ハイスクールD×D ~審判を超えし者~【凍結】 作:メラニン
ただコレ少しうつらうつら、しながら作ったので文法おかしくなってるかも・・・
気になったら、ご指摘下さい。
では、どうぞ!
―― 一誠side
「「「「聖剣計画?」」」」
木場が帰った後に、俺の部屋にオカルト研究部だけが残って話し合っていた。木場の様子について部長がまず口を開いて出てきたワードがそれだった。
「ええ。祐斗は元々教会側の一部の者が秘密裏に行っていた聖剣計画の被験者。聖剣というのは悪魔にとっては兵器と同義よ。触れれば焼かれ、斬られれば浄化され存在そのものが消失してしまう。使い手によっては、最上級悪魔さえも倒してしまう代物よ」
「最上級悪魔でさえもですか!?」
「ええ。けど、それだけ強力な分、聖剣は使い手を選ぶの。強力な聖剣であればあるほど、その使い手は数十年に一人……いえ、数百年に一人しか現れない事もあるそうよ。その使い手を人工的に聖剣と適合できないかを試した計画が聖剣計画。つまり、祐斗は元々教会に属していた人間よ。アーシアと同じようにね」
「木場さんが?」
「ええ、そうよ。ただ、あの子の場合少し状況が違うわね。生まれながらにして、聖剣と適合するためだけに育成された教会の戦士。祐斗以外にもたくさんの被験者が居たらしいわ。全員が毎日繰り返される実験や訓練に耐えた。聖剣に適合するためだけに、必死で。けど、その被験者の子達を待ち受けていたのは『失敗作』という烙印だった」
………なるほど。その結末はなんとなく予想できる。それが『実験』という形で進められていたのなら、失敗作と烙印を押された彼らの結末は――
「………そして、教会側は『失敗作』の『処分』を決定したわ」
「………まぁ、何となく予想できるけど、全員殺されたのね?」
「その通りよ、ミラ。そしてそこから逃げ出し、森で瀕死の状態になっている祐斗と私は出会い、彼を悪魔に転生させたわ。彼の中の憎しみを、いい方向で悪魔としての生に活かして欲しかったから彼を転生させたわ。その時は何に対して憎しみを抱いていたのかは分からなかったけどね」
まったく、どの世界でもロクでもない奴ってのは居るもんだな。反吐がでる。
人を人とも思わず、まるで実験動物じゃないか!
「そんな、木場さんにそんな過去が………」
「……祐斗先輩は、だから今も聖剣が関係すると様子が変わってしまうんです。前にも一度ありましたから」
小猫ちゃんが補足の説明を入れてくれる。皆今の話を聞いて若干暗い表情になっていた。
アーシアなんか少し涙目だ。
「………で?今その聖剣計画とやらはどうなっているの?」
おおう!?ミラの声に怒気が……
なんだかんだ言ってミラは正義感が強いからな。今の話は聞き過ごせないか。
「この計画は教会の内部でも忌み嫌われた計画だったから、今は凍結されて施設も消失してるわ。いえ、消失させられた、という方が正しいのかしら?」
「………させられた?どういう意味よ?」
「祐斗を悪魔に転生させて、数日後に彼は目を覚ましたの。それから、事情を聞いてその施設を訪れたのよ。けど、そこにあったのは全て焼け焦げた施設の跡地だったわ。残っていたのは、施設のほんの僅かな建造物のみ。遺体も何もかも殆どが残っていないほど、徹底的に焼き払われていたわ」
「………アーシアの件といい、教会っていうのは私の神経を逆撫でしかしないわね!」
「ミラ、落ち着けって」
「落ち着いてるわよ!」
あー、ダメだこりゃ……
「はぁ、早とちりしないでちょうだい、ミラ。焼き払ったのは、教会じゃないわ。この施設が焼き払われた事件は『白衣の襲撃者』と呼ばれているそうよ。白い衣服を纏った者が急に現れて、施設内の教会関係者を襲撃後、焼き払ったそうよ。幸運にも、そこを生き延びた関係者の証言らしいわ。まぁ、その関係者も今は裁かれている筈だけど」
『白衣の襲撃者』……
「ふん!いい気味ね。人を救う筈の教会が、人を実験台にしてたんだから当然の報いよ」
「……その『白衣の襲撃者』の行方は?」
「未だに不明よ。生きているのかも、死んだのかも分からないわ」
「んー、何だか不気味ねぇ?正体が分かっていないっていうのは」
黒歌がソファを占領して、横になりながら言った。あーあ、着物にシワがつくだろうに。
「姉様、行儀が悪いです」
「白音達が良すぎるのよん。私は野良生活の方が長かったんだから大目に見てにゃん」
