに、ここに残ったということは、私に話があるのだろう?――黒歌」
「--?親父、何を―?」
『やっぱり、パパさんは気づいていたみたいね』
そう言うと、黒歌の体が淡い光に包まれたと思ったら、黒い着物を着た少女の姿が現れた。年は一誠と同じか、少し上くらいか?
「今まで正体を隠していて、ごめんなさい。私は猫又の黒歌というにゃん」
後ろで、ユリウスが二刀を構えて、警戒態勢に入っていた。
「警戒を解け、ユリウス。彼女は何もしない。仮に何かしようものなら、私自らが止める」
「…分かったよ。だが、しっかり説明はしてもらう」
「ああ分かった。では黒歌、何故今頃になって正体を明かした?やはり、イッセーが巻き込まれた先日の事件が原因か?」
「それを問われれば、肯定するにゃん。 2日前の事件の発端は私たちにあるから。実は私たちは――」
そう言って、黒歌は自分たちが抱えている事情を話し始めた。
――○●○――
「―――ということにゃん。本当に私たち姉妹を拾ってくれた、ご主人には感謝してる。私と白音の正体に気付いてたのに、この家に住まわせてくれたパパさんとママさんにも感謝しきれない………この家は本当に温かくて心地が良かった。でも、あいつが言っていた内容が本当になってしまったから… だから、あなた達家族にこれ以上の迷惑は掛けたくない。だから、ここを出ていくにゃん」
黒歌は涙を目に溜めながら、そう言ってきた。
――あいつとは、黒歌の話に出てきた悪魔のことだろう。
すると、ユリウスが
「親父、本当にこの子たちを手放すのか? これでは―」
「口を閉じろ、ユリウス。彼女の覚悟は本物だ。彼女がここを出ていくと言うのであれば、私はそれを止めはしない」
「ッ!?親父ッ――」
「だが、保護してくれそうな者を知っている。保護するにしても、それなりの権力と、力を持ち悪魔に顔が利く者でなければならないだろう。人間である私は条件を満たしていないが、■■■社の経営陣の中に今の条件を満たしている悪魔がいる。その者に、交渉してみよう」
「正気か、親父! 相手は悪魔だぞ!しかもよりにもよって、指名手配中の黒歌の方は――」
「大丈夫にゃん、ユリウス。私は白音だけでも保護されれば、それでいいにゃん。私はこれでも、仙術と妖術をある程度は身に着けているから一人で逃げる分には問題ないにゃん。私が心配なのは本当にまだ純粋で、戦う力のない白音の身よ」
その、黒歌の発言にユリウスが食って掛かる。
「本当にそれでいいのかッ!? それではお前と白音は離れ離れに―――」
「もう決めたわ。」
そう言って、決意の籠った眼を私たちに向けてくる。ユリウスも一誠がいる手前、思うところがあるのだろうが、それ以上は言わなかった。
「話は決まったな。イッセーには私から、言って聞かせる。白音のことも、心配するな」
「ありがとにゃん。パパさん…」
「だが、本当に危なくなったときは、こちらを頼れ。お前達は、短い間だったがここの『家族』だったのだからな。 明日その者に引き合わせる」
「分かったにゃん。ホントにありがとね、パパさん…」
そう言って、再び猫の姿に戻った黒歌はリビングを出て行った。
そして、暫くして私はユリウスの方に顔を向けた。
「さて、ユリウス。ドライグの伝言についてだが…
ドライグは確かに、『相棒の中にいる、俺以外の者からの伝言だ』と、言ったのだな?」
「――ああ。確かにそう言った。そして、そいつは『時が来れば、いずれは全てを話す』と伝言を残した」
「ふむ。ということは、やはりイッセーの中にいる者は目覚めたか、目覚めつつあるようだな」
「どういうことだ、親父?」
「イッセーの中に眠る力のことだ。イッセーは恐らく、計5つの神滅具もしくは神器を宿している」
「ッな、俺や親父よりも多いじゃないか。そんなの、悪魔や堕天使に知れたら――」
「だからこそ、一度北欧の方に身を寄せようと思う。さっき、話があると言っただろう。 今言ったことを話そうとしていたのだ」
「…分かった。それで、何時ここを経つんだ?」
「約10日後だ。お前も準備をしておけ」
ユリウスは頷くと、踵を返して出て行った。
――さて、私も交渉の準備をしなければな。
はい、いかがでしたでしょうか?
少し暗かったですね。以後気を付けます。
一誠の中に眠る力は、黒い奴は皆さんも分かるかとは思いますが、鏡の方は分かりにくいですよね。
またいずれ力を、使う時のお楽しみ、ということにしておいて下さい。
さて、序章もあと、一話で終了(予定)です。本編を待ってくだっさている方々、もう暫くお付き合い下さい。
次回は、ジジィを二人登場させる予定です。えぇ、爺ぃです。