はぁ、この黒猫は……
「とにかく、今日はこれでお開きにしましょう。イッセーの過去も観れたしね♪」
「うっ!忘れかけていた事を……」
そう、俺は過去のアルバムを見られて昔の姿なんかを見られてしまった訳だ。
これが想像以上に恥ずかしくってしょうがなかった!しかも、アルバムの内何枚かの写真は部長たちに渡ってしまったんだ!ああ、どうやって回収しよう……
「うふふ♪イッセー君のこの写真は宝物にさせていただきますわね」
「朱乃さん!?お願いですから返して下さい!」
「あらあら、なら取ってくださるかしら?」
そう言って、朱乃さんは俺の写真を胸の谷間に……
「そんなん、取れるわけ無いじゃないですか!」
「うふふ♪なら、諦めて下さいね」
どうにも、女性陣の方が上手のようで………
にしても、聖剣計画か……
明日あたり木場には話を聞くか。
その日はそれでお開きになり、皆各自の部屋に戻った。
――○●○――
「くぁ〜……んむ……流石にこの時間はまだ暗いな」
昨日から一夜明けて、俺は朝5時前に家を出て、鍛錬をしていた。家の庭でやる前に町の中を走る。なんやかんや言っても、体力は付けておくに越した事は無いから、いつも朝に走ることにしてるんだ。
それに、昨日の話が気になって中々寝付けていなかったというのも、原因だ。
聖剣計画……
そんな計画の被験者だった木場が聖剣を憎む気持ちは分かる。でも、あいつのあんな顔は初めて見た。
出来る事なら、知らないでいた方が良かったかもしれない、と思う程にあいつの過去は重い。
小猫ちゃんが言うには、以前もレプリカだが聖剣を持った、はぐれ
「はぁ……まぁ、今考えても仕方ないか」
『ところで相棒。今日はあの小娘共と一緒でなくていいのか?』
「小娘共ってのは酷くないか?ドライグ」
『そうですよ、ドライグ。まぁ、愛情表現に難ありなのは同意しますけど』
『それにしても、昨日は懐かしいものが出てきたね』
「やめてくれ、オリジン。あれは本当に嫌だったんだから」
『自分の過去を見られるくらい、どうという事はあるまい。何を気にしているのだ?』
「いやいや、結構恥ずかしいんだよ、コレが。クロノスはその辺の人間の心境を勉強しといた方がいいんじゃないか?」
『ほう、この私に言うではないか』
『………主。いつまで走るのだ?』
「ん?そうだな……あと10分もしたら家に戻るよ」
俺は走りながら、ドラゴンズとそんな他愛ない会話をしながら走った。会話しながらでも、これだけ走ってもあまり疲れないって所に悪魔の身体能力の高さを改めて感じるよな。
もう既に30分は走っているが、息ひとつ上がらない。それも、結構な速度を出しいるのにだ。
「あー!イッセー君、久しぶり!ほらね、ゼノヴィア!言った通りでしょ。絶対に朝はトレーニングしてる筈だって」
「分かったよ、イリナ。君の幼馴染自慢は飛行機の中で耳にタコが出来るくらい聞いた」
不意に後ろから声を掛けられて、振り返ると栗毛をツインテールにした俺の幼馴染である、紫藤イリナと、青髪に緑色のメッシュが入った美少女が立っていた。二人とも白いローブを着て、ゼノヴィアと呼ばれていた方は大きい包みを持っている。その包みには十字架をモチーフにしたエンブレムが入っていた。
その包みからは独特の気配を感じる。少し嫌な気配だ。アレは………
オリジン、手筈通り頼むぞ……
『了解だよ』
「おはよう、イッセー君!待っていられなくて会いに来ちゃった」
「えーっと、おはよう。その格好を見ると、本当に教会の正式な
「うん、ありがとう、イッセー君!」
イリナが俺の手を握って、ブンブンと振ってくる。相変わらずのテンションで安心したよ。
俺はそこで、もう一方のゼノヴィアと呼ばれた少女を見る。彼女の方は少し厳しい目つきで俺を見る。
オリジンに頼んで、悪魔の気配を消してもらってるんだけど、何か感じるのか?
「あ〜……イッセー君、大きくなったけどヤッパリ変わんない。側に居ると安心する……
~~~♪~~~♪」
そう言いつつ、俺の胸板の部分に耳を当てて擦り寄ってくるイリナ。これは昔からの癖みたいだ。北欧からコッチに引っ越す前にも空港でやられた。
そして、イリナはあの歌を口ずさんだ。前の世界で俺が消える前に歌ったあの歌を。
「あれ?イリナ、その歌」
「ふふん♪イッセー君が、私が落ち込んでた時に歌ってくれたんだよね!私今でも覚えてるんだから!
あー……本当に安心する………」
そう言ってイリナは一層俺に擦り寄る。
「おーい、イリナ。お前聖職者だろう?コレはダメだろう?」
「うっ……そうだったわ!ああ、主よ罪深い私をお許し下さい、アーメン」
天に向かって祈りを捧げるイリナ。ブルッと身震いしてしまう。まぁ、俺は今悪魔だしなぁ。
「初めまして。私はゼノヴィアという者だ」
「ああ、初めまして。兵藤一誠だ。イッセーでいい」
「そうか。ところで、偶にイリナが口ずさんでいた歌は、元々君が歌ったものだったのか?」
「うーん、なんて言うか………本当は俺じゃないんだけど……
まぁ、古い歌らしいよ」
「ふむ、なるほど………それにしても君がイリナの言っていた自慢の幼馴染か。『教会の
「ああ、教会の事も、天使とかが実在している事も知ってる」
「ほらね!だから言ったでしょ、ゼノヴィア!」
イリナが、フンスと胸を張って自慢する。
「分かったよ、イリナ。で、本来の目的を見失っていないか?」
「わ、分かってるわよ、ゼノヴィア!でもでも、久しぶりの幼馴染との再会なんだし、きっと主もお赦しになるはずだわ!」
「……幼馴染が苦労掛けてるようでスマナイ」
ゼノヴィアは肩を竦めると、まあね、と言って目的を俺に話し始めた。因みに今のやり取りが気に食わなかったのか、イリナはふくれっ面だ。
「君はここら辺の駒王学園という学校を知っているか?」
「……ああ。って言うかそこの生徒だからな」
「なら話が早い。その学校に紅髪をした女子生徒がいる筈なんだ。名前はリアス・グレモリー」
おっと、部長狙いか?けど、相手は教会関係者。俺が悪魔だとバレないように、言葉を選ばないとな。
「ああ、知ってる。あんな派手な髪色の人だからな。で、そのリアス先輩に用があるのか?」
「ああ、そうだ。私たちはある事情でリアス・グレモリーに会わなければならないんだ。そこで、どうだろうか?仲介をお願いしたいのだが」
「ちょっとゼノヴィア!イッセー君を巻き込むつもり!?そんなの許さないわ!」
「………その理由を聞いても?」
「残念ながら、機密事項なので詳細は明かせない」
「ゼノヴィアッ!」
「いいんだ、イリナ。仲介役ぐらいどうって事無い。けど、聞かせてくれ。会いに行って、それでどうするんだ?」
「普通に話すだけだ。と言うより、ある事を依頼したい」
「普通に話すだけね……間違っても暴力沙汰なんかは――」
「大丈夫だ。そんな事は起こさない。神に誓って」
「………分かった、仲介役は引き受けよう。だけど、あと一つ聞いていいか?お前が持ってるその大きな包みは何だ?」
「………教えられない」
「聖剣よ、イッセー君」
「イリナッ!」
「巻き込んでしまうんだもの!これくらいは知る権利あるでしょっ!?」
睨み合うゼノヴィアとイリナだが、ゼノヴィアの方がコッチに向き直って口を開く。
「はぁ……言っておくがこの事は――」
「分かってる。他言無用だろう?」
「ああ、頼む。では、日取りはそうだな……我々も急ぎの身なのでね。今日でも構わないかい?」
「ああ、分かった。じゃあ、話は通しておくから、放課後に校門の前で待っていてくれ。迎えに行く」
「分かった。私たちも話ができればそれでいい。その通りに頼む」
それだけ言って、ゼノヴィアは背を向けて去ろうと歩を進めたが、何かを思い出したように振り返って話しかけてきた。
「イリナ、私は先に行く。何か言いたい事があるなら、言っておいた方がいいのではないか?」
ゼノヴィアはそれだけ言うと、朝靄の中に消えて行った。イリナはハッとなって、俺に向き合って口を開いた。
「あのね、イッセー君。その………イッセー君はイッセー君だよね?」
「……?当たり前だろ?それ以外に何に見えるんだ?」
「ご、ごめんなさい!変な事聞いちゃって!イッセー君が……その………悪魔になったって噂を聞いてたから……
そうだよね!あり得ないもんね!だって、イッセー君からは悪魔の感じはしないし!本当にゴメンね!じゃあ、また放課後に」
イリナもゼノヴィアの後を追うようにして去っていった。
……………辛いな、嘘っていうのは。
『気にすることは無い。我には分からんが貴様にとって、あの娘も大切な存在なのだろう?ならば、それを傷付けない最善の選択だったのではないのか?』
『半分はクロノスに賛成かな。けど、すぐにバレてしまうとは思うけどね。少なくとも、あのゼノヴィアって子は僕が君の気配を消しているのにも関わらず、何かあると感じ取っていたからね。随分勘のいい子みたいだから気を付けた方がいいよ』
ああ、とにかく付いてしまった嘘はしょうがない。コレがどういう結果を産もうが、それを受け入れなきゃならない。それは前の世界で散々学んだ事だからな。
俺は少し沈んだ気持ちで、家に戻った。
――○●○――
「まったく!あなたという子は!何でこう………はぁ、今に始まったわけじゃ無いけど……」
「すいません、部長………まさか、こっちに来ると言っていた幼馴染の目的がまさか、ウチの学校とは思わず……」
「そういう事言ってるんじゃないわよ!ワザワザ敵側の人間との接触を一人で持ったことに怒ってるのよ!何か有ってからじゃ遅いって分かんない訳!?」
「……返す言葉もございません……」
家に帰った後、俺は正座させられて部長&ミラから説教を食らっていた。
しかも、皆が見てる前で!
母さんは真っ先に俺の無事を確認した後は、心配をさせられた事に腹を立てたのか、拗ねてそそくさと朝食の準備中。
兄さんは必死に笑いをこらえながら様子を伺っている。クッソ、腹たつ!
父さんは我関せずといった感じで、テーブルに付いている。
朱乃さんはニコニコフェイスで見守ってるって感じだし。
アーシアと、小猫ちゃんは母さんの手伝いをしながら、心配そうにコッチをチラチラ見てくる。
黒歌はまだ寝ぼけてて、椅子の上で座りながら、半分くらいまだ寝ている。
「部長、ミラ?そろそろ準備をしないと、時間に支障が出ますから、その辺にしておいて差し上げた方が良いのではないですか?」
「はぁ……そうね、朱乃。イッセー?これに懲りたら今後勝手な行動は控えてちょいだい。あなたは私の大事な眷属なのだから」
「はい……」
「………ふん!」
あらら、ミラの方はまだご機嫌斜め?
まぁ、けど今回は素直に反省だな。教会関係者と会うことは分かってたわけなんだし。事前に報せて置かなかったのは俺のミスだ。
俺は正座を解いて、テーブルについた。
「ククク………見事に尻に敷かれてるな、イッセー」
「うっさい!そんな事ない!」
「ははは、それは今のやり取りを見てると無理があるだろう」
「ぐ……兄さんこそ、覚悟しとくんだな!近いうちに、恥ずかしい思いをするかもしれないんだからな!」
「ははは、無い無い」
今のうちに笑っとくがいいさ!兄さんの昔の写真だって、何枚かノヴァさんに持ち帰られてるんだから。
「……まぁ、昔であれば心配したが、今はそこまでの必要は無いだろう。今となってはイッセーも相当な実力を身につけている。大概の敵ならば撃退できるはずだ」
「もう、刃紅!あなたがそんな事を言うから、ユリウスもイッちゃんも無茶をするんです!私の心配もちゃんと分かって下さい!」
「理解はしているつもりだ。ただ、もうそこまでの心配は無用だと言っただけだ。それに男であるならば、多少無茶ぐらいしなければ面白味がない」
ミラと部長、母さんが手を頭に当てて溜息を吐く。
「はぁ……何で、イッセーがこうなったか分かった気がする」
「ええ、そうね、ミラ。お母様の苦労が今なら分かりますわ」
「ありがとう、ミラちゃん、リアスちゃん」
女性陣に悪態を突かれているが、父さんは全く動じていない。
「まぁ、しょうがないだろ、母さん。なんたって、俺たちは『怪物』の異名を獲った親父の子供なんだからな。多少の無茶ぐらいするさ」
「だから、それで心配を――」
「おっと、時間だ。俺は先に出るよ。じゃあ、行ってきます」
兄さんはそそくさとリビングから出て行ってしまった。
「そうか、もうそんな時間か。私も出る。戸締りには気を付けろ」
父さんまで立って行ってしまった。
「もう、二人とも!待ちなさい!」
それに母さんも付いて出て行った。そんなこんなで、今日も朝から騒がしく身支度を整えた。
「っと、そういえば、一応アイツにも知らせておかないとな…………………………………
うん、これで良し。送信っと。さて、行くか」
俺はメールを一件だけ打って、家を出た。
はい、今回はこんな感じです。
出てきた『白衣の襲撃者』・・・
まぁ、この辺はオリジナルです。
そして、刃紅の昔の通り名は『怪物』・・・
一体昔に何したんでしょうかね、この親父・・・
まぁ、ここもいずれは語れればと思っています。
因みに、イリナが歌っていた歌は、『証の歌』
TOX2においてクルスニク一族に伝わっていた古い歌ですね。
特にルドガーにとっては絶対に忘れられない歌です。
まぁ、この辺もその内に・・・
では次回は教会二人組vsオカ研です!
乞うご期待!